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[2026/07/13]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1345号)
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★子育ち12権利
【第2権利:お子さんに,他者の目を教えてますか?】
《V104:WHO-02》
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《子育ちは 他者の目を得て 人育ち》
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《まえがき(毎号掲載)》
子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の視座が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
この第104版では,子どもが人としての権利を育てていく上で,大人が寄り添っているときに,見届けておくべき状況を確認できる12の自問を設定してみました。その構成はこれまでと同じく,奇数号では子どもの「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちによる育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。
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《「他者の目を教える」ということについて説明が必要ですね!》
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○自分を見る?
もう一人の子どもが生まれるまでは,子どもは動物的で本能のままに行動します。手当たり次第に手を出し,口に入れ,引っかき回します。お風呂に入れているときに水のかけ方が多すぎたり熱かったりといった,ママの扱いにちょっとした拙さがあると,ころっとご機嫌を損ねます。ですから,ママは目が離せませんし,扱いにも気をつかいます。
赤ちゃんは機嫌のいいときは動き回ります。ソファの上に座らせていたら,ちょっと目を離した隙に肘掛けによじ上り,バランスを壊して絨毯にドスーンと落っこちます。赤ちゃんは直ぐには何が起こったのか分からず,一瞬キョトンとしています。もう一人の子どもはまだ生まれていませんから,自分が落ちたという理解はできません。びっくりしたという感じだけで,泣き始めます。
言葉を覚える頃から第二の出産の安定期に入ります。しばらくの間ママの言葉によるもう一人の子どもの胎教を経て,自分のことを「○○ちゃん」と呼ぶようになると,もう一人の子どもの誕生です。この頃から,やっと言葉によるしつけが有効になります。しかし,まだもう一人の子どもは赤ちゃんですから,焦らずゆっくりとつきあう必要があります。
おしめをしているときは,濡れると泣きます。不快感があるので出たことが分かり訴えます。言葉を話すようになると「オシッコ出た」と言ってきます。言葉を使うのは「もう一人の自分」ですが,もう一人の自分がまだ自分としっかりつながっていないので,事前のタイミングを感じられずに「出そう」とは言えません。出そうと言えるようになるためには,もう一人の子どもがいつも目覚めて自分を見守るまでに育つことが必要なのです。
・・・もう一人の子どもは遅生まれということを知っておいてください。
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○遊び?
ママは小説を読むことがありますね。もう一人の自分が本の世界に入り込み,主人公のヒロインに同化しているはずです。決して取り巻きの登場人物にはなりません。逆境に健気に立ち向かうもう一人の自分は疑似体験をしていることになります。本を読むことで,もう一人の自分が目覚めて,主人公という他人になって得難い体験をします。読書はもう一人の自分を一回り大きく育てていると言うことができます。
子どもはヒーロー遊びが好きで,自分がなったつもりで飛び回っています。もう一人の子どもが夢いっぱいの体験をしています。正義の味方として振る舞うことで,正義の意味や気持ちを身に付けていきます。可愛いヒロインとして,人のねたみや意地悪に耐えることで幸せが得られるという人生の機微を無垢な心にインストールしていきます。ヒーローやヒロインという他人の体験をしたもう一人の自分が育っています。
ゲームやビデオの中には,ただ相手をやっつけるだけといった類の,短絡的な興奮要素だけのものがあります。耐性の育った青年ならば短時間のカタルシスとして意味もありますが,子どもには有害であることは明らかです。あっという間に刺激に吸い込まれて夢中になり,容易に抜け出せなくなるからです。もう一人の子どもは眠らされたままに置かれ,子どもの闘争本能だけが肥大化しかねません。
もちろん,子どもには冒険的な遊びも必要です。ママがチェックするときは,ストーリーのあるものを選べばいいでしょう。戦うためにはそれなりの止むに止まれない理由があるということが示されていれば,神経質になる必要はありません。もう一人の子どもが自然に目覚め,ストーリーの中に入り込んで,理解するからです。恐いのは遊びであっても意味のない暴力シーンを楽しむことです。意味が無いということは,もう一人の子どもが関与できるよすががないからです。
・・・もう一人の自分は他者の体験を遊ぶことで育っていきます。
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〇お互い様?
