*** 子育ち12章 ***
 

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「第 70-03 章」


『子育ちは 安心の場に いることで』


■子育ち12目標■

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『子育ち第3目標』

【居所を見つけ安心できる子どもに?】

《まえがき》
 この子育て羅針盤では,子どもの育ちを6つの視点と2つの領域から理解することを目指しています。6つの視点とは,誰が育つのか,どこで育つのか,いつ育つのか,何が育つのか,なぜ育つのか,どのように育つのかという問に沿うものです。また,2つの領域とは,自分自身の育ち(私の育ち)と他者と関わる自分の育ち(私たちの育ち)という育ちの領域を想定しています。6つの視点にそれぞれ2つの領域を重ねると,12の論点が生じます。これが羅針盤の針路構成となります。
 この第70版では,「子育ち」が目指すべき目標をシンプルに掲げて,確認していくことにします。毎日子どもたちがどこを目指して育っているのか,その育ちが偏っていないか,人として必要な育ちに欠けている部分がないか,その12の必須の目標を,再確認したいと思っていますので,お付き合いください。

《居所を見つけ安心できる子どもに?》
 子どもは育つ場を必要としますが,それは安心できる居場所です。もし不安な場に置かれたとしたら,自分を守るために閉じこもらずを得ずに,結果として育ちは滞ることになります。子どもが安心して育つ居場所とは,現実の場所ではありません。例えば,夕食後に子ども部屋に追いやられると,家族から隔離されてひとりぽっちになり,窓際の不安にさいなまれます。何もしなくてもリビングで家族と気配でつながっている状態が安心の場になります。

 家庭でお手伝いをしている子どもは,自分がここにいて欲しい人であるという確かなつながりを実感できるので,安心することができます。今,子どもたちはクラスメートとの横のつながりだけに片寄っているので,同年齢にこだわらず,年上や年下の関係も大切です。いろんなタイプの友達の輪という居場所があれば,たとえクラスで友達関係がこじれても,落ち込みは少なくて済みます。地域の子ども会やスポーツ仲間,クラブ仲間など,豊かな居場所が育ちをしっかり支えてくれます。

 育ちには大人とのつながりが欠かせませんが,親や先生との縦のつながりは指導という色合いがあって,子どもにとってはどちらかと言えば見張られているという関係に思われています。何か困ったことに出会ったとき,親や先生は子どもにとって相談する対象ではありません。近所や地域の知り合いのおじちゃんおばちゃんたちとの斜めのつながりが相談できる人になります。このつながりは子どもたちを見守ってくれる温かなつながりなのです。ご近所とのつながりという安心の居場所が大事です。



 5歳の女児の左腕を石油ストーブの天板に2回押しつけた母親と,包丁を左頬に押し当てて軽傷を負わせた祖母が,傷害容疑で逮捕されたという報道があります。「言うことを聞かず,態度が悪かった」と容疑を認めているそうです。しつけは必要ですが,懲罰としての障害行為は犯罪です。理由の正当性が行動の正当性とはなりません。不安を伴う罰に子どもは心を閉ざします。その閉ざした部分が育ち残りとして,心の欠陥になりトラウマになります。親は絶対的支配者ではありません。
★落書き★

 古い建具の動きが悪いとき,ガタピシすると言います。ガタピシは音を表しているのではありません。仏教用語の「我他彼此」に由来します。我と他,彼岸(あの世)と此岸(この世)を対立的に見ることであり,それぞれうまくかみ合わないという意味となり,転じて建て付けの悪さもいうようになりました。そんなところにつながるのかと意外に思われたことでしょう。言葉は連想によって広がっていきます。面白いですね。


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