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参加作品
更新中
開催予定:2006年8月
本年度のファンタ、無事終了しました。今年は例年より25%ほど観客が多かったそうです。目立った変化は、新人監督オンパレードだった点。12本については今年初めて観客による人気投票を行いました。ドイツの学校の成績と同じ方式で 1 から 6 までのどれかを選びます。ドイツでは 1 が《1番いい》という意味で最高点。選ばれた作品は
(2006年8月16日)
今年のファンタは意味も無く人を殺す作品、えぐく人を苦しめたり拷問する作品が消え、ソウあたりから目立つようになった傾向に方向転換が生じたという印象です。
国別に見ると、英語圏中心という傾向は今年も押さえてあり、フランス語、スペイン語の作品がある程度の数をキープしていたのと、数は少なくてもポルトガル、ベネズエラとかタイを加えるなど、できるだけ紹介範囲を増やそうとの努力が続いています。
アジアでは韓国がダントツで佳作をぞろぞろ持ち込んでいました。日本や中国がファンタに向く作品を増産していないことも原因かと思いますが、香港からの犯罪映画参加が少し後退したように思えます。
日本は去年量、質共に良かったですが、2年おき、3年おきに出すというのなら別にそれは構わないと思います。おもしろいテレビの犯罪シリーズは劇場映画のフェスティバルには出しにくく、競争するメディアが違います。日本が犯罪ドラマ制作から後退していないことはあまり知られていません。私の目には日本の最近の犯罪ドラマ・シリーズは好調に思えます。
ドイツでは「日本はリングや呪怨などでがんばっている」というのが定説で、マジで私の顔を見て誉めてくれる人もいます。私が作ったわけではないのですが。
個人として今年のファンタで好感を持ったのは、はっきり新人監督に力を入れていたところ。ファンタでは常連の有名監督をごそっとはずし、デビュー監督や、2作目、3作目の監督を大量に入れていました。これらの有名監督無しには、現在のファンタは考えられないので、はずしてしまうのは勇気が要ったかも知れません。しかしせっかく育っている新しい芽を紹介しない手は無いと思います。コメントに何度も書きましたが、「これが新人とは信じられない」というような完成した作品もぞろぞろ出ました。特殊効果を押さえてもここまでできるという面を証明した監督も多く、ストーリー・テリングの良さで競う年になりました。
アニメが色々な形で定着しつつあります。クレイ・アニメの長編もあり、最初は人物で撮影し、その後アニメに作り直す作風も出ています。去年までの様子を見ているとクラシックなアニメの方法も廃れてはいません。今年はそういうアニメは短編の方に出ていました。また、アニメが原作でそれを映画化というのも増えていて、見終わってから知ったのですが、今年は韓国からもそういう作品が出ていたようです。日本ではそういう作品は当たり前になっていますよね。
所謂ブロックバスター系の作品はゼロ。有名な俳優が出ている作品はほとんどありませんでした。上に書いたように今年は新人を強調しているので、一般の有名監督も少なかったです。それでも観客が25%増というのは快挙と見て良いのかも知れません。
体力的には親父ファン世代には限界。20周年ということで、10年近く顔見知りの観客がおり、まだ戦列を去っていないことをお互い確認し合いました。いくつかの対立の無いグループができていて、お互いトイレに行く時に荷物を注意してあげたりなどと協力し合っていますが、今年はそのグループ間の接近もあり、まだ頑張るぞとお互い確認。
というのは40歳を越えた世代には今年のスケジュールは超きつかったからです。1列増えたため1日に6本という日が何日もあり、今年全部こなせたのは多分若い世代だけだろうと思います。その世代でもこれですと体力の限界に来ていたのではと思います。ベルリンは最終ラウンドで天候に恵まれましたが(と言うのは涼しくて、曇りと雨だったという意味)、最初のラウンドの週は、うだる暑さ、中には建物を変わる必要のある都市もあるそうで、灼熱地獄の上に会場移動でさらに消耗します。そのためか主催者からは開催を秋に移すという話も出ています。夏場は学生が休みなので、それだけ観客が動員できるかも知れませんが、休暇で外国に行ってしまったり、町を離れる人も出ているのかも知れません。その辺ちょっと考えてみると言っていました。
