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シリコンゴム(SiSP340)による上部チムニィを実装した。素材は秋葉原の坂口電熱が販売しているもので、幅40mmでプレート1周分の長さに切り出したシリコンゴムの端を突き合わせ、ステンレス製ホッチキスで固定し円筒状にする。これをプレート上部から帽子の如く差し込む。たった数cmだが吸出し効果が上がりタンクボックス上蓋の温度が下がるのが面白い。 オンマウスカーソルで見える写真は、プレートタンクコイルを構成するバリLのショートリングのセンター合わせを行った様子。何てことは無い、シャフトに入れている金属スペーサーを長さの短いモノに交換し、はみ出したシャフト(3mmブラス)を5mm程度切断しただけ。またスプリングが若干長くなるのでニッパで程良き長さに切断した。これにより50MHzバンド全体に同調が可能になった。 アルミ部材が幅10mmと狭くなったため、シャフト穴を最適位置に空けられず軸が若干ずれている。これをシャフトカップリングで吸収している様子が分かる。スプリングはショートリングがガタつかないようにする工夫である。シャフトを絶縁材でやると誘電により溶け出すので、このように最初から金属にするのがベター。 部材幅が狭くなったため、ようやくコイルらしくなった。今までは幅があるためスペースが稼げず随分とストレー容量を生んでいたものと思われる。スペースを取らず容易にKWを扱えるこのバリL方式を多くの方に追試して頂きたい。 |
日曜日の午前中という事もあって家の電力使用量が少ない。これ幸いと3KW出力で連続1時間のKeyingを行った。この辺りの出力電力は微妙で、ドライブ電力の外に受電電圧でも影響を受ける。今朝のコンディションは昨日より良好で、50Wドライブで約3KWを示した。この時の状況を以下に記した。 ---------------------------------------------------------------- 50W/CW Driving when・・・AC Line=193V、Ep=3KV、Ip=1.25A、Ecg=-68.5V、Icg=1.6mA、Esg=360V、Isg=25mA、PlateInput=3.75KW、Output=3KW、PlateDisspi=750W、PowerGain=17.6dB、PlateEffi=80% ---------------------------------------------------------------- このGU-84Bアンプは不思議で、長時間連続Keyingしても出力の低下が殆ど見られない。1時間連続Keyingした後で確認しても殆ど変化は無い。またこのレベルになると出力の増加があっても、プレート損失は横ばいかむしろ低下している。但し主にカップリングコンやロード補助コンに温度特性があるものとみえ、若干ではあるが容量変化が同調周波数に影響を与えている。HT50の温度規格はN4700なのでNPOの方が好ましいかもしれない。その差は出力変化で見ると最大で200W程度である。 写真は50Wドライブで3.1KWを示したBIRD43(5000A)。電力的にはほぼ目的を果たしており、次はIMDなどの近傍の歪みに興味が移る。 | |
π型タンク回路で50Wドライブ時Icg=1〜1.5mAでほぼ安定に3KW出力を得られるようになった。となると気になるのはπ型タンク回路の高調波抑圧の限界である。-80dB程度の減衰特性を持つLPFを入れてしまえば良しとする声も聞こえて来そうだが、ここは研究と実験のページなので再びπL型に挑戦して見た。 スペアナ波形は、50W/CWドライブ時に最大出力になるようにプレート&ロードチューンを取ったときのもので出力は丁度3KWである。その効果はてき面で第2次と6次以外はノイズレベルまで減衰している。ここで面白い実験を行った。2次と6次の関係がロードVCの位置でどのようになるかを確認したのがオンマウスカーソルで見えるスペアナ波形である。すなわちロードVCで10目盛(≒7PF)分容量を足した(VCを入れた)状態である。波形から分かるように第6次は殆ど変わらないが2次が-58dBから-63dB付近まで落ち、6次と同程度になっている。更にロードVCを足すと2次は更に低下するが出力も低下し始める。いずれにしても3KW出力において全て-63dB以下に減衰しており状態としてはかなり良好と言えるだろう。 実運用では負荷はリアクタンス分を持つだろうし、一々スペアナなんか覗いていられないのでLPFの力を併用する事になる。なおπLにした事で同調範囲が1MHz近く高い方にシフトしている。この対策はコイルを巻きなおすかプレートストレー容量を意識的に作るかどちらかである。 | |
