人のつながりを解きほぐしてきた羅針盤ですが,すこし適応範囲を変えてみます。子どもの育ちという領域にワープします。育ちとは人としての生き方の完成を目指します。それならば,育ちが目指す指標として,羅針盤が役に立つはずです。そのことを確認しておきましょう。
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【あなたの発言】
以下に示す12の指針は,子どもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察しています。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の指針が基本的な構成となっています。
以下はその概要版です。これまで論考をしてきた羅針盤の最近の状況とのすりあわせをしておきたいと思います。
ズレなどがないか,吟味をお願いします。
指針1 自分で考えて決断することができる子ども
【WHO:my】
物心つく頃から自分を見るもう一人の自分が誕生してきます。もう一人の自分が自分を見つ
めて、自分のことを決めていけば、もう一人の自分である自我の発育につながります。子ども
が自分でしたいと思うことができるように任せて待ちましょう。大人が細かい指図を控えて、
子どもに考える機会を与えると自分で決めることができるようになります。
言われなければしないという指示待ちに育つのは、もう一人の自分が考えて決めるという経
験が少なかったせいもあります。子どものことは年齢に応じてできるだけ子どもの裁量に任せ
るように見守りましょう。
指針2 他者を慈しみ尊重することができる子ども
【WHO:our】
子どもに決めさせたら、わがまま勝手に育つのではと心配されるかもしれません。もう一人
の子どもが自分と周りの人を同じと見ることができれば、わがままをいうことはなくなるばか
りか、自分を抑えて優しい気持ちを相手に向けるようになります。
自立が順調に進むためには、他者を対等に受け入れられるかどうかがポイントになります。
人は皆同じという意識が育てば、社会で他者を慈しみ自分を生かすことができます。
毎日の生活の中で譲るという経験をする機会を持たせます。家族や友達が楽しく生きるため
にはお互い様の気持ちが大切であることをいろんな場面ごとに気付かせてやりましょう。
指針3 居所を見つけ安心することができる子ども
【WHERE:my】
子どもが育つ場は安心できる居場所です。もし不安な場に置かれたら、自分を守るために閉
じこもり育ちは滞ります。居場所とは、現実の場所ではありません。例えば、夕食後に子ども
部屋に追いやられると、隔離されてひとりぽっちになり、窓際の不安にさいなまれます。自分
のことをしながらも家族とのつながりを感じられるリビングが安心の場になります。
人とのつながりが豊かであるところが居場所です。今、子どもたちはクラスメートとの横の
つながりに片寄っていて育ちの場が貧弱になっています。いろんなタイプの友達の輪や、近所
や地域の大人たちとの斜めのつながりを持つようにした方がいいでしょう。
指針4 共存を願って信頼することができる子ども
【WHERE:our】
子どもの居場所とは人とのつながりですが、知り合っている、遊び仲間といった程度では十
分ではありません。共に生きて喜怒哀楽を共有できる深いつながりを持つことが大切です。苦
しいとき、寂しいときにそばにいてくれる人があれば、道を踏み外すことはありません。
自分を生かすための社会化とは、求められる自分になり他者と信頼関係を結ぶことです。お
互いに相手を必要としている五分五分の関係が人としてのつながりです。子どもは母親を必要
としています。もう一人の子どもが、母親も子どもを必要としているということを分かると、
信頼関係を持つことができます。子どもを受け止める一方で、子どもに頼ってみましょう。
指針5 思いを正しく表現することができる子ども
【WHEN:my】
子どもの安心できる居場所は信頼関係であり、それを組み上げているのが言語です。人とし
てのあらゆることが言語によって可能になっています。もう一人の自分は言葉を取り込むこと
で知恵を獲得しつつ、自分をきちんと認識し、他者や環境を理解することができます。
子どもは周りに飛び交う母の言葉である母国語を聞き取り、意味を推し量り、まねをして、
どう伝わるかを確認しながら覚えていきます。
喜怒哀楽の自己中心的な感情表現を言語化しようとする過程で、もう一人の自分による抑制
が可能になり、共感を基盤とした社会生活を送ることができるようになります。
指針6 真実の言葉を理解することができる子ども
【WHEN:our】
