テレビのページ
USA 2011-2012 @42 Min. TV
出演者
Jim Caviezel
(John Reese - 偽名、フィンチの相棒、実行犯、元陸軍特殊部隊所属、CIA エージェントとして死亡したことになっている)
Susan Misner
(Jessica Arndt - リースの元恋人、夫に殺害される)
Annie Parisse
(Cara Stanton - 死んだはずの CIA、リースの元同僚)
Michael Kelly
(Mark Snow - CIA、元リースの知り合い)
Darien Sills-Evans
(Tyrell Evans - CIA、スノーの部下)
Michael Emerson
(Harold Finch - リースをリクルートして指令を出す人物、コンピューターのプログラマー、億万長者、身体障害者のためアクションは苦手
)
Brett Cullen
(Nathan Ingram - フィンチの元同僚、死亡)
Elizabeth Marvel
(Alicia Corwin - フィンチの関係者、現在表舞台から消えている)
Taraji P. Henson
(Joss Carter - 刑事、元陸軍所属)
Kevin Chapman
(Lionel Fusco - 刑事、リースに弱みを握られ、警察内部の情報を渡す)
Enrico Colantoni
(Carl Elias - 高校教師、リースに命を助けられる、マフィアのボスの子供)
David Valcin
(Scarface - 警官、エリアスの舎弟)
Robert John Burke
(Simmons - 警官)
Michael Mulheren
(Lynch - 警官)
Brennan Brown
(Donnelly - リースを追跡する FBI)
Paige Turco
(Zoe Morgan - ある事件に巻き込まれた後危機管理の専門家になる、リースたちに協力)
見た時期:2012年9月〜
★ テレビが無い、されど
うちにはテレビが無いのでどうしようもないと言えばどうしようもないのですが、最近は2通りの方法でシリーズになっているテレビ・ドラマを見ることができるようになりました。1つは DVD が入手可能になったため。どの番組をどれでもというわけには行きませんが時たま使えることがあり、それを見る時があります。もう1つはドイツのインターネットがテレビ放映後7日間無料配信するので、そこに出る作品を見ることができるようになりました。
全体的にテレビ・ドラマはつまらないものが多く、チラッと見て「や〜めた」となってしまうのですが、たまに見たいものがあります。1つは CSI シリーズで、今年の前半は大盤振る舞いが続き、3都市のエピソードを週合計5本見られました。現在は各都市1本ずつに減っています。中には以前に見たものの再放送もあるので、数は減っていますが、毎週1本は新しいエピソードにぶつかります。
もう1つはヒューマン・ターゲットでいいな、と思っていたのですが、2シーズンの途中で中止。アメリカで制作が中止されたためドイツも中止ということらしいです。その前ティム・ロスのライ・トゥ・ミー 嘘は真実を語るを見ていたのですが、テーマがおもしろいだけで、俳優、演出などがつまらなかったので惰性で見ていました。レギュラー・メンバーが一生懸命学者ぶって色々説明している話は別にどうという事も無く、注意深い人なら大抵ああいう分析能力を持っています。ぱっとしない中で唯一良かったのは娘のエミリー・ライトマン。役者も良かったですし、脚本も良かったです。多感な少女が徐々に大人になって行く様子は楽しく見ていました。しかしこれも制作中止。
★ 今度は続くか
今期新たに始まったのは Person Of Interest 犯罪予知ユニット。井上さんも記事にしていたので、私もちょっと書いて見ます。
放送は今からちょうど1年前にアメリカで始まったようで、ドイツは1年遅れの今シーズンから始まっています。ドイツでは学校が9月頃から新学期、大学が10月。その頃に合わせてテレビの新番組が登場します。
★ 脚本
私は元々あまりテレビが好きでなく、つまらない番組が多いので、あまり乗り気ではなかったのですが、脚本や制作にジョナサン・ノーランが参加しているというので試しに1度見てみようと思いました。ノーランは1人で30本近く書いていて、他の脚本家が1人2、3本しか書いていないことを考えると、シリーズ全体が彼の作品と言ってもいいぐらいです。ノーランが脚本を書いた劇映画はほとんどおもしろかったのでそこに釣られてついふらふら。
★ 主演
主演はイエス・キリスト(ジェームズ・カヴィーゼル)。彼の作品で覚えているのはパッションだけだったのですが、彼が出ていると気づかずに意外とたくさん見ていることが分かりました。マイ・プライベート・アイダホ、ザ・ロック、G.I.ジェーン、オーロラの彼方へ、パッション、ファイナル・カット、デジャヴ。パッションは良かったと思うのですが、他の作品では彼の印象が非常に薄く、名前もイエス・キリストと覚えてしまい、芸名は未だに暗記していません。
興味深いのは彼がプリズナー No.6 の主演でテレビ出演していること。プリズナー No.6 は1967年に英国で作られた当時としては非常に斬新なテレビ・シリーズのリメイク。なかなか難しい役柄です。
★ プロット
