第378回四天句会
令和3年3月10日
Zoomリモート句会
点盛り表は、リンクをどこかに埋め込んであります
ご興味のおありの方はお探しください
兼題 春の山 植木市 鴬
席題 春の雨
多聞庵の赤石(令和3年4月撮影)
花の無き苗に花の図植木市
長生きの末に賜ふ死利休の忌
鴬の影息ひそめ歩をゆるめ
枝先に膨らむしづく春の雨
春の山懐に古り苔の寺
義春
植木市根に里の土ひとくゝり
春の山ウェストン碑にホルンの音
春の雨熊野古道の茶屋の跡
初音かな栞を挿して置く新書
雛並ぶ豪商屋敷の奥座敷
あやの
をちこちに淡き紅差す春の山
鴬の声降る墓に聞く読経
植木市とつおいつして果樹一本
ゆらゆらと烟るミモザの雨に揺れ
薔薇の芽のこの一株におびただし
春雨を走る形状記憶シャツ
植木市ご当地切手販売所
みちのくの春の山より魂あふる
鶯や飛鳥の里に水時計
植木市根巻をしかと待つ出荷
虚承
庄屋屋敷の手のひらにのる豆雛
山笑ふ作家デビューの退職日
春深し小鳥はあをき虫咥へ
うぐひすやバックパックを陰干しに
ミルク色白銀色の春の雨
比呂志
花萌す鉢を並べて植木市
銘石の艶めく赤や春の雨
鶯の陰へ陰へと枝渡る
女子高生化粧見事に卒業す
立ち上る露天湯の湯気春の山
いつまでも娘は娘古雛
頃合ひに育ちし苗木植木市
うぐひすの囀りまではほど遠く
よろづ屋が里に一軒春の山
春の雨七尾の母の声遠し