Making HF All Wave Radio Receiver(0.5〜32MHz)・・・少年時代の夢再び!
少年の頃夢に見た本格的HFオールウェーブ受信機を現在の技術で実験・製作するページです
(一般的なIF=455KHzの「高1中2受信機」とは一線を画しますのでご注意を!)


Aug 10. 2006 SD8901HDのIIP3データ


一昨日SD8901HDの測定をJR1PWZ清水氏にお願いした結果が昨夜届いた。取り急ぎスペアナの表示状況を写真に示した。2枚掲示してあるがその違いは、左がIF=455KHz出力で右がIF=3MHz出力の場合である。
測定はRFポートに14MHzの2Tone(40KHzセパレート)を入力、Loポートは11MHz及び14.455MHzの局発を入力し、IFポートをスペアナで観測した。またLoレベルはIM3が最低になる様に、BIASは利得最大にセットし、SUBSTRATEは未処理(オープン)としている。
詳細なデータは別項に過去のDBMと一緒にまとめてある。印象を簡単に記すと・・・・。
@455KHz出力の場合IIP3=32dBmでSD8901CYより劣る
A3MHz出力にするとSD8901HDが挽回、IIP3=40.5dBmで最高値を示す(SD890CYは3MHz出力未確認)
B455KHz出力では両者共IM5がもたげてくる
注意:以上は今次製作物及び測定条件下での値であり、デバイスその物の評価を示すものではありません。
455KHz出力におけるIM5の出現はSD8901CY/HD共通、IIP3の低下はSD8901HD側のみであるが、RFTの構造は全く同じでありその差は何が原因か非常に興味深い。

Aug 5. 2006 SD8901HDでDBMを組む

SD8901HDでDBMを組んだ。構成は従来のサンプルと同様にTAKACHIのアルミダイキャストケースに収め、入出力はBNCコネクタとした。このICはメタルカンタイプでリード線もしっかりしているため、基板は使用せずRFTに巻いたポリウレタン線を直にリード線に巻き付けた。RFTはRF/IF/LO共FB-801(#43)にトリファイラで5回巻き、巻き線の一つはBNCへ残り二つはカスケード接続して両端をSD8901HYへ配線しCTは接地およびBIASとしている。
BIASは10KΩ(B)VRで調整し4.7KΩ経由でLO用RFTのCTに接続している。CTは0.01μFセラミックで接地している。
この状態でRFにアンテナとIFに受信機(455KHz)にをつなぎ、PC-VFOからの1337KHzをLOへ注入すると、ローカルのJOPKが勢いよく鳴った。更にBIASを利得最大にセットすると2.16Vを示した。
因みにLOを終端すると+60dB近く振れていたSメータはゼロ(S=1)まで戻り、残留ノイズも非常に少ない状態となった。このノイズはSD8901CYより少なく良好(聴感上)であった。殆ど作りっ放しだが高い特性を示していると思われ、ダイオードやFETを山程買ってきて特性の合ったものを選択する時間と苦労を考えたら、なんと素晴らしい事だろうか。写真はその内部だが、SUBSTRATEは特に処理しないでオープンのまま。試しに接地してみたが利得への変化は認められなかった。


Aug 2. 2006 SD8901HD届く

共同購入のSD8901HD(5個)が本日午前中郵便で届いた。幹事のJA1VKV/田中氏に感謝します。それに共同購入に参加して頂いた皆さんにも感謝します。
それで早速記念撮影したのが左の写真。手前のフラットパッケージはJR1PWZ/清水氏から提供して頂いたSD8901CYで、奥のCANタイプがSD8901HD。CY型より大きいので取り扱いも容易である。2種類を紙の上に並べて写真撮影を試みると、CY型が如何に小さく取り扱いが面倒かが良くわかる。
フラットパッケージは黒ベースなので問題ないが、CAN型は光物なので明かりの当て方に工夫が必要。普通のストロボはスポット光なので禁物。周辺に白い紙をかざし、CANへ意図的に写り込む様に配置してさも明かりを当てたように細工する。こうしないと光物は黒っぽくなって写真で映えず沈んでしまう。光物(ひかりもの)の部品や装置を撮影をする時の参考になれば幸いである。

・・・やや照明の話になってしまったが、近日中にSD8901HDをDBMで組み上げデータを取ってみたい。目標は目指せIIP3≧40dBm。

Jul 27. 2006 DBM/SBMの3次インターセプトポイント(IP3)

測定結果は23日にメールで届いた。データからIP3を算出し別項にまとめ、測定条件についても記してある。なお7360は、50Ωへの正規化が難しくあくまで参考データ程度に見て頂きたい。写真と以下のデータはSD8901CYのデータである。測定した5機種の中ではずば抜けた特性を示した。

RF Input Freq:14MHz±20KHz
RF Input Level:3dBm
Lo Freq:14.455MHz
Lo Level:26dBm・・・IP3最良値に調整
IF Output Level:-3.7dBm・・・スペアナ表示
IF Output Freq:455KHz
IM3 Level:-72dB・・・スペアナ表示(3rd上下の平均、20スキャンのAVG表示)
Gain:-6.7dB
IIP3:39dBm・・・=-3.7+(72/2)-(-6.7)・・・SUBSTRATE端子未処理

これでどのミキサを採用するのかは、周辺環境との兼ね合いや受信目的などもあり徐々に決めて行く事にする。清水さんVery Thanks!。

Jul 21. 2006 DBM/SBM測定依頼のために発送

まともなSGが手元に無く途方に暮れている姿をみて知人の清水氏(前述)が声を掛けてくれた。早々に5種類のミキサの体裁を整えダンボール箱に詰め本日出勤途中に発送した。測定してデータを取ってもらうためだ。
そのために昨夜はちょっと忙しかった。SD8901CYのボックスにDCコネクタとバイアス調整VRを取り付け、6V電源で変換利得最大にセットしたり。7360は電源があると言う事だったので専用プラグの付いた電源コードを用意したり。またその他のDBMも中波AM局や3.5MHzバンド等を聞き比べ動作に異常の無いことを確認したりと・・・。
SD8901はバランス調整をしていないが、RF→IFのアイソレーション(素通り他)をIF受信機で確認するとADE-1やCB3034Mと同じでS=1である。ところが、聴感ノイズで比べると明らかにSD8901は劣るのでバランス調整が欲しい。4066はS=6程度と余り良くないがシングルトーンでのアイソレーションが良好なのが面白い。7360はRF入力はNulされないのでS=9程度とはっきり言って良くないが、SBMなので原理的にやむを得ない。また7360は、筐体にアンテナを接触するとノイズレベルが上がるため、コモンモード侵入も許してしまっている可能性もあり、作り方の問題も考えられる。清水氏からのリポートが待ち遠しい。
Jul 17. 2006 SD8901CY他のDBM/SBM揃い踏み

写真は今までに製作して来たミキサの集合スナップ。 左上はご存知ビーム偏向管7360で球はRCA製、動作はSBM。 その右は当局で最も古く25年の歴史があるTDKのCB3034M(ダイオードリング)内臓のDBMで古い分通過ロスが大きい。 中央はC-MOSアナログSW/74HC6066を使用したDBMで、ハイフレは望めないがローフレなら中々の特性。 右下はMini-Circuits社のADE-1(ダイオードリング)内臓、小型で通過ロスが少ないのが特徴。 左下は最近話題のSD8921CY内蔵のDMB(FETリング)で、噂によると最もDレンジが広いらしい。 中々測定環境が揃わないが、中波の10KWローカルAM局(3局)をプリセレクタ無しでIF=455KHzに変換して聞いたノイズフロアのクリアさの違い等から比較を始めようと考えている。
ちなみに7360は申し訳ないが、今時のデバイスには到底太刀打ち出来ない。人間系又は自動系による入力レベル管理や動作設定管理など、周辺回路やマニュアル操作に依存する度合いが高いと言える。 例えば他のデバイスはLo入力を終端すると、IF出力は限りなく低下して行くが、7360の場合はそうならず賑やかな出力となる。こうした状況を目の当たりにすると、利得は無くても余計なモノを発生しないデバイスに目が行く。
いずれにしても、比べてみないと分からない事が随分と分かって来た。それにしても良くもしつこく作ったものだ。

Jul 15. 2006 SD8901CYのDBM試作

SD8901CYをサンハヤトのSOPピッチ変換基板に載せ、BNCコネクタを取り付けたアルミダイキャストボックス内に置く。フラットパッケージがPin幅1.27mmなのでハンダ付け作業が大変だが、一度Pin幅を拡大変換するとその後の作業がやり易い。
・・・などと9日に購入した部品を眺めながらイメージ作りをしていたが本日一気に組み込んでみた。各ポートのRFT3個はFB-801(#43)にトリファイラで5T巻きした。RF/IFポートのCTは接地、LoポートのCTはパスコンで接地する一方ワニ口リード線でDCバイアスを与えた。
この状態でLoにPC-VFOから1337KHz(≒0dBm/SignWave)を挿入し、IFポートをIC-750(455KHz/AM)に、RFポートにアンテナをつなぐと勢いよく地元のJOPK(882KHz)が聞こえ出した。Loポートが接続されているゲートに与えるバイアス電圧を調整すると緩やかに変換ロスが変わる。現状で一番ロスの少ない電圧は2Vであった。この電圧は最終的にIM最良点に調整する。
元々ADE-1等に比べるとハイレベルのデバイスのようで、現状での変換利得はADE-1の方が3dB程度勝っている。また無調整であるが、Loを終端したときのRF-IF間のアイソレーションやRF非同調で受信するローカル放送間の歪みもまずまずである。4066などの汎用アナログSWと異なり専用ICなので、各ポートの配置が考慮されており配線がし易い。



Jun 24. 2006 SD8901CY届く

米国のcalogicと言う会社がDBM用のQuadFETを製造している。SD8901HD/SD8901CYなどがそれで随分と高いインターセプトポイントを誇るらしい。はっきり言うと7360等のオールドデバイスは論外で、良く出来たRingDiodeミキサでも到底及ばない優れモノらしい。
数年前からJR1PWZ清水氏のサイトで紹介され実験データが公開されていたが、当初は余り興味も無く見過ごしていた。ところが、最近になってCQ誌7月号短期集中連載(JA1WDM進藤氏執筆)の受信機を見てハッとなった。それはミキサに使われていたデバイスがあのSD8901だったからだ。
それであらためて清水氏のサイトにお邪魔しフムフムと読みあさった。それは実に貴重なデータだった。読んでいるうちに欲しくなり、数回のメールのやり取り後とうとうHD9801CYをお送り頂く事になった。
末尾のCYはSD-14フラットパッケージでHDはTO-78メタルカンである。既にメタルカンのものは手持ちが無くなっている模様でフラットパッケージのSD8901CYを送って頂いた。写真はそのクローズアップ。
これでアナログSWミキサ等と同様にアルミダイキャストボックスに組み込み働かせてみる事にする。写真では大きさが分からないがピン間隔はハーフピッチなので1.25mmと非常に狭い。
基板をおこすよりは短めの直配線がやり易そうだが・・・どんなもんだろうか。

Jun 3. 2006 4Mixer揃い踏み

暫くの間固定局の1KW変更申請や144MHz/500W申請のために時間を費やしていたため作業が滞っていた。変更許可が下り変更工事の見通しが立ち既に試験電波発射144MHz以外は試験電波が出せる状況になったので、約2ヶ月振りに更新作業を始めた。
写真は7360(SBM)でJOPK(882KHz)を傍受しながら、製作した3台のミキサを含めて撮影したミキサ4ショット。7360ミキサは入力非同調ステップアップ伝送線路トランス(1:16)、出力は455KHzに同調させている。455KHzの同調容量は350PFである。