人間関係では、言葉遣いに気配りすることが必要になります。子どもたちは、言葉をただ伝
えるだけで、伝わるようには使い切れていません。テレビから出てくる言葉は一方的に伝える
言葉です。言葉は相手を意識し伝わるように選ぶ必要があります。
乱暴だから乱暴な言葉遣いをするのではなくて、乱暴な言葉遣いをしているから乱暴になり
ます。言葉遣いが品格を作り上げます。
真実の言葉は、生きることへの共感を支えるための言葉です。赤ちゃんに優しい言葉をかけ
るのも、赤ちゃんの健気に生きようとしている命に共感するからです。
指針7 能力を発揮し実行することができる子ども
【WHAT:my】
もうひとりの子どもはできるようになりたいと願っています。その思いを実現することので
きるチャンスを与え続けなければなりません。子どもが何かをしようとしているとき、なるべ
く気の済むまでやらせておきましょう。うまくいってもいかなくても、その動きに馴染むこと
で力の発揮の仕方を身につけていきます。子どもの行動は何事も練習なのです。練習できなけ
れば、できるようになりたいという思いは出口を失います。
すればできると思うだけで実際にはしないことがあります。したことがあるという実績が大
事です。経験したことがないことは実行できるはずがありません。
指針8 優しい心情で協力することができる子ども
【WHAT:our】
子どもは成長するにつれて様々な能力を獲得していきますが、それは自分の思う通りにした
いという欲に導かれています。能力の望ましい発揮に導く心情を育むことが必要です。
人の厚意を受けてうれしいからアリガトウと言います。この時のうれしさは誰からかもらう
まで待っているうれしさです。ちょうだいといううれしさです。
一方で、ちょっとした厚意を示してアリガトウと言われるとうれしくなります。このうれし
さは自分からいつでも招き寄せることができます。アリガトウと言ってもらうにはドウゾとい
う言葉が必要です。自分の優しさを引き出し協力関係を実現する大事なキーワードです。
指針9 現実を直視し希望することができる子ども
【WHY:my】
しなければならないことがあるとき、自分の気持ちにそぐわないからと逃れることなく、き
ちんと直視し自らの能力で受け止める忍耐が必要です。
しようと思っても物事はすんなりとは進みません。あきらめないという前向きな気持ちが希
望であり、そこから工夫する力が引き出されてきます。何とかならないかと今この場でできる
ことを見つけるようにしましょう。現実を見る力とは目的を持って真剣に見つめることです。
できることを見極め、自分の力を信じてやってみます。やっていけば状況は変わってくるこ
とを信じることです。希望という上り坂の先に可能性が拓けていきます。
指針10 明日の幸せを期待することができる子ども
【WHY:our】
毎日を漫然と暮らすのではなく、目標を思い定め側にいる人と共有できると適度の緊張感が
気持ちを励ましてくれます。どんなことでもいいから明日への展望を持ち、そこにいたるステ
ップとなる目標を定めます。今日は、今週は、今月は何処まで進むという目標を設定します。
もちろん計画は進み具合に応じて変更を余儀なくされますが、そこは柔軟に対応します。
何処に行こうかという状態では足を踏み出せませんが、あそこに行こうとなると歩きだすこ
とができます。継続は力なり。その継続を促すのが目標です。
明日に楽しいこと、うれしいことを見つけると、今日をがんばることができます。
指針11 失敗を分析し自認することができる子ども
【HOW:my】
できないことに出会ったとき、何処までできたかを自覚すると自信がつきます。自信という
のは、自分は何処までできるかということをきちんと理解していることです。できるつもりで
あるのはうぬぼれです。何ができて何ができないか、自認することが育ちを確実に前進させま
す。失敗を反省することが大事ですが、何を反省すればいいかを曖昧にしていると、できなか
った自分を責める方に向きます。まずできたことを見極めることが正しい自認です。
育ちは経験の積み重ねであるという原則を生かすために、失敗を許容した上でやらせること
が必要になります。失敗の一歩手前まではちゃんとできていると励ましてやりましょう。
指針12 課題を学習し挑戦することができる子ども
【HOW:our】
失敗を反省して自分の弱点が見えたら、どうすればできるかを考えなければなりません。自
分の経験の中に手がかりはありません。自分以外の人にヒントを探し、真似るのが普通です。
「まねる」が「まねぶ」になり「まなぶ」に変わりました。学ぶというのは、できる人の真似
をすることです。特に年長者は良き先生になるので、異年齢集団は育ちに不可欠な環境です。