今年は技術的なトラブルが無かったのも特徴。以前は必ずフィルムが届かないとか、上映が始まったとたんにフィルムが切れてしまうとか、プロジェクターが故障を起こすなど、何かが起きていました。常連にはそういうトラブルをエンジョイする余裕すらできていました。
新しい館に移ってからは映画館の協力体制もバッチリで、観客と顔見知りの従業員も何人もおり、徐々に和気藹々という雰囲気。真夜中までフィルム管理、もぎり、掃除などと楽な仕事では無いので、主催者だけではなくただの客である私までもが非常に感謝しています。今年出掛けて行ったら従業員に「元気か」と声をかけられたのでうれしくなってしまいました。上映トラブルが無くなったのもその辺の事情と関係があるのかも知れません。
とまあ新機軸に切り替わった20周年記念のファンタでしたが、見る価値のある作品が色々あります。取り敢えずは下のコメントを参考に、そして主だった作品はいずれ独立した記事も出しますのでそちらも参考にして下さい。
ベルリンでは一般公開されましたが、かなりえぐいと聞きました。
スケールの大きい監督が母国で作った作品なので期待しましたが、さらば、わが愛 覇王別姫の方が良かったです。珍奇な作品に仕上がっていますが、日本から行った俳優は難しい状況の中で健闘。
あれこれいちゃもんをつける隙はありますが、その辺のホラー映画に比べ個性を出そうとする努力は見えます。今一つインパクトに欠けました。
前2作の方が良かったですが、時代が悪くなったから映画もそれを反映したのだと言うのだったら、返す言葉がありません・・・。
以下はパス
参加予定作品
今年はファンタ20周年です。
(開催前)
オープニング
ファンタにフランカ・ポテンテ主演のホラー作品 0:34 レイジ34フン (井上さんの記事もどうぞ)を持ち込んだ監督。(開催前)
0:34 レイジ34フンよりはずっと良かったです。自分は年を取ったせいか、この程度の冗談でも一緒に大笑いするのがしんどかったですが、黒い笑い満載の反戦映画です。
注目の作品
2作目。主催者が力を入れていて、2度の上映決定。
2作目なのだったらかなり気合が入っていると言えます。フランス・アニメの底力が出ています。ただ、フランスの他の作品もそうですが、画面に凝り過ぎてストーリーの方は他の国の方がおもしろいというバランスの悪さがチラリ。建物のシーンは目を見張る美しさ、人間の姿はちょっと不満、ストーリーはもう少し工夫したらどうかという気がします。テーマそのものは使えると思いますが。
アジア特集
咬みつきたい、 学校の怪談3、ガメラ2 レギオン襲来、 ガメラ 大怪獣空中決戦、 ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃、 クロスファイア、 ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 などを作った人なので、ファンタではお馴染み。ゴジラ・ファンの仲間が昨年夭折したのが残念。あずみ(1)は見ましたが、あまりおもしろくありませんでした。(開催前)
この作品と組んだ同時上映の作品は全然違うタイプだったので唖然。
2作目。この後韓国のスリラーがぞろぞろ続きます。どれも秀作のようです。サッカーでは韓国は日本をライバル視していて、こちらの動きも逐一観察しているようですが、映画部門ではちょっと様子が違います。韓国は国内向けに秀作、佳作をどんどん出していて、まだ種切れになっていない様子。韓国語で作られ国内の観客を第一に意識した作品でありながら、外国に出しても決して見劣りがしないというか、その辺の下手なハリウッド映画より見ごたえのある作品を送って来ます。日本は国内で作った秀作を海外に出すという方針ではなく、ハリウッドでリメイクという方法が増えています。尤もリメイクしておもしろくなっているのか疑問ですが。リメイクができたという話題性を利用して、後から日本版がDVDなどでドイツの店に出たりもしています。DVD屋さんでは韓国映画も時々見かけます。サッカーのように1ティームだけが優勝という話ではないので、どんどんライバル意識燃やして、それぞれの道を突き進んでくれて結構です。観客は大喜び。(開催前)