Apr 9. 2006 親受信機をIC-750Aに変更する

親受信機用にと懐かしいIC-750Aを実家から持ち帰った。1980年台のメイントランシーバーだったが、その後IC-736を経てIC-756へと変遷した。その前はIC-720Aだったが、もっと前は自作トランシーバーで1980年台初頭まで遡る。実に懐かしい。IC-750Aを取り出した理由は、電源非投入による特性劣化を危惧したのと、オンエア機のIC-756を受信機実験から切り離したかったから。 写真はIC-750Aのクローズアップ。7360ミキサに-10dBm程度のLO(G1)とアンテナ(Def)を接続してIF出力をIC-750A(周波数455KHz/AM)のANTコネクタに接続している。地表のコンディションでSメーターの振れが微妙に異なる。写真はS9+55dB程度振れているが、雨天時は+60dBに達する。筐体側面のスピーカーでは決してハイファイとは言えないが、外部スピーカーをつなげると中々の音でAM放送を楽しむ事が出来る。
この状態からミキサのRFを終端するとS6程度に落ちる。そしてLO入力に6dBのATTを入れるとS1まで落ちる。てことはLO入力でミキサ自身が歪んでいる。LOを6dB落としてRFを入力すると凡そS9+45dB程度を示す。但しここでのLOはダイオードやアナログSWミキサ用で正弦波ではないので注意。いずれにしても、振幅方向のレベルには限界があるので、下方にレベルシフトする等の管理が必要である。しかし、やり過ぎるとS/Nに影響するので、歪みを揃えた状態で入力換算S/N等を見る必要がありそうだ。

Apr 1. 2006 7360/SBM内部配線実施

7360をSBMとして配線してみた。抵抗は購入してあったので問題はなかったが、コンデンサ類は整った物が無かったため手持ち品を選別して使用した。過去に記したように、直接高周波に触れる部分は金属皮膜抵抗、電源周りは酸化金属皮膜抵抗でまとめた。コンデンサは低圧の積層セラミックでG1・Def・K周りをまとめた。電圧の高いSgバイパスはシルバードマイカとした。コンデンサは見つけた時に買い込んでおけば良いのだがいわゆる真空管用が底をついていた。近くのパーツショップを訪れても、真空管回路用のセラミックコンやマイカコンなど置いてないが・・・。
入力はRFもLOもシングルエンドの不平衡入力。出力側はRFT1次側ででプッシュプル接続するが2次側で不平衡出力としている。
電源供給用のコネクタに適当な物が無かったが、4Pinのモールドタイプの物を使用する事にした。念のためヒーターは平衡供給するため2Pinを使用し、残り2Pinを+B電源用とした(@:GND、A:ヒーター、B:ヒーター、C:+B)。これで電源を供給すれば何らかの動作をするだろう。 出力(IF)周波数は455KHzを想定しているが、RFT共振用の同調容量は未だ取り付けていない。広帯域を狙ってもf特も利得も取れないだろうから、最後は共振に依存する事になるだろう。利得を低めに設定したプリセレクタアンプ(AGC制御)を前段に置き7360のDef電極を差動でドライブするのが良さそうな雰囲気になってきた。

配線が終わると直ぐ電源を入れたくなるのが人情。早速有り合せの部品で電源を作った。100V:250Vのトランス2次側をブリッジ整流しケミコンと抵抗でパイ型平滑回路を構成。負荷状態で244V、各電極DC電圧はEp=162.5V、Esg=163V、Edef=28V、G1(Erk)=-4V程だった。暫定なのでレギュレータは省略し、ヒーター電源は安定化電源から供給した。 この状態でRFにアンテナ、LOにDDS-VFO、IFを455KHz親受信機(IC-756)に接続し地元のJOPKを受信する。良好に受かるがダイオードDBMに比べて変換利得が10dB以上低い・・・やはり要ステップアップか?。LO入力は出力をスペアナで見るとハーモニックスが発生する手前でこれ以上上げられない。それでRF入力にステップアップトランスを挿入し利得を稼ぐ事にした。その結果Z比1:16のRFトランスを2段挿入する事でダイオードDBMより約5dB高い出力を得る事が出来た。親受信機はS+50dBまで振れる。共振させれば実効Q倍上がるだろう。
RFポートは非同調であり、ローカルの10KW/AM局3波の他、夜間パスで多くの強力波がミキサに入力しているが復調出力は極めて良好である。なおDef入力はNullされないで素通りするため、IF周波数を変えると直接受信が出来るが、そのレベルは7360の変換より3dB程度低い。試みにLO入力を停止しても素通りのためS9近くまで外来ノイズでSが振れる。写真はテスト中のスナップ。2信号の出せるSGが欲しい。

Mar 30. 2006 7360/SBM回路を考察

7360をSBMとして組む場合の回路を考えてみた。なるべく特殊な部品を使わず部品点数も減らす様にした。このためRFやLOポートはシングルエンド(不平衡・コールド側接地)としている。特に2個のDef電極(8/9番Pin)は差動駆動をするが、シングルエンドにするために片側(8番Pin)をコンデンサで高周波的に接地しRF信号源に戻している。差動動作なのでプレート側は素通りする。LO入力はG1((3番Pin)を駆動し両プレート(6/7番Pin)に同相で出力されるが、出力トランスの合成でキャンセルされる。カソード(1番Pin)はカソード抵抗が挿入され自己バイアスが生成されG1をカソードに対しマイナス電位に保つ。この電圧は恐らく-2V程度なので、オーバードライブにならないように注意する。バランスはDef電極の直流電位で行っている。9番Pinは固定電位で8番Pinの電位をVRで微調整する。
DefとG1の終端&DC供給は100KΩとしているが、前段に共振回路を設ける場合は多少の変更が必要かもしれない。この状態では50Ωラインで接続するような構成になっていないので注意。直近のHi-Q回路へ直に接続する場合はこのままか終端抵抗値を上げても良いが、同軸を引き回す場合は RFTでステップダウンする必要がある・・・特にRFポートについては。
カップリングコンやパスコン類は良質で温度特性の良い物を使う。抵抗は高周波が直に触れる部分は金属皮膜、電源関係は酸化金属皮膜を使用する。また念のためB電源は安定化する。

Mar 29. 2006 7360ミキサを組む

7360ミキサを前項のボックスに乗せるとさすがにスペースが無くやむなくワンサイズ上のTD5-8-3B(TAKACHI)を買ってきた。
写真は早速に穴開けを行い主要な部品を取り付けてみた様子。どのような回路にするかは決まっていないが、部品の配置は7360の電極の位置関係で自ずと決まってくる。BNCコネクタの左側がRFポート、下側がLOポート、右側がIFポートとなる。VRはバランス調整用。真空管はもちろん7360で、真ちゅう製のシールドケースを被せてあるが本来なら磁性体の物を使いたい。
回路の決定は悩ましいところであるが、ここではDBMには固執しないでDef電極を差動で駆動しようと考えている。この球の 最大の魅力は Def電極の差動ドライブだから、これを敢えて同相でドライブするメリットが見出せないのだ。そしてDef入力は不特定の過大入力に対応するためにRFポートとする。したがってLOポートはG1と言う事になるが、これはレベル変動は無いので取り扱いが容易である。また両プレートを同相で駆動するので出力側の合成で打ち消される。バランス調整はDef電極のDCバイアスによって行う。という事でミキサとしてはシングルバランスドミキサ動作させる。 なおDef駆動はシングルエンドで駆動出来るように片側は高周波的に接地する予定。
電源は外部からヒーターと安定化したB電源を外部から供給する。部品は金属皮膜抵抗とシルバードマイカやセラミックコンデンサが中心となる予定。

Mar 24. 2006 7360ミキサの部品収集

7360でミキサを構成するための部品を集めてみた。写真はその様子だが未だ全てが揃っていないし、写真撮影参加を失念してしまった部品もある。
中央のアルミダイキャストボックスは過去に紹介しているDBM群と同じ大きさだが、実際に部品を乗せてみるとちょっと狭くキツイのでワンサイズ上の製品に変更する・・・VRが無ければ何とかなったんだがと反省しきり。ボックス上にはRCAの7360が見える。札幌のNPO法人ラジオ少年から購入したものの1本。左上は9Pinミニチュア管用ソケット&シールドケース。このタイプはソケット部とシールドベース部が分割可能なタイプ。ソケットにはアースラグやセンターポスト(ビス留め可)があり配線が大変やり易い。ボックスの下には入出力端子用BNCコネクタとバランス調整用の5KB/VR、それに抵抗群が見える。
これ以外に撮影参加を失念した入出力トランス・トリマーコンデンサ・DCコネクタの他、DC250V/AC6.3V電源用部品等がある。
考えてみると真空管の工作をするのはリニアアンプ等を除くと四半世紀振りである。7MHzのSSB/CWトランシーバを1980年頃に製作したのが最後と記憶している。それでも全く危惧すること無く作業ができるのは、その昔に如何に多くの真空管工作を手掛けたて来たかと言う事だろうか・・・実に楽しい。昔なら装置に組み込んでからの評価が全てでかなり曖昧なやり方をしていた、こうして単体で特性を把握する試みは非常に重要な事だと考えている。

Mar 21. 2006 7360のDBMを考察

7360によるDBM回路を考えてみた。原典はRCAチューブマニュアルの"Beam-Deflection Tube 7360"にある"BALANCED-MIXER CIRCUIT With Separate Excitation"の回路図である(このパージの壁紙が原典)。この回路はLoをG1に入力しRFをDefに入力しプレート側はプッシュプルで取り出すが、入力の扱いはシングルエンドである。したがってG1に対してはNulがとれLoは抑圧されるが、片方のDefは接地されNul動作が出来ず入力信号は素通りする。これだとシングルバランスなので、2個のDef電極を同相で駆動できるようにRFTを挿入し工夫を凝らす。図はその様子。RFTの2次側はCT(センタータップ)のように見えるが、実は2つの巻線をGND に対しDef側で同相になるように接続している(図に"・"マークで方向付け)。バランス調整はDefに与える直流電圧(VR)で行う。 各電極に与える電圧は原典の抵抗値を参考にしている。出力は455KHzにチューニングするが、入力側は非同調のステップアップ(終端が必要かも)としている。またRFとLo入力はG1かDefかを入れ替えた様子も見てみたい。デバイスはスイッチング素子ではなくアナログミキサー(積算器)であるからその振る舞いはダイオードやアナログスイッチを使った物とは異なってくると考えられる。当然過大入力があったとしても完全にバランスしNulが得られればその周波数成分はリジェクションされるだろうが、積算された成分は飽和するだろうから歪んだ成分で出力される・・・本当だろうか?・・・考えていると楽しくなる。

Mar 18. 2006 Z比1:64のRFT(トランス)を巻く

インピーダンス変換比64のトランスを巻いた。何に使うかというと7360ミキサの入出力トランスである。ただどの程度の負荷を与えれば良いのか良く分からないので、試しに0.26mmのUEW9本をメガネコア(規格不明)に伝送線路方式で5回巻き、巻数5:40/CT(Z比1:64)とした。したがって50Ωから3.2KΩへの変換が実現する。但しこれだけ変換比を取るとf特が暴れだす。確認のためにSWRアナライザに50Ω側をつなぎ、Hi-Z側に3.3KΩの抵抗をつないでSWRを見るとさすがにHF領域に入ってくるとSWRが2以上に上がってくる。しかしMF帯では1〜1.5程度なので455KHzには十分使える。
試しにHi-Z側にVCを取り付けて、455KHzに共振させてみるとその容量は凡そ350PFであった。また共振させるとSWRは低下し実用範囲になる。共振させて使用する場合はQによる利得アップも期待できる。この場合、変換比は変わらないからLow-Z側hは50Ωより高くなるので別途整合が必要になろう。
当初はIFTにリンクコイルを巻きLow-Zで引き出そうと考えたが、4066DBMと同じケースに収めようとするとスペースが無いためこの手法とした。1次と2次がコアで密結合するので負荷が重くなりそう・・・伝送線路トランスの非伝送トランス使用とでも言うべきか。また入力側は可変周波数で広帯域にする必要がありちょっと悩ましい。どうしてもミキサとRF同調が融合した造りにする必要があるから、他のミキサと同様には扱い難い。