夜道を歩いていると無灯火の自転車が音もなくすり寄ってきて,一瞬びくっとさせられます。車での帰り道,目の前にいきなり自転車が現れ,はっとさせられます。自転車に乗る人は勝手知った道なので,灯火なしでもこわくはないのでしょう。しかし,歩く人に対して身を隠しているので加害者になる可能性,ドライバーに対して陰のようになっているので被害者になる可能性を考え及んでいません。自分を見る他者の目を開けていないからです。
思いやりは相手の立場になって考えることであり,もう一人の自分がすることです。自分を大切に思うのはもう一人の自分であり,他者の目を持つもう一人の自分が他者も同じ人として大事に思うのです。思いやりを受けた場合も,「ワザワザ」という相手の立場を考えられるから心から感謝することができます。人が人間らしくなるには,もう一人の自分が他者の中に自分を見つけられるようにならなければならないのです。
お店に行くと子どもは好奇心からあれこれ商品に触ります。品物によってはお店の方は嫌な思いを我慢させられています。乗り物の中で子どもは退屈して動き回ります。隣の方は多少大目に見てくれていますが,静かにしてくれないかなと思っています。子どもを見る周りの目はそれなりに温かいのですが,そこには暗黙の条件があります。
公の空間ではお互い様という了解が働いています。傍若無人という言葉がありますが,若者の傍には人がいないと書かれます。すなわち,周りにいる人をヒトと思っていない無礼さを意味します。お互い様とは,ヒトに気遣いを見せて,自分に遠慮というブレーキを掛けることで成り立ちます。ヒトの傍では自分の行動を徐行させるということです。「止まらなくてもいいから,すこし控えめにして」,それがお互い様への礼儀です。
ママが「おじちゃんが恐い顔してるから,やめなさい」と注意しています。そんな注意の仕方は間違っていると思っていませんか? 他人のせいにするのではなく,ママが自分の判断で注意すべきだというわけです。それは確かに望ましいことです。でも,おじちゃんという他人の目に気付かせているのですから,必ずしも間違ってはいません。言い方に配慮すれば,それでいいのです。見ず知らずのおじちゃんが悪者になってしつけをする,それが社会による子育てだからです。ママだけに理想を求めるような窮屈な子育てから,そろそろ抜け出しませんか。
・・・他人の目をほどよく意識することが礼儀をしつけてくれます。
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《他者の目とは,もう一人の自分が社会化するという意味です。》
※子どもはぬいぐるみや人形,小動物を可愛がります。その様子を見ていると,世話ぶりはママにそっくりです。ママになったつもりで,自分をぬいぐるみの立場に置いています。自分を相対化できるのは,もう一人の子どもが育っている証拠です。そのときのもう一人の子どもの目は,まさにママの目だからです。子どもが最初に獲得するのは,ママの目です。
【質問2:お子さんに,他者の目を教えてますか?】
●答は?・・・もちろん「ハイ」ですよね!?
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☆次号予告☆
【子育ち第3権利:お子さんは,自分の居場所にいますか?】
どうぞお楽しみに!
子どもに話すときには「ママはこう思う」と自分メッセージの形にしなさいと,アドバイスされたことがあるかもしれませんね。もう一人の子どもはママになったつもりで,自分に言い聞かせることができます。もし,「しなさい」と直接に指示されたら,もう一人の子どもは出番を失います。ママの目をまねさせることは,皆さんが想像する以上にもう一人の子どもの育ちにとって大切なことなのです。
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★落書き★
温水洗浄便座は日本生まれですね。その代名詞の「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。この名称は,洗う=ウォッシュとトイレットを組み合わせた造語のように思えますが,違います。「これからは洗う時代です。洗いましょう」と呼びかける「レッツ ウォッシュ」を逆さまにしたものです。
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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear
「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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