音楽家のためのネット利用法
音大生、プロのフリーの音楽家さんの世界が、 私から見ると昭和時代というか20世紀そのままの世界に見えてしまう時があります。
そこで、ここに音楽家の皆様に、インターネットの利用方法について 書いてみます。少しでも参考になれば嬉しく思います。
音大生、プロのフリーの音楽家さんの世界が、 私から見ると昭和時代というか20世紀そのままの世界に見えてしまう時があります。
そこで、ここに音楽家の皆様に、インターネットの利用方法について 書いてみます。少しでも参考になれば嬉しく思います。
名刺にウェブサイトやyoutubeのQRコードを印刷しておくと効果大です。
紙の名刺ではプロフィールやあなたの演奏を聴くことはできません。
代わりにウェブサイトやYOUTUBEのQRコードを貼っておくのです。
ウェブサイトを見れば、あなたの演奏や伝えたいことが全て分かるようにしましょう!
音楽大学に入学したら、いえ、とにかくできるだけ早い時期から 自分のウェブサイトを持ちましょう。素敵なプロフィール写真を載せるのも忘れずに!第一印象は大事!
ウェブサイトを作ったからといって、 すぐに人が見に来るわけではありません。私のウェブサイトも制作してから 三年ほどして、多くの方が見に来てくれるようになりました。もし将来、 音楽家としてやっていきたいのであれば、ウェブサイトを早い時期から持って、 自分の存在を多くの人に知ってもらうようにしましょう。人に自分の存在を 知ってもらわなければ、いくら上手くても仕事が来ません。
SNSだけよりもウェブサイトがあった方がプロっぽいし。ハッタリ大事(笑)
ウェブサイト制作初心者さんは、 スマホ、パソコン、タブレット、どの機器でも見やすいように、シンプルに作るのが良いと思います。
ウェブサイトを簡単に作れる無料サービスがネット上に沢山あります。 パソコンを持っていなくても、スマホでつくれるサービスもあります。
どれでウェブサイトをつくったら良いかわからない?はい、どこも同じです。 とにかく一回作ったらコロコロ引っ越さないこと!。ころころ引っ越してたら、 いつまでも検索上位に行きません。とりあえず下記のものをご紹介しておきます。
私はHTMLで作ってます。理系の私には非常に簡単ですが、 一般の方にはとっつきにくいようで、、、。 興味があったらHTMLの本で勉強してもいいかも。 私は勉強3日で簡単なサイトが作れました。
筆まめな方、文章を書くのが大好きな方、面白い文章を書くのが得意な方は、 ブログやfacebookといったSNSだけでも良いかもしれません・・・が、おそらくほとんどの人は そうではないと思います。そうでない方は、ウェブサイトを作ってそこに プロフィール、音楽教室の案内、連絡用フォームなどを書き、 ブログやfacebook、twitter、instagramなどに 演奏会の案内などを投稿。それぞれリンクさせておくと良いでしょう。 (ブログとウェブサイトの仕組みの違いの話は面倒なので省略)
【ウェブサイト:あまり更新する必要のない内容を書く】
ネット上の名刺のような存在。
【例】プロフィール、受賞歴、音楽教室の案内、SNSへのリンクなど。
ウェブサイトを見ればあなたの音楽活動のすべてが分かるようにしましょう!
【SNS:演奏会のお知らせなど】
Twitter、Instagram、Facebookなどで最新の情報を発信する。
【例】演奏会の案内、電子チケットの案内、チラシの画像、近況報告など。
【youtube:自分の演奏をアピール】
自分の演奏動画をアップして、自分の演奏をアピールしましょう。
名刺にyoutubeチャンネルのQRコードを印刷しておけば、
名刺をもらった人はスマホからあなたの動画を見に行くことができます。宣伝に効果的。
【オンラインショップ】
SUZURIなどを利用してオリジナルグッズを制作・販売したり、
StoresやBaseを利用して自分の音楽アルバムを販売してはいかがでしょう。
電子チケットは、購入するために出かける必要も無く、人に合わずに購入できます。 登録料無料。チケットが売れなければ一円も費用はかかりません。 チケットが売れたら数パーセントほど手数料が取られます。電子チケットを販売する際に、 連絡先(メール、電話、住所など)や氏名を入力してもらうことができます。 演奏会が中止になった場合の連絡や払い戻しもスムーズです(クレジット払いの場合)。 チケット販売ページのQRコードをチラシに張り付けたり、 SNSで販売ページを宣伝すると良いでしょう.
