< 国籍法と戸籍の届出とは >
日本の国籍法の原則:
1)血統主義の原則
出生による国籍の取得には、血統主義と生地主義という2つ の原則があり、日本は明治以来一貫して血統主義を採用して います。
− 血統主義とは、血縁関係を基礎とするもので、子の出生 場所にかかわりなく、父又は母が自国民であれば子に国籍 を与えるというものです。フランス・ドイツ・イタリア・ 中国・韓国などで採用されています。
日本では、昭和59年の国籍法改正により、昭和60年 1月1日以降、父又は母が日本国民である場合には、出生 により子に日本国籍を与えています。それ以前は、父が 日本国民の場合にのみ子に日本国籍が与えられており、外 国人男性と日本人女性の間に生まれた子には与えられてい ませんでした。
− 生地主義とは、父母の国籍にかかわりなく、自国の領土内 で生まれた子に国籍を与えるというものです。アメリカ・ カナダ・ブラジル・オーストラリア・ニュージーランドな どで採用されています。
2)国籍唯一の原則
人は、いずれかの国籍を有し、かつ、1個の国籍のみを有すべ きというもので、無国籍者及び重国籍者の発生を防止するもの です。
3)国籍自由の原則(国籍非強制の原則)
国籍離脱又は国籍変更の自由を認めるものです。
日本では、昭和25年7月の新国籍法の施行までは、夫婦及 び親子国籍同一主義が採用されており、父又は親の国籍の変動 に伴って妻又は子の国籍も、その意思にかかわらず、法律上当 然に変動していました。
国籍と戸籍の届出(戸籍法):
戸籍は日本国籍を公的に証明するもので、日本国籍を有する者は、全て戸籍に記載されることになっています。そこで、出生や帰化などにより、日本国籍を取得した者又は外国籍となったことなどにより日本国籍を喪失した者には、届出義務が課されており、その届出に基づいて戸籍への登載又は除籍が行われています。
外国人にも、日本で出生した場合などには届出義務がありますが、この届出に基づく戸籍への記載はありません。戸籍に記載されるのは、日本国民に限られています。
また、実際には、国籍と戸籍の記載が一致しない場合が生じることがあります。例えば、日本国民として出生した者や日本国籍を喪失した者が届出を怠ると、戸籍に記載されない又は記載されたままとなり、また、虚偽の届出などが受理されて戸籍に記載されてしまうこともあります。
しかし、戸籍に記載されているか否かが、日本国籍の取得又は喪失の効力に影響を及ぼすことはありません。
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