第417回四天句会
令和6年6月4日
Zoomリモート句会
利孟
角曲がる客を見届け梅雨の月
蝸牛ルルドの白きマリア像
横歩きして崖下の石清水
水無月や京都に餅屋上菓子屋
紫陽花や坂の途中の停車場
あやの
でで虫の余所見寄り道かくれんぼ
青葉寒豪商旧居に匂ふ炭
ぬかりなく汲む人の列寺清水
はかなくも捨てきれぬ夢梅雨の月
元の色出し惜しみして七変化
虚承
山寺の溢る傘立て蝸牛
青き葉を畳みて結び山清水
紫陽花の毬に重たき雨しきり
日曜の夜の講座や梅雨の月
アカシアに色を加へて揚羽蝶
恵一
手も服も濡れて紫陽花剪りにけり
登りきて清水の雫首に受け
紫陽花や東京タワーは雨の中
かたつむり小雨にかすむ筑波山
雨雲の切れ目照らして梅雨の月
義春
堂々の羽広げ干す川鵜かな
信玄の進みし山路清水汲む
霧雨に濡れる墓石蝸牛
梅雨の月父に連れられ観し洋画
山寺の蹲踞覆ひ濃紫陽花
雨竜
雨粒の残る葉裏のかたつむり
あぢさゐの寺を巡りて人力車
雷鳴の届くを数へ小学生
大壺に石清水引く山家かな
降り足らぬままに雲切れ梅雨の月