佳作を送って来ている韓国の作品の中でこれは失望した作品です。かなりお金を使ってあり、それがセットによく現われています。なので、あれだけのお金を使ってこんな作品を作るのかと気になってしまいます。深読みできるように作られているのかも知れませんが、残酷なシーンが目立ってしまい、私は拒否反応を起こしてしまいました。
意外だったのは、人間が残酷な拷問を受けて苦しんでいるシーンがリアルな描写だったのに、そちらではなく、鶏が首をはねられて料理されるシーンで席を立ったドイツ人が2、3人いたこと。私だったら中世の刑罰で四肢をもぎ取られるシーンの方がずっとかわいそうで見ていられないという気がしますけれど、その辺はメンタリティーの違いなんでしょうね。
2作目。
社会批判も兼ねた気合の入ったストーリー。犯罪の経過は出過ぎるほど出た犯罪映画の中でもまだ十分勝負できるユニークさを含んでいます。前半に出て来る2人の性格の合わない刑事のやり取りもユーモラスで、見る甲斐のある作品です。
時代劇というほど古くは無い時代の刑事物。対立する人の宿命の出会い。
《韓国人》と聞いてもすぐ《ユーモア》という言葉が国民性の特徴の上位に浮かぶ人は少ないでしょう。落語、狂言、川柳などユーモアの文化の長い日本人でも世界的にはさほど《ユーモアのある国民》として知られていないのと同じ。しかし韓国の映画を毎年数本見ていると、韓国人にもかなりユーモアがあるなあと思います。その集大成のようなのがこれ。登場人物の会話がとても愉快です。その上、マーシャル・アートはたっぷり過ぎるほどあり、それすらユーモアという調味料で料理しています。衣装などもカラフルで、原作が漫画だったと聞くと納得します。必見。
女性監督のデビュー作。
気合が入っていました。主演の元夫婦を演じた俳優の人選が良かったのもプラスに働いていますが、プロットもなかなかいいです。コーネル・ウールリッチの有名な作品をきっかけにパクリとは言えないような独自の形に作り直した作品と言えるかも知れません。監督がウールリッチを知っているかは不明ですが、骨子は似ています。
上に《女性監督のデビュー作》と書きましたが、女性監督というのは分かるような気がします。デビュー作というのが分からない。どうしてデビューでこんな完成品を出して来るの?社会の問題を上手に織り込んで、見る人の理解を得ようとの試みが見えます。最終的にはこういう事は公的機関に任せておいた方がいいのか、公的機関はダメだから自分でケリをつけた方が良いのかというテーマに集約されます。監督は《自分でやっちゃまずいから代わりに映画を作る》という方法を奨励しているつもりなのかも知れません。
デビュー作。
「これがデビュー?」と驚いてしまうほどの気合入りの作品でした。韓国は娯楽以外の世界では深刻で難しい時期に差し掛かっていて、判断の難しい事態になっていますが、映画はまだ元気な様子。
デビュー作。今年はホラーが少ないです。タイのホラー作品にはムードがあって、ただ人を怖がらせるだけでないことが多いです。
出演者に日本人ではないかと思われる名前があります。(開催前)
事前にあまり良くないという情報がありました。
ファンタに Bichunmoo を持ち込んだ監督で、無影剣は2作目。王位継承権から運命の対決に至る物語。
このタイプの娯楽時代劇が大好きという人間でないので、「ま、ちょっと見るか」程度の期待しか持っていなかったのですが、とんでもない。Bichunmoo よりずっといいです。作る人が皆真面目で、気合が入っていますが、入り過ぎにもならず、こなれています。2作目とはとても思えない完成した出来です。飽きません。
うわあ、凄い。これぞ香港の古典的アクション映画という作品。井上さん向きです。香港やくざ、警察、汚職、囮捜査、お涙頂戴に加え見せ場の多い大アクション。ドニー・イェンだけでなく、他の共演者も凄いアクションを見せてくれます。インファナル・アフェア、インファナル・アフェア 無間序曲(2)、インファナル・アフェア 終極無間(3)に比べ冒頭古臭い、野暮ったいと感じても続けて見て下さい。きっと満足します。
3作目。
