Russian Tetrode "GU-84B" を50MHzで研究するページです(ハイパワーが目的ではありません!)

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総合回路図GU-84Bのスペック・・・クリックしてください。

グラビア(PDF)・・・クリックしてください。


Oct 〜 Dec. 2004
Dec 30. 2004 HVフィードスルーコン・FANフィードスルーコン実装・・・そして遂にHVトランス実装と通電

懸案だった高圧電源のフィードスルーコンデンサを仕切り板に取り付けた。このコンデンサは680PF/6KVの物で米RF_PARTSで格安で入手できる。取り付け穴は仕切り板に11mmΦの穴をハンドドリルとリーマを使って空けた。穴の位置はプレートRFCや内側・外側の配置を良く検討して決める。RFCを仮り置きしてあるが、これは10mmΦのタイトボビンに0.8mmのフォルマル線をλ/4巻いたもので、インダクタンスは約15μHある。巻き過ぎず電気的にλ/4にするのが(電源側バイパス、プレート側高Z)ベストだろう。仕切り板は3mm厚あるためネジが十分顔を出すかどうか心配であったが、ナットの締まり具合は問題ない。フィードスルーコンデンサへの接続はファストン端子を使用する。メンテナンスで電源と負荷を切り離したり、またサブシャシを取り外す作業を簡単にするためだ。ちなみに680PFの50MHzにおける容量性リアクタンスは4.7Ω、15μHの50MHzにおける誘導性リアクタンスは4.7KΩである。
写真はGU-84B越しに見るフィードスルーコンデンサとプレートRFC(仮り置き)。フィードスルーコンデンサからRFCのコールド側までは、別途用意するRFCで給電され接続点は高圧コンデンサでサブシャシ(ソケット筐体)へRFバイパスされる。プレートへの給電はRFCのホット側から直に行う(PS対策はCg側で行う予定)。オンマウスカーソルすると電源側からの様子を見る事が出来る。
ファン電源のフィードスルーに苦慮していた。最終的に、手持ちのハンダ付け型のフィードスルーコンデンサを2個プリント基板に取り付け目的を果した。ガラエポ基板を程良きサイズに切り出して穴を開け、コンデンサを差し込み銅箔側でハンダを薄く流す。銅箔側をシャシにあて、3mmビス2本で止める。このコンデンサは秋葉ラジオデパート1Fの桜屋電機に置いてあるTDK製(1000P/1KV)。ハンダの流れも良好でこういうやり方には最適である。5個位まとめて作ってしまう手もある。
写真はそのコンデンサ群を取り付けるために、仕切り板に穴を空けタップ処理をしている様子。タップは3mmを2ヶ所で内側から締め付ける。フィードスルーの間隔は16mmでそれぞれの穴は6.5mmである。前後するがオンマウスカーソルするとプリント基板にハンダ付けされたフィードスルーコンデンサを見ることが出来る。
ちょっとした細工だが、こうした作業も楽しい。この作業にあわせファンからの配線(ファストン端子経由)とTBへの配線を実施、またAC分圧コンデンサ2.2μFも取り付けている。
作業が順調に進み、本日は予定外の高圧トランスを搭載した。26Kgもあると重く、その気でやらないと腰を痛めそうになる。取り付けはシャシ側に5mmビス4本、側面に4mm皿ビス2本で行うが、重いのでステンレス製を使う。ビス締めによりシャシや側板が変形しないように、トランスを筐体に馴染ませてからビスを締める。重量があるのでこうした注意が必要になる。これに併せ高圧整流基板を取り付け配線を行う。線材はBEAMEX電線がベースだが、高圧出力ラインは更にシリコン伸縮チューブを被せる。基板は透明アクリル板も一緒に締め付け感電対策を行う。平滑ブロック出力にヒューズホルダを取り付け2Aヒューズを仮実装した。
写真は本日のフロントビュー。リレーシーケンス確認後、約3時間の通電を行い異音・異臭・発熱・ヒーターなどの異常を確認する。電源投入前には十分な配線チェックが必要である。高圧電源の突入電流も良好にアブソーブされ問題は無い。ところが通電中に平滑ブロック出力でスパークが発生し2Aヒューズが飛んだ。原因は撤去を失念していた浮きランド(銅箔)がGND間を結んだ模様で、切り取って対策した。トランスが搭載され高圧配線が完了しヒーターが灯り随分「らしく」なった。この時点で総重量は40.5Kg(実測)であった。オンマウスカーソルするとファン電源と高圧のフィードスルー状況が分かる。ファン分圧用コンデンサ2.2μF(黄色)もフィードスルーコンとTB間に接続された。なおサーモスタット(温度SW)の実装は未だこれからだ。

Dec 29. 2004 Ipメーターとプラグイン・ジャック配線

Ipメータ関係とシャシ裏のプラグイン・ジャック部の配線を行った。Ipメータは28日記述の如くカソード抵抗がGU-84Bソケットの内蔵されているため、カソードがオープンになる事はないのでフロントパネルに渡る他の配線と同じようにフラットコネクタ経由に変更した。回路図を再び変更したが、メーター内部に手を加えてはいないので誤差約4.4%は承知の上である。メーターのマイナスあ(リターン)側は接地であるが、サブシャシのGNDまで配線を戻している。高圧電源のマイナスも同じポイントでGNDする…要は直流でも振幅を持つので余計なところに電流を流さないようにする
プラグイン・ジャック周りの配線を写真で示しているが、左からSg・K・Cg・H2・H1・GNDである。GU-84Bの搭載されたサブシャシのプラグ側で十分なバイパスを行っているので、ここには特にバイパスコンデンサやRFCなどの処理はしていない。誤配線を招かないようにテスターで電極を当り、フェルトペンでシャシに電極名を書き込んである。なおジャックの固定はダブルナットで行うが、ジャックの固定は多少遊びがある程度にしておいた方がサブシャシのプラグを差し込むときに都合が良い。ダブルナットはネジロックを流し緩まないように処理している。
オンマウスカーソルすると連絡穴を含めたシャシの配線状況が見える。ちょっと慌てて作業したため、やや不揃いか・・・。シャシの底にはもっと配線が来るかと思っていたが、後はあったとしてもファン電源程度になりそうである。

Dec 28. 2004 Ipメーターとソケット内臓カソード抵抗

GU-84BのカソードからIpメーターへの配線を考えていたら、何とソケット内臓カソード抵抗Rkの事を思い出した。実測で0.542Ωの抵抗がカソードと筐体間に挿入されている事を忘れていたのだ。このままIpメーター(DC2A)をカソードとGND間に入れると当然Rkに分流するので表示が何割か低下する。それでメーターメーカーのNISHIZAWAに問い合わせたところ、2Aフルスケール時の両端電圧は50mVで作られていると返事を貰った。てことは内部抵抗=0.05/2=0.025Ωになる。分流比=0.542/0.025=21.68/1であるから、凡そ1/(1+21.68)=4.4%程度の誤差を生じてしまう。メーターが元々2.5%級なので、まぁ良いかぁと思ったりもするがちょっと気持ちが悪いので、メーカーさんの返事を待って補正を行う予定。返事が無ければメーターを分解しメーター本体の内部抵抗を測定し、倍率器方式で2Aフルスケールを構成したい。
そんな事もあって図にはIpメーター挿入位置をHv電源のマイナス側に変更した系統を示した。また同時に回路図も変更し、勘違いしないようにカソード抵抗を追記した。ただしこれはメーターに手が入らない場合の話であるのでご注意を!。オンマウスカーソルすると従来のメーター挿入位置(予定している)を確認できる。
なおこうした作業を行うとメーターの極性が入れ替わったりするので注意する必要がある。電源のマイナス側に入れる場合とプラス側(プレートやカソード)に入れる場合とでは極性が反転する。その後回路はRkを意識しつつ元に戻した

Dec 27. 2004 高圧平滑ブロックにアクリルカバー取り付け

高圧平滑ブロックにアクリルカバーを取り付けた。厚さ2mmのアクリル板をPカッターで切り出し4角に3.5mmの穴を開ける。元々安全対策用で、平滑ブロック製作時に取り付けておけば良かったものだが、モノグサの結果今になってしまった。この板はアクリルである必要はなく、むしろアルミ等の金属のパンチ板の方が通風が良好である。また工作段階では、作業中に搭載してあるセメント抵抗を引っ掛けるので、機械的な保護カバーの意味合いが強い。写真は作業のために取り出した状態。アクリル板への罫書きは罫書き針など尖ったもので行うが、板金で言うポンチ工程はハンダゴテを焼き先端をアクリルに当て溶かして行うと綺麗に仕上がる。
オンマウスカーソルすると実装した状態を確認できる。マイナス回路とHvメーター回路は既に配線済みである。最終的にブリッジ整流器からの配線が行われる。整流器から平滑ブロックへの渡しは、抵抗を挿入して突入電流を抑える等の工夫が必要だが、本機ではHvトランスの1次側で行う事にしている。

Dec 26. 2004 メーター・LEDブラケット周りの配線完了…リレー制御・メーター回路動作確認

フロントパネル内側のメーター及びメーターセレクトSW、LEDブラケット群の配線がほぼ完了した。写真は本体とフロントパネルを結ぶケーブルハーネスである。パネル関係の切り離しが電気的にも可能になるように途中に12Pのフラットコネクタを挿入した。12Pのうち2Pが空きとなっているが、ここはIp用に考えていたが電流容量が心配なので、Ip用は直張りする事にした。配線の色目はコネクタの前後で合わせているが、Icg測定系統でローターリーSW側をどうやら逆にハンダ付けしてしまったようで、この部分だけ色が反転している。久しくメーターを取り外してあったが何ヶ月振りかでホームポジションに収まった。メーターはNishizawaのU-60である。スケールを自照できると更にルックスが良くなるのだが・・・と何時も感じている。
なお左端に見えるフィードスルーコンデンサはRF出力メーター用検波出力。ここのアルミ板は3mmも厚さがあり、小型のフィードスルーコンのネジ長では不足するため、ドリルで1.5mm程掘り込んでネジが十分かむようにしている。
オンマウスカーソルすると12Pのフラットコネクタのアップを見ることが出来る。これらのコネクタの機構は低圧ボードに使用した物と基本的に同じであり、接点など共通部品が使われている。ケーブルは協和電線の耐熱電線を使用している。端子処理は、圧着ペンチが完全でないと引っ張った時に抜けるので、薄くハンダをしみ込ませておくと心配が無い。
AC入力に200Vをつなぎリレー動作やメータ回路の動作テストを行った。リレー動作は電源SW投入から高圧電源リレー投入までの動作、送信スタンバイリレーとCg-BIAS切替動作、LED表示の連動等を確認した。メーター回路は低圧電源関係の電圧計や電流計の動作を確認した。写真のマルチメーターはEsgを表示しているが約370Vを示している。LEDが点灯し、メーターが振れ、リレーがカチャカチャ動き出すと、何故か童心に返ったようで楽しくなる。
高圧トランスを搭載し整流回路を組み込めば電源と制御部はほぼ完成である。
この日思わぬ動作確認が出来た。以前Esg電源の保護動作の確認で「出力を短絡する勇気は無い・・・」と記したが、本日誤まってEsgを短絡させてしまった。ところがMOS-FETを中心とする回路は完全に保護されている事が分かった。普通なら短絡時にバチッと火花が散るが、そうした現象はなくスムーズに遮断動作が実現している。一度動作確認がとれると急に元気になり、何度も短絡動作をさせてみたが非常に良好である。
オンマウスカーソルで本日の全景を臨む事が出来る。大分雰囲気が出て来た・・・高圧トランスの搭載が待ち遠しそうに見える。でもその前に終段ボックス周りの板金(天板処理・高圧フィードスルーコン他)や200V受電工事も必要である。焦らずにやろう!。