Mar 15. 2006 COFFEE BREAK・・・DBMのスリーショット

手元にあるDBMを写真に収めた。全てTakachiのアルミダイキャストケースに収め、同じ位置にコネクタを取り付けているので各種実験時に容易に交換が出来る。手前が4066/C-MOSアナログSWによるDBM。右上がMinicircuitsのADE-1。左上はTDKのCBM30034M。4066のDBMは電源(Max6V)が必要なので背面にDC-Jackを取り付けてある。表面には各ポートを示すレタリングを施した。
このラインナップに7360によるものや、双3極管、6BE6等の複合管などを加え実験をしてみたいが、何分にも時間と気力が追いつかない。せいぜい7360にターゲットを絞った作業に留めたい。
真空管の場合入力Zが50Ωから見たら桁外れに大きくステップアップが必須になるが、その分広帯域特性は得難くくなる。トランスでステップアップしてもインダクタンスとストレー容量による共振が必ず発生するので非同調ではf特はもとよりS/N・利得の点で難しい。したがって最初から(一般にやるように)トランスによるステップアップと共振に依存した狭帯域な作りに落ち着くだろう。その場合トランスの巻数比の他に共振回路のQによるステップアップにも依存するので、使用する部品の能力も課題になる。どちらにしても真空管は増幅デバイスなので、「残留ノイズ(dBm)-利得(dB)」で得られる「入力換算ノイズレベル」でS/Nを評価する必要があろう。


Mar 12. 2006 DBMのIsolationを測定

手元にあるDBMのIsolationを測定してみた。測定はRFポートからIFポート、及びLOポートからIFポートに漏れ出すレベルについてのみ測定した(無入力のポートは50Ωでターミネーション)。
サンプルはMinicircuitsのADE-1、TDKのCB3034M、それに自作の74HC4066DMBで、測定は約3MHzで+7dBmのCWをRFとLOポートに注入しIFポートをスペアナ(50Ω)で観測した。注入周波数を約3MHzとした理由は、いつもこの周波数を注入して3.5MHz帯をIF=455KHzに変換して聞いているから、そのまま流用しただけである。
表は結果をまとめたものであるが、アイソレーションについてのみで見るなら自作の74HC4066によるDBMは、通過ロス分を差し引いてもトップの成績である。但し広帯域にどれだけ対応しているかは未測定なので安心は出来ないが・・・。

Mar 8. 2006 バランス調整VRの追加とQuad Analog-SWのDBM

以前から気になっていたのだが、テストしていたアナログSWによるDBMはRFポートとIFポート間はバランス(ヌル)しているのだろうか?。
確かにRFポートのトランス中点(GND)から見ると正・負スイングが180度異なり振幅が同じならバランスする。
しかしそれはLOポート入力が無い場合は理解できるが、LOポートに入力がありSW動作が始まると、片側がONになった瞬間はもう片側はOFFだからバランスぜずRF信号は素通りしIFポートに出力されるような気がする。
それではとRFポートにキャリアを注入してその減衰量をIFポートで見ると約-60dB以上、倍の周波数では-40dB以上落ちており「ホッ!」(通過ロス数dB含む)・・・と一安心だがf特を持っているのはちと悩ましい。

左図は正・負スイングレベルの調整VRを追加し、DCブロッキングコンを取り外した回路。
左下図はアナログSW4個を使って構成したリング方式のDBM。正・負それぞれでアナログSWが2個直列になるので、ロスを嫌ってトランスのステップアップ比を上げたいが、そうするとf特が更に悪化するので注意が必要だ。下図のダイオード4個分をアナログSWに置き換えただけであるがRFとIFポートが等価になるので取り扱い易い。

過去にも触れたが、C-MOS回路のインピーダンスじゃ電源回路を含めて高いため、電源端子を開放にするとミキサ動作が継続する。これを回避するにはパスコンでは駄目で、一定値以下の抵抗でVdd-Vss間を終端する必要がある。又はドライブをC-MOSではなくTTLで行う等の工夫が必要だろう。

Mar 1. 2006 ウェーブ電子DDS-VFOの矩形波出力機能

正弦波LO入力からデューティ比50%の矩形波を生成する事に悩んでいたら、ウェーブ電子のDDS-VFOには矩形波出力機能がある事をが回路図とマニュアルから発見。出力4Pコネクタの2番にその出力が出ている。早速にプローブを当てオシロスコープで見ると見事意5Vp-pでしっかりとTTLレベルで出ている。
これまで伝送線路トランスでステップアップする事ばかりを考えていたがこれで問題クリアである。それにしても5Vの矩形波であるから、電力にするとかなりのレベルになる。50Ω負荷のDBMに直接接続するにはかなりオーバーレベルになるし、50Ωをドライブする能力も無いと思われるので程よき負荷になりかつ十分なドライブが出来る様にPADが必要になる。基板上のLSIからは100Ωの抵抗を経由して出力コネクタにつながっている。
写真は約3MHzで発振させたDDS-VFOの矩形波出力でドライブした正・負アナログスイッチのゲート波形。非常に綺麗な切り替え波形を示している。
・・・と気を良くしていたらウェーブ電子からのメールで矩形波出力機能はせいぜい10MHz程度という事が分かり、やっぱり正弦波から矩形波を作り出す算段をする必要がありそうだ。またLSIチップからは100Ωを介して出力されているので一度74LS/74HC/Tr等のゲートで受けてバッファを構成した方がベターだろうとするコメントもあった。

Feb 28. 2006 アナログSWのドライブ波形

昨日の状況でアナログSWのドライブ波形を2現象オシロスコープで測定してみた。周波数は2882KHzである。既に述べたように駆動パルスを単純にVFO出力で74HCゲートをドライブしているのでデューティ比が50%にはならず凡そ25/75%である。DCレベルシフトを行うかコンパレータを挿入する等して改善する予定である。
ここでの目的はデューティ比では無くて、正・負スイッチのドライブ状況がスムーズに行われているかである。写真では良好なドライブ波形が確認できる(垂直1V/Div、水平0.5μs/Div))。
なお試みにVFO周波数を30MHz程度に上げると測定プローブ環境が不備のためリンギングが重畳され綺麗な波形にならないが、基本的なスイングは問題はなさそうである。
ちなみに電源供給を停止すると振幅が1.5Vに低下するがドライブが可能である。C-MOSがHi-Zデバイスであるためと推測するが、これでも周波数変換が行われるので興味を引く。これを嫌うには74HCではなく74LSタイプ(TTL)をドライブに使用すれば良い。Hi-Zのデバイスは通電を切った後でもゲートに電荷が残っていると妙な動作をするので、程々の終端抵抗が必要かもしれない。何時もそう思っているのだが、あいにく行き付けのパーツショップには74LS86やその同等品が置いてなかった。

Coffee Break・・・ PC-VFOjrをご存知ですか?

1998年頃PC-VFOjrと称するPC制御のDDS-VFOを米国サイトで発見し即購入。ハードウェアはISAカードに組み込まれPCスロットに挿入しソフトを起動すれば容易に目的周波数の正弦波が得られた。出力は7dBmとしているが実際には50Ω終端で3Vp-pもあった。ダイオードリング方式DBMの復調器の局発用として重宝していた。ただ出力信号のピュリティは最近のDDSに比べたら相当悪く、高い周波数になるに従い悪化しガッカリする。しかし容易にDC〜50MHzの信号を作れ、2周波数間をスイープしたりが簡単に行え随分役立った。
左はそのPC-VFOjrの操作画面。ダイアルを回したりして連続的に周波数を変える機能は無い。テンキーで打ち込むか、マウスでテンキーをクリックして実行キーを押す必要がある。jrとしている理由が良くわからないが、ひょっとしたらjr無しも存在するのだろうか?。ISAスロットにしか対応しておらずOSもWindows95/98/ME止まりで2000やXpには対応していない。最近のPCはISAスロット非対応が多いので古いPCマザーボードを探す必要がある。CWS ByteMark社で取り扱っているが、ソフトウェアは無料DLが可能。


Feb 27. 2006 アナログSW-DBM修正

ウェーブ電子のDDS-VFO出力は100Ω負荷でせいぜい1Vp-pのため図に示す様にLo入力にステップアップトランスを挿入しレベル補完た。1:3の伝送線路トランスでf特の維持のためにRlで終端している。負荷抵抗は100x3x3=900Ωとし、ステップアップ比は9倍である。また回路の簡素化のためにIFポートの抵抗は撤去した。
この回路により製作したDBMは比較的良好な動作を示している。但しMinicircuits社のADE-1には通過ロスで約3dB、RFポートの平衡度でも10dB以上劣っている。後者については無調整状態なので当然であろう。オン抵抗が揃うようにVRで混合するか、オン抵抗の少ない側にVRを入れて調整するなどの工夫が必要である。したがって前者もデバイスのオン抵抗そのものの問題であり、入力トランスで高ZにステップアップしてSWing後ステップダウンするなどの工夫が必要だろう。
上記のデータはDBMで、JOPK(882KHz)をIF=2MHzで受信するためにLo=1118/2882KHzを混合した状態である。
Ex-ORゲートによるアナログSWドライブは極めて良好で、正スイングと不スイング時の切り替えが非常にスムーズである。但し入力波形が正弦波に近いため、切り替えパルスの立ち上がりの遅れとEX-ORデバイスのヒステリシスによりデューティ比が50%なっていないのが気になるが。

Feb 19. 2006 Exclusive-ORゲートでアナログSWをドライブ

アナログSW(4066)のドライブ回路をEX-OR(74HC86/74LS86…etc)に変更して書き出してみた。Feb10に記述した回路でアナログSWをドライブしている。
最近まとまった時間がとれず実験が停滞気味である。その代わりDBMにアンテナ経由のRF-551AとDDS-VFO出力つなぎ、IFに見立てたIC-756でAM放送やアマチュアバンドを聴いている。この際感じることは、Lo入力を終端(ON/OFF)し、ノートラップでDBMの素通りをどの程度感じるか・・・すなわちRF入力に対するの平衡度に興味が及んでくる。良質なDBMは+60dBもの強烈な信号でさえS1以下に落としてしまう。いい加減なモノだとS9程度まで振れる。製作した幾つかのDBMを取り替えながら比べると面白くなる。当然だが無調整回路だと周波数特性を持ってくる。同じ事を7360でやってみる予定だが楽しみである。 もう30年近く前だが、局発を殺してもやけに賑やかな受信機と闘っていた事がある。それで家にあった5球スーパー(日立エーダS-540)の局発を停止させたら非常に静かで驚いた事がある。その時思ったのは、回路方式も重要だがそれ以前に@適正なレベル配分A適切なコモンモードノイズ処理の重要性だった。多くの青少年向けの製作記事はこの部分に振れていなかった。特に後者は、シャシに誘起した不要高周波を容易にノーマル系に侵入させてしまう事だが、全く解説が無かったと思う。そんな訳だから増幅回路やミキサ回路に何が入力されて来るか分からないような状況だった。

Feb 12. 2006 HARRISプリセレクタ"RF-551A"とドッキング

DDS-VFO+DBM+455KHzRx(IC-756)の組み合わせでRFポートにHARRISのプリセレクタRF-551Aを挿入してみた。マニュアル操作だが、この状態で既に十分実用に耐える受信機になってしまうから面白い。RF-551Aは公称2〜29.999MHzのプリセレクタである。フロントパネルからのマニュアル同調と外部からBCDコードによる自動同調が可能である。先日島田市のJA2AGP矢澤OM宅にお邪魔したとき説明書共々拝見し欲しくなった。兵庫B.MのM氏にメールを出し未整備の物を早々に送って頂いた物が今朝届いた。受信機製作とはやや趣を異にするが、気になっていたプリセレの能力把握に役立つと考えている。またDDS-VFOからBCD出力を取り出せば、外部プリセレとして自動制御の期待もあり夢が膨らむ。 写真はRF-551Aの上に製作中の受信機とDBM(AED-1)が見える。IFは=455KHzで7050KHzを受信中の様子で、VFOが7505KHzを示し、RF-551Aのノブは07050KHzを示している。これでRF-551Aの100KHzノブを1ステップ回すと受信波は見事に減衰しそのレベルに圧倒される。 この実験で、IF周波数を様々に変えてみる事によりイメージ抑圧比の確認やそれによる周波数構成の検討データを得ることが出来る。説明書の RF SELECTIVEITYの項には…60dB nominal attenuation to signals 10 percent removed from the seltcted freqency…とある。てことはIF=455KHzの構成ならイメージは455x2=910KHz離れているので、RF-551Aのみでイメージを-60dBに落とせる周波数は910/0.1=9.1MHzとなる。

