第71回 平成14年5月11・12日
那須吟行
前泊の7人は、山躑躅、八汐躑躅のさかりの高原散歩
背広の岡田さんは、今回の吟行の段取一切をしてくださいました
そして、この日は仕事の合間を縫ってのご参加
句会も終り解散前の全員集合
会田 川島 柏崎 大塚 堀江 三澤 宗匠
へんみ とこゐ 岡田 田中
木の色を空へ吹き上げ青嵐
山襞に雪の残れる朝曇
緑雨して旅の荷物を小作りに
大塚登美子
日の光とけてつつじの真昼かな
愛子内親王御用邸ご滞在
みどり児の五月の牧へ掌を拡ぐ
踏み登る土のやはらか春龍胆
岡田耕
山藤の登りつめたる御空かな
たんぽぽの絮の吹雪の中に入る
筍の身頃一枚づつ脱がす
あめんぼのはじけて壊す水鏡
朝厨水のすがしく夏に入る
風薫る車窓に葉騒広がりて
川島清子
たんぽぽの絮の夜陰に身をちぢむ
湯火照りやコテージへゆく若葉道
影さして藍の色増し春龍胆
那須の山襞に残雪リフト這ふ
緑陰にかわきてくろき矢隠石
田中鴻
新緑のお成り街道疾走す
高原の林の中に風薫る
別荘の締め切る雨戸躑躅燃ゆ
山つつじ那須の五山の肌険し
五月晴券を銜へて高速道
搾りたて牛乳を買ひ五月晴
畦塗りや水面に高層ビル映し
初夏のテラスで食べるそばセット
へんみともこ
水底に影の迷走あめんぼう
錆色の傷花びらに花菖蒲
蘂先にかかりて遊び散り躑躅
清流に沿へる湯治場つつじ燃ゆ
那須の牧那須の里へと春の雨
信号の青き灯暗く那須の春
那須野吹く風のやはらぎ山つつじ
三澤郁子
登りゆくほどにかろやか木の芽風
五月晴風吹き抜けて那須五峰
青葉風峰に雲おく茶臼岳
笹わたる風に吹かれて木の芽摘む
森利孟
田菜の絮ウッドデッキに時過ぎて
倒木の裂け目の音の消えて夏
千年をいぶる火の山紅つつじ
百千鳥朝一便のバスの来て