見た友達は失望していました。「意味がさっぱり分からん」と言っていました。
時効警察の監督。歪んだ父母、娘の関係を描いた物語。
こういうタイプの作品だとは知りませんでした。以前にファンタに出たスプレッター系の作品に近く、ストーリーの深さを期待して行くとうっちゃりをかまされます。やられた。
デビュー作。女子高の怪談シリーズ。
散々迷った末にパス。
日本古典名作 / Nippon Classics Special
特設コーナーができました。古い作品で華のある女優が主演の作品登場。
華のある女性、渋い男性のオン・パレード。監督は狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒濤篇、 桜の代紋、 子連れ狼 冥府魔道、 子連れ狼 三途の川の乳母車、 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる、 子連れ狼 死に風に向う乳母車、 御用牙、 新女賭博師 壷ぐれ肌、 狐のくれた赤ん坊、 座頭市あばれ火祭り、 兇状流れドス、 鬼の棲む館、 尻啖え孫市、 二匹の用心棒、 座頭市喧嘩太鼓、 とむらい師たち、 座頭市血煙り街道、 雪の喪章、 古都憂愁 姉いもうと、 なみだ川、 処女が見た、 酔いどれ博士、 大魔神怒る、 眠狂四郎無頼剣、 眠狂四郎炎情剣、 剣鬼、 鼠小僧次郎吉、 無法松の一生、 座頭市地獄旅、 座頭市血笑旅、 眠狂四郎勝負、 剣、 無宿者、 女系家族、 巨人 大隈重信、 舞妓と暗殺者、 新選組始末記、 婦系図、 座頭市物語、 青葉城の鬼、 斬る、 銭形平次捕物控 美人鮫、 釈迦、 大菩薩峠 竜神の巻、 女妖、 銭形平次捕物控 美人蜘蛛、 千姫御殿、 白子屋駒子、 大菩薩峠、 町奉行日記 鉄火牡丹、 千羽鶴秘帖、 四谷怪談、 かげろう笠、 執念の蛇、 ふり袖纏、 水戸黄門漫遊記、 怪猫呪いの壁、 三日月秘文、 桃太郎侍、 花の兄弟、 浅太郎鴉、 編笠権八、 不知火奉行、 月を斬る影法師、 かんかん虫は唄う、 七つの顔の銀次、 丹下左膳 こけ猿の壷 に関わったベテラン。日本の時代劇に登場する主人公を総なめにした感があります。(開催前)
なるほどこういう作品だったんですか。公開当時は見ていませんでした。今年のファンタには日本からはエロティック・フィルムの傾向の作品が並んでおり、韓国とは方向が違っています。日本の映画には一般のファンタと違う客層の人が来ることが多いです。そして終わるとなぜか拍手がわきます。他の作品で拍手する人は今年は見かけません。
こちらも華のある女性と当時若手で売り出し中の男性登場。監督は 理由、 なごり雪 あるいは、――五十歳の悲歌、 告別、 淀川長治物語神戸篇 サイナラ、 あの、夏の日〜とんでろ じいちゃん〜、 風の歌が聴きたい、 三毛猫ホームズの推理、 SADA、 麗猫伝説、 あした、 女ざかり、 水の旅人 侍KIDS、 青春デンデケデケデケ、 私の心はパパのもの、 彼女が結婚しない理由、 はるか、ノスタルジィ、 ふたり、 北京的西瓜、 日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群、 異人たちとの夏、 漂流教室、 野ゆき山ゆき海べゆき、 彼のオートバイ、彼女の島、 さびしんぼう、 姉妹坂、 天国にいちばん近い島、 廃市、 少年ケニヤ、 時をかける少女、 転校生、 ねらわれた学園、 金田一耕助の冒険、 ふりむけば愛、 瞳の中の訪問者 などに関わった人。(開催前)
監督は ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス、 風の又三郎 ガラスのマント、 花園の迷宮、 花いちもんめ、 白蛇抄、 誘拐報道、 犬神の悪霊、 女囚701号 さそり、 女囚さそり 第41雑居房などを作った人。(開催前)
あれっと思うような、予想と全然違うタイプの作品でした。評判は色々聞いていたのにまだこのシリーズ見たことがなかったので、参考になりました。
血の滴るコーナー
このコーナーの作品の内容については責任は持たないといきなり主催者に言われてしまいましたが、新設コーナーです。
4作目。