Dec 25. 2004 シャント抵抗とファン分圧コンデンサ購入…ロータリーSW・LEDブラケット周りの配線

マルチメーター(内部抵抗40Ω)に使用するIsg及びIcg用のシャント抵抗を決める。Isgは100mAフルスケールで0.2Ω、Icgは5mAフルスケールで4.44Ωが目標である。「目標」としたのは、たとえ表示が同じでも、殆どの場合本当の値は違うと言うから。写真は本日、幾つか買ってきた0.2Ωのセメント抵抗をデリカのミニブリッジDS1で測定しているところ。0.2Ωは電力用のセメント抵抗しかなかったので幾つか購入してその中から一番近い値のモノを選ぶ。4.44Ωは普通の規格ではないので9.1Ωと8.2Ωを並列にして最も近い値のモノを探す。デジタルのミリΩ計があるとFBだが、このDS1でも10mΩまで測定する事が出来る
オンマウスカーソルで見えるのは、ファン用分圧コンデンサで本日新たに購入したもの。複数パラっていたので1個にまとめるためである。容量は2μFが無かったので2.2μFとした。黄色は耐圧が400Vで茶色は250V。ファンをつないでテストすると、容量が増えた分ファン電圧がやや高くなるが黄色で109V、茶色が105Vとまぁまぁだろう。幾度も触れたが発熱もしないで電圧をドロップさせるコンデンサやコイルの交流に対する振る舞いは本当に面白い。この歳になって10代後半で学んだ交流理論を再びひも解きたくなる。
マルチメーターセレクト用ローターリーSWの組み込み前配線を行う。この部分は比較的造りが小さく、取り付けてからはハンダゴテが十分入らない可能性があるので、写真の様に事前に配線処理を済ませておくと良い。メーターに行く系統と本体に行く系統を分けておくと後で間違いが無い。また線材の末端には行き先を明示したテープを張り次の作業で混乱を起こさないようにする。何しろ一気に作業が進まないので数日過ぎてから再開しても間違いが無いようにしておくのがコツだし、それにより継続性を保つ事が出来る。
写真には前述のシャント抵抗が取り付けてある。HvやEsg用の倍率器は電源側に組み込み、高圧を無闇に引き回さないようにしている。
本体側に配線される部分は、LEDブラケットの配線と併せてフラットプラグによる切り離しが出来るようにする。それは作業性と後々のメンテナンス性を高めるためである。なおこのローターリーSWは、回転させたときに隣の接点とタッチしないノンショート型を必ず使用する。何故なら例えばIcgはCg-BIAS回路そのものだが、この回路が接地されたりプラス電位がかかるとIpが暴走する事になるからである。
オンマウスするとLEDブラケットの配線の様子が見える。ここではLED不良時の部品交換のために絡げ配線は意識的に止めている。

Dec 24. 2004 サーモスイッチの処理

写真は坂口電熱のサーモスタット(温度スイッチ)F-1A型(部品コードBF140L)。これにはBF1TKという取付金具(サドル)が容易されており、3mmのビス2本で固定する事ができる。BF140Lは摂氏40℃になるとONになる。それ以下ではOFFなので、直列にACファンをつないで電源を供給しておけば、温度上昇を検知して自動的にファンを起動出来る。また温度が下がるまでファンは回り続け、40℃以下になれば自動的にOFFになる。パワーアンプの終段管の近傍やヒートシンクに取り付けて、電源SWを切ってからもファンを継続して回し冷却を行う事が出来る。この方式は回路が簡単で、高周波を浴びせても問題ないためオーナーは好んで使用している。
なお坂口電熱はタイプの異なるサーモスタットも取り揃えているのでHPを参照されたい。また耐熱材料・絶縁材料・絶縁碍子等が所狭しと展示してあるので、秋葉原に行くときは覗いてみると面白い。見ているうちに具体的な製作イメージがわいて来るから不思議である。大通りを上野方向に数分歩くと右手に「坂口電熱」と書いた赤い看板が目に入ってくる。オーナーにとってアンプ作りで大変重宝している店のひとつである。
写真はリード線先をファストン端子で処理したもの。さてこれを何処に取り付けるか?・・・色々考えていると知らない内に時間ばかり経過していく。

Dec 23. 2004 配線とケーブル処理続く…ファン分圧コンデンサ値決定く

作業中に仕切り板に空けたファン吸入口の角が、ヤスリ処理はしているもののちょっと気になったため、写真の様にフレキシブルブッシングをはめ込んだ。このアルミ板は厚さ3mmもあるため、ブッシングもそれに見合った幅のものを使用した。写真左奥のブッシングは昨日組み込んだものでこちらは厚さ1.5mm。こうした処理や、またこうした部材が手元にあって直ぐ対応出来るのは、HandMakerの心意気と言えないだろうか…。
オンマウスするとフロントSW群のファストン端子処理を見ることが出来る。左はT1の1次Tap切替SW、中央はスタンバイ制御SW、右は電源SW。これらは外からの差込で、またハンダ処理していないため容易に交換が可能である。ただし左のLEDブラケットは内側でハンダ付けするためややメンテナンス性が悪いが、コテは十分入るので良しとしている。本体側からLEDやマルチメーター切替SWへの配線は一度中継コネクタを介して行い、フロントパネルの取り外しが出来る構造を目指している。
Ipメーターは端子まで直に配線する予定。この系統はRF的にはカソードでサブシャシにバイパスされているので問題は無いのだが、DC回路とはいえここまで引き出してまたサブシャシに戻すのがやや気になっている。カソードからシャント抵抗で接地し、大半の電流はここに流したくなる…RFとDCが重畳する回路の取り扱いは、作りを見ると製作者の考えが見えて面白い。
100Vのシロッコファンを200Vで使用するための工夫の再開である。T2の1次側は100Vの複巻きなので、200V供給した場合に中央から100Vを得ることが出来るが、T2自身がヒーター電源を含んでいるため、オフディレイ時間にファンを回してもヒーターが灯って入るので冷却効率が低下してしまう。したがってT2以前の200Vラインから何らかの工夫で100Vを生成する必要がある。以前よりコンデンサをファンに直列に入れた分圧を考えていたが、本日コンデンサの値を決定した。図は実測したデータを示している。2μFを直列にすることで、受電電圧202V時にファン電圧103Vを得る事が出来た。コンデンサの両端電圧が電源電圧より高い理由は、負荷(モーター)がインダクタンスを含んでいるため回路全体で若干の電圧共振(直列共振)を起こしているものと考えられる。電流Iは抵抗1Ωを回路に挿入し両端の電圧から換算した。当然だが各値はテスターの表示であって瞬時値は示していない。
オンマウスで見えるコンデンサは表示は1μFであるが実測すると0.9μFで、2個パラって更に0.2μFをパラって程良き電圧になった。この方法はファンの機種を変えた場合、コンデンサの値を調整する必要があるので注意したい。
なお現在シャックには200Vの配電がないため、屋内配電(単相3線)の反対相のコンセントからケーブルを引き、ホット側同士で200Vを用意した。最寄のコンセントはシャックと同相で、反対相を得るために2階からケーブルを張った。そろそろ配電盤から200Vを引かなければいけない時期になったか…。

Dec 22. 2004 配線とケーブル処理続く

シャシにT2が固定され配線処理が続く。ケーブルは後から束ねると美しさを損ねるので、なるべく配線段階で仮止めを施しながら進めると良い。この際タイラップ等で緩く束ねる方法も良いし、ねじりっ子などで仮止めする方法も良い。いずれにしても配線はなるべくシャシを沿わせ空中配線とならないようにし、配線とシャシ間でループを作らないようにかつ最大限の静電容量を確保する。
写真はケース右横を下にして立てた状態で作業中のスナップ。低圧電源ボードからの引き出しとT1系AC200Vライン、T2系AC200Vラインがシャシ中央を行きかっている。左側に引き出されたケーブル群はフロントパネルのLEDやメーター切り替えSWに接続される。
オンマウスカーソルするとフレキシブルブッシングとそれに通したケーブルの様子を伺える。このやり方はサイズが自由に設定でき丈夫なためオーナーは好んで使用している。またゴムブッシング等より高級感がある。ちなみにこの配線はヒーター用とSg用である。これ以外にCg用とK用及びIpリターンがこのブッシングを通過する予定。段々と雰囲気が出てきた。ここまで来ると作業ピッチが上がってくるような気がしている。

Dec 21. 2004 配線とケーブル処理継続

シャシの上下を連絡する配線用の連絡穴を空けた。さらにフレキシブルブッシングにより穴周辺の処理を行った。穴サイズは大した量の電線は通らないので18mmのシャシパンチで空けた。写真は空けた後にポリ製のフレキシブルブッシングを組み込んだ様子。このブッシングは必要な長さを切断して穴の内側にはめ込むものだが、材質が比較的硬いため事前に折り曲げながらはめ込みサイズを確認してから切断すると良い。オンマウスカーソルすると、穴あけ作業に使った工具、すなわち板金工作の必須ツール、ハンドドリル・リーマ・シャシパンチの様子が伺える。随分と年季が入っている・・・オーナーの作業をこの35年もの間見続けてきたツワモノ達である。
久しぶりにシャシの底を見たが随分とあっさりしているため、今になってもう少し配線を回しても良かったかなぁと感じている。可能性があるのはファンの配線程度だろうか・・・。それにしても今になって配線を掻き分けてシャシにドリルを入れるのはアマチュアらしくて面白い。まぁそれを前提に作業をしているので何も驚いてはいないが・・・。シャシ裏に見えるバナナジャックを取り付けたのは夏の頃だったから、随分と時間が経過してしまったぁと、あの暑くて大雨の今年の夏を思い出している。