Feb 11. 2006 Coffee Break・・・OMからのメール

拙作Webを開設して4年5ヶ月、BBSを開設して3年8ヶ月経った。多くの皆さんに覗いて頂いている模様で、僭越ながら物作りの参考になれば幸いと思っている。そんな折、JA1AEA鈴木OMからメールを頂戴した。氏の物作りのセンスは他と一線を画していた。高校1年生だった1970年当時、SSBハンドブックの製作記事を貪り読み何時も唸っていた。回路・材料・機構・実装・測定・評価etc・・・あらゆる製作要素が織り込まれ、まさに物作りのバイブルであった。メールには今時珍しい事をやっている事に対する援護談から、昨今のアマチュア無線事情や出版への嘆き等があの名調子で綴られていた。総じて感じた事は国内における基礎技術継承努力の欠如で、それがメーカーや出版のレベルまで及んでいる事実。全く同感である。小学校の理科で豆電球と乾電池、電磁石やモーター(ブザー・電鈴etc)をやらなくなったのは何故か。それを工作の時間で使わなくなったのは何故か。中学校の技術でラジオをやらなくなったのは何故か。電子立国の少年達ははそうした体験に一喜一憂し、物作りの大きなきっかけを貰って来た筈である。ところが昨今のエンジニアは理科や工作を知らないでコンピュータープログラムばかり触っている。その方が手も汚れないし商売になるのだろうが、常識的物理現象までを覆してしまうような誤解が生まれるような気がしてならない。PLCの話は最たる事例だろう。かつては誤りとして取り扱われた事に蓋をして、コストや便利さ優先で迷惑(電波障害)も顧みられず実行されようとしている。片方でクリーンな電磁環境を、また片方では片手落ちの便利さを訴える行政さんに、もう少し何とかならないものかともの申し上げたくなる。

Feb 10. 2006 C-MOS Analog Switchのゲートドライブ回路の考察

4066の制御駆動回路は実験当初よりタイミングずれを含んでいる。すなわち正と負側のドライブ間にインバータ1個分の遅延が発生する。C-MOSはTTLなどに比べるとHigh-Zなので回路の静電容量・電源電圧・使用温度等にも影響され易い。PhilipsのDataSheetによれば74HC04の場合、Vcc=4.5V、50PF負荷、25℃でtPHL/tPLH≒10ns(typ)であるが、温度-40〜85℃の間では最大24nsと謳っている(TTLになると改善される方向)。したがって単純にインバータ逆タイミングを作ると切り替え時間に誤差が生じるのは明白である。455KHz程度のスイッチングでは問題にならないが30MHzでは周期が33ns程度になるため相応の影響が考えられる。
そこで相対時間差を無くすためにEx-OR(Exclusive=排他的)を使用したドライブ回路を考えてみた。Ex-ORはゲート入力AとBが、「1or1又は0or0」と「0or1又は1or0」の組み合わせで出力が反転する。この特性を利用して図のような回路を組むと、正・負で電気長が同等になり相対的に遅延のない出力を得ることが出来る。実装についてもスペースはインバータを使う場合と変わらず絶対にお勧めである。なおEx-ORの有用性についてはJA3DEW清水OMからも助言があり参考にさせて頂いた。OMも各種実験をされておられ、世の中には似た様な事をしている人が居るもんだなぁとつくづく感じている。またEx-ORは入出力回路に入れておくと、簡単に論理方向(正・負論理)を切り替える事が出来重宝するのでオーナーは好んで使っている。

Jan 29. 2006 C-MOS Analog Switch(4066)によるDBMの試作C・・・実装

C-MOSのアナログスイッチとRFトランス及びCR類をガラスエポキシ基板に組アルミダイキャストボックスに実装した。
果たしてどんなモノかとIF=455KHzに見立てたIC-756へIFポートをつなぎ、LOへはDDS-VFO出力を、RFは何処にチューンしたか不明のATU出力を入力した。DDS-VFOを1337KHzにするとローカルのJOPK(882KHz)が良好に受信できた。 ところが様子が可笑しい。LO入力を停止してもガサゴソが大きくS8前後(ADE-1はS1以下)。確かに周波数変換(SWing)はしているが、RFがIFに対してバランス動作していない。それでもしやと思いIC-756を882KHzに変更しJOPKの素通りを聞くとやはり大きくS8。さらにRFを抜くとS1で、アンテナ同軸のシールド側をダイキャストボックスにタッチさせるとS4になる。
という事で出力側にもRFトランスを挿入し筐体との隔離を行ったが何しろRF、AFとは違い若干の静電容量でも結合してくる。トランスも伝送線路型で巻いているが、更にフロートバラン要素を持たせる必要がありそうだ。或いは極小に組むとか。RFの不思議さを感じる一こまである。
こうした話は昔ダイオードでDBMを組む時に良く経験をしている…DC受信機でコモンモードノイズを拾い易かった経験がOM諸氏にはあるのでは?。そう見るとMinicircuit社のADE-1は良く出来たDBMで、各ポート間のアイソレーションは素晴らしい。 写真はIFポートにもトランスを入れたDBMの様子だが、まだまだ「改善の余地あり」である。

Jan 28. 2006 C-MOS Analog Switch(4066)によるDBMの試作B・・・回路修正

アナログSW_4066を使ったDBMを実用回路に書き直してみた。IFポートはいずれはシングルエンド回路に接続され不平衡処理されるので、もうミキサの段階で不平衡にする事にした。4066の信号ラインには特にBIASは与えていないが、果たしてどうなるか。IFポートは程良き抵抗(数KΩ)で終端し、念のためCで外部からのDCカットしておく。デバイスはアナログスイッチに74HC4066、インバータに74HC04を使ってみる。当初は15V印加を考えていたが74HCシリーズなので5〜6Vにする予定。15Vデバイスから変更した理由は友人のJG2EGS岩崎氏から送られて来た資料による。それは1998年秋号の"CommunicatioQuarterly(現QEX)"誌の58ページからの記事である。実は同じ4066ミキサを使ったDC受信機を、ZS6BZP(Mr.HansCoetzee)が試され好結果を得ている事が分かった。記事を読むと世の中には、国や文化が違っても、同じ様な事を考えている人が居るもんだなぁと感心した・・・Tks to ZS6BZP & JG2EGS!。それからもう一つの理由として15VデバイスのHFハイフレでのスイッチング波形のなまりが気になりそうだったからだ。
そんな理由で取り急ぎ左の如き回路を書き出してみた。IC直付けの予定だったがICソケットを使い15Vデバイスと入れ替えが出来る仕掛けにしようと考えている。大分イメージが膨らんできた。最近受信機好きの方々から励ましのe-mailを頂戴するようになりました。仕事の関係もあり非常にスローペースになっていますが、ボチボチと進行して行きますのでご期待下さい。

Jan 24. 2006 C-MOS Analog Switch(4066)によるDBMの試作A・・・ケース加工

TAKACHのアルミダイキャストケース(TD 4-6-3N(60x35x60)を写真の様に加工した。3個のBNCはRF/LO/IFの各ポートになるが、C-MOS_ICの4066と4004の電源用Jackも取り付けている。電源はシングル電源のDC12〜15V程度を考えている。±電源にすれば4066のBIAS回りの回路がシンプルになるが、ここでは電源側をシンプルにする事にした。部品はユニバーサル基板に差し込んで半田付けし、裏面が見えるように置きBNCやDC-Jackへ配線する。ICはソケットなど使わず直に取り付ける予定だ。
この様な細工でミキサを作っておくと簡単にミキサ同士の比較が出来るので面白い。またジェネカバの受信機をIF増幅と復調器に見立てIFポートに接続し、LOポートにDDS-VFOを接続すれば立派な受信機に早代わりするので楽しくなってくる。FETのQuadミキサでも7360等の真空管ミキサでも同じだ。これらは入出力のZがバラバラなので50Ωに正規化して比較するのが面倒に思えるが、Zを気にしなくても残留ノイズと利得及び飽和レベルを把握すれば、入力換算ノイズ(残留ノイズレベルdBm-利得dB)が分かるので大方の見当はつく。ミキサのレンジが確認できれば利得をRF段に振るのか、IF段に振るのか、AGCにどの程度依存するのかが見えてくる。S/Nを上げるにはRFの利得が必要になるがミキサ入力をレンジ内に収めなければいけないし、IFに依存し過ぎるとS/Nを悪化させる。両者を取り持つには程ほどに利得配分しAGCに依存するか、入力ATTで調整するかと色々とアイデアが浮かぶ。

Jan 21. 2006 C-MOS Analog Switch(4066)によるDBMの試作@・・・RFトランスを巻く

アナログスイッチ4066を使ったDBMを試作してみる。その主目的はダイオード式リング型DBMとの比較にある。気の利いた測定器など無いから入力換算ノイズと飽和点とのレンジや3rdIMDの出方を比較する位しか出来ないが・・・。
先ず手始めにRFポートのトランスを巻いた。トランスと言ってもフェライトビーズFB-801(#43)にコイルをトリファイラに巻いただけである。0.26mmUEW(ポリウレタン銅線)を3本用意し、片方をまとめて固定し、もう片方をハンドドリルのチャックでくわえて回し、線をよじってバラけない様にする。フェライトビーズに巻く回数は最低周波数にも影響するが、取り敢えず5回巻きのモノと4回のモノの2種類とした。1次側はコイル1つを独立させ、2次側は残り2つのコイルをトーテムポールに接続して、接続点からみて正相と逆相が得られるようにする。写真はFB-801に巻いたコイルの様子である。色の違う線材を使えば確認や製作時助かるが、店にはそんなに気の利いた物などないのでコイル同士の接続には注視を要する。
前述の回路が基本になるが、電源は+15Vなどのシングル電源が扱いやすいので、4066の入力に7.5Vのバイアスを与え出力はDCカットする必要があるかもしれない。また出力トランスは省略する方向である。こんなやり方でもそれなりの動作をしてくれる筈である。

Jan 17. 2006 C-MOS Analog SwitchによるDBMの考察

DBMのスイッチングをダイオードにするかFETにするか或いは球(7360)にするか考えているうちに、そういえばC-MOSのアナログスイッチが使えそうだなと思いついた。四半世紀程前に4066を使ってコーワン型変・復調器の実験をした事がある。これはオーディオ信号を単純にキャリア周波数(455KHz)でスイッチングするだけの話だが、キャリアはC-MOSのバッファで矩形波で駆動するため、完璧なSWingが出来ていた事を思い出す。正弦波では急峻な立ち上がりが望めないため、キャリアはシュミットトリガ型のバッファを経由していた。ダイオードDBMの様にスイッチング用のキャリアとオーディオ信号がダイオード内で輻輳しないため非常にスムーズな切替と無調整で相応のキャリアサプレッションが得られていた。
そんな体験を思い出しそれをDBM化出来ないだろうかと考えたのが左の図。SW4個をリング状にする必要もないので4066のSW2個で構成してみた。4066はオン抵抗を減らすためSW素子は2個並列にしている。Rは正弦波駆動時の立ち上がり補正用。近日中に組み上げローカル放送を聴いてみる予定である。なおIF出力は伝送線路トランスでステップアップしたり、トランス無しで直に負荷接続も可能である。アナログSWの扱えるレベルはP-Pで4066のVcc=15Vあるので広いレンジが望めるし、ゲート制御は電荷制御なので電力も必要としない。さあどのような結果になるか楽しみである。

