手に残る猫のしっぽ       N

大規模プラントの施設を査察している。
水源を管理しているだけでなく、地域の公共施設に危機時の貯蔵物資を提供している。

安全管理が徹底がなされてなく、どこか胡散臭いとの事前情報があって、
その確認のために、表向きの査察とは別に、隠密に施設内部に潜入して調査をしている。

水質の浄化という目的で注入されている薬品のタンクがあって、
その中身を調べていたら、手がただれてくるので驚いてしまう。

基準以上の濃度を使用しているらしい。
不適正な管理と報告書に記入し、次の管理施設へと移動する。

そこは断崖絶壁であり。、ちょうどダムのような景観で、下をのぞき込むと、
途中の段差のところに、太い配管があり、汚泥がたまって、噴き出している。
その排出口に、「浮沈子」がぷかぷかと動いているがみえる。
釣りをするときの「浮き」のようにピクピクと上下に動いている。
しばらく見つめていると動かなくなった。その瞬間、猫のしっぽだとわかった。

汚泥の中に頭をつっこんで、死にそうになっているのか、それとも死んでいるのかと気になった。

はるか下にみえていたはずが、手が届き、猫のしっぽを引き抜くと、
汚泥はするすると流れ出しはじめる。しっぽが手に残り、冷たさが伝わってくる。
猫は汚泥の中に溶けてしまった。溶けた原因は最初の施設の高濃度の薬品にあるはずだ。
公共の福祉をめざすべき施設において、このような不祥事が繰り返されており、
「猫」が犠牲になったのは許されるべきではないと怒りながら報告書に記載している。


※たぶん、これは沖縄で発生した「水難事故」をトリガーとする夢のようだ。
新奇な出来事は夢を誘発します。引き出された関連記憶は「猫の死」だということ。
長く世話をし大切にしていた猫が死ぬ間際にやせ細っていった。
その猫はしっぽがほとんどないタイプで、12年ほど生き、3年前になくなった。
しっぽのない猫なのに、しっぽを残したのはどうしてなのか?
あるものが残らず、ないものが残る…。
それが不条理だからだろう。無念さのみが残る。