πLの2次コイルの決定について触れる。当初2mmスズメッキ線を12mmΦに5T巻いてあった。この状態で高調波の出方を観察しインダクタンスを調整する。コイルの巻き幅を調整しながら様子を見ると、倍近く広げた状態が良好であったため、思い切って1T切断し4Tにした。πL回路の整合条件からインダクタンスを求めても、最終的にはこのような調整が必要と考えている。また現在線材は2mmであるが、出来れば3mm程度のパイプ材にしたいところである。 写真は取り付けを容易にするために、出力同軸ケーブル(5D-2W)の芯線に直にコイルを取り付ける。この部分はちょっとした整合不良で発熱したりするので、電工スリーブによる圧着を基本としている。なぜなら1KWoverの世界ではハンダが流れ出す程度の発熱は常に考えられるからである。したがってハンダは流さない方が懸命である。また同軸は耐熱性の物を使いたい。コイルの反対側はラグ端子を圧着しロード補助コンにタンクコイルとロードVCラグを共締めする。 オンマウスで見えるのは昨日交換したHT50で500PF/7.5KVのドアノブコン。3個共同一品なので安心して使える。手前にアルミのタンクコイルが見えるが、この実験を御覧になった「銀メッキ信者」や「アルミ・アレルギー」の方の奮起を期待したい。個人的にはアルミは素晴らしい材料だと思っている・・・銀メッキのコイルを使ってもリターン回路の多くはアルミに依存していますから。 |
課題のひとつである中和について考えて見た。中和手法はCpg(Cpk)による入出力の結合を遮断する方法として、負帰還ブリッジによりCpgをキャンセルする方法が一般的だが、Cg-Sg-P間で構成される静電容量のΔ(デルタ)回路をY(スター)回路に変換しその一端(Sg)を直列共振で接地し入出力の結合を断ち切る方法がある。 図は後者の考えに基く回路である。この方法はアマチュアの場合「スクリーン(Sg)中和」とも呼ぶが、業界では「ワグナー(Wagner)中和」と呼ぶのが一般的である。中性点からSgまでの静電容量とLによる直列共振回路が構成されるが、周波数の微調はCにより行う。Csgはソケット内臓のSgバイパスコンデンサ・・・このCsgでも中性点を低リアクタンスで接地しているのだが・・・とする疑問を実は持っている。 また送信管の中には、SgやCgのリードインダクタンスを予め共振要素として設計し組み込んだ物もある。この場合は「ワグナーの自己中和」と呼んでいる。いずれにしてもΔからY変換したYの中性点を直列共振回路(リードインダクタンスを含んだ)で接地している事には変わりない。詳細はTest&Dataコーナーで解説しているので御覧頂きたい。 THE ARRL HANDBOOK 2000版以降に掲載されている4CX1600B/50MHzアンプでは、同様の中和回路が使われている。調整は管の動作を停止(Ep・Esg断)させておき、目的周波数でドライブし出力への漏れが最小になるようにすれば良い。 オンマウスカーソルすると参考までにNFBブリッジによる中和回路に切り替える事が出来る。 |