Dec 29. 2005 DBM & DDS-VFO Testで通過ロスの確認

Mini-Circuits/ADE-1にDDS-VFO出力を注入しIFポートを455KHz受信機(IC-756)に接続して、地元のJOPK(882KHz)を受信した系統と簡単なデータを図に記した。既に数値は紹介しているがアンテナシステムのATUの状態で数字が変わるので改めて測定しなおした数字を記入している。ATUのチューニングは3.5MHz帯で実施し、この状態を維持してJOPKを受信している。数字はIC-756のSメータによるものである。
非常に良好に周波数変換しているが、ここでの主目的は通過ロスの把握。数字に示しようにこの周波数では≒5dB程度と良好であった。ADE-1はダイオード4個によるリング型のDBMだがダイオードの詳細なデータは分からない。原理的にダイオード自身にRF信号とSWing信号が重畳される。したがって、RFポートレベルがLOポートレベルを越えるとLOによるSWingが正常に行われなくなるので、各ポートのレベルは十分管理される必要があろう。特に常に動的なRFポートのレベルは上限を超えないようにMGC(ATT)やAGCで管理され、最高のコンディションで動作されるべきである。
今年も残すところあと3日。もう少し速い展開を予想していたが部品入手に時間が掛かったり、業務多忙だったりで進捗状況はノロノロ状態。しかしDDS-VFOとDBMによる周波数変換の感じを掴めたので今後の製作で選択肢が増えた。図をクリックすると大掃除後のワークベンチを御覧頂ける。バラバラだったパネル等がケースに収まりカッコイイ!が、実は押し込んだだけ。

Dec 23. 2005 Mini-Circuits/ADE-1で汎用DBM制作・・・簡易受信テスト

Mini-Circuits社のDMBADE-1をTAKACHIのアルミダイキャストボックスに実装した。受信機に採用する場合も汎用性を考えて同様の構造にするだろう。このADE-1はメタルカン製DBMに比べ小さいので細工には注意を要する。BNCコネクタからの配線を直に各端子へ行ったが、プリント基板でサブ基板を構成する手もある。データシートにある回路図では、各ポートはシングルエンドの様に記されているが、実はコールド側もホット側同様に浮いている。Pin番号は短手方向にペアで、@-EとB-CがRF/Lo、A-DがIFである。今回は配線の関係で@ACを接地した。
写真は汎用DBMの内部。線材はリードインダクタンスを嫌って幅3mmのリン青銅板を使用した。これでどの程度の動作をするのか知りたくなった。IFポートにIC-756をつなぎ周波数を455KHzに設定、LoポートへはDDS-VFOから1337KHzを供給、RFポートにアンテナ(ビハインドアンテナ)を接続すると、地元のJOPK/882KHzが勢い良く受かった。プリセレ処理はしていないのでイメージ周波数も一緒に受信しているはずだが、IC-756のSメータは+50dBまで振れている。この値はIC-756で直にJOPKを受信する時の表示とほぼ一致している。この状態で前述のメタルカンDBMと交換すると約10dB低下する。これは恐らく内部ダイオードの特性によるロスの違いと思われる。Loの注入レベルを上げればロスも低減すると考えられる。VFOを回して行くと3.5MHzのCWやSSBが心地良く受信出来る。既に今流の受信機の雰囲気である。

Dec 18. 2005 Mini-CircuitsのDBM ADE-1について

安城市の高須氏(JA2TNY)がMini-Circuits社のDMBADE-1を送ってくれた。何やらオークションで落としたらしい。当初は良くあるメタルカンに封入されたタイプかと思っていたら写真のように樹脂製の封入型だった。
このADE-1はLO/RFポートの周波数帯域が0.5-500MHzで、製作中受信機のミキサや検波回路に十分使えそうだ。ConversionLossが5dB/typとなっているから、このロス分と能動デバイスを使った場合の利得分を、RFかIFのアンプで補償しないと利得不足になると思われる。IFアンプに依存するとC/Nが悪化するだろうし、RFに依存し過ぎるとDレンジが狭くなるし、それをカバーするためのAGCの負担も大きくなる。夫々が関係し合っていてスーパーヘテロダイン受信機ってのは本当に面白い。チャンピオンデータを競うのは非常に安易な発想であるのが良く分かってくる。
Loポートレベルは7dBm(=5mW≒0.5Vrms/50Ω)なのでDDS-VFO出力が1Vp-p/100Ω(OpenかTerminateか不明)だとややレベル不足かも知れない・・・Tr1段程度の広帯域アンプが必要になるかも。
写真はフィルムパッケージに収められたAED-1。サイズを測ると8mmx5mmである。この中に広帯域の入出力トランス2個とダイオード4個が封入されているなんて想像も出来ない。この大きさにしないと低Zラインと言えどもリードインダクタンスにより500MHzまでフラットな特性が得られないのだろう。

Dec 10. 2005 D/A変換基板の微調整

D/A変換の微調整を行った。以前にも記したが74C915のBCD出力が「0000」の時のオフセットが各桁で違うためこれを調整する。バラツキの主原因はDIODE-AND回路のプルアップ抵抗値にあるため、これを10MHz/1MHz/100KHz桁とも390KΩに上修正した。この値は、1KHz桁のオフセット値≒15mVに見合う値をカットアンドトライで決めた。1KHz桁もDIODE-ANDを組んでいるが負荷状態が異なるため47KΩでプルアップしてもオフセットは微量だった。また無処理の10Kz桁は見事に0mVであるが、前後桁とのつながりがリニアで無くなるためVFOノブを回してVCの回転が最もスムーズになるオフセットを与えた。この時のプルアップ値は約3MΩが最適だった。なお上記電圧は各桁バッファアンプ入り口の値を示している。
また1KHz桁の加算器S/Nを稼ぐために帰還抵抗を470Ωに上方修正し、並列コンデンサも33μFに増加。更にオフセットBIAS回路の抵抗値を変更した。
写真は何時になったら片付くのだろうかと心配になる実験風景。フロントパネルやD/A変換基板とVC&RC-SERVO以外にも色んなモノが転がっている。回路図面や大小3台のデジタルテスタ、デジタルCRメータ、秘蔵のOLD_IC-BOX、ルート付き電卓、ラジオペンチやニッパが見えるが、この外側にはオシロスコープ、ハンダゴテ、電源類が所狭しと並んでいる。写真をクリックすると本日の結果を反映した回路図が見える。

Dec 2. 2005 RC-SERVO-VC駆動テストの動画

VFO操作によりディスプレイ周波数が変わり、最終的にVCが回転する様子を動画でお見せする。画像をクリックすると再生画面に移動し自動起動する。再び見たい時はプレイボタン(右三角)をクリックする。制御内容は・・・・
@VFO切替によるプリセット周波数制御
・・・21MHzと20MHz間をVCが瞬時に回転移動
AVFOダイアルによる周波数可変制御
・・・ダイアル回転に応じてVCが直線的に回転
なおこの動画ファイルを見るにはWindows付属のMediaPlayerが必要です。デジカメのムービーモードで撮影しましたが、ファイルサイズがあるためダウンロードに時間が掛かるかも知れません。
どうですか?こうした映像を見るとリニアアンプやアンテナチューナーのプリセットチューンに使えると期待が持てると思いますが・・・十分なRF対策が必要ですが。皆様の追試を期待します。
なお昨日発注しておいたミニスタジオのRC-SERVOが3個到着した。動画で4連VCを回しているRC-SERVOは到着したMiniS RB995。このサーボのファイナルギアに彫られているネジサイズは2.6mmではなく3mmで好都合だった。

Nov 30. 2005 74C915のBCD出力電圧が10KHz桁のみ低い理由

何てことは無かった。LEDディスプレイが無表示になった時に74C915のBCD出力は「1111」のコードを出すので、これをD/A出力でキャンセルするための検出をDiode4本によるAND回路を構成している。このダイオード群は10KΩ程度の抵抗経由で5Vラインにプルアップされている。したがって74C915の出力もプルアップされる結果になる。この検出を行っているのは10MHz/1MHz/100KHzと1KHz(WD/RD時用)桁で10KHz桁は行っていない。このため10KHz桁のみ出力電圧が低くなる結果となっていた。この部分の電圧の高低はラダー型D/AのLSB部分の精度に影響すると思われるので、プルアップ抵抗値をギリギリまで上げてみる作業を近日中に行ってみる。例えば数10K〜数100KΩまで。それでも不揃いの場合は他桁に相当するプルアップを10KHz桁74C915のBCD出力に対して行う。それにしても10mV前後と360mVとの差は大きい。デジタルレベルでは論理「1 or 0」として処理され全く問題にはならないが・・・ラダー型D/Aでは微妙な話になってしまう。とんだところに落とし穴があった。
なお新しく購入したRC-SERVOのステップが今ひとつなため、別途ミニスタジオのメタルギアタイプMiniS RB995を発注した。定価は\2800だが、現在\1980で販売中。

余談だが、ここ数年各種ロボットコンテストや2足歩行ロボット等の機構にRC-SERVOが多用される傾向にある。このため従来はRC製品にのみ使われていたRC-SERVOが相当量が生産・流通するようになり破格を生んでいるように思われる。1985年、カメラの無線リモコン雲台を作った時にRC-SERVOを使った事があるが、その時はこの様な値段で購入することは不可能だった。随分と便利な時代になったと思う。
アマチュア無線でもタワートップに設置したアンテナチューナーをシャックからプリセット制御したり、管球リニアアンプのバンド切替やチューニングをプリセットで行ったりが容易に出来る。パルスのデューティ比を変えるだけで回転角が可変出来るので、設定角度をDC-VRに記憶させても、デジタル的にクロック数のカウントでも容易に実現できる。ただし強電界下での安定動作には十分なシールドやRFバイパスが必要と思われるが・・・。

Nov 28. 2005 RC-SERVOの動作が可笑しい

新しく購入したRC-SERVOの動作がちょっと可笑しい。
@VC左回り切りから右回しを始めた直後に大きなステップミスがある・・・PWM波形は概ねリニアに変化(パルス幅)している。
APWM出力に40μs程度のジッタがある・・・回転まで至らないがRC-SERVOがカチカチ鳴っている、電力消費は殆ど無く一晩中やっていても暖かくはならない、これは以前からのでRC-SERVOには関係ないが、金属ギアのためか比べると音が大きい。
BRC-SERVOへの電源供給を外すとPWM幅が変化する・・・約40μs。
C時々瞬間にVCが右回り・・・直ぐ戻るがPWM波形も連動している、以前は無かった現象。
さらに各桁「0」表示状態にして74C915のBCD出力をテスターで測ると、普通は360mV程度なのに10KHz桁のみ5〜12mVと極端に低い。ICを入れ替えても10KHz桁のみが可笑しい。RC-SERVO以外の問題か。D/A変換出力の変化を見たら1KHz桁が満足に表現できていない。そういえば昨日加算器のS/Nを上げる目的で、加算抵抗を24Ω/240Ω/2.4KΩ/24KΩ/240KΩに変更したのが悪かったのか・・・。RC-SERBOを変えた段階と加算抵抗を変えた段階で、夫々に動作を確認していないので要調査だ。 写真は新旧のRC-SERVO。手前がMinS servoのRB303で、他はGWServoのS03T_2BBMG。

Nov 26. 2005 プリセレクタのバンド幅(fmax/fmini比)を検討する

以前からプリセレクタのバンド数を6バンドと記述してきたが、その根拠を示す。今回に限らないが、バンド幅はVC(ECV-4DX18)の最大容量と最小容量との比に依存している。共振周波数f=1/2π√LC(Hz)であるから、周波数を2倍にするにはL又はCは1/4倍にする必要がある。最大周波数と最低周波数のポイントの設定は容易だが、その間を直線(VCの回転角度と周波数変化が1次関数)で結ぶのにはちょっと知恵が必要。それを解決してくれるのが既に紹介している松下電器の周波数直線VC(ECV-4DX18)。ただし直線動作させるには条件があってfmax/fmini=2.35を維持しなければならない。それでバンド毎の周波数範囲が自ずと決定されてくる。2.35の端数0.35はバンド上下のクリアランスとして確保し、実際の運用は2の中に収めてしまう。
図はこうして検討したバンドプランである。受信周波数の開始が500KHzだとすると、自然に図のような構成が決定される。図からも分かるように各バンドが扱う周波数幅が異なるので、VFO周波数で制御するサーボはバンドごとに可変範囲を設定し、その間を正確にトラッキングしなければならない。この辺りの作業階層を整理すると…
@バンドデータを取得→コイル切替(6バンド)
Aバンド内可変範囲とVFOのトラッキングをとる→D/A出力DCを管理
Bバンド切替は上下バンド間でヒステリシス動させる→これが中々難しい