現在いろんな電子チケットサービスがあります。私はsMarketています。 teketはオンライン有料配信のチケットの販売が簡単にできます。これは便利。
2015年から電子チケット販売を行っています。 前日や当日にどどっと駆け込み購入する方が多いです。 電子チケットなら買う方も「当日券あるかなあ?」と心配しなくて良いです。 可能ならば開演ギリギリまで販売するようにしています。
演奏会も通常にもだりつつあります。チラシをプログラムに挟んでもらうというアナログな方法も復活しつつあります。 チラシ配布以外に、有料でネット広告を出す方法もあります。「え?高額なんじゃないの?」「個人で出せるの?」 と不安にお思いかもしれませんが、そんなことはありません。 月数千円から利用でき、思ったより安く、自由度も高いです。
【Googleの広告(2023/04/15)】
宣伝範囲を市町村単位~国単位で設定できます。宣伝の開始も停止も自由に行えます。一か月の上限額を決められます。 最低額は5500円くらい。商品だけでなく、SNSやウェブサイトのリンクを広告にリンクさせて演奏会の宣伝もできます。 最近はあまり効果が無い気がするので使っていません。
【Facebookの広告(2022/03/31)】
宣伝範囲を市町村単位~国単位で設定できます。宣伝の開始も停止も自由に行えます。 欧州の法律の関係で、効果的な宣伝が難しくなりました。今は使っていません。イベントページを作るので十分な気もします。
【Twitterの広告(2023/04/15)】
まだ利用していません。ツイートしまくると、それなりに効果はあるようです。
【Amazonの広告(2023/04/15)】
KDPを利用してamazonで販売している楽譜の宣伝に利用中。一日1ドルから宣伝できます。効果あり
【プレスリリース】
プレスリリースと記者会見は、小さな地方都市では効果があると思います。 小さな地方都市は演奏会も少なく、ニュースネタも少ないので、 新聞やニュース番組で流してもらえる可能性があります。大都市では厳しいかも・・・
プレスリリースを作って、市の市政記者クラブで配ります。 市政記者クラブに連絡すると、「プレスリリースを何部持ってきてください」と教えてくれます。 市政記者クラブは市役所内にあります。市役所に電話して連絡先を教えてもらうと良いと思います。
記者会見をしたい場合、プレスリリースに記者会見の日時場所を書きます。取材してほしい場合は取材可能な日時場所を書いておきましょう。 記者会見、取材の必要が無ければ、イベント内容を簡単にまとめて書いておき、「報道をよろしくお願いいたします」とお願いの言葉を 入れておくと良いでしょう。報道されるかどうかは分かりませんが、ネタがない時なら可能性があるかも?
記者会見は市役所内の市政記者クラブにそれ用の部屋があって、そこで行えます。 (緊急事態宣言中は記者会見は受け付けていないところもあります)
記者会見で記者さんが来てくれるか?取材してくれるか?報道してくれるか?やってみないと分かりません。 長崎市で師匠が演奏会に関する記者会見を行ったときは、テレビ局二社が来たようです。 夕方のニュースで放送されました。
●プレスリリースとは、報道機関向けチラシです。ネットで検索するといろんな業界のプレスリリースを見ることができます。 参考になると思います。
今は亡き叔父が新聞記者でした。「マスコミの人間は横着なんだ。 報道機関に何か宣伝チラシを送るなら封筒はダメだ、空けるの面倒くさがってゴミ箱行きだ。 丁寧な言葉は必要ない。そんなの読まない。ハガキがいい。」 と言っていたので、宣伝チラシを送るならば、透明な封筒かハガキが良いかも・・・(十年前の話ですが・・・)
現在国内販売は「製本直送」と「Amazon KDP」、 海外向けには「Amazon KDP」を利用して教則本販売を行っています。 コロナの時期はAmazonで世界中で教則本を販売することができ、教則本の売り上げで乗り切りました。 現在はアメリカで最も売れており、次いでイギリスと日本、そしてフランス、ドイツ、イタリアなどでもちょこちょこ売れています。
2021年より、Amazon KDPで日本語の紙の書籍を出版できるようになりました! これは革命レベルです!ぜひ利用しましょう!やってみれば思ったよりも簡単です。
日本だけでなく海外でも販売するのがミソ。チェロの教則本なんて、 国内だけでは大して売れませんが、世界で販売すればそこそこ売れます。 一カ国一冊しか売れずとも、十カ国なら10冊です。
出版社を通すとロイヤリティーが10%程度と少ない。 Amazon Kindle Direct Publishing を利用すれば印刷代(日本よりかなり安い!)を差し引いた残りの60%が利益になります!!