オープン・ウォーター2というタイトルもついていますが、大洋に取り残された人たちの話という点でタイトルを踏襲してもおかしくありません。話自体は全く別な設定です。のっけに実話だという断わり書きが出ましたが、あまりにも話がばかばかしいので、ファーゴのように嘘の断わり書きなのかも知れません。あるいは事実は小説より奇なりではなく、事実は映画より愚かなりなのかも知れません。要約すると、豪華ヨットで大洋に繰り出した6人の大人が、ヨットの梯子を出すのを忘れたため、船に戻れなくなってしまうというだけの話です。あまりのばかばかしさに私はずっと腹を立てていました。
見た後友人から入った情報ですが、実話というのは間違い無いそうです。事故がきっかけでヨットに必ず梯子を取り付ける設計が義務付けられたほど。海上CSIが来て6人の死亡原因を突き止めたのでしょうか。事件性無しとの結果に達したことは確かでしょう。
2作目。
カメラは良かったです。俳優も問題なし。ただ、ストーリーがちょっと弱い。この手の作品はたくさんあるのでもう少しどこかに個性を出して欲しかったです。
May を作った監督(編集担当)の3作目。
デュエリストを見たためパス。しかし今年初めて設けられたファンタの新人監督コンテストで1位に入っています。
One Point O を作った監督の2作目。がらっと違う作風です。
結末がちょっと付け焼刃のような不自然な印象でしたが、それ以外は話をうまくまとめています。B級、あるいはテレビ向きかも知れませんが、そのあたりをターゲットにしてのまとまりが上手く行っています。
デビュー作。スティーヴ・ブシェミの兄弟が出演。
ブシェミの弟は髪の色こそ違いますが、お兄さんに似ています。かもし出す雰囲気もそっくり。一見家族の人間関係を描いた作品に見えるのですが、推理性もちゃんと盛り込んであって、オトシマエのつけ方もまあまあ。人に利用される人間の運命の危なさが良く出ています。
あまりにも理論から外れるプロットがユニークだったと、本当はけなす点を「おもしろい、愉快だ」と誉めているファンタのベテラン観客の声が聞こえて来ました。これと組んでいた韓国の作品は気合が入っていました。
全体の3分の2程度までは退屈しながら見ていました。普通のタイプの目立たない男が凶悪な殺人をするのだったら、オーウェン・ウィルソン主演、歌手のシェリル・クロウ共演のファンタ参加作品マイナス・マンの方がずっと凄いです。ウィルソンの演技が光っていました。こちらは平凡な進み方をします。
ところが3分の2程度行った所でまるで脚本家が交代したかのように展開が変わり、徐々に口をあんぐり。そしてユーモアとも取れる結末になります。前半の平凡さを覚悟の上でしたらお薦めします。
デビュー作。アートディレクターとして The Man Who Wasn't There と Fight Club に関わった人。ウィル・マコーマックは主演女優の兄弟。(開催前)
3作目。
ラテン・アメリカからは滅多に来ませんが、来るとなると気合が入っています。社会派の作品ですが、色々な要素を長所になるように取り上げていて層の厚い作品になっています。状況が刻々変わるので最初ついて行くのがしんどかったですが、普段見ているハリウッド系の劇映画とは全く違う作風、画面で、新鮮な印象を受けました。メキシコなどもこういう作品を作る力があるかと思います。
普段はテレビで活躍している監督。
カメラ、俳優などは一応のレベルを保っています。ただ、心理学を使ってこの種のテーマを扱うのだったら、もう少し全体の配慮を期待してしまいます。物語のきっかけになる人物の出し方が「実際にはこうはならない」ように思えました。
モロー監督の2作目、パルー監督のデビュー作。
見終わるとムカーっとする作品で、私個人の今期ファンタの最低作品に選んでしまいました。実話だそうで、裁判などもあったそうですが、最後犯人が分かるところから、その後の経過紹介のテロップまでを見て、ムカーッ。
真夜中の狂気
2作目。
クレイ・アニメの長編。これはドイツの映画館には多分来ないと思います。放送禁止用語連発、タブー・テーマ続出、やりたい放題です。映画館で見て大笑いした日、見られるのはこの日1回切りではないかと思いました。毎分ジョークの連続で、見ていて疲れました。少しは休む時間をくれ!