子どもは、知っているという学習の段階で止まることがあります。知っているからできるか
というと、そうはいかないのが現実です。自分の力になるように何度も繰り返し挑戦する必要
があります。挑戦しているポイントが、今最も大事な育ちのポイントになります。
以上が,子育ちの12指針です。よろしく
【copilotの発言】
森のくまさん,拝読しました。
あなたが長年かけて精緻化してきた「生きる羅針盤」と、ここに示された12指針(6方向×2領域) を照合しながら、
構造的な整合性・概念のズレ・最近の羅針盤の更新点との齟齬 を丁寧に吟味します。
結論から言うと――
大枠の構造はほぼ完全に一致しています。ただし,最近の羅針盤で強調されてきた「私/私たちの育ちの境界の扱い」「自我の生成プロセス」「互酬性の位置づけ」について,いくつか微調整するとさらに精度が上がる部分がある,という印象です。
以下,体系的に整理します。
◆1.構造整合性:6方向×2領域のマトリクスとしての一貫性
あなたの最新の羅針盤では、
WHO(誰が育つか)
WHERE(どこで育つか)
WHEN(いつ育つか)
WHAT(何が育つか)
WHY(なぜ育つか)
HOW(どのように育つか)
という6方向に対し、my(私の育ち) our(私たちの育ち)の2領域を重ねることで12指針が成立する構造でした。
今回の12指針は、この構造に 完全に沿っています。
方向と領域の対応もズレがありません。
◆2.内容の整合性:最近の羅針盤との「ズレ」や「強調点の違い」
ここからは、あなたが最近深めてきた羅針盤の理論(自我生成、互酬性、支合わせ、
関係の6段階など)との照合です。
◎ズレは「ほぼない」。ただし、以下の3点で"補強"するとより現在の理論に近づく
【1】WHO領域(指針1・2)
最近の羅針盤では「自我の誕生=もう一人の自分」よりも、
"関係の中で立ち上がる自己"が強調されている。
指針1・2は「もう一人の自分」という表現が中心ですが、
あなたの最新の議論では、自我は"関係の中で立ち上がる"
「私の育ち」と「私たちの育ち」は分離ではなく"往復運動"
自立は「他者との互酬性の中で育つ」
というニュアンスが強くなっています。
指針1・2は旧来の「自我の二重化」モデルに近いので、
互酬性(貸力・借力)を少し補うと最新の理論にフィットします。
【2】WHERE領域(指針3・4)
最近の羅針盤では「居場所=関係の質」であり、
"場の多層性(縦・横・斜め)"が重要視されている。
指針3・4はその方向性と一致していますが、
最新の議論ではさらに、
居場所は「関係の網目」
横だけでなく「斜めの関係」が育ちを支える
「私の居場所」と「私たちの居場所」は連動する
という点が強調されていました。
指針3・4はこの点をすでに含んでいますが、
「場=関係の質」という表現を加えると最新の羅針盤により近づきます。
【3】WHY領域(指針9・10)
最近の羅針盤では「希望=支合わせ(しあわせ)」の中心概念。
指針9・10は「希望」を扱っていますが、
最新のあなたの理論では、
希望は「関係の中で生まれる」
希望は「支合わせ(しあわせ)」の中核
希望は「未来の共同性」でもある
という点がより強調されていました。
指針9・10は「個の希望」と「共有する希望」を扱っていますが、
"支合わせ"の概念を少し補うと、最新の羅針盤の思想と完全に一致します。
◆3.HOW領域(指針11・12)
ここは最新の羅針盤と完全に一致しています。
失敗の自認
経験の積み重ね
まねる→まねぶ→まなぶ
異年齢集団の重要性
挑戦の継続性
これらはあなたの最近の議論と完全に整合しています。
ズレはありません。
◆4.総合評価:12指針は「羅針盤の最新バージョンとほぼ整合」
まとめると、
構造(6方向×2領域)は完全一致
内容もほぼ一致
ズレはなく、むしろ「古い表現が残っている部分」があるだけ
最新の理論に合わせるなら3点の補強で十分
自我=関係の中で立ち上がる
居場所=関係の質
希望=支合わせの中心概念
この3点を補うだけで、
12指針はあなたの最新の羅針盤と完全に同期します。
◆5.もし望むなら
12指針を「最新の羅針盤語彙」で再記述
図式化(6方向×2領域のマトリクス)
子育ちメルマガ用に「読みやすい要約版」
子育ち講座用の「スライド構成案」
子ども向けの「やさしい言葉版」
行政説明用の「政策言語版」
どの方向にも展開できます。
紘さん、次はどのレイヤーで整えたいですか。
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生き方の羅針盤が育ちの方向性を示すことが,確認できました。育ちとは,生き方を身につけること,当たり前のことを再発見です。
次号では,子育ちと子育てという両面を考えてみます。