第294回四天句会
平成26年2月18日

   
兼題 立春 蕗の薹 蜆汁
席題 伊勢詣り

点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください




  利孟
これ食うてゆけと早や立ち蜆汁
眉覗く丈に髪切り春立つ日
踏み跡に並ぶ星型春の雪
やはらかき餅と焙じ茶伊勢参り
爪の泥までのぬくもり蕗の薹

  比呂志
立春の陽を正面に受け社
春立つや桶を抱へて金春場
蜆汁一杯飲んで出勤す
歩き出す足裏平たく蕗のたう
内宮の空気の清く伊勢参り

  義春
宍道湖の靄に寄る舟蜆汁
立春や雨戸の穴に満つ光
伊勢参り土産の数を数へては 
同郷のおかみの笑顔ふきのたう
日の丸の跳び立つ空や春の雪

  雨竜
講釈と酒を順繰り蜆汁
靴跡の地の果てまでも深雪晴れ
春立つや暦の上に花書きぬ
蕗の薹女子高生の歩く街


  恵一
蕗の薹小川に鮒の跳ねる音
蜆汁吸うて深夜の牛丼屋
耳朶を触れば熱く春立ちぬ
伊勢参りええじゃないかと打ち壊し
片方のブーツ転がる雪野原

  あやの
掌にのるだけ摘みて蕗の薹
蜆汁女優残せし込んだ手帳
夕刊に射す立春の光かな
伊勢講のみやげに貰ひ干蜆
落雪を除けてものの芽確かむる