2作目。今年は新人監督が多いため、俳優の方も比較的無名な人が多いですが、この作品には出演作の多い人や、ホラー映画の大スターなど、にぎやかな顔ぶれが集まっています。監督自身も出演。(開催前)
日本からの新しい作品なので見てみたかったのですが、組んでいたのがベネズエラの作品。他ではまず見る機会がないだろうとの判断でそちらへなびいてしまいました。最近のファンタでは同じぐらいのレベルの作品を同時にぶつけるので、こちらも力作だったのかも知れません。
4作目。
2作目。トニー・トッドは Hatchet にも出演。
4作目。かなりの不良で、いつ殺されてもおかしく無いというスヌープ・ドックが主演。音楽界の大不良と言われるわりには子供が3人いてもう10年近く同じ女性と結婚しているという謎の人。なぜ大不良といわれるか? ー 後で正式に無罪になった殺人容疑のためです。つまらない映画に出ているのを見ましたが、彼の出るシーンだけおもしろいです。
スターの少ない今期のファンタではダニー・トレホも大スターの1人。出演作の有名度から言うと彼が1番スターです。彼の出演作は約130本で、私が見ているのは主だった物だけでも The Big Empty、Spy Kids、The Replacement Killers、Con Air、Le Jaguar、From Dusk Till Dawn、Heat、Desperado。(開催前)
公式プログラム
2作目。
この作品をスリラーとするのには反対。どのカテゴリーに入れたらいいのか分かりません。見ているのが非常に辛い作品ですが、気合の入った大人向けの力作です。力強さに圧倒されました。2作目でこんな作品を作るのだから天才だろうと言いたいですが、天才肌の作り方ではなく、地味な作業の積み重ねでできあがった足腰のしっかりした作品です。見ると疲れますよ。
6作目。
体力の関係ではずしたのですが、最後の15分は見ることができました。するとそこにストーリーの全てが詰まっていて、全部見ないで済んでしまいました。
ファンタに来た De Grønne slagtere の監督。
脚本家としては
Mørke、Vet hard、Elsker dig for evigt、Gamle mænd i nye biler、
Mifunes sidste sangにも関わっています。
この監督の作品には常連の俳優がいて、Adams æbler にもたくさん出ています。
ドイツでは間もなく一般公開されます。(開催前)
2作目。俳優、脚本家、監督としては1作目。
状況設定のアイディアが良いです。ホラーの大御所ロバート・イングランドも招いての監督デビュー。このジャンルとしては立派なスタートを切っています。笑えるシーン連続なので、ホラー・コメディー・ファンにはお薦め。
3作目。
監督はテレビで活躍している人。比較的地味な作品が多い今年のファンタの出演者の中では、ピーター・ムランは国際スターに数えられます。ドイツからは若手スター、ダニエル・ブリュールが出ています。彼はスペイン語が上手なスペイン生まれの俳優。スペインからは月曜日にひなたぼっこ、クイーン&ウォリアー に出ていたルイス・トーサー他多少有名な人が出ています。(開催前)
目標は高かったようですが、できあがった作品はあまりぱっとしませんでした。ヒットはまず無理。スペイン映画ではありますが、全編英語とアフリカの言語。コンテナー船なので英語が船員の共通語という設定でした。主演のピーター・ムランのメイクがそっくりさん風。腰砕けの結末になります。
デビュー作。
ええええ?これがデビュー?????おもしろかったです。
野村哲也はスタッフとして裏方の仕事が多い人、野末武志はデビュー。
前作に失望したので今回はパス。ゲームに詳しい人は喜んで見に行きました。
2作目。
これまで見たスウェーデンの作品としてかなり弱く、なぜこういう筋になっているのか理解に苦しみました。何かをシンボルとして出すためのホラーなのだったら、もう少し演出を工夫してはどうかと思います。シンボルとして見ても、ただの娯楽として見ても行ける作品が巷にあふれているので、競争するのだったらもう少し工夫が必要です。
監督と兄弟なのでしょうか。同じ作品に関わっています。