朝Sype(PC電話)で、BIRD_8890-300ダミーロードを提供していただいたJA2TNY高須氏と話をしていたら「LPFを通したデータは取らないの?」と言われた。そういえばそうだがLPFが手元に無いのでと返事したが、色々考えるとLPFでノーマルモードで減衰されたスプリアスは何処へ行ってしまうのだろうかと言う疑問に突き当たる。 確かにLPF出力コネクタのノーマルモード、すなわちコネクタの芯線とシールド側の関係にはLPF効果が得られるだろうが、スプリアス成分は阻止されても接地されても終端されていないので一番電位の低い信号源側に戻っていくと思うのだが・・・。そして戻り方によってはコモンモードノイズにならないだろうか?。周波数が目的の整数倍なら整合状態から明らかに逸脱するだろうし・・・。ダミーロードやアンテナ等の負荷に供給されない限りスプリアスは吸収されないまま路頭に迷い余計な悪戯をしないだろうか・・・「スプリアスも負荷に消費(熱)され仕事をしたいはず」・・・話がやや宗教的になってきた。そうした考えに基いて物作りをすればきっと一ランク上のHandMakingが出来るだろうと考えている。 それにしても冬季の電気使用量は多い。休日でも3.5KV程度で配電NFBがトリップするためフルパワーの実験が出来ないでいる。トリップさせるとPCingしている息子達から非難轟々になり、怪しいものを作っていると言われオヤジが悪者になる。 | |
作業が滞っていたが、坂口電熱のサーモスタット(温度スイッチ)F-1A型(部品コードBF140L)を実装した。 写真の様にファイナルボックス上蓋の排気口に僅かに顔を出し、プレートフィンからの熱風が当たるように配置した。このサーモスタットは40℃でONになり、電源を切っても40℃になるまでファンを回し続けるオフディレイ制御をファンに対して行う。実験では1KW/CWで30分間のKeying後でも、長時間のアイドリング状態からでも約4分30 〜45秒のオフディレイでファン電源が切れる。この場合室温は約24℃であった。 回路が単純なのでオーナーは好んでこのサーモスイッチを使っている。電子回路によるタイマーで構成するのも良いが考えてみれば日本の温度変化は夏冬で30℃近くあり、こうした温度によるセンシングの方が間違いが無いかも知れない。原始的だがRFI等の心配が無く確実である。 オンマウスカーソルするとサーモスタットのリード線の様子が分かる。排気口に専用のサドルで固定されリード線は上蓋に沿って背面パネルまで行きファストン端子で中継され被制御側に送られる。 1KW/CWの連続Keyingを30分行うと部屋の中は暖房状態になってくる。しかし出力の低下もなく安定に動作している。 |
写真をみて一体何が始まったんだろうとする向きもあるかも知れない。先週帰省した折にスペアナを持ち帰る予定でいたが失念してしまい、スプリアスの測定が出来ないもどかしさを払拭するために、このような実験(イタズラ)を試みてみた。 なんて事は無い。A4サイズのボール紙を丸めホッチキスで留めて円筒を作り排気口に立て、その上にファン(日本電興:ダッシュファン/23W)を乗せ強制排気を試みる。アマチュアの場合殆どは圧力エアをプレートフィンに送りそのまま排出してしまうのが殆どであるが、それを援護するために強制的にプレート排気を吸い出す。業務用の機器の中にはこうした排気構造の物が散見される。 比較方法の決定打がないので取あえずカバー排気口付近の温度を比べた。測定は室温25.2℃、無入力送信状態(Pd≒700W)で、@無し、Aチムニィのみ時、Bチムニィ&ファン時での3条件について温度を測定した。温度測定には遅延が生ずるので、測定開始から10分経過時の温度を取得した。結果は、@無い時=34.2 ℃、Aチムニィのみ時=31.6℃、Bチムニィ&ファン時=27.6℃であった。この数字をどう見るかは難しいところであるが、チムニィを付けるか、更に吸出しをする事で明らかに筐体の温度が低下している。 なお同じロシア球ファンである安城市の高須氏/JA2TNYから昨日BIRD"8890-300"(2.5KW油冷ダミーロード)の提供を受け、その動作確認も含めてテストした。右下に見えるのがそれである。油冷+膨大なフィンでKWoverでKeyingしても発熱は殆ど無く僅かに暖かさを感じる程度である。 オンマウスカーソルすると"8890-300"の勇姿が見える。このダミーは輸送中にオイルが漏れないように専用のプラグ(ネジ)が付属しており、運用時はエア抜き構造のプラグに変更する。2.5KW連続の動作が2.4GHzまで可能であるが短時間なら更にパワーが入るだろうから凄まじい。 これらの作業はあくまでロシア球GU-84B及び周辺回路・環境の調査研究を目的としているので誤解の無いようお願いしたい。また当Webは法令遵守をモットーとしており、作業は全てダミーロードの中で行われている。 |
