お金とは何か2(お金の成り立ちについて考察2)

 

1.「欲望の2重の意味での一致」

分業された社会では、自分が生産する財と自分が欲しい財を交換しなければなりません。例えば野菜を作っている人は、野菜を米や布等と交換しなければなりません。貨幣が介在しない物々交換の世界では、数ある商品の中でも「商品Aを売って商品Bを受け取りたい」人と「商品Bを売って商品Aを受け取りたい」と思っている人が出会わなければなりません。これは「欲望の二重の意味での偶然の一致」と言われています。
 

 

「欲望の二重の意味での偶然の一致」は大変な困難・時間的なコストがかかる訳で、これを回避するために「貨幣」が生まれました。売り手は「欲望が二重の意味で一致する」相手を探す必要は無く、いったん「貨幣」を受け取り、その後自分の欲しいものを物色すればよいのです。
 

2.「交換のための道具」

「貨幣」は交換からうまれた、「交換のための道具(決済・支払手段)」であると言えます。
 

 

前の章での「お金の成り立ち1」とこの章のこれまでの説明は、お金の成り立ちを別の切り口から説明していますが、両者に共通しているのは、「貨幣(お金)」が「民間経済の商取引(交換)」から生まれた「支払・決済・交換のための手段」としている事です。
 


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