第403回四天句会
令和5年4月11日
Zoomリモート句会
   
兼題 春惜しむ アネモネ 日永
席題 入学



  利孟  
蘆の角揺らし疎水へ引かる水  
春惜しむ硬券切符に鋏受け  
改札機ピヨピヨ鳴かせ新入生  
草むらにランドセル投げ日の永し  
アネモネやネクタイ要らぬ日々を得て  

  比呂志  
七三に髪分けて子の入学す  
アネモネやポットに茶葉の浮き沈み  
一時間針を進めて日永かな  
轟音がガラスを揺らし春の雷  
春惜しむ旅立つ人を見送りて  

  恵一  
永き日の製紙工場けむり凪ぐ  
黄鶴楼にのぼりて春を惜しみけり  
入学の子の枕元服ならべ  
分離帯の赤目槲や日の永き  
咲き乱るアネモネを摘み墓参かな  

  あやの  
ブランチの卵ふはりと春惜しむ    
海光に耀ひ美術館の春  
アネモネの茎奔放にチェコグラス  
六年生に手を繋がれて入学児  
海望む蘇鉄の並木日永かな  

  雨竜  
たらし込み静かに滲む日永かな  
アネモネの赤を重ねて風わたる  
春惜しむライトアップの九段坂  
花吹雪に背なの幼児笑ひゐて  
還暦の学士入学自祝して  

  虚承  
やうやくのスマホのデビュー進学す  
公園に園児のお昼春惜しむ  
三峡を上りて五泊日の永き  
押し葉にとアネモネ貰ひ古本屋  
入学式終えて嵩張る配り物