長時間のkeyingを行うと又してもバリLを駆動するベークシャフトが焦げあの電気部品の匂いが漂った。プレートコイルの直径をぎりぎりまで大きくしたため、シャフトカップリングとボールドライブ間のクリアランスが減ったのがその主な原因である。その後回復したのだが気味が悪いのでベークを諦めテフロン(PEFE)に交換する事にした。 写真はと取り出したベーク棒と新たに用意したテフロンスペーサー。ベークはが黒く焦げ無残な姿になっている。テフロンスペーサーは直径が6mmで長さが15mmのART315。オンマウスカーソルすると同時に購入した袋入りのART-315と長さが20mmのART-320が見える。両者は株式会社ウィルコから通販で購入した。インターネットで16時までに申し込めば翌日には届くので大変便利である。同じ商品が株式会社廣杉計器でも取り扱っており、価格もほぼ同じである。 テフロンスペーサーはこうした用途以外に、高圧や高周波のスタンドオフやRFCのボビンとしても大変有効である。このARTシリーズは最大で直径10mm長さ50mmまであり両サイドにネジが切られているので、テフロンネジで継ぎ足せばプレートFRCのボビンとして使える。またテフロンやその他素材による有効な部品が各種あるので上記Webを覗いてみると良い。 |
こんなもの最初からやっておけば良かったのだが今になってしまった。RF出力レベルメーター用の整流ダイオードを組み込んだ。ダイオードはシリコン系の物を探せば良いのだが、昔から使い慣れたゲルマニュームダイオード1N60を使った。 ゲルマニュームダイオードの良いところは順方向の電圧降下が少ないところにあるが、こうした送信機の出力は取り扱うレベル(電力)が高いのでそれは全く問題にならない。回路はファイナルボックス内の強電界にリード付きのダイオードをさらし、両端に発生する整流出力を1000PFのフィードスルーコンデンサで平滑しメーターに供給する。 レベル調整すなわちメーターの振れ具合はダイオードとボックス側面との間隔を調整して行う。間隔を広げると振れが大きくなり、側面に近づけると振れが小さくなる。当然であるがダイオードには比直線の整流特性があるので目盛はリニアにはならない。しかし相対的な出力表示や最大出力調整に有効である。ダイオードの特性上、一般的に低レベル時より高レベル時にの方がスケールがリニアになる。最終的に500Wとか1KWのポイントはメーター状に書き込んでみるのも良いだろう。なおボックス上蓋の有無で表示が変わるのも考慮に入れる。オンマウスカーソルするとプレートコイルとの位置関係が分かる。 |
高圧配線のフィードスルーコンデンサ部分が露出していたのが気になり、アクリルカバーで覆う事にした。この部分は高圧を絶縁カバーで包み込んだファストン端子で接続しているが、コンデンサ側はL型構造のため絶縁カバーの取り付けが難しい。そこで、従来から高圧ブリッジ整流基板にかけていたアクリルカバーを延長し、フィードスルーコンデンサの位置まで伸ばす事にした。新たに2mm厚の透明アクリルを50mmx220mmに切り出し取り付けた。ファイナルボックスは別として、高圧に触れる機会を撲滅する必要があり、気がついた時は早めにこうした安全対策を施しておくと良い。 写真は、電源部からの高圧配線(BEAMEX耐熱電線+シリコン伸縮チューブ)が絶縁カバーを被ったファストン端子によりフィードスルーコンデンサに接続され、その上を透明アクリル板で覆っている様子。オンマウスカーソルするとアクリル板は高圧ブリッジ整流基板も含めてカバーしている様子が良く分かる。 感電は非常に危険であり生命も危うくさせる。1000Vを超える高圧の感電は我々がAC100で感電するのとは訳が違う。注意をしていても予期せぬ事態の発生はある。したがって、少なくとも露出した構造を回避する安全対策をとる必要がある。 |
