映画のページ

オーロラ姫 /
Orora gongju /
Princess Aurora

方銀珍/Bang Eun-jin

2005 Korea 106 Min. 劇映画

出演者

文盛瑾/
Mun Seong-kun
(オ・ソンホ - 刑事)

厳正化/
Eom Jeong-hwa
(チョン・スンジョン - オ・ソンホの元妻)

Choi Jong-won
(部長刑事)

Kwon Oh-jung
(チョン - 刑事)

Yu Hye-jeong
(ペ・ヨニ - 女の子の母親、被害者)

Hyeon Yeong
(チェ・シノク - ブティック経営者、被害者)

Kim Yong-geon
(ナ・ジェグン - 結婚式場主、被害者)

キム・イクテ
(パク・タルス - タクシー運転手、被害者)

Park Hyo-jun
(チャン・ミョンギル - 焼肉店主、被害者)

Kwang-jung Park
(検視官)

Eun-pyo Jeong
(錠前屋)

見た時期:2006年8月

2006年 ファンタ参加作品

今年の(も)韓国映画は気合が入っていましたが、その中でも特に真面目に作ってあり、見終わって妙に納得してしまう作品でした。一応捜査とか推理も楽しめる犯罪物なのですが、プロットがよく練ってあり、結末は長年多数の推理小説を読み、映画を見て来た私でも見通せませんでした。

ラインアップで良さそうな韓国作品を数本見た時、オーロラ姫は子供っぽいテーマか、子供向きのアニメかなどと予想をしました。しかしこのタイトルは主人公にちなんでつけられたものではありませんでした。連続殺人犯が現場に残して行く名刺のような役目を果たしているのです。「この殺人の犯人は俺だ、他の奴じゃない」と捜査当局にはっきり分からせたかったのです。そこで使われたのがオーロラ姫という漫画のシール。

ネタばれしない程度にストーリーの説明。

連続殺人が5件ほど起きます。まだ幼い継子をしゃれたデパートのトイレで苛めるわがままな母親、ブティック経営者、 店で傲慢な振舞いをする男などが殺され、現場にはオーロラ姫のシールが残されていました。シールさえなければ共通項が見つからないような事件でした。

殺人事件の数が増えるに連れ、担当ティームの刑事の1人が考え込み始めます。彼は娘を亡くし、その後妻との間がギクシャクして、離婚していました。現在はキリスト教に帰依しています。韓国のキリスト教人口を考えると、日本でスランプに陥ったタレントが仏門に入るのと似たような事なのかも知れません。数人目の被害者の調査をしていた時に発見されたのが、その刑事の死んだ娘の歌声が吹き込まれた録音。

戸惑い、悩みながらも彼は自分に近い所に犯人がいるとの結論を出さざるを得なくなります。犯人を追い詰め、捜査はクライマックスに達したかと思われるのですが、その後にまだ同じぐらいインパクトのある意外な展開が用意されていて、事件はまだ続いて行く・・・という、一般の犯罪映画より凝った作りになっています。

結構長い作品なので、もう少し詳しい説明をしてもいいのですが、それをやると犯人、動機、方法などがばれてしまい、興醒めになってしまうかと思われるので、別なページに書きます。どうしても見る前にばらしてもらいたいという方はこちらへ

韓国映画には詳しくないため、顔と名前が一致するのは有名なペ氏(彼が出ている作品はまだ見たことがありません)とハン・ソッキュぐらい。顔だけ一応覚えているのが殺人の追憶の主演の刑事。お粗末な知識です。しかし見た作品の数は徐々に増えて来ました。おもしろい作品が多いです。ほとんどが犯罪映画で、SFがいくらか混ざっています。犯罪映画は他の国の作品と比べても見劣りせず、緊張感の漂うものが結構あります。その中でもオーロラ姫は高レベル。

オーロラ姫が成功したのは、プロットが複雑ではないのに予想が難しいことと、主演俳優2人の人選が良かったからではないかと思います。男性と女性では感性が違い、同じ出来事にかつては夫婦だった2人が異なった反応を示すことが多いですが、それを対照的に表現することに成功しています。監督が女性なために出ている特徴もあります。

日本の作品だけでなく、韓国の作品も最近ではハリウッドでリメイクされることがあるようですが、オーロラ姫はリメイクする必要がないぐらい完成しています。舞台が韓国でなければ行けないという理由はないので、やってしまうかも知れませんが。

この後どこへいきますか?     次の記事へ     前の記事へ     目次     映画のリスト     映画以外の話題     暴走機関車映画の表紙     暴走機関車のホームページ