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「第 62-07 章」 |
『子育ちは なんとなくより 確かめて』
■子育ち12教示■
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『子育ち第7教示』
【確かな価値】
《まえがき》
この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
この第62版では,仕合わせを目指す人生の目標として掲げられていることを,子育て羅針盤風にお伝えする予定です。
《確かな価値について考える?》
なんとなく,とりあえず,という振る舞いが,子どもたちに見られるといわれます。時代の中で育つ子どもにとって,時代の動きになじんでいくのは必然です。時代の変化が激しいので,世代間ギャップがかつては大人と子どもといったものでしたが,今では世代間の違いが小刻みになって,5歳も違うと分からないというようになっています。ついて行くのに忙しくて,自分が何をどうすればいいのかを見失って,曖昧な不安定さをさまよっているという,心の病が増えているそうです。
かつては,らしさという形の具体的なイメージに向かって育っていけばいいという目当てがありました。ところが,らしさは押しつけられたものであるとして葬り去られた結果,依るべき目標が消失し,自分がどこに向かうのか分からなくなりました。例えば,食べていくとはどういうことか,子どもには伝わっていません。親の側にいればなんとなく生きていけるといった段階で生きる知恵が停止しています。働くという生きる力をどのように身につけるか,そういう目当てが見えないから,自立を知らない若者が増えていきます。
なんとなく生きていけるという幼児性から脱却する育ちを促すために,家族で支え合って生きるという基本をみっちりと経験させることです。働くとは「端をらくに」することであるというシンプルな価値観を家族をモデルとして持つことができれば,生きていく確信が芽生えてくるはずです。責任とか信頼とか,真面目さとか優しさとか,人である上で期待されているもの,価値あるものを意識して,子どもたちに伝授することが親世代の務めです。なんとなく育てているという気の緩みがないように,気をつけてください。
家にいると落ち着ける。小学生低学年まではそうでしょうが,高学年になると友だちの側がいいとなります。ところが,友だちもいろいろいるので,必ずしも思い通りな関係にはなりません。さらに,友達関係を結ぶ縁である遊びが協力的な形のものであった昔と違い,今は個別な遊びになっているので,結びつきは希薄です。友だちという言葉の意味がすっかりドライになっています。人としてのぬくもりを醸すウエットな人との関係を家族の絆として復活してみることをお願いします。
★落書き★
試合や競技などで,前に負けた相手に勝って,負けた恥を消し去ることを雪辱といいます。雪辱には雪という字が使われていますが,空から降ってくる雪がどういう意味で使われているのでしょうか? 雪にはすすぐ,ぬぐうなどの意味があり,雪辱とは辱をすすぐという意味になります。雪の音「せつ」が「刷」「拭」の音に近いため,それらに通用し,刷や拭がもっているぬぐうという意味を雪も持つようになったということです。また,雪はゴミなどを洗い清めてくれるという意味から来たという説もあります。
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