第169回 平成23年01月23日
おまけ:時間外の追加句会
新年会体と年のことばかり
天井にまた家の乗り嫁が君
梅が香や待ち人来ぬといふ神籤
初寝覚眼鏡どうにも見つからず
片手割りして黄味固き寒卵
聖子
☆生家には抜け穴通ひ嫁が君
○種割れし手品も宜し新年会
○収穫の米を守りて嫁が君
○新年会師は上席に笑むばかり
ヤンキーのすぐ着崩れて新年会
一講
◎大漁旗壁にめぐらし新年会
◎脚で雪掻きて草食む寒立馬
○塗椀の朱の鮮やかに新年会
○渾身の僧の一打や除夜の鐘
○嫁が君一度は見たし富士の夢
◎徒食三日の夜も更けにけり嫁が君
○横腹の理由なき痛み雪催ひ
○朱の盃に金の鶴泛き新年会
○母刀自の顔施いただくお元旦
字ごとに積み様違へどんど焼
良人
◎建て替へし君が生家や嫁が君
○嫁が君背に乗せ黒の招き猫
○はきなれぬ靴ほぐれそむ新年会
○雑居ビルさながら居着く嫁が君
通ふ道おのず定まり嫁が君
芳子
◎袴襞折り目正しき的初め
○うす暗き本殿を駆け嫁が君
○顔ぶれのいささか変り新年会
○子のうたふ唱歌分からず初笑ひ
初射会順に矢を選り決める射座
◎うつつ世に物溢れゐて嫁が君
○隙のなきはずの隙より嫁が君
○新暦夢膨らます日々溢れ
○ビルの影ビルに重なる寒の入り
待春の掌に繰る九十九才の詩集
郁子
◎ぬば玉の忍び装束嫁が君
○舞ひ上る雪降る雪や那須五峰
○生ありと思ふ朝の寒卵
○菖蒲田の枯にかすかな水の音
乾杯のグラス一斉新年会
於した
◎籾殻にさぐる林檎や女正月
○嫁が君厠に飾る花一輪
○五、六個の蕾に値札福寿草
嫁が君子等興じたるゲームにも
少しだけ心華やぐ新年会
◎新年会高めに結ぶ袋帯
○新年会床に大吟醸の樽
煤の香を纏ひ闖入嫁が君
嫁が君来てをり玉の水飲みに
少年や雪消轍を桂馬跳
恵子
◎朝ぼらけ一人囃して打つ薺
○暖簾出てあとはちりぢり新年会
初謡まづ盃を干してより
廃校や笛の音冴えて静かなり
室の中丸々として嫁が君
誠次
○遠き友へ文言葉少なき初メール
○危うげに屋根を伝ひて雪降ろし
○来てもよし姿見せずも嫁が君
○きみまろのDVDに初笑ひ
○新年会十八番の歌で拍手受け
○新年会楊枝袋の恋占ひ
○酒瓶の栓を笑顔で新年会
○牛丼に七味ふりかけ冬ごもり
○ざわめくや機窓大きく雪の富士山
大寒の火色の月に手を合はす
鴻
○冬枯や汽車の煙吐く真岡線
○久闊の友と酌む酒新年会
神棚の重ね餅引く嫁が君
広き田の遠近見える若菜摘み
注連明けて畑に動くトラクター
健
○酒うまし新年会の美酒に酔ふ
うさぎ年跳んでみたいな嫁が君
信念や今年も通す新年会
新年会酒にカラオケ初尽くし
嫁が君スーツ姿はグレー系