第340回四天句会
平成29年12月15日
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください
兼題 掛け取り 冬囲ひ 湯豆腐
席題 冬の雨
利孟
冬囲ひ小窓に顔のご本尊
掛取りの留守番電話に残る声
冬晴や海埋め立てて夢の城
湯豆腐や昆布に水を張る土鍋
冬の雨ビニール傘を灯が染めて
あやの
太きマフラーセーラー服の薄き肩
湯豆腐を囲み言葉の毒抜けて
鉢を抱き仕舞ふ盆栽冬構
冬の雨紅の爪掛音軽く
掛取に床屋の匂い仄かなる
比呂志
戸車の高さ整ヘ冬構ヘ
掛取りのスーパーカブの疾走す
もつ鍋の湯気にキャベツの嵩減らす
湯豆腐の出汁に温り浮き上がる
脳天にぽつりぽつりと冬の雨
武甲
冬の雨模試会場の鉄ゲート
掛取や猛犬注意のステッカー
腑に響く太鼓と競ひ冬花火
冬構へ藁で鎧へる蛇口かな
湯豆腐で締める参拝南禅寺
恵一
寄席囃子さだかに聞こえ冬に入る
掛け取りに大家の昇る裏階段
デイケアの車着きをり冬構
湯豆腐や入口狭き京町家
石庭の波にかそけけい冬の雨
義春
学友の逝去の葉書冬の雨
掛取や薄い手提げを抱き抱へ
遊ばうと裾引く吾子や冬構
湯豆腐の湯気立ち上る寺の前
遺したる帽子も共に七福神
雨竜
冬構へ薪積み上げて囲ふ壁
湯豆腐の湯気にうやむや口喧嘩
初雪や告別式の一時間
掛取の足音闇に落ちにけり
冬の雨雨戸の音の夢見かな