Dec 17. 2004 組み込み作業進む

随分とのんびりやっているような気がしているが、一週単位でみるとそれなりに進展している。実験と調査を含んだ開発的要素を持っているため、単純な製作とは異なり時間が掛かってしまう。写真は12月17日朝の工作机の様子。リレーパネルや低圧電源ボードからの引き出しも完了し、フロントパネルや背面パネル、それにサブシャシへの配線を控えている。しかしその前にサブシャシへ線材を通す穴や高圧フィードスルーコン、ファイナルボックス上蓋、排気穴や排気チムニィ…etcと板金工作が残っている。こんなもの一日もあれば片付いてしまうはずであるが、最近思うだけで手が動かなくなったと苦笑している。キーボードを叩く様な作業には手が伸びるのであるが、あちこちから材料や工具を持ってきて、色々な作業要素が絡む工作は手を出す前に頭の中で考えてしまい中々そうならない…やはり歳のせいか!。
オンマウスカーソルすると本体を縦にしたフロントパネルの様子が見える。ローターリーSWの配線作業は組み込む前に予め出来るところは済ませておくために取り外してある。メーター類の組み込みも最後になるだろう。他のSW群は背面でファストン端子処理されているので取り外しやメンテナンスが大変やり易い。運用より更に後の事まで考えながら製作するのも楽しい。

Dec 16. 2004 LEDブラケットの消費電流とBIAS CONT回路変更

SANSEI社の24V_LEDブラケットの消費電流が不明のため測定した。供給電圧23.8Vで各色14.7mA程度であった。Green(Power)とOrange(HvON)は24V電源で駆動するので問題は無いが、Red(OnAir) はスタンバイ回路と連動させるためCg電源-150Vから供給する。負荷を軽減する意味で何処まで電流を減らしても視感上問題が無いかを調査した。その結果直列に20KΩ程度を挿入しても問題がない無い事が分かった。20KΩだと7mAでLED両端の電圧は何と12.37Vであった…ひょっとしたら12V用か?…いやそんな事はない24Vでもしっかりと光っているから。
写真のGreenは23.8V供給で14.6mA流している状態。一方Redは150Vから20KΩを介して7mA流している状態。両者とも光量的に大きな違いは感じないが電流は倍も違う。ブラケットの規格が24Vだからと言って24Vで照らす必要は全くなく、このように抵抗により調整して使うのも寿命や消費電力から見ても好ましいと言えるだろう。
ところでBIAS回路を見ていたら、オンエア表示LEDとBIAS設定抵抗群を直列にすることで部品点数を減らせる事に気付き回路図を変更した。また一部抵抗は配線をシンプルにするために低圧電源ボードに組み込んだ。
オンマウスカーソルするとBIAS調整VR1と安全抵抗R6(VR接触不良時の対策)の組み込み前の様子が見える。取り付けてからだと配線がやり難いのでこの様に事前に処理しておくと良い。

Dec 13. 2004 マルチメーターの倍率器・分流器の定数計算

マルチメーターの倍率器Rm(マルチ抵抗)と分流器Rs(シャント抵抗)を計算する。電流計はNishizawaのU-60/500μA(内部抵抗40Ω)を使用する。
倍率器
Hv=i(Rm+Ri)
Rm=Hv/i−Ri=5000/0.0005−40≒10MΩ
但しHvはブリーダー抵抗で1/10分圧するので1MΩ、Esg=500Vも1MΩが適当。
分流器
i=is+im・・・・・・・・@
is・Rs=im・Ri・・・・A
@Aから
Rs=im・Ri/is=im・Ri/(i-im)・・・ここでim=500μA、Ri=40Ωを代入
Rs=0.0005・40/(i-0.0005)=0.02/i-0.0005
レンジ(i)に対応したRsを求めると
i=100mAならRs=0.201Ω、i=75mAならRs=0.27Ω、i=50mAならRs=0.404Ω
i=25mAならRs=0.82Ω、i=5mAならRs=4.44Ω、i=1mAならRs=40Ω
したがってIg用には40Ω又は4.4Ω、Isg用には0.2Ωか0.27Ω辺りが適当と言える。電流計は低抵抗を設定し、電流に応じ両端に発生する電圧を倍率器経由で表示する方法もある。
オンマウスすると電流計の挿入予定位置を表示する。
電流計や電圧計の挿入位置には様々な考えがあって面白い。特にマルチメーターの場合、測定中もそうでない時もある程度レベルを揃えておく必要がある。例えば5KVの電圧計を500μAメーターでフルスケール表示するには10MΩの倍率器が必要だが、倍率器だけだと非測定時(オープン時)に高抵抗とは言え5KVの高圧が線路に印加されるため、測定時にスイッチを切り替えた時に接点でスパークを発生する。またそんなリード線を切替えスイッチまで引き回すのも気が引けると言うもの・・・。このような場合は測定値に影響を与えない範囲の抵抗(メーター内部抵抗の100倍程度)で電源部を終端することをお奨めする。
Ipメーターは高圧電源側に入れるのがオードソックスだが・・・@メーター自身に高圧が印加される Aプレート回路でフラッシュや地絡が発生すると吹っ飛ぶ BプレートDC供給経路が長くなる等の理由でオーナーはカソード電流Ikを読んでいる。高圧電源の接地側に入れる手もあるが、前記Aについては効果が無い。Ikを読む方式は管の内部抵抗がアブソーバになるので殆どの問題が解決する。ただIsgについてはSg電源のマイナス側はカソードに接続する必要があるので、電源側はグランドから浮かせて作る必要がある。当然だがIsgもリターン側(マイナス側)で測定する。したがってIkとしているが実際はIcgは殆どゼロのみなせ、IsgはIp表示に影響しないのでここではIk=Ipと読み替える事ができる。
なおIsgメーターについてはSgブリーダー抵抗を36KΩに設定し、常時10mA振らせておく。仮にIsgが逆流した場合はメーターでは10mAが減じる方向に振れる事になり状態を知ることが出来る。10mAとは読みやすい値として決めている。

Dec 12. 2004 リレーパネルの配線とケーブル・端子処理…そして組み込み

リレーパネル内の配線と入出力ACケーブルの接続を行った。ACケーブルはTBに接続される4mmラグ端子処理と高圧切り替えSWに接続されるファストン端子処理を実施。高圧切り替えSWは双投型で両方の回路を使って32Aとなるためファストン端子はパラ出ししている。また電源トランスまでの余長も確保しファストン端子処理している。ACケーブルは3.5mmSQを使用しているが、トランスの端子が背面パネル直近にあるため、前後パネル間を往復する長さになっている。不要な電磁界の輻射を低減するためにツイスト状に線材を製作した。
写真はその模様である。アブソーバ抵抗は50Ω/50Wのメタルクラッドである。アブソーブする時間はRy2のON接点でRy3がONになるまでの時間である。突入電流の緩和だけが目的であるので、これで問題がなければ時間調整はしないことにする。もし不足ならRy3にコンデンサを抱かせ立ち上がり時間を緩くする。
各部を端子化する事で、工作をし易くし後々のメンテナンスを容易にしている。まとまった時間が取れないハンドメーカーにはこうしたやり方がお奨めである。またブロック毎やに切り離しが出来るように回路図も書いておくと断片的な作業でも心配が無い。高圧トランスも端子型ならハンダ付け不要であるが、オーナーは小型化のためにハンダ付けラグ方式を採用している。電源SWに絡むのはT2の低圧電源トランスのみで、高圧トランスT1は低圧電源により制御が掛かる仕掛けである。
全てのブロックが完成しているわけではないが、早る気持ちを押さえきれず、部分的に組み込みや配線が始まってしまった。しかも未だ一部には板金が残されていると言うのに…まったくラジオ少年である。
写真はファストン端子で配線した電源SW。SWは日本開閉器製だが、SW類の端子はファストン端子と整合性を持たせた物が多い。2回路あるうちの一回路は低圧電源トランスT2の一次側の開閉。もう一回路はファン電源の開閉だが、並列にサーモスイッチが接続され電源SWを切った後でも温度が下がるまでファンを回すサーモ・オフディレイ回路を構成している。AC電源入力はTBで仕切り直しする事で配線作業からハンダ付けを減らし作業性を上げている。SW接点をパラ接続したいときは写真の様に途中からY分岐し、接続部は伸縮チューブを掛けるとスマートに仕上がる。
オンマウスカーソルすると組み込みと配線が始まった本体内部の様子が見える。リレーパネルやフロントパネルの配線も、コネクタで切り離しが出来る構造を狙っているが、未だ具体策は決まっていない。中央奥に高圧電源トランスT1が搭載されるが、余りにも重いため最後の作業としている。
中々サマになって来た。試しに低圧電源を投入するとRy4がONになり、3分間のオンディレイ後Ry2によりRy3がONになり、引き続きRy3がONになるシーケンス動作を確認できる。この際オンディレイ時間を正確に3分にセットした。

Dec 11. 2004 フラットコネクタ処理と低圧電源ボード通電テスト

低圧電源部の入出力に使用するフラットコネクタに必要なケーブルの処理を行った(2本未装着だが…)。写真はそのコネクタを実際に差し込んだ様子。コネクタの右はRy4(48V/G2R-2/4KΩ)で、Cg-BIAS電源を監視し、もし断になれば自動的にEpとEsgを遮断制御する。オンマウスカーソルすると基板の反対側の様子が伺える。
このコネクタにはAC/DCを含む各種電源が入り乱れるので、間違わないようにコネクタ側も基板内配線も色目を統一しておくと良い。オーナーはかつての真空管式色配線に従い、黒:接地回路、赤:プレート回路・プラス回路、青・緑:カソード・マイナス回路、黄色:制御回路・Cg回路、白:AC回路・高周波回路、橙:Sg回路、紫:その他…等と使い分けている。
このあと低圧電源ボードにトランスからACを供給し各電源を生かしてみた。全て正常に動作しているが、Sg電源用シリコンブリッジは実験と時と異なるためか、電圧は366V(10KΩ負荷)とやや高めに出るようになった。
各電源出力になるべく実際に近い負荷を与え、30分程度通電し電圧と整流回路やReg回路の温度状況に異常が無いことを確認した。なお未だAC200V配電は出来ないので、AC100Vでテストしている。負荷はSg電源は10KΩ、Cg-BIAS電源は10KΩ、リレー電源は:LY-4(24V)3個。

