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2006 UK/USA 130 Min. 劇映画
出演者
役名を見るだけでネタがばれるのでこのページには詳しく出しません。 (最後のネタばれページ参照)
主要な俳優(ABC順)
Christian Bale
David Bowie
Michael Caine
Rebecca Hall
Hugh Jackman
Scarlett Johansson
Samantha Mahurin
Andy Serkis
見た時期:2007年6月
★ 喝采
かたかなでない邦題をつけるとすれば《喝采》がいいかも知れません。2人の奇術師の物語ですが、新しい仕掛けが成功した時の観客の喝采が重要なテーマです。
手品師、奇術師、マジシャン、イリュージョニスト、魔術師など、時代、規模、種類などによって色々な呼び方がありますが、たとえ1人でも観客がいないと成立しない職業です。相手が驚いたり、拍手を送れば、それが演じる側の得点。ライバルの同業者がカリカリすればそれも得点。
★ 時代背景
1899年のロンドンという設定にしてあります。プレステージにお金を出したのはアメリカとイギリス。俳優は英語圏でアメリカ人でない人が多いです。私はドイツ語で見ましたが、オリジナルは恐らく英国式の英語ではないかと思われます。
セットや衣装に気を使ってあり、100年ちょっと時代をさかのぼった雰囲気はまあまあ出ています。英国は1700年代の後半から1800年代前半に産業革命を経験し、その後科学知識が技術に応用されるのが普通になっています。産業革命は欧米各国に波及しており、時代を変えるような発明家が次々に出ました。1899年と言えばすでにエジソンが発電機、蓄音機、電話、白熱電球を発明しており、エジソンに比べると一般の知名度が低いながら重要な発見をしたテスラも変圧器や無線トランスミッターを世に出しています。当時の人にとってのこの変化は、90年代以降のIT関係の変化に相当するぐらい社会を動かしたのではないかと勝手に想像しています。
主人公の活躍する時代が今から100年以上前に当たるため、出て来る機械、道具が骨董品のように見えますが、大時代的ではあっても機能します。当時のハイテクはこういう物だったのかと、ノスタルジー派には楽しいシーンが多いです。
★ 事件が起きる前の人物設定
サーカスの一座のような人間関係です。サーカスのようにあれこれやらず、この一座は奇術だけに絞っています。師匠1人、舞台の上で師匠を手伝う女性アシスタント1人、裏方男性数人。ロンドンの劇場と契約し、観客が入る限り契約は更新。当時はテレビどころか無声映画もこれからという時代だったので、一般人が楽しめる娯楽と言えば観劇、バレー、コンサートなど、その場で人間が直接演じる芸が中心です。そういったプログラムの1つに奇術ショーがあったというわけです。
プレステージの裏方の男性は桜、技術者などで、主人公の2人の青年はこの時期には桜として観客に混じり、一般客のふりをして舞台に上がったりします。2人とも将来は師匠のように自分のショーが持てればと思っています。
技術系の男は言わばエンジニア。新しい技を自分で考えたりもしますが、特に重要なのは誰かが思いついた芸を実現させるために技術面でサポートすること。ハードウエアのエキスパートである必要があります。安全性も考えなければなりません。
奇術は奇術師1人がやるのではないという点を強調した演出で、映画の裏方には本物の奇術師デビッド・カッパーフィールドがついています。
物語の中心人物は2人の若手奇術師。1人は既婚者で、奥方は師匠の舞台のアシスタント。もう1人は独身で、彼の関心はもっぱら出し物の技術改良、よりおもしろい出し物のアイディアです。
冒頭仲良く皆で仕事をしているシーンがあり、間もなく人が死ぬ事故が起きます。これが130分の事件のきっかけになります。
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