設定があまりにもメルヘンっぽくてどう転んでも無理なプロットになっていますが、ノーランが懸命に何とか見られるように脚本を書いたのか、俳優に救われたのか、取り敢えず見ていられますが、初回を見た時はそのまま屑篭に捨てようかという印象でした。世界中に監視カメラをつけるだけつけて一般人を監視しまくり、一部の情報を得られる階層の人たちが儲けるだけ儲けて、他の人は貧乏暮らしの現代。こういう枠でどういう言い訳をするんだろうと思いますが、間もなくアメリカに無人機を飛ばして国民を24時間監視するなどというジョン・カーペンターかという話が飛び出してびっくりしたばかり。ほんまかいなと思いはしますが、家族、友人、隣人関係を40年かけてずたずたにした後ではカメラで四六時中監視でもしていないと何があるか分からないという恐怖感が世を治める側に起きるのかも知れません。
私の勝手な想像では将来監視カメラの前に大勢の監視員が座り、四六時中監視を行い、日夜新しいソフトウエアを開発するために大勢の人員を割き、その人たちが働く建物の警備に大勢の警備員を雇い・・・ってなわけで、お百姓さん、漁師、工場労働者、パン屋さん、うどん屋さんなどに人員を割く余裕の無い社会が出来上がるのではないかと思います。あるいはそこを超オートメーション化して機械任せにすると、未来世紀ブラジルのように誤認逮捕が続出・・・なんて世の中になるのかなあと思ったりもします。
今後も長く続くだろう国民監視に何かしらの言い訳をと思って作られたのか、「あんな監視カメラにも良い使い方がある」、「良い使い方をしようと言う奇特な方がおられる」と言いたいのでしょうか。その眼鏡のおじさんは株などで大儲けをした人。作った国の評価は上々らしく、CSI を抜きそうな厚遇。CSI は大人向きのセサミ・ストリート、いわば教育番組ですが、Person Of Interest 犯罪予知ユニットにはそういった面は見られず、むしろ今後強化されそうな監視社会に人を慣らすための準備のように見えます。
★ 中心人物2人
主演の2人のうちかっこいい方がイエス・キリスト。私は彼の顔が最初好きになれませんでした。左右が揃い過ぎていて、まるで重症火傷で顔を全部作り直した知り合いのようなイケメンです。知り合いは新聞に載るような大事故の怪我人だったので仕方ありませんが、延々続く大手術、何年にも渡る長期治療で超イケメンの顔を得て、さびしそうな表情を浮かべていました。彼のような必要に迫られた整形と違い、最近ボートックスで自分の顔をめちゃめちゃにしてしまう俳優が増えている中、イエス・キリストは顔面を骨から作ったような整い方。恐らく生まれたままの天然の顔なのでしょうが、俳優としては無機質な印象をかもし出します。
なので見るのを止めようかと思ったのですが、同じく主演のマイケル・エマーソンが得な役を貰い、上手だったので、次の週も見ようかと思いました。彼はジョン・レノーと似た風貌。イケメンのイエス・キリストとは逆のタイプで、味のある演技をします。
この対照的なコンビは長持ちしそうで、そこへ先週ジュリア・ロバーツをもっと良くしたような美女が登場しました。するとイエス・キリストが輝きました。絶世の美女と並んで立っているとイエス・キリストもすばらしくいい男に見えるのです。なるほどそういうタイプの俳優もいるのかと感心した次第。そう言えばジェームズ・コバーンもキム・ノヴァックをエスコートして舞台に現われた時は凄くダンディーに見えたなあ・・・、彼のイニシャルも JC だった・・・などと古い時代の事を思い出しました。太陽が輝くと月も輝くのでしょうか。
★ 2人の仕事
毎週違った事件、違ったエピソードなのですが、大きな枠があります。主演のリースとフィンチのうちリースは米国国家公務員の工作員でしたが、死んだことになっています。本名も住んでいる所も観客には不明。この仕事はフィンチから引っ張り出されて始めます。かっこいいイケメンで、武器の扱いに慣れており、様々な諜報活動を経験しているので、戦いにも身を隠すのにも長けています。1人きりですが、いわば実働部隊。
フィンチの本職はコンピューターのプログラム作成。最新の政府の大規模な監視用のプログラムも彼の手で作られました。職業柄どんなコンピューターにも自由に出入りでき、色々なデーターをあっと言う間に調達できます。お金は使い切れないぐらい持っています。リースにもたっぷり報酬を払っています。フィンチはイーグル・アイのような大規模なプログラムを作った人物ですが、良心の呵責からか、監視プログラムを良い事に使う決心をし、表舞台から消えます。住居は使われていない図書館、体が不自由で、格闘やドンパチはリースの仕事。
リースとフィンチはリースが耳に入れた超小型の無線機で連絡を取り合い、フィンチがリースに必要な情報を届けています。毎週きっかけを作るのはフィンチで、フィンチがコンピューターの中から抽出した人物にリースが接近します。フィンチのプログラムがはじき出す人物は死に関係するのですが、その人物が被害者なのか加害者なのかまでは判別できません。その人物が放っておけば間もなく死ぬか、人を殺すかです。リースの仕事はその人物に暫く張り付き、加害者なら殺人を阻止、被害者なら救出すること。週によってリースが近づく人物は善人だったり悪人だったりします。
★ ダメな出発点
上にも書きましたが、モラル的に出発点で躓いており、救いようのないプロットです。そして冒頭人の顔をマークしたシーンが出て来るとそれだけで落ち込んでしまいます。作る側もそれを承知しているのか、画面は暗く、雰囲気も暗い作りになっています。その前に放映していたヒューマン・ターゲットは絵空事というのがお約束になっていて、画面が明るく、登場人物が素敵な衣装を着ていて、その1時間は楽しく見ていられます。ただでさえ暗い世の中、せめてテレビは楽しい話を届けてもらいたい・・・ぶつくさ、ぶつくさ。しかしそれでも毎週見ていられるのはやはりノーランの筆力なのではと思います。CSI は徐々に縮小の方向に向かっており、こちらは暫く続きそうなので、私ももう暫く見ようかと思っています。
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