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殺し屋の掟 /
Mr. In-Between

Paul Sarossy

2001 UK 97 Min. 劇映画

出演者

Andrew Howard
(Jon - ヒットマン)

Geraldine O'Rawe
(Cathy - アンディーの妻)

David Calder
(刺青男 - ジョンのボス)

Saeed Jaffrey (Mr. Basmati)

Clive Russell
(Mr. Michaelmas)

Andrew Tiernan (Andy)

Mark Beton (Phil)

Peter Waddington (牧師)

見た時期:2002年8月、ファンタ

2002年 ファンタ参加作品

地味で怖い作品です。怖さはヒットマンが人を殺すところでなく、キャラクターに潜んでいます。

最近乗っているスペインや韓国と違い、英国はコンスタントに底力を保っています。その力が社会をテーマにした作品に注がれることもあり、スリラーになることもあるというという違いだけ。監督がやるぞと言うと、いくらでも俳優は集まって来るような印象です。アメリカ人がアクターズ・スタジオに出かけて行って、メソッド・アクティングなどとやっている間に、英国ではどんどん人が舞台から、テレビから、映画から育って行きます。ドイツ人にも最近はアクターズ・スタジオで勉強する人がいるようですが、1人その道を選ばず、ロンドンに向かったスターがいます。ドイツでは大スターなのですが、ロンドンでは彼女は勉強しながらオーディションに通っています。この人は目の付け所が良かったかも知れません。

さて、この作品に出ている俳優の名前を1度も聞いたことが無いなんていう人がいるかも知れません。1番大作に出ているのが刺青男を演じているデビッド・カルダーでスーパーマン007 に出たことがあります。主演の人たちはまだ出演本数も多くない若手です。

筋はだいたい殺し屋 1 と似ていて、ヒットマンの生活を殺しの仕事もまじえて描いています。1 もちょっと自閉症的な傾向がありますが、殺し屋の掟のジョンもそういう性格です。仕事が上手で報酬を貰っても、人との付き合い方を全然知らないので、自宅にこもっているだけ。その家は家具もほとんど無く、実用オンリー。殺し屋 1 と似て、面倒を見てくれる依頼主、マネージャーのような刺青男がいます。1 とは違い、刺青男はジョンを息子のように可愛がり、時間が余ったら自分の所に呼んで、おごりで一緒にドラッグを注射。こういうのが暗黒社会の思いやりなんでしょうかね。呆れながら見ていました。

ところがそこに思いもかけない事が起きて、ジョンの考え方が変わり始めます。ジョンが変わると都合が悪い人が出て来るのは商売上当然。そこで摩擦が起き始めます。そこからがこの物語のテーマで、壮絶な話に変わって行きます。ガイ・リッチーなどがブラックなユーモアで描いていた世界が、サロッシーの方ではマジで、恐ろしい展開を見せます。日本でも公開されるかもしれないので、ネタをばらすのは何年か経ってからにします。こういうのをハードボイルドというのかも知れませんが、L.A.コンフィデンシャルなどがお子様ランチに見えて来るようなハードさです。

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