第315回 令和5年6月24日 ZOOM
兼題 卯波 虹 ソーダ水




  利孟  
 鍔広の白き帽子やソーダ水  
 夏至の日は暮れずジンギスカン焼けば  
 香水や店員の侍すガラスドア  
 喧騒と紫煙の茶房ソーダ水  
 水撒いて遊ぶ子小さき虹見つけ  
 餡パンと瓶の牛乳ありて夏至  
 卯波寄す浜に禊ぎの島の禰宜  

  信子  
☆雲が好き青空が好きソーダ水  
○ソーダ水嫌いは好きであつた頃  
・卯月波捉へサーファー立上がる  
・夕虹を帰り飛び越す水溜まり  
・ソーダ水大人のぬり絵滲ませて  
・両頬っぺ凹まし戻しソーダ水  
 丹念に返す糠床茄子胡瓜  

  美恵子  
☆栃の木の大葉騒めき驟雨くる  
・窓の雨眺め待つ友ソーダ水  
・大空に龍駈けるごと虹渡る  
・次々と現る虹や島の朝  
・ソーダ水ボーイの黒き蝶ネクタイ  
・クールべの深き緑に卯波立つ  
 卯波立つ核搬入とベラルーシ  

  比呂  
○転びつつ付きゆく子鴨青嵐  
○遠蛙噎せる夫の背をさすり  
○ブッセ詩集に挟まる文や龍の玉  
・売り家札揺れて総立ち松の芯  
・陶枕の唐子囁き目覚めけり  
・海中に虹の踵の消えゆけり  
 降り出して更に卯波の白飛沫  
 おしやべりに熔け出す氷ソーダ水  
 深淵のあなたに鮎の苔濃しと  

  ミヨ  
○古焙炉男両手で揉む新茶  
・陸奥の旅の終はりや桜ん坊  
・藁一本洞に引き込み雀の巣  
・屈まりて大豆蒔く手の藍手甲  
・刈り込んだ茶葉踊り込む大袋  
 神棚の古茶にならべて新茶缶  

  英郷  
・ハルジョオン群れて真白の広野かな  
・白鷺の番田んぼを啄んで  
・薄日さす古里の浜卯波寄す  
・夕間暮れ辰巳の空に虹懸かる  
・ノンちやんは何処へ虹の橋渡り  
・赤い頬緩めて孫のソーダ水  
 葉が茂リアブラムシつく犬走り  
 卯浪たつ海面見詰めてタィタン号  
 儚くも消えゆく虹の夕間暮れ  
 ひーちゃんのくりくりお目々ソーダ水

次回予告
第316回 令和4年7月29日 19時から
兼題  夏休み とうもろこし 盆 滴り