TV受像機をアンプの上に置き、1KW/CW/50.5MHz/ダミー終端で送信しTV受信に異常が無いことを確認する。特に50MHzの倍の周波数に位置するTV-2・3/9・10chには気を配る。これはかなり厳しいテストであり、写真を見て嘘だろうと言うOMもいらっしゃるかも知れないが本当である。 名古屋地域のTV-3chはNHK総合TVである。オーナーの受信環境は屋根に設置された八木アンテナ出力を分配したものでブースターは使用していない。送信点からの距離は約8Kmである。受信映像を観察しビートが混入していない事を確認する。写真はその様子でオンマウスカーソルするとTV受像機と電力計のアップになる。 このテストの目的は、自分の送信システムの筐体輻射が如何ほどのものかを掴むためである。アンテナをつなぐ前に励行しておくとTVIが発生したときの対策が非常にやり易くなる。すなわち筐体輻射によるものか、アンテナ(含む給電線・アース回路)からの輻射によるものなのかのすみ分けがし易くなる。 ちなみにダミーロードは、800Wチップ抵抗型乾式ダミーロードに5D-2W/60mのアッテネータを付けているが、5D-2Wは放熱のために家の外までを往復している。よって筐体輻射を増長させる条件は十分揃っているのだが、TVIは全く感じない。これは出力タンク回路のリターンが殆どシャシを駆動していないところに起因すると考えている。もしこのテストで明らかなTVIが確認できるようであれば、出力タンク回路のリターンルートの再検討が必要になる。 |
以前測定したEcg-Ip特性でカットオフ点手前がダラダラと伸びているのが気になっていた。ドライブレベルとIpとの関係が2次関数的になっているからだ。それで実際に低レベルでドライブしたときの出力の様子を見た。 グラフはその様子で、1W〜18W間で入力を可変したときの出力をプロットした。結果は低ドライブ時の出力が2次関数気味になっている。1Wより低レベルでは更にダラダラと寝て来るに違いない。1月15日に測定した「Ecg-Ip特性」のカットオフ手前の特性に似ている。なおプレート同調とローディングは約40W(CW)ドライブ時に最大出力が得られる位置にしてある。この曲線をどう見るかは議論のあるところだが、Web読者の皆さんのご意見をお伺いしたい。ロシア球のGU-シリーズを使用したアンプは「音が濁る」と主張するOMもいらっしゃるがこの辺りが起因しているのだろうか?・・・。電力計はBIRD43+1000AとDAIWA/CN-510でエキサイタはIC-756。 なおこれ以上のドライブレベルについては電力計の精度が曖昧なので明示は控えているが、振れ方としては1次関数的ではある。詳細は後日測定する。初期の段階で急にIpが増加してやや寄生発振気味と記したのはこの事だったのか?・・・と色々と想像が巡る。 オンマウスカーソルすると、Phil/VA3UX(exVE3OZZ)制作のPi&PiL Net Work Calculatorで計算した出力タンク回路の定数を遅れ馳せながら示す。 |
オーナーはPA(PowerAmplifire:電力増幅器)製作の過程で必ず冷却のコンディションを把握するために排出空気温度を測定する事にしている。ここでのテストは無入力の送信状態、すなわちEp=3.5KVでBIAS(Ip)を200mA(Esg=370VでIsg=0mA)流した状態のものである。 写真はその様子で、測定にはTandD社の「おんどとり」を使用し、ケース上カバーに空けた排気口上で、プレートの真上・真上−フィン間・フィン上・外側の4点について温度測定を行った。シリコンゴムのチムニィは室内の空気対流の影響を受けないようにするために被せてある。ちなみに温度センサーから夫々のポイントまでの距離は12mm/32mm/40mm/0mmである。 測定結果は95.3℃/90.9℃/74.2℃/35.2℃で室温は18.5℃であった。 プレート真上は余り排気の対流が無いと見えてプレート温度がそのまま伝わってきている感じがする。またフィン上部は一番対流のあるところでプレート真上より約21℃温度が低い。また排気口の外周は35℃台まで落ち手で触っても熱さを感じない。なおスタンバイ(カットオフ)時のプレート真上温度は32.3℃。オンマウスカーソルで送信解除からの温度下降特性を見る事が出来る。 このデータはRFドライブしていないDCによる損失なので、実運用ではプレートRFによるプレート損失やスクリーン損失による熱量が加味される事になる。 |