映画のページ
記事を読んだ時期:2002年10月
Mein letzter Film は見ていて何だか変だなあという感じの作品でしたが、最近そのわけが分かりました。あまりベルリンやドイツの芸能界の様子を即時情報で追いかけていないので、私の耳にそういう話が入って来るのは偶然と思って下さい。
Die Unberührbare を見た時は、監督の強い意思に沿ってベテラン俳優がしっかりした演技を見せたという印象だったのですが(素人の言う事なのであまりあてにしないで下さい)、Mein letzter Film では主演女優が周囲を振り回しているような感じがしました。これまた素人の言う事ですからあてにしては行けませんが、映画を見ただけの主観で話しています。
ハンネローレ・エルスナーがどういう人かという事を全然知りませんでした。ベテラン、大女優、数々の賞を貰っている、この程度の噂がチラッと耳に入ったのも Mein letzter Film を見た後。結婚していたのか、子供がいるのかも知りませんでした。
結婚していたことはあったようです。子供もどうやら1人いたようです。そして貰った賞は Mein letzter Film に出て来た話と変わらないぐらい多いようです。ですからあの映画で彼女の横顔が主演のマリーにダブるのは当然。
それ以上の私生活は最近ある待合室に置いてあった芸能雑誌を見て知りました。何とあの若さですが、60歳を越えているようです。40、無理をすれば30代後半でも通ります。特に肌と髪の具合が若々しいです。そして最近までずっと仲良くしていた大学の文学の教授がいたんだそうです。「これと言った原因も無いまま1年ほど前に別れた切り彼女から何の音沙汰も無い、自分は戸惑っている」という事を教授が言ったとか言わないとか。そして、エルスナーはこれまでも大恋愛をして、恋が冷めたらきっぱり別れているのだそうです。贅沢な人間関係で生きて行ける環境にいるのでしょう。元恋人、夫の中には有名な映画監督も名を連ねています。恋が戦いかどうかは分かりませんが輝かしい戦歴。
この人が雑誌が書いているような生き方をして来たのだとすると、Mein letzter Film は演技だったんだろうか、地だったんだろうかという疑問・・・。マリーが言いたいだけ言ってしまって、出て行こうとするところで、彼女の顔によぎる不安と空虚さ・・・。マリーの人生は誕生から死まで連続して流れる川のような物ではなく、流れてもおらず、列車のように連結もしていない、それ1つで存在し内部で完結してしまう何か・・・。Many questions - no answer. とかつて早野凡平が言っていました。私にもたくさん疑問がわいて来ましたが、答は見つかりませんでした。時々自分の人生をスクリーンで演じる俳優というのがいます。あまりいい趣味には思えませんが、それで商売が成立することもあるので、あまり文句も言わず見ています。ベテランの大女優ならこういう時 No need to answer. の一言で充分。
こちらは以前に演じた役も知らず、見たのは上に挙げた2本だけ。それでも観客に多くの感情を起こさせるだけの力がある・・・さすがドイツを代表する大女優。
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