兼題 室の花 雑煮 初冨士 席題 雪 |
利孟 水餅をくづして鏡開きかな 炭熾すことより始め雑煮番 初冨士や江戸そこここの富士見坂 室に花あふれ老眼鏡曇る ぼたん雪水面の皺となり消ゆる 武甲 出を待てる初日の楽屋室の花 平らかな年を願ひて雑煮食む 証書筒に誓ひの言葉成人の日 初富士を拝みつ急ぎ出勤す 義春 使はれぬ部屋の机や室の花 藁苞にこぼる妖艶寒牡丹 国よりのの辛口醤油の雑煮かな 初富士とスカイツリーの並び江戸 初雪や赤長靴に兎の絵 |
恵一 エアバスの翼下初富士薄紅に クラッカー吹雪の卓の室の花 巡視船のレーダーかすめ冬かもめ 宇宙飛行士カプセル入りの雑煮食ぶ 比呂志 総持寺の重なる読経淑気満つ よく伸びる出来栄えをめで雑煮食ふ 初富士の稜線天と地を分けて 降り積もる雪を時をり弾く枝 陽当たりの縁に並べて室の花 雨竜 今朝の春ほろほろ一人酔ひにけり めでたさも卒寿の母の炊く雑煮 闇の夜に浮かぶ明かりや花の室 列車待つ間にもホームに雪積もる 大山の天狗初富士寿ほげる |
あやの 八月の水着の美女や新暦 初富士を入れて写真の大家族 ビストロの卓一輪の室の花 元旦は江戸風二日は京風雑煮かな 水琴窟めき雪捨てのマンホール |