【具体的流れ】
楽譜はsibeliusというソフトで作成、wordで原稿を書く→PDFにする→kindleにアカウントを作り、そこに原稿をアップロード→表紙の画像を作りアップロード→価格やその他を設定して販売→Kindleに承認されたら販売開始→注文が入るとKindleが印刷製本して注文者に送ってくれる。→月1回(2カ月遅れ)売り上げが口座に振り込まれる
【注意点】
●楽譜制作ソフトで作った楽譜をwordに張り付けてPDFにした原稿を本にした場合、楽譜の画質が悪くなりました (許容範囲)。
●楽譜制作ソフトで作った楽譜を直接PDFにしたものは美しい仕上がりになりました。
●私はアメリカのAmazon Kindleにアカウントを作って販売しています。理由はアメリカの方が表紙制作アプリが簡単で使いやすかったからです。日本のkindleが提供している表紙制作アプリは面倒くさい・・・。
【製本直送】 は印刷会社が提供するサービス。一冊から本が印刷できます。印刷だけ頼んだり、 ここが提供するオンデマンド販売のサービスを利用して販売することもできます。 販売価格の15%の手数料と印刷代を差し引いた残りが利益になります!!
具体的な販売までの流れはAmazonKindleとほぼ同じです。
【tunecore】
tunecoreを利用して師匠の弦楽四重奏のアルバムをリリースしました。これは便利です!
itune,Apple 、Amazon、Googleなど、世界中の音楽配信サービスで自分の演奏を配信できます。
曲のタイトルの文字数制限や、記述方法にルールが有ります。
クラシックのジャンルが無いので、インストゥルメンタを選びます。
カバーイメージに曲名を入れる場合は、曲のタイトルと同じ記述で全曲を書く必要があります。
作曲家名は作曲家名を書く欄に書きます。審査に出して、
何か問題があれば「修正をお願いします」と連絡が来ますので、何度もやりとりして完成させました。
最初はドキドキでしたが、やってしまえば思ったよりも簡単でした。
これで全世界に自分の音楽を自分自身で配信できます!
音楽が売れたら、配信会社にいくらか手数料を取られますが、売れなければ一円もかかりません。安心です。
tunecore japan
【自分のオンラインショップで販売】
storesやBase
などのオンラインショップサービスで、音楽をダウンロード販売したり、CDを販売できます。
特に音源の審査も無く、tunecoreよりも簡単で始めやすいです。売れなければ手数料は一切かかりません。
制作したCD、楽譜などの商品や、音楽データ、楽譜や本の PDFファイルなどをオンラインショップで販売できます。 BASEやStoresのようなオンラインショップサービスを利用すると良いでしょう。 自分のウェブサイトやSNSに商品販売ページへのリンクを張ると良いですね。 商品が売れなければ一円もお金はかかりません。 売れた場合は販売価格の約数%(3%~5%くらいが多い。ショップによって違う)程度の 手数料を支払えば良いだけです。とても便利です。 音楽のダウンロード販売は、tunecoreのような面倒くさい手続きや審査は無く、 自由度も高く、気楽に始められます。
オンデマンドでオリジナルのグッズを作ってくれるサービスがあります。 マグカップ、ハンカチ、スマホケース、ありとあらゆる商品を制作することができます。 スマホがあれば作ることができ、販売まで行えます。ちなみに私のオリジナル商品の売れ筋は 作曲家の似顔絵のTシャツ
私はGoogleフォームを利用して、ウェブサイトにお問合せフォームを設置しています。 レッスンの問い合わせや、アンケートを取ることもできます。 他にも同様のサービスがありますので、気に入ったものを利用するといいでしょう。 自分のメアドを公開せずに、メッセージを受け取ることができます。
