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ハイテンション /
Haute tension/
High tension

Alexandre Aja

2003 F 85 Min. 劇映画

出演者

Cécile De France
(Marie - 女学生)

Maïwenn Le Besco
(Alex - 女学生、マリーの親友)

Philippe Nahon
(職人)

Franck Khalfoun
(Jimmy)

Andrei Finti
(アレックスの父親)

Oana Pellea
(アレックスの母親)

Marco Claudiu Pascu
(Tom)

Jean-Claude de Goros
(土地の警察署長)

Bogdan Uritescu
(土地の警察官)

Gabriel Spahiu
(車の男)

見た時期:2004年8月

2004年 ファンタ参加作品

ストーリーの説明あり

このページを読む限りは決定的なネタばれはありませんが・・・

日本でも公開されますが、あまりの凄さに、テンションを弱めたバージョンで公開なのだそうです。著名な映画評論家が40分経ったところで、あまりの事に席を立ったとの話もあるぐらいです。

しかしですよ、最初の40分を見てしまったら、もうそれ以上怖い事は無いと思うんですけれどねえ。「あらー、こんな事するの?」と驚くのは前半です。「あらー、こんな解決なの?」と驚くのが結末。

ですから、見るのを止めるのは難しい。決心は見る前にどうぞ。

(2006年8月)

タイトルがハイ・テンションHaute tension)というだけではなく、本当に物凄い気合が入っています。出演者はご覧のように少なく、その中でも中心になるのはほぼ3人だけ。舞台は田舎の家庭。特殊効果、特殊な音響などは全然使われていません。それでこれだけのテンションを保てるというのは凄い。

とにかく怖い怖い怖い話です。淀長さんが「怖いですねえ」と言ったぐらいでは足りません。

まずは話の発端から。うら若き女学生2人。親友で共に間もなく試験をひかえ、一緒に勉強しようという話になります。都会から、アレックスの郷里に車でやって来ます。アレックスの両親が迎えてくれ、この家でこれから暫く、休養を取りながら試験のための勉強をしようという計画です。こういう話はドイツでもよくあり、私も知り合いの家に遊びに行ったりしたことがあります。フランスでは何事もパリに集中しているので、田舎から出て来て大学へ通うというケースは珍しくありません。ドイツは連邦制度が強いのでそれほど首都にすべてが集中することはありませんが、ベルリンに住んでいると、学生のかなりのパーセントが地方出身で、夏休みやイースター、クリスマスに郷里へ戻る人が多いです。そういう時に友達も連れて行くということは大いにあり得ます。この辺の描かれ方はドイツと照らし合わせても普通だという感じがします。家族の描かれ方も普通という感じです。

2人が到着したのはもう暗くなってから。それで両親は軽く挨拶をすると、眠ってしまいます。マリーとアレックスもそれぞれ自分の部屋に引っ込み、眠り始めます。ところがマリーは妙な気配を感じます。

何が起きているかと言うと・・・

アレックスでモニカ・ベルッチにひどい事をしたおやじの登場。ハイテンションの主人公の名前がアレックスというからと言って、それはアレックスとは関係ありません。よくある名前です。このおやじが家族を皆殺しにしているのです。粗暴なことときたら・・・。想像を絶するような無茶をやります。アレックスのお父さんを片付けた方法には呆気に取られました。アレックスのお母さんの殺し方は日本人なら特にひどくショックを受ける方法。先日長崎で起きた小学生クラスメート殺人事件にそっくりなのです。あの新聞記者のお父さんが気の毒で私は暫く言葉もありませんでしたが、アレックスのお母さんの最後はあの事件でショックを受けた人には絶対に見せられるものではありません。

このおやじ、人を殺すことをへとも思っていないばかりか、やたら実行力があり、尋常の神経ではありません。どこまでやるか分からない上、妙に頭が良く、夜の間にやる事だけやって、明け方には車でトンズラしてしまうだろうというのが見え見えで恐ろしいのです。野獣に人間の賢さを合わせたようなものです。野獣の欲望を持ち、人間の知恵をフル回転で使っています。ですから次の犠牲者を探す時も悠々としているのです。先日日本では異常な迅速さで大阪の小学生殺しの男の死刑が執行されましたが、確信犯という意味ではあの男に匹敵。しかしこちらの犯人は始終無言。あの男のように人生にやけくそになっているという風でも無く、自分のやりたい事をやりたいようにやり、沈黙。殺人犯に沈黙されると怖さは二乗。

おやじの職業は職人らしく、バンのような車を持っています。その中に恐怖に怯えるアレックスを閉じ込めています。その様子に気付いたマリーは自分が助かる方法を探すだけではなく、アレックス救出についても考えなければなりません。守備良くアレックスの閉じ込められている車に乗り込みますが、おやじは2人を乗せたままアレックスの家を離れ、どこかへ走って行きます。

ちょうどガソリン・スタンドに来たので、マリーはそこで助けを求めようと試みますが、失敗。スタンドの従業員が凶弾に倒れます。アレックスを拉致したままおやじはガソリン・スタンドを離れます。マリーは2人をその辺にあった車で追いかけ始めます。やがて男に気付かれ、対決に・・・。

というはずでしたが、ここで話はがらっと方向転換。ネタはここでばらさず、別なページに書きます。

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