第322回正月句会
令和6年正月20日19時
兼題 七種 水仙 孕み箸 なまはげ
枯れ芝に園児放たれ匍匐して
藁くづを散らしなまはげ荒れ踊る
初乗りの駅改札の電子音
海風に水仙郷の香の乱れ
ひらがなで名を書きやりて孕み箸
出汁の昆布膨れにふくれ薺粥
新しきビルまた一つ初御空
☆雪催ひ銅壺たつぷり湯の沸いて
〇薺うつ音で拍子の囃し唄
〇寒月やあの世この世の橋掛かり
・正論はいつも疎まれ枯れ真菰
・水仙の八方を向き俯ける
・日の射して前の山より斑雪なす
・なまはげの父とは知らず逃げ惑ひ
信子
〇冬深し梁百年の黒光り
〇寄せ鍋の形よく丸め肉団子
〇ありつたけおらびなまはげ声嗄れて
〇寒紅やマスクならひの日々なれど
・手作りの田作黒豆祝箸
・ペダル立ち漕ぐ大寒の登り坂
冬の雲犬の用足す朝の常
〇味噌仕込む土間北窓の薄明かり
〇竹垣の棕櫚縄ほつれ水仙花
・群れ烏見送る夕べ懐手
・初雪に犬は足跡残しゆく
開通の鉄路まぼろし霜柱
大樹もと熊の親子の土手 っ腹
水餅を加へ土鍋の小豆がゆ
美恵子
〇なまはげの神と化すべく四股を踏み
・卓上の鉢の水仙咲き初めて
・新参の嫁なまはげに手を突いて
・祝ひ箸並べ終へれば鳴る時報
・七草のそろはぬままに薺粥
・なまはげやしがみつく子を笑ひ抱き
・祝ひ箸晴着の客のおちよぼ口