第416回四天句会
令和5年5月14日
Zoomリモート句会
   
兼題  鯉のぼり 若葉 薄暑
席題 蜜柑の花

東福寺の若葉

  利孟  
衛兵の立銃揺るがざる薄暑    
田の中をたどる参道若葉光  
初燕ひるがへりてはくぐる軒  
川渡す幟の中の吾子の鯉  
椀の蓋とれば香りの花蜜柑  

  恵一  
浚渫船のクレーンひかる薄暑かな  
内海を巡れば香り花蜜柑  
強風に目のりんりんと鯉のぼり  
串刺しに川越す千の鯉のぼり  
新緑のひかりのなかにシャツを干す  

  あやの  
傍らに干さるる産着鯉のぼり  
流鏑馬の人馬の疾駆若葉光  
古書街へ定時の退社夕薄暑  
弟に借りたるヘッセ花蜜柑  
のりものに止まる児の歩新樹光  

  義春  
ごとごとと坊つちやん列車薄暑かな  
花蜜柑匂ふ岬や伊予の海  
竿竹の高さを競ひ鯉のぼり  
山吹の小径にかかり太鼓橋  
観音を包む若葉や写経会  

  虚承  
夏隣ガラクタ市の賑はひて  
ベランダに括り付けられ鯉のぼり  
ペダル踏み越える海道花みかん  
新幹線通過の駅の薄暑かな  
新緑や風受け伸びる葡萄蔓  

  雨竜  
船頭の操る和船鯉のぼり  
躑躅咲く小学校へ続く道  
地下鉄の乗り継ぎ通路薄暑かな  
スタジアムライブツアーや若葉風  
沖をゆく船の小さく花蜜柑