Dec 9. 2004 部品衝動買い

所用で大須に出かけた折、第1アメ横2Fのボントンラジオを覗いて見た。ファン電圧調整用に3μF程度のノンポラリティコンが欲しかったが無かったので、1μF/250Vのを2個買った。そのまま店を出ようとしたらOMRONのH3Yタイマーリレーが目に入った。遅延時間はどれくらいだろうと手に取ったら何と3分。そして動作電圧は24Vで回路2回路ある。思わず衝動買いである。箱は無いが新品同様で\1570だった。以前この店から60秒用を購入し改修で時間を延ばしたが、そのときこの置き場に気がつけば2度の出費は避けられたものを…と一瞬後悔したが、使途はいっぱいあるからまぁ良しとしようとポケットに入れた。
オンマウスカーソルすると見えるのは1μF/250Vのノンポーラコン2個(@\210)だが、本当はこちらが目的だった。100Vファンを200Vで使うようにコンデンサで分圧するためのものだが、前回4μFでは容量が大き過ぎたため購入したものだが、1μFを2個パラってテストしたところ今度は受電101.2Vでファン側17.85V、コンデンサ側103.6Vを示した。コンデンサの容量を変えて電圧をプロットして行けば曲線が描けて最適値が分かるかも…でも相手はモーターだから回っているときとそうでない時でインピーダンスが変わるだろうからそんなに簡単には行かないか…コイルやコンデンサの振る舞いって本当に面白い。

Dec 8. 2004 低圧電源ボードCg-BIAS回路定数決定

jpg"border=0 name=ROLLOVER109 hspace="10"> 低圧電源ボードのCg-BIAS電源の定数を決定した。LM317HVの出力電圧決定用の抵抗を300Ω/36KΩの組み合わせとした。この定数で出力電圧は負荷Open=152.6V、負荷10KΩ=152.5V、負荷5KΩ=149.3Vであった。また本日から安全リレー回路約16KΩも負荷されているので、一昨日のデータより条件が変わっている(安全リレーはCg電源が生きない限り高圧電源が投入できない様にする機能)。
この状態で例えば2.5KΩ+5KΩVR+2.5KΩの直列回路を組むと76Vを中心に±38V程度の可変を得る事が出来る。したがって希望するCg-BIAS電圧の設定も容易である。
Sg電源は既にテスト済みであり、またリレー電源については単純な78系の3端子Regなので、この低圧電源ボードはほぼ完成の域である。Cg-BIAS電源部は、回路を生かしたまま朝まで通電したが動作は極めて安定であった。
写真は部品定数がほぼ決定した低圧電源ボードの俯瞰である。オンマウスカーソルすると底面の配線状況が確認できる。余り特殊な部品を使わず、また部品点数を増やさず、かつ共通の部品を多用することで製作を容易にしている。

Dec 7. 2004 低圧電源ボード用フラットコネクタ作成

低圧電源ボードの出入りを行うコネクタは16Pinのフラットコネクタである。ケーブル側を一部端子処理しCg電源のテストに流用している。端子は写真の様にケーブルの先端に電工ペンチで圧着方式にて取り付ける。ただ全体に弱い材質なので十分な圧力を掛けられないためハンダ付けを併用すると間違いが無い。特に何回も低圧ボードの取り外しを行うような場合は、痛み易いので始めからハンダを流した方がベターだろう。
ケーブルは束ねてハーネスとなるが、行き先は概ね半分が低圧トランス巻き線、また半分はGU-84B周りとリレー周りに配線される。直に配線するか、或いは途中にTB等を挿入するかは製作者の考え方で変わってくる。このようにコネクタで切り離しが出来るようにしておくと、低圧ボードの製作やメンテナンスがやり易くなる。
オーナーはこのコネクタをかれこれ四半世紀も使わせて頂いているが、最も扱い易く信頼度が高いコネクタだと思っている。またこれもお馴染みだが、ケーブルは協和電線のUL耐熱電線を使用している。私はこの耐熱電線が好きで125℃でも溶融変形しないため、真空管アンプでは古川電線のBEAMEXと並んで多用している。
オンマウスカーソルすると圧着に使用している年季の入った電工ペンチと処理中の端子&ケーブルの様子が伺える。

Dec 6. 2004 LM317HVによるCg-BIAS電源のテストを行う

GU-84BのスペックでEcg-Ip静特性(Ep=2KV/Esg=250V)を見ると、Ipのカットオフに要するCgバイアスが-110V程度必要であることが以前から気になっていた。元々Cg-BIASによるスタンバイは考えていなかったのだが、回路の都合上採用せざるを得ないため計画中の回路でどの程度の出力電圧を得る事ができるかテストしてみた。このためトランスの巻き線は60Vであり、両波倍電圧整流を余儀なくされる。図にテストした回路と、負荷状態による電圧変化を記入した。負荷はBIAS調整VRや保護リレー回路を含めて10KΩを想定しているが、テストでは倍の5KΩの状態も測定してみた。
この定数で5KΩ負荷でも138.2V程度をReg出力しているが、10KΩ負荷を前提として定数を変えれば150V近くまでRegできそうな感じもする。試しに33Kを36Kにしたところ1OKΩ負荷でも150VをReg出力し、更に5KΩ負荷にすると148Vまで低下したが実用範囲と言って良いだろう。もし巻き線の電圧が不足なら小型のトランスを追加するか、或いはリレー電源を-24Vに戻してDCレベルで加算するとか…。それにしても相変わらずのプアマン方式で苦笑される向きもあるのではないだろうか…。なおLM317HVの動作は極めて安定で、5KΩ負荷で約27mA流れているが全く発熱もない…ドロップ電圧が極端に少ないから当然ではあるが。
オンマウスカーソルすると畳の上で始まってしまった作業風景を見る事が出来る。

Nov 30. 2004 シャックと工作机環境の紹介

一体どんな環境で作業を続けているんだろと疑問をお持ちの向きに、当局のシャック兼工作机の様子を紹介する。写真は机の上のキーボードを立て掛けてスペースを作り、低圧電源ボードの工作を行っている様子。画角からは外れているが前方にPCディスプレイがあって、右にあるマウスを使いながら回路図や資料を映し出しそれを参考にしながら作業を行う。規格が分からない部品や忘れてしまったPin番号などは、インターネットで探したりするが、非常に便利で10年前は考えられなかった事だ。PCにはSkypeと言う電話ソフトがインストールされていて、無線仲間とインターネット経由で喋りながら、また同じサイトを見ながら作業をする事もある。左上のマイクロフォンの奥にHFトランシーバIC-756があるが暗くてちょっと分からない。明かりはZスタンドからの40Wの白熱電球のみであるが、細々と工作に励む様子が伝わって来る。オンマウスカーソルすると低圧電源ボードの裏側の配線風景を見る事が出来る。ラジオペンチにニッパ、それに半田ゴテとハンダ・・・電子工作を支えるパートナー達だ。こうしたシンプルな光源による映像も中々雰囲気があって面白い。
床に就く前や出勤前の数十分、こうした環境で工作に励んでいる。決して高級な道具など使わずに、焦らないで自分のペースでコツコツやる・・・これが大人のHand Makingかもしれない。Sn(スズ)60%ハンダに耐熱電線とプリント基板・・・コテをあてるとプ〜ンと広がるこの匂いは、ラジオ作りを始めた40年前と少しも変わらない。

Nov 29. 2004 BIAS-VRとスタンバイDCコネクタ取り付け

Cg BIAS-VRとスタンバイリレー制御用DCコネクターを取り付けた。パネル背面よりドリルを入れ、リーマでサイズを調整する。VRは回転防止用穴も3.2mmで空けた。こんなもの最初の段階で空けておけばと思うのだが、開発や調査要素を含みながら製作しているので、簡単な事でも一気に作業することが難しい。写真は取り付けた両者の様子である。VRは5K/Bを予定し、送信状態でカットオフまでもって行きたいが果たして何処まで行けるか。現在-130VのCg電源を予定しているが、静特性から判断して問題は無いと考えている。DCコネクタは中心Pinでリレー用DC24Vをリレーボックスに供給し、外周Pinにはリレー接点が返り本体のBISAS回路を制御する。Pin数が2Pinと少ないためコモン線はシャシ回路を流用する苦肉の策。
オンマウスカーソルするとリレーボックスとの間をDCコードで接続している様子が見える。このコードも本日製作したもの。
この辺の処理方法は夫々あって面白いと思う・・・リレーはタンク回路の直近に置き決して同軸段階では入れない人、スタンバイ回路とRF切り替えは絶対にリレーを分ける人、スタンバイとRFリレーを同軸でやるのはタブーとする人・・・物作りって本当に色々な事を教えてくれる。著名なOMが一度やるとそれが神話の如く継承される場合がある。しかし固定観念に囚われず常に疑問を持った実験と挑戦、それに理論と実践の精神を維持していきたい。

Nov 28. 2004 低圧電源ボードを組む・・・その実装方法

低圧電源ボードを組み立てる。基板は140mmx90mmガラスエポキシのユニバーサル基板を使用した。TakasuのIC-701-74であるが、手元にあった物を利用したが何時買ったものか記憶が無い。電源やアース周りのラインが出来ているので先日購入したものより使い易い。オンマウスカーソルするとSg電源のシリーズRegに使用したパワーMOS-FETの2SK2847とツェナーダイオード周辺のアップを見ることが出来る。この部分はスペースの関係もあって放熱器の外側に組み込んだが、中々旨く収まっていると思う。
Sg電源は350Vをブリッジ整流し470μFのケミコンで平滑し2SK2847のシリーズRegで受ける。Cg電源は60Vを両波倍電圧整流するが、平滑容量は120μFが2個シリーズである。またCg電源はLM337HVで負電圧を発生さ、電圧をリモートする予定だったが、IN/OUT耐圧が50Vと言うのが気になり方針変更しLM317HVで正電圧回路で構成し、最後に正極側を接地するようにした。したがって外部にBIAS調整VRを設置する。リレーLED電源は27Vをブリッジ整流後3300μFのケミコンで受け平滑し、簡単に7824でRegする。以上により、回路図のLV BOARD部分を修正した
なお放熱器は共用なので、正極を接地するCg電源のLM317HVは放熱器からシリコンの絶縁シートで浮かせてある。2SK2847は絶縁パッケージなので問題はないが、3端子Regの7824は固定金具がGND端子なのでこの対策が必要である。
低圧電源ボードは未だ完成していないが、それを取り付ける環境を整えた。取り付ける場所はT2低圧電源トランスの上部。トランスにはアングル上部に4角に4mmネジのタップが立ててありこれを使う。ボードとは幅や大きさが異なるので、3mm厚のベーク板をボードと同じサイズに切り出しトランスへの固定を行い、さらにベーク板の4角にスペーサーを取り付けボードを3mmビスで固定する。
写真はトランス上部に取り付けられた低圧電源ボードの様子。幅90mmで3mm厚のベーク板はたまたま手元にあったため利用したが、2mm厚程度のアルミ板でも良いし、両サイドの取り付け部分のみの金具を製作しても良い。
オンマウスカーソルすると、低圧電源ボードを取り付けたT2低圧電源トランスをシャシ上に仮置きした様子が伺える。左に高圧平滑ブロック、右にリレーパネル、また奥に高圧電源トランスが見える。随分と雰囲気が出てきたが、低圧電源ボードの完成を急がなくてはいけない・・・このように直ぐ浮気をしたくなるから困る。