デビュー作。
これがデビューとは到底思えない職人としての力量を備えた作品。ところが人には薦めたくないのです。俳優の演技、セット、美術、全体のトーンなど映画の基礎は全部ベテランの力量。ところが選んだテーマにアレルギーを起こしてしまいます。同じテーマを扱ったとして、筋運びが違えば気に入ったのかも知れません。何かが筋を外れたような印象で、嫌な後味が残りました。
少なくとも18人の女性を苦しめ、殺し、食べてしまった男の話。実話かどうか確認が取れていませんが、作風は実話的。数人を苦しめ殺すシーンをやけに詳しく描写し、いきなり話が飛んで、警察が登場。その唐突さと、女性を苦しめるシーンがかなり偏っているように思え、ドイツではまず一般に受けないでしょう。男性でも「何じゃこれは」と言う人が多いのではないかと思います。
この作品と組んでいたのがあずみ2なのでびっくりしました。普通は似たようなレベルの似たような作品を組み合わせるのですよ。
デビュー作。
テレビで活躍する人。
ベルギーは参加作品数は少ないですが、出して来る時は佳作ばかり。De Indringer はこの国では無視できない少女失踪事件の1つを扱った普通の捜査物のようにして始まります。それだけでも一応映画館で見られるレベル。ベルギーというのはEUの中のさほど目立たない小さな国の1つなのですが、非常に複雑な事情を抱えていて、一言では説明できないのですが、そのあたりもこの作品は良く出しています。俳優は皆役を良く理解し、良いハーモニーで演技しています。見る機会があったらお薦めの作品です。
前評判最悪でパス。
2作目。
デビュー作。
Analyze That、Bedazzled、Analyze This、Multiplicity の監督。
このタイプの映画が好きな人には好かれそう。これまでにこの監督が作った作品とはかなり趣を異にしています。キューサック向き。ハリウッドとニューヨークが舞台でない映画をお探しの方にもいいかも知れません。ウィチラ・ラインマンのウィチタを舞台にしてあります。ファーゴが良かったという方にも向くかも知れません。
特殊効果などがゼロでもおもしろい作品が作れるという例。好みによってはこういうのが嫌いな方もおられるかも知れませんが、筋を練って作ってあるという点は誰もが評価するでしょう。
見たかったのですが、韓国の佳作と重なって断念。デンマークの作品がドイツに来る可能性は比較的高いので、来たら見ます。
3作目。
すばらしい。私個人の今年のファンタの中ではナンバー・ワン。非常に地味な作りで、アクションという触れ込みは大はずれ。しかし全体のハーモニーが良く、お薦めです。北部の寒い地方の雰囲気が良く出ていて、俳優がそれに合わせてなかなかいい地味な演技を見せています。
2作目。Sam's Lake は2002年にも30分弱の短編で作られています。
狙った方向は分かるのですが、ファンタに出て来る他の作品に比べ弱かったです。おもしろい筋なので、もう少し俳優を選び、演出を上手にすれば結構おもしろい作品ができあがると思うのですが。例えばフランスに持って行ってあちらの監督に演出させるとおもしろい作品になったかも知れません。
The School of Rock の監督。
今後この手のアニメが急増すると思います。俳優には有名人、ベテランを起用。彼らのシーンは別にアニメにしなくても演技が安定していてうまく行くと思います。掛け合い漫才みたいなシーンも皆リラックスした演技で笑えます。アニメにしなければ行けない理由は他にあった様子。
ファンタに良く登場する比較的軽いタッチのホラー映画。
期待した私が悪かったです。ドイツの es[エス] のような作品だと思っていたら、当てが外れました。
2作目。
2作目。
監督や脚本は別人ですがドッグ・ソルジャーにそっくりのイメージの作品で、ドッグ・ソルジャーで兵士を演じていた俳優が1人参加しています。今回はオカルトや超自然現象にせず、推理で事件を辿って行けるような設定になっています。他の作品との差をはっきり感じさせる売りは、今回も森の中いつ襲われるか分からない中でのサバイバル。
May を作った監督の3作目。
短篇
デビュー作。
