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2001 N 89 Min. 劇映画
出演者
Per Christian Ellefsen (Elling)
Sven Nordin
(Kjell Bjarne)
Marit Pia Jacobsen
(Reidun Nordsletten)
Jørgen Langhelle
(Frank Åsli)
Per Christensen
(Alfons Jørgensen)
Hilde Olausson (Gunn)
見た時期:2001年4月
セサミ・ストリートのアーニーとバートを見ているような気分になりました。
タンギーとは事情が違いますが Elling も母親が死ぬまで実家で同居していました。高齢で母親は病死、あるいは自然死。そのため Elling は1人きりになります。世間を全く知らずに中年になっていた Elling は食料品を買うためにスーパーに行くこともできません。スウェーデンのオンブツマンに似たようなケースワーカーが来て、とりあえず精神病院のような施設に収容されます。病気ではありませんが社会に適応して行けないための措置です。暫くして退院しますが、このままではだめだというので、施設で同室だった Kjell と一緒に都会に出てアパート生活を始めます。全て国のおごりです。町のケースワーカー、フランクが来てアパートを整え、生活の仕方を少しずつ教えます。Elling は電話機も扱えない状態です。初めてスーパーに買い物に行った時も大騒ぎになりました。
Elling と Kjell はしょっちゅう喧嘩をしていますが、実はお互いなしには生きて行けないぐらいの友情で結ばれています。日本の人が見ると Kjell には驚くでしょう。やることも考えることも大雑把でほとんど暴力的と言えるぐらいです。ちまたの人がノルマン人に対して持っているイメージをそのまま体現しています。一方 Elling は繊細な神経の持ち主で、文学的才能すらうかがわせるアマチュア詩人です。ですから Kjell のやることについて行けないと文句を言うこともあります。ケースワーカーのフランクは適度に2人を突き放し、適度に援助をし、時にはカッカと怒りながら面倒を見ます。そこへ偶然知り合う酔っ払いの隣人、妻に先立たれてから元気のない詩人などが登場し、話が膨らんで行きます。
主演の2人は同じ話を舞台でも演じて大評判。監督も同じ人です。
ノールウェーでは大評判の有名な話だそうです。ハンブルクに住んでいる Ingvar Ambjørnsen というノールウェイ人の作家が書いた作品が元になっています。原作がコメディーなので「あはは」と笑いながら見ていてかまわないのですが、社会に適応できない人の苦労は現実的に描かれています。非常にまじめな話です。
何年かして映画の続編ができたそうです。まだ Elling のお母さんが生存していた頃のエピソードで、お母さんと一緒に休暇旅行をする話だそうですが、あまりいい評判を聞きませんでした。
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