足に毛が生える!   L

自宅のリビング・ダイニングにいる。
リビングの床の部分にじかに寝転がると、
天井部分か壁あたりに青い服を着た上半身だけの男性が現れる。

下から見上げる状況であり、幽霊のような雰囲気をもったその男は俳優の「渡辺謙」であった。
空中に浮いている渡辺謙を見ていたら、ダイニングの床に点々と模様が敷かれ始め、
テーブルを囲むように「結界」のようなサークルが描かれている。

立ち上がり、ダイニングに移動しようとすると、ダイニングの壁から足が突き出てくる。
ビニール素材でできているその足はバタバタと動いている。

バタバタするものは本物の女性の足であり、上半身がないことがわかって驚いてしまう。
ほっそりとしたその足は、壁からひもで吊り下げられており、
来客向けに、鑑賞のためのオブジェの役割を果たしているのだと思った。

視線をダイニングへ移すと、私の姉妹がいて、姉が妹をテーブルに連れて行こうとしている。
私には姉妹はいないが、その瞬間は「妹の介護をしている姉」という状況を受け入れている。

妹の足を見ると、みるみるうちに剛毛が生えてきて、毛深い男の足になっている。
結界のサークル内に入らないから、こうなってしまったのだろうと思ったとき目が覚めた。

渡辺謙は、たぶん「ドクター」なのだろうと目を覚ましながら感じていた。
妹の毛深い足という「スキャンダラス」な事態をなんとかしようと登場してくれていた。
何かしら、嫌悪感があり、それを取り除こうとして「結界」という区分が必要だったのだろう。

あれ、妹の足の毛深さは、渡辺謙の足じゃないのかという考えがよぎると、
それじゃ、壁の足のオブジェは、妹の足なのかもしれないと妙に合点がいく自分に気づいた。

※上半身のみの渡辺謙であり、青いオペ衣を身に着けている。
妹の病変は下半身、とくに足に剛毛が生えるという「スキャンダラス」な状況。
上半身と下半身は、もともと一体のものですから、それが分離している状況にあって、
別の組み合わせとなっていることに問題の根があるようだ。
妹の足は「渡辺謙」の足に変化し、本物の妹の足は壁のオブジェとなっている。
本来の組み合わせなら、つまり元通りなら支障は生じていないというメッセージ。
年度末であり、役員の人事の変更が予定されている。
会長が辞任したいという申し出があり、それに対応すべき人選がもめている。
副会長が収拾を図ろうとして、わたしに解決策を求めてきたが、相談にはのらなかった。
わたしが解決するべきではなく、会長が果たすべき役割を果たしていないだけなのだ。

※上半身がまず登場した。だから、下半身である足が出てこなくてはならない。
でも、男の上半身に壁にある女性の足では組み合わせが不自然であるから対象外となった。
とりあえずは見送ったが、どこかでつじつま合わせが必要になる。
そこで、狙いを変更し、ひとひねりを入れて妹の足に剛毛を生えさせるが、
そうなると妹の上半身とは不釣り合いで、やはり不都合が生じてしまう。
すでに気づいているだろうが、妹が副会長で、姉が会長の代替である。
一方でうまくいけば、他方に支障が生じる。
その繰り返しであり、まわり回って…だれに行き当たるのかがテーマなのだ。

※渡辺謙が登場することの意味は、わたしにとって、ふたつある。新会長へのイメージだ。
ひとつめは「頼れる上司・任せて安心な男性」という状況を打開する要素が欲しかったから。
ふたつめは、下半身がないことから、「駆動力」をもたない外部の新規参入をイメージしているから。