Nゲージ蒸気機関車2026年のメモ>2026.1.24

3Dプリント蒸気機関車10年経過

私が3Dプリンターで作った蒸気機関車が10年目を超え始めました。どのように変化したか、悲惨な壊れ方をしたか…ですが、今この瞬間はそれほど面白いことは起きていません。


D50 2026年現在(2016年造形)

D50 2016年→2026年

初回作です。まだ3Dプリンターは持っておらず、プリントサービスを利用しました。

HD3500部

ボイラー部はProjet 3500 HDMax(インクジェット方式光造形)の高精細アクリルです。デフ表面は造形時の最上面で、独特な模様があります。
この樹脂は細い部分が欠けたり折れたりしやすいものでしたが、全体的には元の形を保っているようです。

DWS028部

キャブ側面やテンダーは、最終的に別なショップの機材(Degitalwax028)で再造形してもらいました。
当時としては滑らかな表面で、今も意外に変形などの不具合は感じません。

3Dプリンタガイド

2015年当時、ネコ・パブリッシングより、「鉄道模型デジタルモデリング 3Dプリンタガイド」という本が出ていました。3D CADソフトのDesignspark Mechanicalを使用して具体的に電車を製作する内容で、私には非常にわかりやすかったです。 蒸気機関車にも応用できそうに見えたので、欲しかったD50をいきなり作り始めました。

D50 Rev.2 2026年現在(2022年造形)

D50 2022年→2026年

D50は2022年にデータを見直しのうえ、自分の3Dプリンターでも造形しました。まだ4年目なので大丈夫ですが、こちらのほうが最初のD50より早くだめになる予感がします。ただ、だめになったらすぐ再造形できますけども。


D60 2026年現在(2016年造形)

D60 2016年→2026年

構成はD50と同じです。2軸従台車も作りました。当時もベテランの方々が電車などの台車を作っていらっしゃいましたから、3Dプリンターで台車を作ることにあまり不安は感じませんでした。

D60先頭部

高精細アクリルは折れやすい素材でしたので、前ステップやデフのステーなどは思いきり太く作りましたが、まだ心配な感じです。今の家庭用光造形プリンターと高靭性の樹脂を使えば、はるかに丈夫にできますから、もう少しスッキリ作れるのですが。

ともかくこのD60も、特に製作当時から見て大きな変化はないようです。


8620 2026年現在(2016年造形)

8620 2016年→2026年

2016年にKATO Nゲージ50周年記念商品のC50が発売されたため、その下廻りとテンダーを利用しました。大きな先輪は3Dプリンターで作ったのでピカピカの動輪と合っていません。

この頃はまだKATOの8620が発売されておらず、D50と並んで最も欲しかった形式でした。

自作 KATO
へたくそで結構無理のある構造だったのですが、意外に壊れていないようです。 こちらは4年後の2020年に発売された有意義なKATO製品です。先にこれが出ていれば作らなかったですね…。

10年経過したものは以上です。セルフ造形ではないので比較的安定しているのかもしれません。もし面白い変化が出ましたら書きます。
その後に造形したものも、見た目の変化は特に感じません。ただ、保存しておいた試作時の失敗品なら、案の定悲惨な結果になったものがありました。この先に書きます。


その他いろいろ

C55輪心・ターンテーブル操作室

D50より前、2015年に造形したものです。C55の輪心はHD3500Maxのアクリル高精細、ターンテーブル操作室はDWS280とPerfactory4です。

いずれもパーツが小さいこともありますが、今も当時の形のままです。見た目以外の性質がどう変わっているかは、わからないのですけども。

この頃使っていたのはAutodesk 123D Designという入門用ソフトでした。

D50ボイラー試験打ち

D50のボイラー部の最初のテスト造形(2016年)です。ディテールはほとんどありません。今でも変形ありませんが使うことはないでしょうね…。

D51ボイラー水洗いプリント

これは少しあとの2019年に、自分のAnycubic Photonと、当時の水洗いレジン(Wanhao製)で造形してみたD51ボイラーです。この頃の水洗いレジンは今ほどよくなかったのですが、7年後の今も造形物はしっかりしています。

D51・9700ボイラーカット

経年変化と関係ありませんが、ボイラーと動力部がうまく合わない時、どこが合わないのかを見つけるために作っているものです。


壊れた例

2022年に作ったC53の製作時、モデル形状が不適切でボツにした部品を保管してありました。その末路を紹介します。

C53ボツ品給水温め器

ボツ例の3Dデータです。デッキ部の下部に給水温め器がありますが、この構造がマズいことに造形後に気づきました。

C53ボツ品給水温め器 断面

データを調べると、やはり内部が中空のまま閉じていました。データ製作中、あとで何とかしようと思って忘れていたのです。これでは硬化しない樹脂が内部に封じ込まれているかもしれません。

C53修正後給水温め器

修正後です。直径3mm程度なので、中まで埋めて硬化させる方法もありますが、中空のまま裏側を切り開いて再造形しました。

C53 2022年→2026年

こちらは修正後の成功品。4年後の現在まで生き残っています。

保管してあったボツ部品のほうは、昨年秋あたりから変化に気づきました。

C53ボツ品

なんじゃあ
こりゃあ

派手に変形しています。

給水温め器に裂け目

裏返してみると、閉じた給水温め器にひびが入っています。

昨年最初に気付いたときはひびはなく、給水温め器が大きくつぶれていたのです。それで周囲のデッキや端梁が巻き込まれて変形したようです。
恐らく年月が経って、内部に封入された樹脂がいよいよ重合を起こし、外形が保てなかったのだろうと思っていました。どこまで潰れるか見ていたのですが…、

内部の樹脂が露出

いくら高靭性の樹脂とはいえ、硬化済の外壁が耐えられず、ついに裂けたのですね。裂け目からは液体の樹脂が滲みています。4年経ってもぺたぺたしていました。あのとき気づかなかったら完成品がこうなっていたわけです。

おもにフィギュアを造形している方から、たまに「ひび割れたことがある」と伺うことがあるのですが、こういうことだったのだなと初めて知りました。確かにフィギュアですと穴を開けたり分割したりしにくいことがあり、こういうことが起きやすいのかもしれません。

ボツ品と採用品

自分で造形している場合は、たとえ気づかずに後年壊れてもまた出し直せばいいですが、プリントサービスなどに依頼して造形する場合は、注文前にデータをよく確かめないとだめですね。間際になるとチェックも面倒くさくなって、「まあ大丈夫だろう」なんてそのまま注文したくなりますが、大丈夫じゃないんですよね…。

今までのボツ品

というわけで今まで作った機関車には今のところ困った変化はありませんでしたが、残っている膨大なボツ品の中にも、まだ意外な変化が出てくるかもしれません。

個人的には、自分で2021〜2023年ころに作ったものが今後危ないと思っています。ちょっとギリギリの作り方をしていましたから。面白いことが起きたら書きますので。

今のところの経験上、あとで変形してくるようなケースは、原因として二次硬化不足が最も多いと思います。そして、二次硬化が十分にできないようなモデルの構造。先ほどのボツ例の中空構造(内部硬化不良)もその一例ですね。


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