Nov 27. 2004 低圧電源用ヒートシンクにタップ立て

名古屋大須第2アメ横のタケイムセンから飼ってきた\50のヒートシンク(放熱器)にタップを立てた。サイズは3mmでまず固定用のタップを底から2ヶ所。それにSg電源、Cg電源、リレーLED電源の用の3端子RegやFET用に3ヶ所取り付け面に立てた。このヒートシンクは比較的柔らかいアルミ製で、部材を潰してしまわないようにオイルを流し慎重に行う。
写真は作業に使った中学生時代から使うハンドドリルとハンドタップ。それにタップを立てた後に部品を仮付けしたヒートシンク。取り付けた部品は中央が2SK2847で左右がLM-317HVとLM337HV。また底に取り付け用の3mmビスが2本見えるが、取り付け時は3mm程度の金属スペーサーを挟みヒートシンクを浮かす構造にして通風を改善する。2SK2847の左右にある穴は、最初から空けてあった3mmタップ穴でここでは使用しない。
直ぐにでも基板に取り付け配線を始めたいと気持ちが早ってくる・・・。ところでこのサイズで発熱は大丈夫だろうか・・・計算すると表面積は22726平方mmとなった。Sg電源をテストしたときの発熱は殆ど無く指でFETを触れたので問題ないと考えているが・・・この辺は感覚的に処理してしまおう!・・・本来なら温度計算しないといけないところだが。

Nov 25. 2004 低圧電源ボード関係の部品調達

仕事帰りに低圧電源用の部品を物色。低圧電源ボードはSg電源・Cg電源・リレーLED電源が搭載される。Sg電源は350Vをブリッジ整流後、実験済みのMOS-FETとツェナーダイオードによるシリーズRegで構成する。リレーLED電源はヒーター用AC27Vをブリッジ整流し7824又はLM317HVの3端子Regで行う。問題はCg電源。管を完全にカットオフにする必要があるため-120V程度の電源が必要になる。送信時のCg BIASはRegしたいので、当初120VにRegしてから抵抗分割で目的を果たそうとした。一般的には殆どの人がそう考えるだろうが、LM337HVの説明書に設定電圧をリモートする手法の記述があり今回それを試す。LM337HVは負電圧の3端子Regだが、IN/OUT電圧差が50VでLM317HV(正電圧)の60Vに比べて10Vも低い・・・何故だろう?面白いと思う。60Vを両波倍電圧整流するのは、当初はCg電源によるカットオフは考えていなかったから。
写真は以上を意識して購入してきた物。基板・放熱器・平滑ケミコン・シリコンダイオード・3端子Reg・リレー・セメント抵抗・VR・Lag端子が見える。リレーはDC100Vを欲しかったが無いので48V/G2R-2を購入。巻き線抵抗が4KΩあり動作電流は48/4=12mAと僅か。抵抗分割で100〜120V(4.3K〜6KΩ/0.864W)で動作させるのに最適だ。このリレーはCg電源が出力しない限り高圧電源は投入出来ないロジックRy4に使う。大須タケイムセンで何と\100。同じく放熱器もは\50と超破格であった。

Nov 24. 2004 スタンバイリレーの極性と送信表示LED電源の悩み

スタンバイ回路を眺めていたら、リレー電源が-24Vだと外部からの制御が接点渡しの時は問題ないが、オープンコレクタのTrドライブの場合ちとまずいと気付いた。エキサイタのリレー遅延を嫌って、エキサイタのTXD(送信制御電圧等)でTrをドライブしている局はそのままでは使えない。-24V電源を考えた経緯は以下の通りである。
@球のカットオフはシングルエンド接点で行う(入出力リレーボックスの関係)・・・Sg制御は不可、Rkバイアス方式もカソード接地型ソケットのため不可、結局Cgバイアス方式を選択
Aオンエア表示LEDとCgバイアスの同時制御条件・・・両者をダイオードOR動作するためには共に負電圧駆動の必要がある
・・・以上の理由で-24V電源に統一したが、外部Trでスタンバイリレーをドライブするには+24V供給が望ましい。そうなるとCgバイアス制御とLED表示制御間でORロジックが成立しなくなる。+24V電源を追加しスタンバイリレー用としLEDを-24V供給で対策する手があるが・・・。しかし待てよ、それなら負電源はCg電源から供給し抵抗で-24Vに調整すれば簡単に作れるじゃないか!、それにLEDはダイオードだから回路も簡単になる・・・Lucky!。と言うことでリレー電源を+24Vに変更し回路図を修正した。写真は配線を待つLEDブラケット(24V)・マルチメーターSW(ノンショート型)・電源SW類(ファストン端子配線)で、もう1枚は低圧トランス周辺スナップ。

Nov 23. 2004 ネオプレンゴムでファンガイドを作る

シロッコファンの吸入口にネオプレンゴムで円筒のガイドを作り取り付ける。写真は数年前にJA1IIV/窪寺OMより分けて頂いたネオプレンゴム。これを幅25mm程度にカッターで切り出し、円筒に丸めてシロッコファンの吸入口に差込み、仕切り板と吸入穴との間に挟み込む。ネオプレンゴムは耐熱性がありAlpha社やAcom社のリニアアンプで終段管のチムィとして使われている。ここでの役割はシロッコファンのエア吸入をファイナルボックス外にすることである。
オンマウスカーソルするとこれまでのフロントビューを見る事ができる。作業は大分進んで来たが、板金関係ではグリッドバイアスVR、リレー制御DCコネクタ、GND端子、配線用シャシ穴、ファイナルボックス上蓋、上部チムニィ、外カバー加工等が未対応である。また低電圧ボードの製作やその固定もこれからだ。RF関係ではGU-84B入力回路のステップ比を実験はしたものの未だ最終的に決定していない。50Ω終端が良いか、或いは4倍の200Ωか2倍の100Ωか・・・。配線作業は未だ殆ど行われていないがやり出せば完成は早いものと思う。恒例だが配線が始まっても忘れていた板金作業が出て来るかもしれない・・・こう言うのもアマチュアらしく実におおらかで楽しい。

Nov 22. 2004 リレーパネルにアブソーバ抵抗固定・・・HVトランス固定ネジ

HVトランスに電源投入したときに突入電流を緩和するためのアブソーバ抵抗(50Ω/50W/メタルクラッド型)を取り付けた。固定は20mm高の金属スペーサーをリレー取付け面の背面に2個配置し、そこに抵抗を3mmのビスで留めた。スペーサーの固定は3mmの皿ビスで行った。スペースを稼ぐためにこのような立体的な配置を行っている。写真はその様子。リレーパネルは配線を行ってから仕切り板側面に戻す事にするので一旦取り外す。
オンマウスカーソルするとHVトランスを側板から固定するビスの様子を伺える。トランスは26Kg程あるため、シャシに乗せ時間が経つとどうしてもたわんで来るので、側板にトランスを固定し重量を分散している。側板はそのまま塗装面になるので余り目立たないように皿ビスで行っている。また重量があるので皿ビスやナットはステンレス鋼の物で4mmを使っている。
シャシに色んな物が乗って来て重量が日増しに増えている。最終的には一体何Kgになるのだろうか。

Nov 21. 2004 リレーパネルを製作・・・仕切り板に取付けタッピング

Ry1・Ry2・Ry3を取り付けるリレーパネルを製作した。それぞれMY4・LY4・LY3専用のソケットを取り付ける。パネルは1.5mm厚の軟アルミ板を使用した。リレー取り付け面は45mmx150mmで前後は補強と取り付けシロのために10〜15mm幅で折り曲げている。
写真は板金加工が終了したところで撮影したリレー群とのスナップ。シャックには折り曲げ器や切断用のシャーリングなど無いので、全て手力の作業となる。
切断は罫書きにしたがってPカッターで部材を掘り込み、程よき深さになったところで折り曲げて切断してしまう。切り口はそれなりの処理を施す。細目のサンドペーパーを平らな面に置き、その上で部材が均等に削れるように力を入れ往復する。簡単なようだが実は奥深い。シャーリングで切断した様に仕上がるまでにはそれなりの年期が要る。折り曲げもPカッターで程よき深さまで掘り込み、万力でくわえた折線の背面に平らな板をあてがい一気に曲げる。折線から離れたところに力を加えると湾曲し完成度が落ちるので注意。穴空けは、3mm程度のドリルで罫書きの内側を金ノコが入る程度まで連続して空け(ニッパで開く)、その後は金ノコで切り落としサイズを確認しながら平ヤスリで仕上げる。オンマウスカーソルするとパネルにリレーを取り付けた様子を見る事が出来る。
このパネルは仕切り板の側面に取り付けるが、保守性も考えると固定方法に工夫が必要か・・・。
リレーパネルを固定するネジを仕切り板に2ヶ所空けネジを切った。仕切り板は厚さ3mmのアルミだが、厚さが十分あるので3mmタップでネジを切りリレーパネルを固定することにした。写真は2.5mmの下穴を空けた後3mmのハンドタップでネジを切っているところ。可能な限り部材であるアルミにキズを付けないようにCRC/5-56などの油を注油してネジを切る。
オンマウスカーソルで見える写真は、3mmビス2本でリレーパネルを仕切り板に仮固定した模様。中々雰囲気が出てきたと思う。ネジの位置はドライバーが入り易く作業が容易に行える位置を検討して決めている。取り付けをタップ式にした理由は、可能な限りメンテナンス性を確保するためである。反対側がナット締めだと色々と制約が多いしメンテナンスがやり難くなる・・・そういう製品て世の中に結構あるものだ。未だ配線作業が終わっていないので、ここでは位置関係を確認後リレーパネルは取り外す。
なおRy3がこの場合一番パネル寄りになるが、幸か不幸かフロントパネルのネット越しに、リレー動作表示のグリーンLEDを確認する事が出来る・・・これはやっぱりLucky!。

