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2001 J/HK/Korea 129 Min. 劇映画
出演者
浅野忠信 (垣原 - 安生組)
大森南朋 (1)
塚本晋也 (ジジイ - 1のマネージャー)
Paulyn Sun (カレン)
寺島進 (鈴木)
松尾スズキ (二郎・三郎)
SABU
國村隼
見た時期:2002年8月、ファンタ
日本ではかなり有名な山本英夫の漫画が原作で、その映画化なんだそうです。外国にいるハンディーで全然そういう事情は知りませんでした。映画祭のパンフと見る前に一夜漬で見たインターネットのサイトだけが手がかりで、あとは見てのお楽しみという程度の準備しかできていませんでした。
たかが漫画と思ってバカにしては番狂わせに遭います。かなり神経が太くないと見ていられません。幸いと呼ぶべきなのかは分かりませんが、丁度少し前にハードなアレックスを見ていたので、神経は持ちました。アレックスに比べると殺し屋 1はあくまでも遊びと分かるように作られています。しかし原作を読んでいてげんなりして投げ出したという話、漫画の方が映画よりもっと凄い(ひどい)という話も聞こえて来ています。
撮影する時どうやったのかと考えてしまうようなシーンがあちらこちらにあり、俳優もかなりきつい仕事だったんだなあと思います。筋は日本にいる人の方がずっと良く知っているでしょうから、上辺をかするだけ。
殺し屋 1 というタイトルがついているのですが、最初ブロンドに染めた、映画祭の解説によるとアルビノのやくざが長時間出て来るので、この人が 1 かと考えてしまいました。しかしこの人は 1 とは呼ばれず、垣原と呼ばれていて、暫くすると 1 という人が別にいるのだと分かります。垣原もかなり変わっていますが、やはり 1 の変わりようの方が一枚上手です。ちょっと前に垣原が属している安生組の金を奪った者がおり、組長は行方不明になっています。どうやら 1 の仕業のようです。1 はジジイと呼ばれる人に仕事を依頼され、ただ言われるままにやっています。精神的に葛藤があるようで、殺すたびに 1 は苦しんでいるような、喜んでいるような変な調子です。ジジイは 1 をマインド・コントロールしているようで、ただ金を奪うだけでなく何か大きな目的があるようです。
垣原は金と組長の行方を追い、関係者を捕まえては拷問し、少しずつ真相に近づいて行きます。この垣原がサド兼マゾで、やたら喧嘩の上手い男。みつかると勝ち目はありません。簡単に殺してもらえず、長時間拷問されます。ここがひどく残酷であり、またひどく漫画的で、ここまでをジョークとするか、限界を超えているとするかは見る人の立場で意見が大きく分かれるところでしょう。私もアレックスを見ていなかったらきつい批判をしたかも知れません。唯一慰めになったのは監督がこれは漫画なのだ、遊びなのだとはっきり示している点です。最近の日本の事情を詳しく知らないのでこんなのんきな事を言っていられるのかも知れません。
1 はかつて苛められっ子だったとかで、普通の精神の持ち主ではありません。可愛い坊やの顔と恐ろしい殺人マシンの顔の両方を持っています。暮らし方は恐ろしく地味で、ジジイに利用されているだけ、といった感じがします。ここで思い出すのが殺し屋の掟のヒットマン、ジョン。彼も純粋な面と割り切ってさっさと仕事を終える冷たい面を持ち合わせていて、自閉症的な心理状態です。そしてジョンにも彼を支配するマネージャーがついています。マインド・コントロールをする代わりに一緒になって麻薬をやっています。ヒットマンなどという職業の人と知り合う機会はこれまでなかったので実際がどういうものなのかは分かりませんが、レオンでジョン・レノーが演じていたヒットマンもどことなく似たパターンでした。
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