テレビのページ
1966-1973 USA @60 Min. TV
出演者
Bob Johnson
(大平透 - 「おはようブリッグス君」)
Steven Hill
(Daniel Briggs - 初代チーフ)
Peter Graves
(Jim Phelps - 2代目チーフ)
Martin Landau
(Rollin Hand - 手品師)
Barbara Bain
(Cinnamon Carter - ファッション・モデル)
Greg Morris
(Barney Collier - 電子工学、技術関係担当)
Peter Lupus
(Willy Armitage - 力持ち)
Leonard Nimoy
(Paris - ランドウの後釜)
Lesley Ann Warren
(Dana Lambert)
Barbara Anderson
(Mimi Davis - 鬼警部アイアンサイドの助手を辞めてからの新しい就職先がこのチーム)
見た時期:日本の公開当時
時々スポーツをしに行く場所には四六時中ビデオが流れています。たいていは今ヒット中の歌手のビデオですが、時々テレビドラマを流しています。お金を払うとイヤホーンが借りられ、ドラマの音声を聞きながらトレーニングすることができます。元々テレビとは縁のない方で、そこでドラマが映っていても気にもしないのですが、先日口のやたら大きい男が映っていました。そうです、マーチン・ランドウ。そしてちょっと画面が変わったら銀髪の二枚目ピーター・グレーブスが映りました。私は口をあんぐりあけて見とれていました。あの懐かしいスパイ大作戦です。どういう処理をしたのか分かりませんが、画面は非常にきれいで、古臭さもなく、どこかの悪者が「おはよう、フェルプス君」のティームにころっと騙され、悪企みが失敗するところでした。いつも同じ設定で、いつも同じ結末。この作品には音声は必要ありません。私はただただティーム・メンバーの若い頃の姿に見惚れていました。
私はマーチン・ランドウのファンで、
・ クレオパトラ
・ Nevada Smith
・ スパイ大作戦 (TV)
・ Mission Impossible Versus the Mob
・ エド・ウッド
・ EdTV
・ スリーピー・ホロウ
を見ています。60年代から30年間が空いて90年代に飛ぶのですが、途中70年代まではどこかのテレビでチラッと見たこともあり、1つ1つ細かくは覚えていません。 かなりの数のテレビに出演しているということで、
・ ガン・スモーク
・ マーベリック(TV)
・ ローハイド
・ ミステリーゾーン
・ アウターリミッツ
・ アンタッチャブル(TV)
・ ボナンザ
・ ライフルマン
・ ヒッチコック劇場
・ ミスター・ノヴァック
・ 0011ナポレオン・ソロ
・ それゆけスマート(TV)
など当時の一流番組にほとんど顔を出しています。半分ぐらいの番組は私も毎週見ていたので、これがランドウだと気付かずに見ていたはずです。万年B級のレッテルを貼られていたこともあるようです。しかしクレオパトラなどという大作にもちゃんと顔を出していますし、上のリストのようなゲスト出演ばかりでなくレギュラーのテレビ・シリーズもいくつか持っていたことがあります。というわけですので落ちぶれた麻薬中毒の往年のスターという役でもオスカーを貰えたのは良かったと思いました。実在の人物ベラ・ルゴシと言えば役としても一流ですし、私はこの受賞は「ランドウの長年の芸能界への貢献をたたえて」と考えています。
ランドウと、30年以上結婚していた元奥さんのバーバラ・ベインは、このシリーズのマンネリさが受けてまだヒットしている最中にローランとシナモンの役を降りました。当時雑誌に「今はもう東だ西だと言っている時代ではないというのが降りた理由だ」と書かれていました。キッシンジャーなどが活躍してデタントに入るのは70年代。71年に秘密裏に中国訪問、72年がニクソンの公式訪問と条約ですが、スパイらしく一足先に、将来の傾向を読んでいたのでしょうか。
彼女が降りて入れ代わり替わりに意外な人が入っています。1人はレスリー・アン・ウォレン。この人は子供向け、家族向けの作品で見たような気がしていたので、大人向けのテレビに出て来てびっくりしました。
次に驚いたのはバーバラ・アンダーソン。鬼警部アイアンサイドのイヴです。この人が「おはよう、フェルプス君」のチームに入ったのはあまりはっきり覚えていません。鬼警部アイアンサイドの時の印象が強過ぎたのと、シリーズの最後の方だったためかも知れません。ランドウ、ベイン夫妻が降りてから番組は華を失ったような感じでした。