Nov 20. 2004 2SK2847で保護機能付きシリーズレギュレータの実験

2SK2847でシリーズレギュレータの実験を行った。部品定数は91βを参考にしようと思ったが、手持ち品では限界があり図に示す値でデータを取った。目標は360Vであるが、負荷抵抗を5KΩとすると青字の電圧に降下する。このときの負荷電流は約74mAである。負荷を10KΩにした様子が赤字で、出力は360V程度に上昇する。これはR2とZD1で決めているゲート電圧が、ZD2経由で負荷につながる回路で変動するからである。ZD2を取り外すと5KΩ負荷でも360V前後を維持できる。負荷電流の増加でゲート基準電圧が落ち始め、仮に出力が地絡するとZD2とR2に発生する電圧の合成がFETの動作に制限を掛ける。FETのG-S間電圧が、GがSより負方向でスレッショルド電圧Vthより高ければFETをオフする方向に動作する。
負荷を5KΩ+10KΩにすると、出力は300Vを切りだす。出力を短絡してみようとも考えたがそこまで勇気は無い。正確に何百mA以上でオフなんて芸当は無理なので、誤って地絡させた時の保護回路程度に考える事にする。しかしこの説明だと地絡してFETがオフになっても、その瞬間にR2の電圧はゼロになるから再びFETは生き返ってしまう・・・考え出すと頭が痛くなる。それにしても安定に動作する2SK2847を見ていると、バイポーラTrにはもう戻れずパワーMOS-FETのファンになりそうだ。なおC2・C3は省略、R2は入力から取り、FETはクリップで放熱板に押さえ付けている。

Nov 19. 2004 Power MOS-FET 2SK2847を購入してみた

Sg電源のReg制御にパワーMOS-FETを試してみるためにコストや容量を検討していたが、東京秋葉原の秋月電子通商にToshibaのSK2847(900V/85W)が1個\200と値打ちのため購入してみた。発注はインターネット上で行い送金は代金引き換えで行った。手数料を含むと10個で\3000になってしまうが、それでも1個\300であり地方に住む者には有り難い。大須のタケイムセン辺りでも置いてあると思うが、往復の交通費や所用時間などを考えると、PCのキーボードを叩くだけで届いてしまう仕掛けはお値打ちと言わざるを得ない。
写真は早速取り出した2SK2847のグループショット。これ以外にB5版のデータシートが1枚付いている。Vth=2〜4Vで、これに見合ったツェナーダイオードとソース抵抗により、自己保護回路を構成する予定。基準電圧は0.5〜1W程度で360Vの小型ツェナーダイオードで行う。この2SK2847のVthやD-S間オン抵抗(1.1〜1.4Ω)はIRF830とほぼ同等であるが、入力静電容量は2SK2847は2040PFもあるがIEF830は160PFである。また電力容量的には2SK2847が一回り大きい容量を持っている。
2SK2847やそのシリーズは、AC220/240V入力のスイッチング電源用のパワーMOS-FETでπ-MOSと呼ばれ、VDSSが700〜1000V、PDも40〜200Wの範囲でラインナップされている。

Nov 18. 2004 リレーボードをイメージする

電源投入タイミングを作っているリレーボードの配線イメージをスケッチしてみた。回路図で見ていてもリレーの場合は巻き線と接点が離れている場合が多いので、実際に配置して配線イメージを持っていると実作業にスムーズに移行できる。というより間違いが少なくなる。
図はリレーボードのボトム側から見た配置と実体配線である。こうする事で・・・この線は制御用だから線材は細め、こちらは被制御側で大電流が流れるので線材は3.5SQmm必要だ・・・とかがイメージできて間違いが無い。
リレーはアルミ板にソケットを取り付けプラグインする。Ry2に制御されるRy3はリレーの立ち上がりタイミングでは遅延量が不足の場合はコンデンサをRy3の巻き線に抱かせ遅延量を調整する。これらは高圧トランス通電時の突入電流を押さえる制御ロジックである。

Nov 17. 2004 高圧平滑ブロックを取り付ける

高圧平滑ブロックを取り付ける。3.5KVの高圧なので取り付け環境には十分な注意を払う。間隔が稼げないときは絶縁材の充填を行う。写真はケースの左側面に取り付けた様子。ブロック底部は3mm厚のベーク板を敷いている。上部で3mmビス・ナット2組で固定し、下部には写真の様に樹脂パッドを貼り付けて固定している。ベーク板の周りの穴はトランス用で、右側が高圧(5mm)用で下側が低圧(4mm)用である。
高電圧の世界は実に奇妙で、夜間や休日に受電電圧が上昇した時や、空気中の温度や湿度の変化で思いもよらぬ場所で放電する事がある。連続発生しないので場所の特定に時間を要し悩ましいが、「余裕を持って作れ!」と」言うことだろうか。
余談だが一度DCチャージされたVCで、容量を減らすとスパークを発生する。Q=CVで、チャージされた電荷が同じなら静電容量Cを減らすと電圧が上昇する。1000PF程度のVCをいっぱいに入れ500V/DCを掛けたあと一気に抜くとパッチと放電する・・・本当だろうか?と思う向きには一度実験をお勧めする。
これも余談だが整流用シリコンダイオードは殆ど全てが黒のパッケージに封入されている。それには理由がある。昔メタルカンで封入部に乳白色の樹脂を使ったものがあった。これを高輝度の光にさらすと逆方向抵抗が激減する。今でもSW用ガラス封入ダイオードでこの現象を確認できるので試してみると良い。懐中電灯でも十分確認できる。

Nov 16. 2004 電源のAC回路一部変更・・・出力同軸の先バラ処理

高圧トランスに供給するAC200Vのルートを変更。電源SWの負担を軽減するために、同スイッチより前から供給する事にした。また、もう1回路がファン電源の開閉に復活しました(回路図修正済み)。
出力同軸ケーブル(NP-Lag/5D-2W)の先バラ側のラグ処理を行った。サブシャシの取り外しやメンテナンス性を考慮して、出力の取り出しはロードVC補助コンデンサ(DoorKnobコン)の両端から行う。同軸側を先バラの圧着ラグ端子にすることでその目的を果たす。写真は5D-2Wの芯線とシールド線に取り付けられたラグで穴サイズは5mm。実際には4mmがベターであるが手持ちの関係でこのサイズになっている。ケーブルサイズは3.5SQmmの物だが、シールド側にはやや細いため丸棒ヤスリで穴を広げて使用した。
長年HandMakingをしているとメンテナンスのために何処かを切り離したくなる事が多々ある。それもノウハウと言えるのかも知れない。この細工はそうした経験に基いたもので、部品化しておくと後で発生するトラブルや改修等の対応が大変やり易くなる。ただし本当は同軸関係を崩したくないので、シールド側は同軸の端でリターン回路(GND)に接続されるべきだろう・・・この長さでこの周波数なら問題ないが。

Nov 15. 2004 高圧整流ボードの製作と電源部のレイアウトイメージ

高圧整流ボードを製作する。1.6mm厚保ガラスエポキシ基板の銅箔面にパターンを書き込み不要部分を剥ぎ取る。剥ぎ取り方は整流平滑ブロックと同じである。均等な力を加えて剥ぎ取らないと銅箔がちぎれてしまい、作業の効率が非常に悪くなる。意外と慎重な作業になる。1N5408のリードは非常に太く1mmの穴では通らないため1.5mmのドリルで開けた。パターンの間隔は各ダイオード間は1mm以上、AC入力間は8mm、整流出力間は基板の長手方向の端々とした。ボードは高圧トランス上部の金具のネジ穴に4mmビスで留めるが、同時に透明アクリル板を被せ安全対策する予定。
電源回路で一番高い電圧が掛かる部分であるので、回路動作の安定確保に併せ感電などを回避する対策を事前に施しておく。少なくとも金属部分が剥き出しで、簡単にタッチ出来てしまう環境だけは避けたい。また回路図には入れていないが、カバーを外したときに高圧回路を遮断するインターロック機能も検討している。
それにしてもボチボチとゆっくりとした作業である。10年前なら1日仕事を1週間或いは2週間も掛けてやっている。その分周辺の状況が見えるようになり、製作途中の方向転換や思い付きの処理が少なくなってきた・・・歳のせいか。
シャシに高圧トランスと低圧トランス、高圧平滑ブロックを乗せて電源部のイメージ作りを行う。高圧トランスは余りにも重たいため最近は何時も乗っかっている。位置は既に決まっているがビス留めはしてないので、作業状況に応じ直ぐ取り外せるようにしてある。写真はトランス上部には製作済みの高圧整流ボードをビス留めしてみた様子。最終的には透明アクリル板を共締めして安全対策を行う。
高圧トランス脇のケース側面には高圧平滑ブロックを置く。低圧トランスはその内側に置く。三者が長方形のスペースの中に収まる。低圧の整流・Regボードは低圧トランスの上に金属フレームをあてがい、ビス締めして取り付ける。大きさは90mmx140mmのユニバーサルガラスエポキシ基板。
これ以外にリレー関係や高電力抵抗(50Ω/50Wメタルクラッド)の取り付けがある。リレーはまとめてサブフレームに取り付け、それを高周波部との仕切り板側面に固定する。リレーは簡単に手が入る位置に置く。実はこのリレー群、シャシに取り付けても良いのだが、シャシ下の高さが少ないためそのままではケースカバーまでのクリアランスが取れない。やるとするなら10mm程度のゲタをはかさなければいけないが、そこまでやるなら前述の法式の方がベターだと言う判断である。高電力抵抗はAC給電ルートの程よきところを探す。
随分と雰囲気が出てきたと思うが・・・これは自己満足か・・・それにしても重い。

Nov 14. 2004 タイマーリレーのタンタルコン交換と遅延時間設定・・・高圧整流ボードのイメージを固める

先にDC24V/60秒タイマーリレーOMRON/MY2Vの遅延時間調査をケミコンで行っていたが、タンタルコンデンサに交換し実装した。タンタルコンデンサは大須第一アメ横のボントンラジオで10/22/33/47μFの物を買い求めて来た。この店は昔からタンタルコンデンサを置いてあり、破格なので良く買って使っていた。
写真はタンタルコンデンサを取り替えながら調整をしているタイマーリレー内部の様子。元々の取り付けてあった22μFを取り外し最終的に33μFをに交換した。この状態で電源電圧23Vで最大200秒の遅延を得ることが出来たが、VRを調整して180秒にセットした。なお電源電圧が適正でないと遅延時間が大きく狂うので注意が必要だろう。オンマウスカーソルすると買ってきたタンタルコンデンサに切り替わる。タンタルコンデンサは極性を誤ると、一定時間が経過すると容量が抜けるので実装時には特に注意する。なお以下にMY2Vの30秒タイプを改修したデータも併せて記した。
高圧整流ブロックのイメージを書く。ダイオード1N5408を5個直列にし、4式分ガラエポ基板に並べる。ダイオード逆方向抵抗は近年は特性が揃っており、分圧抵抗は使用せずダイオードのみで組む。また0.001μF程度のコンデンサも並列にしていたが、60Hzでは約2.65MΩとなるが、50MHzだと3.2Ωで10MHzだと15.9Ωである。商用交流では無視出来る値だが、高周波ならダイオードをスルーさせる効果がある。滅多なことは無いが、高周波の侵入レベルが異常に高くなり商用交流に近づくと、商用交流が高周波でスイッチングされるので好ましくない・・・現実にはありえないと思うが。高周波バイパスをする場合は出力側(平滑コンデンサ側)をパスコンで接地する程度で良いと考えている。