一昨日ネット注文したRC-SERVOが午前中に到着した。購入先はストロベリー・リナックスで、どういう仕入れルートか分からないが破格である。輸送と支払いはユーパックの料金引き換えでお願いした。エアーキャップ内張りのA4サイズの封筒で届いた。型名は「GWS S03T 2BBMG」と記されたTAIWAN製である。ギアはファイナルギアまで含めオールメタルである。
早速今までのRC-SERBOを取り外し、6mmシャフトの延長部品を移し変えた。この時点で分かったのだがファイナルギアが樹脂製のものはビスがセルフタップだが、金属製では2.6mmネジが綺麗に彫られている。これは幸いで今まで使用していたビスがそのまま使える。シャフト延長したRC-SERVOを早速取り付け動作確認をする。反応は今までRC-SERVOより若干遅い感じがするが、動作は非常に滑らかである。さらに左右のエッジでしっかりとリミットが働いている。ただVCの回転角より若干RC-SERVO側の回転角の方が広いため、内部のリミット機構の調整が必要になるかも知れない。
写真はファイナルギアシャフトに延長部品を取り付けたRC-SERVOをECV-4DX18に取り付けた様子。話は変わるが、RC-SERVOにデジタル対応と言うのが最近あるらしい。これぶBCDコードを入力して制御することが出来ないのだろうか。

Nov 24. 2005 D/A変換1KHz→10KHz桁上げ改善

昨日1KHzから10KHz桁に上がる時にデータが連続する傾向があると結んだ。調査した結果回路上でミスを発見。実に簡単な事が要因だった。元々各桁のバッファアンプ入力に微小BIASを与え桁間のOffSetを調整していた。この作業は10MHz桁から下位桁に合わせて調整してきた。したがって最小桁である1KHz桁は何もしなくて良い事になる。何を考えたのか全ての桁で同じBIAS処理をしていた事が分かった。そこで1KHz桁のバッファアンプにBIASを与えていた抵抗(750KΩ)を撤去した。この作業により、1KHzステップでVFOダイアルを回した時のRC-SERVOの回転が非常に滑らかになった。
写真は作業中のスナップ。本日よりVCをECV-3DX18からECV-4DX18に変更した。3連が4連になっただけでVCの回転トルクは同じである。なお現在使用しているRC-SERVOは内部ギアが樹脂製で信頼性がイマイチのため、本日金属ギア製を発注した。元々RC-SERVOの傾向を知るための実験用だったので目的は十分に果たした。
RC-SERVOが安定に回り出すと次はバンドデータの取得に移る。RFプリセレクタは6バンドで構成するが、この切替データを何から得るかが課題となる。一番正確なのは周波数BCDデータをウィンドウコンパレートする方法、更にD/A変換出力DCをウィンドウコンパレートする方法が考えられる。シングルバンドなら全く気にする必要は無いのだが。
しかしながらこうした作業や細工はイメージするだけで楽しくなってくる。

Nov 23. 2005 D/A変換10KHz桁の連続性を探る


同僚のN氏から4桁表示可能なデジタルテスターを借用してきた。1V桁を表示していても1mVまで測定が出来るもの(METEX社M-3850)で、どうやら秋葉原の秋月電子で購入したものらしい。これによりD/A変換10KHz桁の連続性を確認してみた。グラフは500KHzから2.5MHzの2MHzスパンを10KHzステップで測定したものを表している。図から分かる様に全体としては1次関数で推移しているが桁上げ時に周期的にグリッチがあって、上下方向が乱れている部分が確認できる。なお測定は1mVオーダーで比較的高いZを相手にしているので外来のノイズ等には注意を払いう。Audioで言うならマイクロフォンレベルなので、取り扱いはシールド線などを使用して行わないと正しいデータが取得できない。
全周波数帯でデータ取得するのは膨大な時間が掛かるため2.5MHzまでとした。ちなみに32MHzで1.12V。初期設定はDDS-VFOを50MHzで出力した際にD/A出力が約50mVになるようにOFFSETを設定してある。 なお今回からD/A出力は反転出力表示としている

D/A変換1KHz桁の連続性と1KHz桁ラダーD/A出力



更に1KHz桁の連続性を確認した。図は500KHz〜520KHzの状態を示したもので、左がD/A変換最終出力である。10MHz桁に比べたら1/10000の加算比だからどんなものかと思っていたが、かなりアバウトと言うよりとんでもない出力になっている。グラフはスムージング処理をしていないので三角が際立って見える。とてもD/Aと呼べるシロモノではない。ちなみに右は1KHzD/AのバッファOPアンプ出力を見たものであるが非常に素直で問題は無い…注意:方向性は反転している。と言うことで混合比の関係でレベル的に見てS/Nの劣化による誤動作が考えられる。したがって加算器の抵抗器を全体に低い方向にシフトさせ、1KHz桁でも10KHz桁並のレベルで取り扱う方が好ましい。だだこの比率だと、10MHz桁の加算抵抗は10ΩとなりOPアンプから見るとオーバーロード(最大数字9で1.83V)になったり、内部抵抗との関係で誤差が増えるので簡単には踏み切れない。いずれにせよ基板上のS/Nや電源ラインのリップルやS/Nを現在より数倍〜10倍程度改善する必要がある。

加算抵抗値変更でD/A変換1KHz〜10KHz桁の連続性改善

1KHz桁の動作を安定にするためにS/N改善を行う。加算器の抵抗値を約半分に下方シフトし、動作レベルを上げる。基板上は高くない周波数とは言え、立ち上がりの急峻なパルスを扱っているのでアナログ的に見たら基本的にノイズの巣。抵抗値は1KHz:1M→470K、10KHz:100K→47K、100KHz:10K→4.7K、1MHz:1K→470、10MHz:100→47とし、配線もIC間を直接結んだ。また帰還抵抗も1K→470に変更。回路図も変更した。 これにより1KHz桁の加算器入力S/Nが向上し左図の様に1KHz桁D/A出力で諧調がはっきり見えるようになった。上のグラフに比べると劇的な改善である。この抵抗値はOPアンプの許容損失や内部抵抗との関係もあり余り下げる訳には行かないので注意する。ここでは47Ω/0.5W(1%)を使用した。
下図は1KHzステップで500〜600KHzを変化させた時のD/A変換出力。加算抵抗以外は触っていないが妙なグリッチや上下関係が反転するような状況は確認出来ない。ただ10KHzへの桁上がり時に同じ値がつながる傾向があるのでオフセットの調整が必要である。しかし無調整でこの特性だからまずまずの成績と言えるだろう。1mV単位の電圧を観測するので測定器の分解能やf特・周辺ノイズも加味され面白い…理解してやらないととんでもないデータになる。グラフの縦軸はあくまでも目安で、波形の傾向を見ている事に注意して頂きたい。



Nov 21. 2005 COFFEE BREAK…松下電器周波数直線VC

松下電器が1960年代に製造販売していた周波数直線VCをご存知だろうか?。VCの背面には「MODEL ECV-3DX18 CAP 11-198PF」と記されている。これは3連だが、4連の場合はECV-4DX-18となる。これ以外に230PFのECV-4DC-230やスプレッド用18PFのECV-4RC-02の周波数直線群、それに一般用途430PFの容量直線型がラインナップされていた。
写真はECV-3DX18(RC-SERVO付き)とECV-4DX18(2個)。1973年頃に静岡の岩崎ラジオから多量に購入したものの一つ。後者は最近友人のJA2INO/水谷氏から譲り受けたもの。
ECV-*DX18はfmax/fmini=2.35を守るとその間が周波数直線になる。オーナーがこのVCの存在を知ったのは1967年の「初歩のラジオ」10月号の製作記事である。当時中学1年生でこの記事をそっくり真似た受信機をその2年後に製作しSWL/BCLを楽しんでいた。それ以降高1中2受信機はもとより、RFのプリセレクタはこの周波数直線VCのお世話になってきた。あの430PFのVCに満足できなかった少年には最高の贈り物だった。
それにしても水谷氏も物持ちが良い。一つはボロボロの箱に半分顔を出し未使用だった。もう一つは線材がハンダ付けされていたが綺麗に払った。プリセレクタには4連を使用する予定で、複同調回路をRFアンプの前後に配し、結合度を低くして高Qを維持し、利得は0dBに近い状態で使用する。

Nov 20. 2005 D/A変換ボードその他追加修正

D/A変換ボードで以下の追加作業を行った。
@Anti No Letter制御をを100KHz桁にも追加
VFOダイアルを回して誤って100KHz桁が無くなるとBCDに「1111」が出力されるため、サーボがとんでもない位置に飛ぶのを避けるため。
AVFOのWD/RD制御ボタンを押した時にSERVO回路を停止させる回路追加
WD/RD制御ボタンを押すと1Hz桁以外の桁は無表示になるため、1Hz桁以外全ての桁「1111」のBCDコードが出力される。全ての桁の状態を見るのは大変なので、1HKz桁が「1111」になった時のみAND処理を行いインバーター経由で最終出力に挿入したアナログSWを制御する。SERVO制御回路は無心号になった場合今までの状態を機械的に保持する性質がある。
B下位桁の桁上がり直線性の改善
これは検討課題だが、下位桁例えば1KH⇔10KHz⇔100KHzと桁上がり・下がりする時に連続性にバラツキがある。1KHzステップでVFOダイアルを回すと、100KHzステップでは感じなかったバックラッシュがSERVOで発生する。各桁の状況を掴んでから対応するが、現在良質なmV計がないため正確な作業が出来ないでいる。
写真は実験的にRC-SERVOを駆動している様子。VFO周波数データをLEDディスプレイから横取りし、7Segment信号から各桁データをBCD変換し、更にD/A変換して得たDC電圧でSERVO駆動回路のPWMを制御している。

Nov 19. 2005 D/A変換出力のリップル対策

D/A変換出力にリップルが残っているためRC-SERVOに接続した時にハンチングを生じていた。D/A変換時のラッチタイミングの関係とその対策の為にデータの1/8周期を0レベルでクランプしているからだ。デジタルレベルでの対策は基板上に空きスペースが無いため既に限界に達している。 そこで加算器や最終バッファアンプの帰還抵抗にCを抱かすなどの対策を試みたがRC-SERVOがゴリゴリ言っている。Cの容量を増加すると改善の方向ではあるが、今度はタイムラグが大きくなり追従性が悪くなる。このためバッファアンプを本格的なButterworth型のLPFに変身させ対策を試みた。扱うのはDCなのでカットオフ周波数は1Hz以下の超低周波にしている。あまり低くするとRC-SERVOの追従時間に影響するので、ダイアルノブを回して程よく追従する範囲に設定する。 左図は加算器とLPF部を書き出したもの。これだけの回路で劇的な改善が得られリップルは1mVp-p以下に収まった(今までは10mVp-p)。 なおこのテストに併せ、当該OPアンプの電源を±駆動に変更した。シングル電源だとオフセットをキャンセルする作業が大変なのと、オフセットを含んだ計算が面倒だからである。 D/A変換ボードがいよいよ形になってきたが、最終的なインターフェイス電圧を考えなければいけない。RC-SERVO側が負方向なので、出力はそれに合わすが可変レンジはどれ位が適当だろうか。本当なら32〜0.5Vが分かり易いがそんな電源は使っていないし危ない。3.2〜0.05Vと言う手もあるが…悩ましい。