音楽教室を開く前に、近隣の音楽教室をネットを使って調査しました。 レッスン代は?場所は?条件はどうなっているか?ウェブサイトはあるか?など。 ウェブサイトを作って宣伝している教室は非常に少なかったので、 私はウェブサイトをしっかり作りました。 私の地域ではちゃんとウェブサイトを作っている同業者がほとんどいなかったため、 三ヶ月ほどで検索上位になりました。検索上位に来ると何かと有利です。
いろいろ調査して気が付いたのは、宣伝と交通の便がよければ生徒が沢山集まるようです。
なので交通の便が良い市の中心部に部屋を借りて音楽教室を始めることにしました。 自分だけでなく、他の先生方にもレッスンに使ってもらっています。 複数人で部屋を利用して音楽教室を始めれば、家賃負担が少なくなると思います。
たぶん5歳くらいから(はっきり覚えていない)地元で評判の良いピアノの先生に習っていました。 聴音やソルフェージュもみっちりやりました。その後中学でピアノを辞めました。 チェロは1994年から現在までレッスンに通い続けています。日々研鑽です。 音楽祭のマスタークラスにも積極的に参加し、 いろんな先生方の教えを請いました。 音楽理論は数年間個人教授で学びました。 可能な限りレッスンを受け続けたいと思っています。
音大卒ならば問題ないのでしょうが、私はそうじゃなかった。 レッスンに通っているだけでは自分の実力の証明にならないので、英国王立音楽検定を受験し、 チェロの演奏ディプロマと音楽理論の資格を得ました。結構大変でした。ディプロマ試験は、 英国王立音楽院の教授の前で課題曲を35分のリサイタル形式で演奏。70分もの口頭試問。初見演奏、、、 音楽理論は和声の内容だったので作曲科出身の先生に個人レッスンを数年受けて準備しました。 また、作曲した曲のミュージックビデオを制作して数学系国際会議(Bridges、数学者の文化祭とも呼ばれている)で発表、 入賞歴を作りました。
大人になってから趣味で楽器を始めたいと思っている方は、 「自分のような大人の初心者にたいして、音大卒のプロの先生がレッスンしてくれるわけがない、相手にされないだろう」 「ど素人の私がプロの音楽家に習うなんて、恐れ多い・・・」 と考えて尻込みしてしまったり、子供の頃に通ったピアノ教室の先生が怖くてトラウマになっている方もいます。 学生時代に部活で先輩から楽器を習ったり、自己流でやってきた方は「変な癖がついてしまっているから、先生に怒られそうで怖い」 と、音大卒の先生を怖がり、ユルくやってくれそうな音大卒ではない私のところにやって来たりします。こういった方は かなり多いです。
ですから、有名音大を出ていないからと言って、生徒が集まらないわけではないのです。アマチュアの気持ちを理解することが 大事かもしれません。
私のところは趣味でのんびりやりたい人が中心ですが、 趣味でやっているうちに「もっと上手くなりたい」と思うようになることも。 そんな時は、自分よりも上手い先生(音大受験にも対応できる先生)を紹介して 、他の先生にうつってもらっています。鉄は熱いうちに叩け。 少しでも生徒の希望を叶えるのがお仕事だと思っている。 私のところを卒業して、別のふさわしい先生の所に羽ばたいていくのは喜ばしいこと。 「他の先生に生徒を取られるのは嫌」なんてセコイことは考えないようにしている。
趣味でのんびりやりたい方が、音大受験も対応できるビシバシ系の先生に習うのは、 生徒と先生の両方にとって不幸だと思うし、 ガンガン練習して上手くなりたいと思っている方がノンビリ系の先生に習うのももったいない。 生徒の要望に近い先生を紹介してあげるのも先生の仕事の一つだと思う。
2018年から師匠と一緒に教則本作りを行っていました。 コロナの時期は精力的に作成し、2018~2021年に8冊もの教則本を制作。 教則本の制作はコロナ時期の心の支えでもあり、また心強い収入源となってくれました。 コロナ緊急事態宣言は想定外の事態でしたが、制作した教則本たちが頑張ってくれて、 コロナ禍でも収入をもたらしてくれました。日本語版の他に英語版を作っていたため、 amazonを通して世界中に販売できました。