Nov 13. 2004 同軸リレーボックス周りの接続実施

同軸リレーボックス周りの接続を行った。出力側はNMC(ノーブル無線)のL型NコネS-LP043で処理した5D-2Wで実施(上)。入力側はカナレのN-L型コネクタNP-LC31で処理した3D-2Wである(下)。コネクタによる接触箇所が増えるが、この周波数では大した減衰は生じないだろうし、作りやすさやメンテナンス性にここではウェイトを置いている。ボックスにあるRCAジャック(Red)は外部からの送信制御端子。
なお本体からリレー電源とスタンバイラインがDCプラグで供給されるが、本体側は未だ対応していない。 オンマウスカーソルすると同軸リレーボックスとシロッコファンを中心とした画を見ることができる。

Nov 12. 2004 リアパネルのレイアウト状況

写真はリアパネルの状況。一番右にアルミダイキャストボックスに組み込まれたACラインフィルタがある。このボックスには30Aのヒューズホルダが上部にあり20Aを実装する予定。一番左は入出力のN型コネクタで、下が入力で上が出力。その右側のアルミダイキャストボックスは同軸リレーとスタンバイリレーが組み込まれている。両者は同一リレーであるから切り替えタイミングの調整から開放される。入出力コネクタとリレーボックス周辺の4本のビスは、内部の仕切り板(3mm厚)を固定している。中央上部にある2本の皿ビスはACラインを受けるTBを締め付けている。
外部スタンバイ入力はリレーボックスにあるので、この後の背面パネルの作業はBIAS調整VR、同軸リレー電源&スタンバイ端子、GND端子を取り付ける程度と思われる。じっと見ていると背面パネルもさることながら、内部のトランスやGU-84Bにどうしても目線が行ってしまう。RF系は同調周波数の微調整が最後に残り、電源側は後は配線の前に高圧ケミコンブロックや低圧トランスと整流・安定化ブロック、それに高圧整流ブロックの配置を決定する作業がある。随分と長い時間が経過してしまった気がするが、大分形になってきたぞ!と自己満足している。電源が投入されるのは果たして何時になるか・・・AC200V電源も用意しなければいけない。
オンマウスカーソルすると進相コンデンサを固定し、ケーブルをファストン端子処理したシロッコファンが見える。

Nov 11. 2004 AC200V入力関係を固める

AC-LPF-BOXから筐体内に入ったACケーブルを行った。ACラインは一度TB(TerminalBlock)で受けて各方面に分配されるように構成する。TBは4mmの鉄ビス締めで、ケーブル側は専用の圧着ラグ端子で処理を行っている。TBは4Pの物を使用し2系統に並列接続し、一つは電源トランス系に、も一つはACファン系に分配する。写真はLPF裏面から筐体に入りTBまで配線されたACケーブル。オンマウスカーソルするとTBとその配線状況が伺える。このように分解点にTBを取り付けビス締めにしておくと、後々に回路変更が生じた場合にその対応が非常に柔軟になる。なおTBの固定は背面パネルから皿ビスを入れスプリングワッシャとナットで行っているが、締め付け過ぎると母体が割れるので注意する。AC-LPF-BOXは背面パネル内側から皿ビス2本で固定している。
前記作業のついでにAC200/20AプラグをACケーブルに取り付けてみた。ACケーブルはゴム打ちされたキャプタイアなのでそのままプラグに取り付けようとするとケーブル径が合わない。そのためヤスリでプラグ・ケースのケーブル口を削ってサイズを広げる必要がある。写真はそうしてケーブルが取り付けられたプラグの様子。端子への取り付けもラグ端子を圧着してビス締めする。なおアース端子は今回は使用していない。

Nov 10. 2004 Sg電源を考察してみた・・・MOS-FET vs Bipolar Transistor

GU-84BのSg(スクリーングリッド)電源のレギュレータ回路を全電源回路から書き出して見た。今までは安価なバイポーラTrを使う機会が多かった。何しろ500V/100W級が僅か\100程度で買えるんだから間違って飛ばしてしまっても痛くも痒くも無い。ただ過電流検知用のTrを組み込むとどうしても2個のTrが必要になるため部品点数が増える煩わしさがある。それで今回は以前から気になっていたALPHA社の91β等に使われていたレギュレータ回路をそのまま使ってみる事にした。この回路は非常に簡単で、パワーMOS-FETであるIRF830(International Rectifier)を1個とツェナーダイオード2本でその目的を果たしている。
図でR3には負荷電流に応じた電圧が発生する。この電圧がZD2の電圧(R2+ZD2+負荷で構成)を越えるとG-S間のG側が負方向にBIASされる。Sに対するGの電位をD-S間がOFFになる様にR3/ZD2の関係を適当に設定しておけば、容易に保護回路が構成できる。FETは電圧(電荷)制御デバイスであるがこの目的にはEnhancement型(ゼロBIASでIdが流れないタイプ)FETが必要である。オンマウスカーソルするとバイポーラTrによるレギュレータ回路に変わる。この回路はARRL HANDBOOKで紹介されている4CX1600BアンプのSg電源回路をモディファイしたもので、GU-74B/2mアンプで使用している回路である。R3に過電流が流れて生じた電圧が0.7V(B-E間降下)を超えるとTr2がONになりTr1のB-E間を短絡しTr1をOFFにして保護が成立する。FETは温度係数が負で熱暴走に強く、こうした用途にもっと使われるべきだと感じている。

Nov 7. 2004 電源制御リレーを決定する・・・DC24Vリレーでまとめる

電源スイッチ投入後低圧と高圧電源を制御するリレーを決定した。元々貧乏性であちこちから買い求めた物がいっぱいある。当初は全てAC200Vリレーで構成するつもりでいたのだが、浮気心で買ったDC24Vタイマーリレーのおかげで、その他リレーも影響を受けるハメになった。ACリレーなら、200Vに全てを統一し電源も特に不要なのだが、DCだと専用の電源を用意する必要がある。幸い自作同軸&スタンバイリレーはDC24Vと決まっていたので、それによる拍車もかかり決断に至った。
Ry1はOMRONのMY2Vで、電源SWオンでヒーター用27Vをブリッジ整流し3端子Regで得たDC24Vを供給する。Ry1は約3分の遅延後Ry2を叩く。Ry2はOMRONのLY4で、3回路で高圧トランスの1次側初段を閉じ、更にもう1回路はRy3を叩く。Ry3はOMRONのLY3で3回路で高圧トランスの1次側のアブソーバ抵抗を閉じ正規AC回路を構成する。なおLY型1回路の電流容量は10A。Ry1のもう1回路は送信制御回路をゲートし、高圧投入前は送信に移れないよう働く。
写真は左からRy1のMY2V(遅延時間4.5分に改修)、Ry2のLY4、Ry3のLY3で全てDC24Vリレー(ソケット含む)。後で気が付いた事だが、このLY3は実はLY3Nで内蔵のグリーンLEDが点灯する。DCリレーのメリットは巻き線にコンデンサを抱かせ立ち上がり時間の調整が出来る事である。巻き線の直流抵抗は、実測でMY2Vが635ΩLY4が341ΩLY3が402Ωであった。

Nov 4. 2004 コンデンサを直列にしてAC100VシロッコファンをAC200Vで使う・・・実はそんなに簡単じゃない

使用予定のシロッコファンは100Vで、200V運用では何らかの降圧を行う必要がある。低圧トランスの1次側は100Vx2の複巻きなので、直列にして中心から100Vを得る方法がある。しかしこれだと、低圧回路とファン動作が同じタイミングになり個別の動作ができない。電圧を低ロスでステップダウンするにはトランスが一般的だが、コンデンサを使う方法を考察してみた。ファンは27W(日本サーボMF-8S55-15LK)であるから、この電力消費を想定しコンデンサを直列に入れて電圧分を試みる。27W消費時のファン抵抗を求めると・・・P=E・E/R から R=E・E/P=100・100/27=370Ω・・・商用電源で370Ω相当のXcを持つコンデンサCを直列にすれば、ファンに降圧した電源を供給できるのでは・・・Xc=1/2πfC から C=1/2πfXc=1/2x3.14x60x370=7.2μF・・・・果たしてこれで良いのだろうか?・・・答えは間違い。何故なら電源・ファン・コンデンサの電圧位相は同相ではなく、ファン電圧とコンデンサ電圧の合成ベクトルが電源電圧になるからである。仮にファンが純抵抗だとしても、合成ベクトルは45度の位置にあり「電源電圧/√2」の電圧がファンとコンデンサに発生する。したがってファン電圧を100VになるようにCの値を調整すれば目的が果たせそうな気がするが、相手がファン(モーター)では誘導性リアクタンスをもつからそう簡単には行かない。
写真は7.2μFに最も近かったので購入した8μF/250V。ファンとコンデンサ両端の電圧は果たして何Vになるだろうか。早速実験したところ受電=102V、ファン両端=133V、コンデンサ両端=103Vとなった。やはりファンのリアクタンスが効いているようで、純抵抗負荷の様な降圧効果が出ていない。熱を出さず受電電圧より高くなるこの交流現象は実に面白い。30年前に学び今は忘れかけている交流理論を回顧している。

Nov 3. 2004 オンディレイ・タイマーリレーの時間拡大テストOK

名古屋大須の第一アメ横2FのボントンラジオからOMRONのタイマーリレーMY2V(60秒/24V)を定価の半額以下で買ってきた。当然ながら高圧電源の投入を遅延させる目的である。5分か3分程度の物を店のご主人と一緒に探したが60秒のが最大だった。このタイプは以前分解し改修が難しそうだったHY3と異なり、回路が簡単で時定数を設定しているコンデンサ(タンタル)の容量を増やせば容易に遅延時間の調整が出来る。今日のテストの結果ではオリジナル22μFに10μFを足すと約4分25秒の遅延時間を得ることが出来た。CRメータで容量を測定すると33μFを示した。但しオリジナルケースには60secと表示があるので、希望的には最終的に6分にもって行きたい・・・と思っていたが、このシリーズは目盛がかなりいい加減なのでこれでよしとするかも知れない。
写真はケースから出して実験のために10μFのケミコンを追加した様子。オンマウスで内部構造を見ることができる。このリレーは生産完了品であるが、中古市場では新品同様の物を多く見かけ、ボントンラジオでも山積みになっていた。この後33μFのタンタルコンデンサに置き換える予定である。但しこのMY2VとHY3は2回路2接点であるが、端子の出し方と使い方が異なるので併用する場合は注意が必要である。なおこれに合わせ電源回路を一部修正しました(クリックで見える)。