写真は上図の定数でD/A出力を測定したもの。オシロをACカップルのフルゲインにして0.5mV/Divで表示している。1mVp-p位に見えるが、高い周波数成分が乗っているのでリップルは0.5mVp-p程度と思われる。これによりRC-SERVOとの接続テストで良好に動作しハンチングは無くなった。
なお参考だが、この程度のレベルになると電源ラインに重畳しているノイズやリップルと同程度か或いはそれ以下である。直流は電気回路の基本であるが、交流から完全な直流を得る事は本当に難しいと思う。こうしたデータを見るとバッテリがいかに良質な直流電源かが分かる。余談だがバッテリによる直流電源を用意し置くとハムやノイズ対策に便利である。
作業中にVFOダイアルをステップを変えて回してみたが、やはり下位桁でもデータ飛びがあって、桁上げや桁下がりがある時にD/A出力の連続性が失われる場合がある。各桁のオフセット調整が必要になる。現在は10Mz桁は入念な合わせを行い727KΩでBIASをかけているが、1MHz〜1KHz桁は暫定的に在り物の680KΩで実施している。
D/A変換ボードの作業を終わろうとしても、新しいテーマが次から次へ出てきて中々簡単に終わらせてくれない。日々修行と言った感が強い。デバイス規格表以外の技術資料などを紐解かなくても、何となく対策や措置が出来てしまうのは長年の経験だろうか・・・。

Nov 18. 2005 D/A変換OPアンプバッファのオフセット調査

10MHz桁D/A変換OPアンプのオフセットを調査した。1MΩの高抵抗を5V(Reg)ラインから供給することで、10MHz桁が表示された時に落ち込むレベルを補正していたが未だ若干低目であった。そこで抵抗値を下げどのような変化をするか確認してみた。図は手持ちの関係で680KΩ(赤)に変更したものと、1MΩ(青)のままの状態を比較している。青は10MHzのポイントで若干落ち込んでいたが、赤は大分改善された。しかし僅かではあるが持ち上がり過ぎた感がある。したがって750KΩ前後に最適値があると思われる。この辺りの高抵抗は余り使わないので、CRボックスをかき回してやってお探し当てた物。
なおNov17でA/D出力のリップルが気になったため、加算OPアンプLPFのCを330μと膨大な値に変更しテストしている。

Nov 17. 2005 D/A変換出力でRC-SERVOを駆動してみた

早る気持ちを抑えきれずD/A変換出力でRC-SERVO(VC)を駆動してみた。以前実験したRC-SERVOの制御電圧は2.75〜3V程度なので、D/A変換出力をVRで利得とオフセット調整しレベルシフトする。ところがここで新発見。RC-SERVO基板の制御電圧方向とD/A変換ボード出力のポラリティが逆で、周波数を上げるとVCが左回り(容量増方向)する事が判明。このためRC-SERVO基板への接続は加算OPアンプ出力から取る事にした。写真はこの様子で、VFOダイアルを回すとSERVOが動きVCが回りだす。まだ定量的な特性や直線性などを見るまで環境が整わないが、SERVOのモーターとギアが音を立てVCを回す姿に思わず手を叩きたくなる心境である。電気で動くも物ってやっぱり面白い。ここで幾つか課題が発覚したのでまとめておく。
@D/A変換出力DCにリップル(10mVp-p)がありRC-SERVOがハンチング
ARC-SERVO制御入力がかなりHi-Zなの静電的カブリでも影響を受ける
BVCの回転角度180度のリミットを考慮する必要がある
ということでD/Aに若干の手直しや見直しが必要になった。またバンド情報検知やウィンドウコンパレータ等によるリミット制御など、RC-SERVOへ安定な制御電圧を供給する回路が必要になってくる。久々にVCが登場し受信機を作っている雰囲気になった。D/A変換もRC-SERVO駆動も制御に対する出力は1次関数で成立しているので、周波数直線VCの動作条件を守ればDCの管理のみでVFOに連動したプリセレクションが実現すると目論んでいる。

Nov 15. 2005 D/A変換の直線性改善

D/A変換の直線性を改善した。10MHz桁が現れる時とそれ以下の桁との整合性が悪かったがバッファOPアンプに微量のBIASを与えることで解決した。しかし係数(傾き)が揃わず10MHzへ桁上がりする部分で折れ線になっていた。
実験中に500KHz付近に周波数を変更すると出力電圧が落ち着くまでに時間の掛かるのを確認。可笑しい?。調べると加算OPアンプ出力は正常で、最終の反転バッファOPアンプが時定数を持っている事が分かった。
それでLPF用に帰還抵抗にパラっていた10μタンタルコンを撤去すると反応が早くなった。更にBIAS設定をレンジをギリギリまで広げてみた。もしやと思い測定したのが左の青グラフ(赤グラフは昨日のデータ)。大幅に特性が改善され、全体に渡って直線で推移している。このレンジで見れば間違いなく1次関数グラフと言えそうだが、1KHzステップなど部分拡大したらどうなるかは別途調査する。 この出力電圧をバンドごとにレベルシフトしてRCサーボを駆動すれば、表示周波数に応じたRF同調が実現する。RFバンドが一つの場合は良いが、計画では6バンド(0.5-1/1-2/2-4/4-8/8-16/16-32)であるから、D/A変換出力電圧に応じて各バンドを選択する検知と駆動回路が必要になる。これも楽しい作業になりそうだ。

Nov 14. 2005 D/A変換の直線性改善方法

10MHz桁に数字が入る瞬間のつなぎにギザ(三角)が出来ている件の対策を検討した。その後のカーブは直線で推移しているので、10MHz桁D/AバッファのOPアンプにオフセットを与えるようにした。このバッファは100%帰還の正転アンプなので、出力とマイナス入力が直付けされている。BIASを与えるのはプラス側でしか出来ない。そこで5V電源から高抵抗(とりあえず1MΩ)を介しプラス側に接続してみた。これにより10.000MHzと9.999MHzの変換出力が同じになった(今までは0.1V程度あった)。
グラフはこの状態で入出力特性を取ったものでギザ部分が無くなっている。ただしこの状態では9.999MHzから10.000MHzへのステップな無いので、高抵抗はもう少し小さくする必要がある。また10MHz未満で傾きの変化が残っており調整の必要がある。

左図は加算器OPアンプに少量のBIASを与え出力オフセットを改善した回路。前述の如く5Vラインから1MΩを経由しているが、この状態で9.999MHzと10.000MHzが同じ値を出力するので、抵抗値は1MΩより若干少なめでも良い。この値はカット&トライで決定する予定。曲線の夫々の傾きから見て、最適値は900KΩ前後であろうか…。この値は電源電圧の一寸した変動により影響を受けるので、電源周りの安定化は必須である。何故0.1V程度のオフセットが発生するかは考察の余地がある。
なお併記してあるPullUp抵抗は、手抜きのDiodeANDの動作をより完全にするためのもの。これがないと波形のな鈍りやBit間の落ち込みが見られ、アナログSW(4066)の動作が不安定になる可能性がある。この処理でアナログSWの制御入力の波形は、シュミットトリガのCMOSバッファを1段通した位に綺麗な波形になる。
久しく触れていなかったが、ラダーD/Aの抵抗R=10KΩ。したがって2R=20KΩ。比較的高い値だが、CMOSを使って駆動し、結果的にアナログSWで短絡(ON抵抗との比率、CMOSから見た負荷状況)するなどの処理を考えるとまぁ程々の選択だったかなぁと考えている。
また精度1%級の抵抗をラフに組み合わせたD/Aでもかなり精度が望めることが分かり大きな収穫と言える。


Nov 13. 2005 無表示(No Letter)のD/Aミュート回路・・・無調整の「Frequency-Voltage特性」

DDS-VFOのLED表示は1MHz運用では10MHz桁、100KH運用では1MHz以上の桁に何も表示されない。LEDの7Segmentが全てOFFの状態なのだが、74C915にこの状態が入力されるとBCD出力に「1111」を出力してしまう。この値はフルビットなのでBCDで扱う0〜9までの数字よりはるかに大きな値を出力してしまう。74C915の特性で止むを得ないのだが、運用上は非常に厄介で何らかの方法で取り去る必要がある。無表示桁を「0」表示すれば対応できそうだが、見た目は悪いし、PIC側のプログラム修正が必要になる。
そこで以前より記述していたが、BCDの「1111」状態をAND処理で拾い上げ、アナログSWをゲートする事にした。そこで問題になるのはアナログSWを何処に入れるかである。当初はラダーD/Aの直後のOPアンプバッファとに間にカスケードで入れ、信号のON/OFFを試みたが、OPアンプ側が非常にHi-ZのためアナログSWの動作がクリチカルになり不採用。次にOPアンプの入力を接地する方法をテストしたところ良好なミュートがかかった。
図は最終的な回路である。AND回路は本来なら4入力のゲートICを使うべきだろうが、スペースの関係でDiodeのみで構成している。特にプルアップはしていないが問題なく動作している。DiodeはBCDのどれか一つでも「0」になると4066をオープン状態にするが、全て「1」になるとショート状態になり信号をミュートする。

無調整の状態でどの程度の「周波数-電圧特性」があるか測定してみた。グラフは0.5〜32MHz間を0.5MHzステップでプロットしたものである。下方から1MHzになる時は気付かなかったが、下方から10MHzになる時に大きなギザが入っている。赤線は最初に測定したもので、青線はOPアンプのオフセットを若干調整したもの。赤線は全体にたるんだ感じの特性になっているが、青線は改善されギザ部分を除けばほぼ1次関数で推移している。なお特性は、加算器の混合比はもとよりOPアンプの電源やオフセットそれに直線性も絡んでいると思われる。OPアンプについては最適なBIASを与え動作範囲を直線範囲に置く必要がある。ギザは1MHz桁以下と10MHz桁の混合比が考えられる。
無表示対策で信号を接地するやや強引な手法でミュート動作をさせており、完全なゲート回路ではないのでやや心配な向きもあるが、青線の如くギザ以外はまずまずの特性である。ギザについては良質なゲート機能つきのバッファアンプがあれば改善が容易だと思われるが…何処かにあるだろうか。何しろ基板上にはもうスペースが無い。
こうした細工は受信機作りとは無縁と思われる方もいらっしゃると思うが、目的に併せて論理回路を組み結果をもたらす過程で多くのノウハウを残してくれ、総合的な技術レベルの向上につながっている。とにかくやっていて楽しくなる。VFOダイアルを回すと連動してD/A変換ボードのDC出力が変わり、テスターやオシロスコープの表示が変わっていく。まるで時計仕掛けの様である。

Nov 12. 2005 74C915のラッチを復活…下隣桁データ混入対策

D/A変換出力が8桁インターバルの1桁時間(1.6mS)しか出力しないのは余りにも不便なため、再び74C915のラッチ回路を生かした。過去に述べたように、この場合1.6ms幅で下隣桁データが誤出力されてしまう。1インターバルの1/8程度だから良いかぁ?なんて考えていたが、D/A出力を測定するとやっぱり値が可笑しくなり対策が必要な事が分かるる。
色々と対策方法を考えたが、波形観測中に誤出力タイミングはラッチ制御パルスと同じタイミングであることが判り、そのタイミングで74C915の出力制御OEをゲートする事にした。74C915のOE入力の論理方向はラッチ入力とは逆であるため、ラッチパルスを反転させているIC0の入力側から取る事にした。
この作業により誤出力はミュートされ、1インターバルの7/8間出力を確保することが出来た。現実的には基板上スペースの問題があって、D-FF等の部品増加は出来ず、IC変更と大移動を行って処理している。またIC0インバータには今まで6個入り4584(14P)を使用していたが、8個入り74HC240(20P)に変更し、余った部分は無表示時のデータ制御に使用する等のスペース確保を行っている。
写真はラッチパルスの反転パルス(下)で誤出力部分をミューとしたD/A出力(上)の波形。この作業に合わせ回路を大幅変更した。写真をクリックすると見る事が出来る。なお今までの回路はそのまま残している。

