*** 子育て羅針盤 ***

〜 《Ver.104 from No.1344》 〜

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「子育て羅針盤」:第1354号
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[2026/09/14]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第1354号)
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★子育ち12権利
【第11権利:お子さんは,失敗を経験していますか?】
《V104:HOW-01》
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《子育ちは してみて分かる 育ち点》

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《まえがき(毎号掲載)》
 子育て羅針盤では,こどもの育ちを6つの方向と2つの領域から考察します。6つの方向とは,「誰が,どこで,いつ,何が,なぜ,どのように育つのか」という5W1Hの問題視座です。また,2つの領域とは,「自分の育ち(私の育ち)」と「他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ち」の領域を表します。6つの方向にそれぞれ2つの領域を重ねた12の視座が「子育て羅針盤」の基本的な考察の構成となります。
 この第104版では,子どもが人としての権利を育てていく上で,大人が寄り添っているときに,見届けておくべき状況を確認できる12の自問を設定してみました。その構成はこれまでと同じく,奇数号では子どもの「私の育ち」を,偶数号では「私たちの育ち」という配置をします。私の育ちだけに意識が向くと,私たちという社会性に基づく仕合わせな育ちが疎かになります。あちらこちらで人のつながりに欠陥が見られる現状は,私たちによる育ちから得られる「私たち」という意識が未熟だからです。そのことに注目して,羅針盤を手元に設定していただくようにお願いいたします。

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 《「失敗を経験する」ということについて説明が必要ですね!》

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 ○失敗とは?

 失敗しないようにしていると,子どもはいつも安全圏に閉じこめられます。親としては安心ですが,親も子どももここまでは大丈夫という限界が見えなくなります。子どもは自分の実力が分からないので,自信が持てずに行動にブレーキを掛けて臆病になるか,抑えが効かず暴走するようになります。他方で親も子どもの能力の育ちが見えないので,子育てに自信が持てなくなっていきます。

 失敗したところは,子どもが最高の能力を発揮している育ちの芽に相当します。これ以上できないところで失敗をします。つまり,失敗の一歩手前までは子どもの能力が育っているのです。スポーツの練習でももうちょっとでできそうなところを繰り返し練習するから,できるようになっていきますよね。

 失敗をさせないということは,この育ちの芽を握りつぶすことになります。失敗しないように育てることは,育てることにならないのです。育てるとは失敗を上手に引き出すことから始まると考え直すべきでしょう。子どもが余計なお手伝いをかってでて,かえって手間がかかることがあります。そんなしくじりをさせてやれるのは,ママしかいないとあきらめてください。

 泥んこ遊びができない子どもがいました。ママがお洋服が汚れることを嫌っていたからです。一人でぽつんと遊んでいるようになりました。心配した保母さんがママに話しました。ママは反省し,「ママは○○ちゃんがお洋服を汚して帰ってきてくれるとうれしいな」と話しました。翌日からその子は思いっきり泥んこ遊びをはじめました。洋服を汚すという余計な恐れが,子どもの育ちを邪魔するのです。

 モノよりもわが子の方を大事にしてください。モノを壊したり,破いたり,散らかしたり,汚したり,無くしたりするので,ママにすれば気が気ではないでしょうが,それは子育て上の必要な損失分としてあらかじめ想定しておいてください。少々のことは大目に見てやって,大丈夫という安心感を与えないと子どもは育てません。失敗することで失敗を克服していくのが育ちなのです。 

・・・失敗することが,親も子も育ちの現場なのです。

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 ○過保護?

 親は保護者ですから,あれこれ気を遣って保護します。ところが,最近の親は過保護であると言われてしまいます。過保護とは子どもができることまで親がしてやることと考えられています。確かにそういうことなのですが,肝心な点が今ひとつ分かりにくいので,親は自分の過保護に気づくことができません。肝心な点とは,「子どもができること」を親が正しく見極めているかということです。親は誰でもどちらかといえば心配性ですから,保護するためにいつも安全な所に子どもを置こうとします。それが過保護につながるのです。

 例えば,赤ちゃんが伝い歩きをはじめるときです。ふらふらしていますから,転ぶとテーブルの角に頭をぶつけるおそれがあります。そこで保護者としては転ばないように赤ちゃんの身体をそっと支えるでしょう。それが過保護です。保護するというのは,転んでも怪我がないように,テーブルの角に親の手を待機させておくことです。大切なことは転ばせることです。転ばないように歩くのが,歩くという育ちだからです。転ぶことを取り上げたら,歩く練習にはなりません。繰り返しますが,転ばなくなったときが歩く能力のできあがりです。

 小学生になっても,朝遅れないように親が起こしています。起こし忘れたら,親に文句を言うようになります。自分で起きるようにし向け,何度か遅刻をさせたらいいのです。もちろん,一時間目には間に合うように保護者として起こしてやらねばならないでしょう。小さな失敗をさせて,どうすれば失敗しなくなるか何度も練習するチャンスを与えないと,起きるしつけは成人するまでできません。

 子どもはできないことばかりです。できるようになるためには,小さな失敗をさせながら,ゆっくり育て上げなければなりません。今,子どもはできないから親が保護してやっている,できることをしてやっているのではないので過保護ではないと考えていたら,育ちの邪魔になります。

・・・小さな失敗を取り上げることが,過保護です。

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 〇0点?