Nov 1. 2004 ACラインLPFを組み込む

ACラインLPFの配線を行い、背面パネルに取りつけてみた。LPFはACラインを#43材大型メガネコア3個で構成し、コア間に顔を出したケーブル4箇所から0.001μF/6KVのセラミックコン4個でバイパス接地した(コア1個当たり3.6μH)。特性は取っていないが、目的はACラインへの50MHz成分の流出阻止(50MHzによるACラインのエンドフィードアンテナ化阻止)である。これをノーマルモードとコモンモードでも効くようにしてある。やや御呪い的な感じもするが、後でACラインにチョークコイルを挿入しノイズ対策に奔走する姿を想像出来るのであれば、転ばぬ先の杖として装置内に組み込むのも一つの選択肢だろうと考えている。ACコードがシールドタイプやアースライン付のケーブルの場合は、それ自身がエンドフィードされてアンテナになる場合があるので、フェライトコア等を使ってRF的に切っておく必要がある。
写真はそのLPFを組み込んだアルミダイキャストボックスの様子。#43材のメガネコアがZ状態に配置され、それらをACコードが貫通し、コアの間部分にコンデンサが接続されている様子が分かる。またオンマウスカーソルで見える写真は、背面パネルに取り付けたLPFボックスの様子をケースの内側から見たもの。ヒューズホルダは30A規格の物を実装し、ヒューズは20Aを予定している。ブッシングは16mmΦ、ACケーブルは3.2mmSQキャップタイア、背面パネル穴は21mmΦ。

Oct 31. 2004 電源回路を描いてみた

回路図を描かないで頭の中だけで作業をするのが限界に達したため、電源部分の回路図を描いて見た。写真をクリックするとGifファイルに書かれた回路図を見ることができる。但しこれは他のアンプで使った回路図を修正した暫定版なので部品番号や値は正確ではないので悪しからず。これから随時追加修正する予定で、現段階ではあくまで「概念回路図」としている。
目新しいところは、Sg電源の安定化にAlfha社の91β等で採用しているパワーMOS-FETデバイスを使用する。ここでは容量を考慮してIRF830を2個パラレルにして通過容量を稼ぎたい。電圧(電荷)制御デバイスなので、パラレルにすることが非常に容易である。
それから背面に取り付けたボックスの、RF-IN/OUT切り替えと同じリレーの接地接点による送信制御(スタンバイ)は、Cg回路のマイナス電源を制御する。これに合わせて送信タリー表示のLEDを制御する必要があるため、リレー用電源は最初からマイナス24V電源を使用し、Cg回路とLED表示をダイオードOR回路で同時制御する事にしている。

Oct 16. 2004 #43材メガネコア届く・・・ACラインフィルタ製作

秋葉原東京ラジオデパート(TRD)3Fの斉藤電気にお願いしておいた#43材大型メガネコアが届いた。斉藤電気に電話したところ、一番リーズナブルな送金方法と輸送方法を指示して頂いた。結局送金は現金書留で発送は定形の郵便だった。コアは輸送中の事故が多いので少なくとも個別にビニールなどで包む必要があるが、送られてきたものは一つずつビニール袋に収められた10個(店頭販売と同じ)をビニール袋で包み、エアキャップで2重に包みボール紙の箱に入れてあり完璧だった。
写真は早速取り出したコア3個からビニールを剥ぎ取り記念撮影したもの。大きさは9mmx19mmx25mmで穴は直径5mmである。これに直径2mmの導線を通してインダクタンスを計ると約3.6μHを示した。コア無しだとインダクタンスを示さないので大した透磁率だと思う。その様子をオンマウスカーするすると覗くことが出来る。

Oct 13. 2004 0.001μFセラミックコンの共振周波数

0.001μF(1000PF)のセラミックコンデンサの共振周波数がどの辺りに来るかチェックしてみた。実装時に一体どの辺に共振しているかを知るためである。経験的に45〜50MHz程度であることは良く知られているが、手元にあった0.001μF/6KVのムラタのセラミックコンデンサをサンプルとして調べてみた。
写真の様にリード線で直径1cm程度の円弧を作り、そこにディップメータを近づけてみた。共振の中心は45MHz付近にあったが、50MHz付近まで探っても未だディップの中に居た。リードをさらに短くすれば、50MHzバンド内に共振の中心を持ってくることが可能と思われる。と言うことで50MHzモノバンダーなら、こうした特性を積極的に利用しバイパスコンデンサとして使えそうである。AC電源ラインに流出した高周波をバイパスするのに格好のデバイスになりそうだ。しかしバイパスのつもりが思いもよらぬ帰還を起こし発振する可能性があるかも・・・と中々興味深い。
ちなみに0.01μFは10〜15MHz付近に共振点があり、その昔HF機を作るときは意識していた事がある。当然だがリード長はもとよりリード太や、コンデンサ自身の容量誤差で共振周波数は変わってくる。時間があれば試してみると面白いし、データとして持っていると何かの役に立ちそうだが・・・当面は話の種だけか。ちなみに0.001μFが50MHzで持つリアクタンスは、Xc=1/2πfC=1/2x3.14x50x0.001=3.18Ω・・・ととてつもなく低いから、これ自身で十分なバイパスと言ったら過言だろうか?。

Oct 12. 2004 #43材大型フェライトメガネコア発注

名古屋地区では#43材の大型フェライトメガネコアが手に入らないため、とうとう秋葉原ラジオデパートの斉藤電気商会に電話を入れた。M氏に対応して頂いたが、メールにて送金方法についての指示が届いた。10個頼んだが、明日現金書留で送金することになった。このメガネコアは確か3.2mmSQの電源コードを通すことが出来るため、ACラインLPFには使うのに都合が良い。このコアを3個並べ間の2点からパスコンを取る。電源側にパスコンを入れてしまうと、筺体と直付けになるので筐体輻射を増長させるので端はインダクタ、すなわちメガネコアで終わりたい。とくに50MHzばんどでは1.5mがλ/4となり、不用意に切断したACコードをエンドフィードすることがあるので気をつけたい。ちょっとしたことだがこうした対応はモノ作りの考え方そのもののような気がする。
写真は5T31/450THのHFアンプを製作したときのLPFで、コアを2段使用している。発注したコアが届くまでこの写真を掲示しておく事にする。

Oct 3. 2004 ACラインLPF用ボックスを加工する

AC受電端に挿入するLPF用ボックスを加工した。回路はフェライトコアとコンデンサでコモン及びノーマルモードに対して動作するようにする。恐らく#43材のメガネコアとコンデンサによる定K型を2段程度つなぐ事になる。
写真はTAKACHI(Canada Hammond社 1590 B)のアルミダイキャストボックスにACケーブルのブッシングとヒューズホルダ(30A)の穴開けを行っている様子だが、後者は既に仮り付けしてある。両者とも16mmΦのシャシパンチで空けると丁度良い大きさになる。ヒューズホルダには緩み防止突起があるので、切り込みを穴の一部に入れる。ブッシングは自分のツメで脱落防止をするタイプである。この16mmΦと言うのは色々歴史があって興味深い・・・7PinのMT管ソケットやN型やM型コネクタ、その他丸型コネクタに踏襲され板金では御馴染みのサイズである。
ヒューズホルダはナットスペースを意識して位置決めしないと、穴を開けてからナットを回せない状況に陥る事があるので注意を払う。オンマウスカーソルでブッシングとヒューズホルダを取り付け、3.2mmSQのACキャプタイアケーブルを差し込んだ様子を確認できる。本体への配電はボックスのフタと背面パネルに貫通穴を開け行う。
ACラインLPFなんて後で考えればと言われそうだが、こうした部分も物造りの楽しさだと思っている。

Oct 2. 2004 出力同軸ケーブル製作

タンク回路と出力コネクターを結ぶケーブルを製作した。ここでは法廷電力限界の連続を一定の目標においているため、ケーブルは特殊な物を使わず手元にあった5D-2Wを使用した。長さは約52cmで、片側にはカナレの圧着型NコネクタのNP-LC51を取り付け、反対側は先バラとした。先バラには4mm程度のラグ端子を取り付けタンク回路の出力補助コンデサに直結する予定。先バラの処理は5D-2Wのシールド編線を丁寧に開き、芯線にキズを付けない様に取り出す。この作業は面倒なため編線を全てを解してしまう方もいらっしゃるが、オーナーはせっかく編んである編線を解すのは強度を落とす事になり余り好まない。芯線を引き出した後は、編線と芯線に熱伸縮チューブを被せておく。
写真はケーブル処理した様子で、Nコネが取り付けられ伸縮チューブ処理を待つ先バラの様子。オンマウスカーソルでは伸縮処理された先バラの状況が見える。こうした処理は好みもあるが、オーナーは後々のメンテナンスのために可能な限りブロックごとの取り外しが可能なような構造にしている。出力回路を背面パネルに寄せ直付けする方法も良いと思うが、内部やパネルのレイアウトが変わってくるので一長一短であろう。余談だがこの日マリナーズのイチロー選手年間安打記録達成!。

Oct 1. 2004 高圧整流ダイオードについて

もう随分前に札幌のFDT LABORより購入したFAIRCHILD1N5408 を取り出してきた。このダイオードの逆耐圧と順方向電流は1KV/3Aとなっている。トランスの2次電圧が2.3KVあるので、これをブリッジ整流するには1本x4では、逆方向耐圧が1KVx2=2KVしかとれず複数個を直列にする必要がある。その昔は日本インターの10D10(1KV/1A)等を、最近はPANJITUF2010(1KV/2A)を使っていたが、試しに100本程札幌のFDT LABORから購入したのが写真。直径がリード線とモールド部分共に大分太くなり頑丈そうである。なおUF2010は国内では秋葉原の秋月電子にあり通販でも取り扱っている。これ以外に国産で富士電機ERE-41-15があるがHJ(No.111)でJH0WJF/矢口氏が紹介している。こちらは1.5KV/3Aと耐圧が5割増しなので直列にする数は少なくて済む。
なおAC(巻き線)側からダイオードをみると、平滑コンにチャージされた電圧が逆相時に印加されないため、ダイオードの逆耐圧は巻き線電圧の√2倍以上あれば良い。但し実装時は一定の余裕を持たせるべきだろう。一方DC(平滑コン)側からダイオードを見ると、平滑コンにチャージされた電圧が2本直列のダイオード(2組)に印加されているが分圧されるので条件は緩くなっている。また少量だが、トランス巻き線と筺体間の持つストレー容量も過渡的に影響を及ぼす事が予想される。