Nov 10. 2005 もう一つの表示無し桁処理について…PICプログラムの修正完了で数字"7"データOK

数百KHzオーダーの表示の場合は10MHzと1MHz桁の表示が無くなる。この時7SegmentコードをBCDに変換すると「1111」となりフルビットをD/Aしてしまう。この件についての対策は既に述べている。
実はこれ以外に数字表示が無くなる動作がこのDDS-VFOにはある。メモリデータを読み書きするWDとRD動作の時である。これらは1Hz桁にメモリ番号を表示するが他の桁は全て無表示になる。この状態を真面目にD/A変換するととんでもない値が出力されるので、あらかじめサーボ動作を停止(状態維持)するための信号を出力する必要がある。この検知には今までの手法と同様にBCD出力でANDをとって行うが、全ての桁でANDをとるのは大変で無意味なので基板上で処理している1KH又は10KHzの桁のみで行う事にする。
なお本日、数字"7"のプログラム変更をウェーブ電子へ依頼していたPICが届いた。簡単な変更だったため少額有償で受け付けて頂いた。自分でプログラムが書ければ良いのだが、未だそこまで技術力が無いので今回はウェーブ電子様様である。写真は早速実装してテストした様子である。LEDディスプレイに「12.345678MHz」と表示させた時のD/A変換出力である。ただしIC0/4584は抜き、Demultiplex動作は停止させて撮影している。この波形で見る限りではレベル方向においてD/Aは非常に良好に動作をしている。
ここまで来ると後は既に記述している無表示時の処理とD/Aデータのラッチ処理が出来ればこのD/A変換ボードでの作業は終了する。

Nov 6. 2005 表示無し桁の処理方法…フロントパネルのノブを変えてみたら

LEDの数字表示が「無」の場合、DDS-VFOは7Segmentデータに全セグ「L」レベルを出力する。この場合74C915のBCD出力は「1111」を出力する。したがって表示が無い桁ではフルビットが出力され、D/A変換器も最大電圧を出力する。BCDは2進化10進数なので0〜9までの表現、すなわち「0000」〜「1001」しか扱わないのだが、表示「無」のために74C915はこうした特殊コードを含ませているようだ。これの問題を解決するには、BCDに「1111」が出ないように74C915をプログラム出来れば良いのだが無理な相談なので、BCD出力を「1111」でAND処理しD/A出力をゲートすれば良い(回路図暫定修正)
口で言うのは簡単だが実際には色々問題がある。一つはD/A変換ボード上にICを載せるスペースが殆ど無いこと。それにD/A出力は直接加算器につながっているので、ゲートデバイスの通過抵抗が問題になってくる。前者はICやその他部品の再配置で逃げるしかないが大作業だ。後者はデジタルレベルでゲートすれば楽だがこれもICスペースが無く中々悩ましい。
本日清水無線(清水区浜田町)を十数年振りに尋ね業務機器用のノブを購入してきた。写真は早速入れ替えて様子を見ているところ。つまむ部分の直径は今までの物とほぼ同じだが、ツバが付き内側に凹みがあるので軸受けのナットが程よく隠れ使い易い。雰囲気も悪くなく2重ノブにも対応出来るが、ちょっと重たいだろうか?…さてどうしたものか。

COFFEE BREAK…SS-1Rの解説"HamJournal/No.7"の思い出

7360を受信機ミキサ管として使用した米Squires Sanders社の受信機SS-1Rの事が気になり、実家にHamJournal/No.7を持ちに帰った。No.7は昭和51年(1976年)7月10日発行だから、既に29年の歳月が流れている。SS-1Rの構想の発表は1963年頃(QST)だから、今から数えると42年も前の事になる。この号にはJA1AEA鈴木OMが「Squires Sanders, Inc のSS-1R 真空管式受信機の挽歌」と題してP31〜P41(一部P149)で克明に紹介されている。読み物としても資料としても非常に貴重なものである。冒頭で鈴木OMは…十余年ほどまえにビーム切り替え管7360が開発され、この真空管を使って実用化された唯一のアマチュア無線用受信機…と紹介し、更に…混変調、相互変調などの受信障害については、最近になってようやく注目されてきたものだが、SS-1Rではビーム変換管と高周波増幅部なしというとり合わせで、この様な問題について十年も以前から現今の高級受信機より以上の性能を引き出していた…と続けている。 オーナーはこの号を東京出張中に購入し帰路の東名高速バスでむさぼり読んだ。当時局発を殺してもガサゴソ言う相互変調に悩み、冗談に家庭用の5球スーパー(日立エーダS-540)の局発を殺したら非常に静かな事に驚きを覚え、高1中2を作るなら高1は利得0dBでイメージ比のみを稼ぎ、中2は中3にすべきと言う結論を持っていた。この記事はその考えに非常に近かったため大いに感化され、受信機を製作するときの良きバイブルとなった。写真は久し振りに紐解いたHamJournal/No.7のP31。


Nov 5. 2005 フロントパネルに汎用プッシュ型SWを追加する

しばらくデジタルICを突っつく時間が経過したが、本日久し振りにフロントパネルの機械工作を行った。良い気分転換になる。
写真の如くAudio-JackとATT-SWの間に、ATTと同種のSW(MIYAMA/DS-801)で白色の物を取り付けた。パネルには暫定的に「CAL」とレタリングしてみたが、まだ気分でやっているので、最終的に「Audio」は「HeadPhones」になるが、2個のプッシュSWはどうなるかは未定。
この丸型プッシュSW最大の特徴は、パネルの加工が容易と言う事に尽きる。16mmΦのシャシパンチで打ち抜き、リーマで若干のサイズ合わせを行い、穴の下方に回転防止キリカキを入れるだけである。四角穴だとSWとの合わせ作業に時間が掛かり、複数になると並びににも常に注意を払う必要があり面倒だ。しかし、丸穴だとそうした心配が全く無く、センターポンチ打ちの精度のみに注意すれば良い。
なおキリカキを穴の下方に入れるのは、誤ってキリカキを大きくしてしまった時に、上から覗いてもそのミスを見え難くするための配慮(工夫)である。
このプッシュSWはメイク接点1回路とLEDが内蔵されている。回路構成にもよるが、押した時にLEDを点灯するためには被制御回路との連携が必要になる。また当初は緑色SWを電源用に考えていたが、パネルスペースを有効活用するためにAF-GAINをSW付きVRにして、これを当てる考えでいる。

COFFEE BREAK…部屋の掃除とフロントパネル&と基板類の記念撮影

休日で散らかっていたゴミを整理した。吸い込みが悪かった掃除機ので中を覗いてみたら袋にゴミが詰まり石の如くパンパン状態。袋を取り出したが予備袋が無いため、パンパンの袋からゴミを摘み出す事になった。そしたら出てくるは出てくる、袋にはここ数年間のゴミの歴史が全て詰まっていた。日記もここまでは正確に書けないぞ。その時何をやっていたかが分かるって言うもの。例えば前回の単身赴任で住んでいた川崎市多摩区のアパートの畳のイグサとか、その時に誤って吸ってしまったタイラップ等など…。ゴミでも懐かしく思えるので不思議である。
写真は掃除後に工作中の受信機のフロントパネルとDDS-VFO(右上)とD/A変換ボード(左上)を並べ、通電した状態を記念撮影したもの。色々と考えるとパネルのノブ数がどんどん増えていくので、あるところで割り切る必要がある。例えばRFゲインなんて本当に必要なの?…先輩のJA2DJH石黒氏がその様なメールを投げて来た。その昔SSBの復調にはRFゲインを調整してBFOレベルと合わせる芸当が必要だったが、今はIF帯域制限が良好で目的外信号も問題ないレベルまで抑圧できるから、AGCは掛けっぱなしでフルゲインも殆ど問題はない。氏の言われる通りで、むしろ時定数のFAST/SLOWの切り替えと入力ATTの併用が使い易いと考えている。写真のノブは気に入っているのだが、軸受けナットを隠す凹みがスカート部に無いのでややパネル間に隙間が残る。ひょっとしたらこいつも交換するかも知れない。


Nov 4. 2005 "7"のデコードミスの原因

74C915の入力に数字"7"のデータが入力された時に、D/A変換出力が「0V」になる件について調査した。
JA2XCR/丸尾氏から送って貰ったナショセミ社のマニュアルとにらめっこをしていると、妙な事に気付きワンポーズあってから「これだ!」と飛び上がった。それは分かってしまえば何て事は無い話だ。
図左に示すようにDDS-VFOからの7Segmentデータのフォーマットは「abcf」がHで「deg」がLである。ところが74C915では"7"のフォーマットは「abc」がHで「defg」がLとなっている。すなわち「f」部分の取り扱いに違いがあり、数字"7"が正常にでコードできなかったのである。
74C915に図左の入力があるとBCD出力はHi-Zとなり電圧出力は無いので結果としてD/A変換は「0V」を出力していた。
この解決策はハード的には図左のセグメントデータをデコードして「f」データラインをUnenableするか、ソフト的にはDDS-VFOのプログラム書き換えがある。現実的にはハードで対策する方が簡単だが、ICを乗せるスペースが殆どなくなってしまった。さてどうするか・・・。
そんな所で時間を費やしているのなら、最初からPLDでロジックを書いた方が修正が楽で良いのに!・・・と丸尾氏の声が聞こえて来そうである。
「f」セグメントを数字"7"で使うか否かは規格上どうなっているのだろうか・・・。

Nov 3. 2005 D/A変換ボードDemultiplexタイミング対策と"7"のデコードミス

久し振りの休日で再びA/D変換ボードを検討する。多重データをタイミングよくストローブ出来ず、下桁データが1クロック分顔を出す現象が続いていた。ICマニュアルをひっくり返して見ていたら不具合に気が付いた。データラッチしている74HC175は最終出力がD-FFだ!。オリジナルLEDボードは、この多重データにタイミングを合わすようにLEDのストローブを行っているが、Latch等の遅延素子は使用していない。しかし74C915にはノーマルLatch-FFが1段挿入されている。したがって、そのままではタイミングが合わないのでストローブ用デコーダ74HC238の出力を1クロックずらして対策したつもりでいた。ところが前述の74HC175のD-FFに対し74C915はノーマルLatch-FFなのでトリガタイミングが合わない模様
そこで何とか多重データとストローブのタイミングを合わすために・・・ @74C915をLatchスルーにして、出力OE(OutputEnable)をストローブする
Aこれに併せてストローブ用デコーダ74HC238の取り出しをオリジナルLEDボードと同じにする
この作業で正常動作が期待できるかもしれない・・・。早速回路図の如く修正し動作確認するとズバリOKになった。ところがLatch無しなので、出力は1クロック分で、多重したタイミングの位置でしか出力しない。また新しい課題だ。何とか74C915内蔵のLatchを有効に使いたい。このLatchがD-FFなら一挙に解決なのだが・・・。写真は*9.9*****MHzを表示させた場合。

数字"7"のデータが入力した時に、74C915のBCD出力が「0111」にならなければいけないところが「0000」になり、D/A出力が「0V」になってしまう現象について調査を行った。
気の利いた多現象オシロスコープが無いので、2現象オシロスコープをEXT同期にして74C915に入力する7Segmentデータのタイミングを夫々測定した。それらの波形をデジカメで撮影しPC上で合成してみたみたのがこの写真。
NS社のマニュアルによれば、74C915は7Segmentの「a・b・c・f」がHighの時にBCD出力が「0111」になる事になっている。写真を見ると分かるがStrobeしている期間の7Segmentデータは「a・b・c・f」がHighで入力データとしては問題ない。ではどうしてこの時のBCD出力が「0000」になってしまうのだろうか?
74C915が壊れていると思い別の物と入れ替えてみても状況は変わらない。或いは74C915の使い方に間違いがあるのだろうか?。ひょっとしたらIC自身がロット不良で全て同じ様に壊れているのだろうか?。眠れない夜が続きそうである。
それにしてもオシロスコープの能力不足を補うため、デジカメにストレージしてPCで合成するなんて涙ぐましいと思う。最近記憶力が落ちてHだったかLだったかの話が怪しくなるので、こうして写真にしておくと覚えになって良い。
中々高周波の話が始まらないが頭の中では構想が煮詰まってきた。