 子どもはほめて育てるように言われます。でも,我が子はほめようにもほめるところがないという声も聞こえます。因みに,我が子の短所を思いつくままに数え上げてください。五本の指では足りないかもしれません。では次に長所を挙げていってください。即座に三つまで言えたら親として立派ですが,普通はなかなか思い出せないでしょう。何をほめるかが曖昧になっているからです。100点取れたらとか,クラスで一番になったらほめてやれるでしょうか。ほめる子育てとは,そういったものとは違いますよね。

 赤ちゃんが立っちできるようになったら,家中でほめましたね。歩き出した日は記念日になったことでしょう。子どもが大きくなってくると,課題も難しくなります。「ママ」や「パパ」としゃべりはじめたときは,笑顔でほめてやったのに,「本は一冊,鉛筆は一本,犬は一匹,鶏は?」と数え方をすべて覚えてくれないとママはご機嫌斜めです。「鶏は何て言うの?」と問いつめられて,幼い子どもは「コケコッコー」と答えます。

 試験の点数は0点から100点の間ですね。どうしてなのか知っていますか? 試験の採点をしているとひどい間違いをしていて,マイナス点をつけたいと思うことがありますが,採点者はマイナス点を使えないのです。どんな間違いをしても0点なのです。社会では間違いに対して罰点としてマイナスがあり得ます。しかし子育ての場では決してマイナス点をつけないのです。間違いはすべて水に流して,できたところだけにプラスの点数を与えます。言い換えれば,「できたね」とほめる点数しかないのです。

 子どもは勉強する前は0点です。勉強したからプラスの点数がつきます。これが過去これまで全国で実行されてきた「ほめる子育て」です。ところが,何を勘違いしたのか,子どもは最初から100点を持っているはずと考えて,評点が60点なら40点も間違えたとマイナス点を持ち込んできました。これでは叱る子育てに裏返ってしまいます。0点が60点まで増えたのですから,ほめられるはずです。

 「できなくて当たり前,できたらほめる」,それがほめる極意です。できないからマイナス点と考えていたら,親も子どもも張り合いがなくなります。できるようになって当たり前ですから,できたという喜びがないからです。ほめることの大事さは,子どもに育ちの喜びを与えることなのです。

・・・0点とは,ほめる子育ての出発点なのです。

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 《失敗の経験とは,育ちの必修科目です。》

※子どもをのびのびと育てたいとは思われませんか? どうすればいいのでしょうか? もう既にお察しの通りです。失敗を気にしなくていいという状況を作ってやればいいのです。失敗してもパパがついている! 少々の迷惑はママがカバーしてあげる! つまり,親の方がのびのびすることです。

 【質問11:お子さんは,失敗を経験していますか?】

   ●答は?・・・もちろん「ハイ」ですよね!?

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☆次号予告☆
【子育ち第12権利:お子さんに,学ぶ余裕を与えてますか?】
どうぞお楽しみに!

 人の行動はやってみながら,ずれたかなと感じ取ったら修正してやり遂げられていきます。生きること,育つことも同じです。失敗することでその原因が見えてきて,物事が分かり,次から失敗しなくなります。逆に言えば,失敗しなかったときが恐いのです。たまたまうまくいった場合があるからです。そのときは危険なポイントに気づいていないので,いつか必ず失敗の憂き目に会います。子どものうちならいいのですが,大人になって現れたら致命傷になりかねません。

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★落書き★

 1873年,フランスのパリで権威のあった常設展覧会に落選したモネ,セザンヌ,ルノワールら30人ほどの若い画家たちは,サロンに抵抗して,翌年に無審査のグループ展を開きました。この展覧会を訪れた新聞記者ルイ・ルロワは,展覧会を酷評し,モネが出品していた「印象ー日の出」という絵を「描き掛けの壁紙の方がマシ」とこき下ろし,「印象か、確かにそう思う」と批判し,皮肉を込めて「印象派」と呼びました。それが,後年グループ名になったのです。

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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
  「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear 
  「連絡先」= mori-bear※mvd.biglobe.ne.jp (※を@に変更)
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