第402回四天句会
令和5年3月14日
Zoomリモート句会
   
兼題 草餅 水温む 地虫出づ
席題 霾ぐもり 



  利孟  
担ぎ女の籠に重箱よもぎ餅  
飛石で渡る鴨川水ぬるむ  
地虫出づ枯山水の波の間に  
遣唐船発ちたる島や霾ぐもり  
青き踏むブルーシートに荷を置いて  

  あやの  
霾や天地返しの草に木に  
草餅のガラスケースの香に曇る  
昨日無きものが今日には名草の芽  
塞ぎの虫どうやら消えて地虫出づ  
念入りにルート検索水温む  

  虚承  
朽ち崩る百葉箱や地虫出づ  
温む水護岸工事の竣工す  
草餅を売る見習ひの声嗄れて  
霾や車列なす洗車場  
校門を出てもハミング卒業歌  

  比呂志  
嗅ぎまはる犬の鼻先地虫出づ  
よもぎ餅頬張りながら出すスマホ  
水掻きのゆると開い水温む  
深大寺達磨市
満願の吽の目を描き達磨市  
霾の隙無き隙に入り込み  

  雨竜  
蓬餅阿蘇の大地の香りもて  
春一番太平洋の波うねる  
地虫出ず若草山の朝日かげ  
水温む猫は蛇口の水を舐め  
霾晦散歩の犬の唸り声  

  義春  
野水仙岩うつ波の飛沫上げ  
水温む池小魚の影速し  
交はす声弾む山道地虫出づ  
漉し餡の草餅選び鬼刑事  
霾の奥へ長城うねり消ゆ