最近非難を浴びている外国の刑務所に似た場所に女性が閉じ込められています。その部屋にはビデオが流されていて、目隠しをされた囚人の女性がそのビデオに出ている女性の言葉に誘導されています。ところが最後に分かるのは・・・と驚く仕掛けになっているのですが、なぜか途中で筋が見えてしまいました。サンス監督、どこで失敗したんだろう。次回はもっとちゃんとネタ隠して下さい。
この作品は短編集としてはナンバー・ワン、今年のファンタで見た全体では現在のところナンバー・ツー。ムサイ男がきれいなバス・ルームで歯を磨いているだけなのですが、大きな鏡に映っている向こう側の自分が勝手な動きをするので、困惑。俳優の人選、プロット、脚本、セット、全部成功しています。見る機会があったら是非お薦めですが、短編が日本へ行くだろうか。
結局私個人の長編、短編、アニメなど全部を含めた評価の中で2番。短編が長編を差し置いて2位というのはこれまでの私の映画ランクで初めてです。(ファンタ終了後)
デビュー作。
日本語を話す、外国人が見たら日本人だろうと思える人ばかりで作られています。ところが撮影したのは恐らく外国、俳優の母国語は恐らく英語系の欧州言語、脚本のテキストは英語か何かを日本語に翻訳した様子、そして出演者全員が日系かどうかは怪しいです。筋は退屈で、《今度こそ何かおもしろい事が起きるだろう》と思いながら終了。チックショー、騙された!
デビュー作。
短編全体のナンバー・ツー。画面とか撮影にはあまり力を入れていないのですが、デビューだったので予算の関係かも知れません。テーマから言うとセットなどはどうでもいいのです。おもしろいのは会話。
ヒッチハイクする少女を襲うシリアル・キラーの車に乗ってしまった少女。彼が準備を整え、いざ彼女を血祭りにあげようとすると、男が有名なシリアル・キラーと知った少女は大喜び。彼をヒーロー扱いして大感激。それで彼女を殺せなくなってしまうのです。
3作目。
仕事を得るための面接で心理テストを受けるキンケイドさん。「君は殺人鬼のタイプだ」と決めつけられ、困惑するキンケイドさん。一体どんな職業の面接なんでしょうか。その上初仕事は一緒に応募した他の候補者を殺すことなんだそうで。
3作目。
短編特集の中でナンバー・スリー。プロットなどはどうと言うことが無いのですが、ティム・バートンを思い出させるようなアニメが気に入りました。
ずっと孤独で1人で害鳥を追い払っていた案山子の物語。ある日、弱っている鳥が近くに倒れていたので、一人きりの案山子は鳥が元気を取り戻すまで看病。しかし鳥は去って行きます。あまりの寂しさに百姓の所へ行って、「退職します」と宣言。これが怒りを買って、案山子は焼き討ちに遭います。風車小屋が燃えているのを見て、かつて助けられた鳥が仲間に案山子救出を呼びかけますが、時すでに遅し。案山子は灰になってしまいます。その後鳥が案山子の灰を畑に撒いたりします。これで案山子の孤独が癒されます。
ユーモア作品ではなく、悲しい言い伝え。絵にはバートンの影響が見られます。
デビュー作。
母子でモンスターを追い払うという話。説得力が無く、私の目には落第。
デビュー作。
短編集の枠外で単独に長編と組み合わさっていました。デビュー作にしてはテクニックなどはよくマスターした監督。字幕もなく、全く意味が分からない作品でしたが、それでも見て損をしたという感情が沸かなかったです。
デビュー作。
良くある入れ替わり物。新しく精神病院の看護人手伝いとして雇われた青年が真実を知った時はもう・・・という作品。看護婦のように見える美人が実は・・・、閉じ込められているのが実は・・・と、良く聞く話です。
2作目。
アニメの完成度はなかなか。軍で上役が絵を描くため下っ端の兵士が高い所から突き落とされます。ウォレス&グロミットに出て来るニットオマーティックという機械に似た、言わばフォトオマーティックも登場。
フィナーレ
Human Nature の監督。
フィナーレをパスしたのは今年が2度目。代わりに見た作品はおもしろかったです。ファンタ・ファンの長期組にもこの判断をした人が多く、私のいたホールもほぼ満員でした。
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