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2002 F 103 Min. 劇映画
出演者
Catherine Deneuve
(Gaby - マルセルの妻)
Fanny Ardant
(Pierrette - マルセルの愛人)
Emmanuelle Béart
(Louise - 小間使い)
Isabelle Huppert
(Augustine - ガビの姉妹)
Virginie Ledoyen
(Suzan - カテリーヌの姉)
Danielle Darrieux
(ガビとアウグスティーヌの母)
Firmine Richard
(Madame Chanel - 料理人)
Ludivine Sagnier
(Catherine - スザンの妹)
Dominique Lamure
(Marcel - ガビの夫)
見た時期:2002年7月
2002年 ベルリン映画祭参加作品
監督はフランスのフランク・オズなんでしょうかね。おもしろそうな映画でしたが、フランス語が苦手なので中で語られたギャグやジョークは理解できませんでした。もう1度ドイツ語で見ないとだめです。
作り方は典型的な舞台劇風。前世紀の50年代、冬に雪の中に孤立した家の中で殺人事件が起き、8人の女性が容疑者でありまた探偵でもあるという話で、アガサ・クリスティーを意識して作ってあります。しかしまあ上に書いたようなわけで詳しい事は分らなかったので、というか分らなくてもかまわない話なので、と暴言を吐き、先に進みます。
ミステリー・クラブのメンバーだったら半分ぐらい行ったところで「何か変だ」と気付き、ショー・ダウンの予想がつくかも知れません。ま、その辺は皆さんの英知に任せて・・・これはとにかく変な映画です。
フランス映画に疎い私でも名前ぐらいは聞いたことがある大スターが出演して演技を競うかと思いきや、ギャグを競い合ってしまいます。コメディーの才能の無い人たちが寄り集まってコメディーを作ったという感じです。それでもおかしかったのは、50年代の映画そのままの服装、大げさな動作などが期待通りの場所に期待通りに出て来ることと、登場人物の予想を裏切る図々しい主張、行動、はちゃめちゃさのミックスのせいでしょう。
ハリウッドと全然違う味が出ています。年増の美人女優も出ていますが、アメリカと違いプラスティックのように磨き上げた肌ではなく、欧州で見かける自然に年を取った女性たち、多少の皺はこの年では当たり前とばかり皺伸ばしの手術はしていないようです。歯もハリウッドの俳優のように真っ白、ピカピカでなく、普通の人間の歯をしています。
服装は一応50年代風になっているのですが、時たま驚くようなシックな服に出くわします。さすがモードの国。
そして何よりも椅子から落ちるぐらいにびっくりしたのは出演者が突然歌い始めるシーンです。「まさかこの人が歌なんて」と思いながら見ていると、なかなかの上手さ。フランス特有の声の出し方、歌い方があまり好きではないのですが、自分の趣味は引っ込めて、出演者がみなちゃんと歌えるのだということを言わないとフェアではありません。俳優だったら発声の練習はしっかりやっているだろうから、驚く事ではないのかも知れませんが、これだけの人が集まってミュージカルをやり始めるとは思っていませんでした。
大学時代フランス語を取った人は絶対に得をします。何やら私にはわけの分からない事を言い争っているのですが、そこにかなり皮肉や当てこすりが混ざっていて、それが理解できたら、もっと笑えるのではないかと思います。私は登場人物の関係を追っかけるだけで息切れしてしまいました。次から次から衝撃の告白が飛び出します。出演者名、役名の所にもう少し何か書いてもいいのですが、それをやるとネタばれになってしまうので止めておきました。
オゾンの推理物としてはこの後作ったスイミング・プールがいいです。
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