とは言うもののランドウの替わりに入って来たのはレオナード・ニーモイ。その後の2人の運命はおもしろいです。私はトレッキアンではないのですが、ドイツではスタートレックは恐ろしく受けていて、今でも宗教のように崇めている人がたくさんいます。あのドクター・スポックは実は雇われスパイだったんですね。と言うか、私はニーモイと言えばランドウの後継者という意識の方が強かったです。この2人にはおもしろい因縁があり、スタートレック出演の話はランドウに回ってから、ニーモイに回ったのだそうです。もしニーモイがスポック博士を断わっていたら、スタートレックはここまで大発展しなかっただろうと思う一方、ランドウが役を引き受けていたら、ランドウにはオスカー・ノミネーション3回、そして受賞は無かっただろうと思え、運命はどうやら2人にそれぞれベストに動いたようです。
ピーター・グレーブスはこの2人に比べると地味ですが、それでもなかなか捨ててはおけません。恐ろしい数のテレビ出演があるそうですが、これは私はほとんど全部パス。最近見た作品に自分自身の役で出ていました。
・ メン・イン・ブラック 2
・ TATARI
さて、日本では私を含め少数の人が気の毒だと思っていたのが元のチーフのスティーヴン・ヒル。この人は最初「おはよう、ブリッグス君」で登場したのですが、じき首。理由が「顔に表情が無い」という不可解なもの。CIA や MIB にも属さない嘱託のスパイ・チーム(民営化のさきがけ)となると、公に口にできないやばい仕事をやるわけで、そういう仕事の経験者としては無表情な方がリアルと思った人もいたのですが、アメリカ人はそういう場合でも人情味ある表情豊かな人物を望むのだそうで、あっけなく首です。 ですからスパイ大作戦のレギュラー・メンバーとして写真に映っているのは銀髪のピーター・グレーブス。確かに黒い髪のスティーヴン・ヒルより銀髪のグレーブスがブロンドのバーバラ・ベイン、黒い髪の他3人と一緒にいる方が写真映りはいいですが、ショー・ビジネスはシビアーな世界です。運が悪かったようですが、まあその後 Yentl に出演しています。テレビ出演では逃亡者、ローハイド、ヒッチコック劇場、裸の町、ベン・ケーシー、 ドクター・キルディア、アンタッチャブル、ルート66 他かなり有名な番組に顔を出しています。日本で知名度の高いシリーズという点では、スティーヴン・ヒルが出た物の方がピーター・グレーブスが出た物より有名な番組が多かったようです。
残った2人のうち、アフリカ系アメリカ人のグレッグ・モーリスはアフリカ系の人が知的な役を演じる最先端を行った時期に当たっています。鬼警部アイアンサイドでも不良だった若者が最初アイアンサイドの看護人として拾われ、夜学に行き、やがて警官として活躍するという役にどんどん変わって行った時代で、これまでのステレオ・タイプのような低い地位から脱して行く良い例でした。グレッグ・モーリスは知的な顔で、番組中でも暴力を使うことはほとんど無く、拳銃さえも撃ちませんでした。もっぱら電子計算機や小型装置などで勝負していました。
代わりにそれほど知的でない役をもらったのが力持ちのピーター・ルーパス。ウエイトリフティングかレスリング選手のような出で立ちで、重い物を持ち上げる役ばかりでした。それでも個性があったのは、あまり口を利かず、作戦をしっかり理解して黙々と働く姿勢でしょう。彼の役はその後も多くの映画に引き継がれ、こういう混成メンバーで何かやらかす時力持ちが1人入っているというケースがあります。
この番組を思いついたのはブルース・ゲラーという人で、監督もやっていたと記憶しています。反共の姿勢があまりにもステレオ・タイプ、最初見ていて「こんなにワンパターンで良いんだろうか」と思いましたが、それでも私を魅了したのは、暴力を使うシーンがほとんど無く、頭脳作戦がほとんど、ペテン師のような事はやるけれど、銃を使うのは最後に罠に引っかかった相手が自殺をする時だけ、それも血痕などは見せないで、音が聞こえるだけという、今までと全く違うコンセプトのためでしょう。ワンパターンでありながらユニークな番組でした。ですからトム・クルーズのリメイクを見た時はがっかりしました。音楽以外は全部変えてあると言って良いほど元の面影はありませんでした。誰かもう1度初心に帰ってリメイクをしてくれないでしょうか。
この後どこへいきますか? 次の記事へ 前の記事へ 目次 映画のリスト 映画一般の話題 映画以外の話題 暴走機関車映画の表紙 暴走機関車のホームページ