*****《団体・グループの運営の窓》*****

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【会議の運営マニュアル】
[会議の進行マニュアル]
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 団体活動では会議が不可欠ですが,普通には,二つのタイプが使い分けられています。一つは,確認が主となる会議です。決まった事業を実行する前の会議などであり,ほとんどの会議がこのタイプでしょう。

1.確認のための会議
@会議に入る前に,司会者は作業の細部まで計画案を準備しておくことです。書面資料の準備ができたら十分です。大まかなポイントだけを提案してみんなで考えればいいと会議にかけると,必ず抜けるものが出てきます。いきなり提案してその場で全体を見渡すことを参会者に求めるのは酷です。

A日程など,選択しなければならない項目については,予め事情を勘案して,二つに絞って会議に諮るようにします。いつにするかという曖昧な問いかけは時間のロスです。会議とはA案かB案かといった程度の審議をするものと考えてください。

B団体活動は参画意識がなければ円滑に進みません。そのために会議を開いて,細かな実行案を出席者の意見によって逐一決めていきます。自分が決めて,自分が実行するという雰囲気が作れたら,会議は成功です。

C何をしなければならないかということを諮るときに,誰が引き受けるかという確認を忘れることがあります。その担当の確認を落とすと,誰も手をつけられず,し残しになります。

D行事が毎年恒例のものであれば,その作業一覧表を担当者欄付きで作成しておくことを勧めます。修正や追加をしながら申し送っていけば,行事マニュアルとして団体の財産になります。


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 もう一つのタイプは,知恵を集約しようとする会議です。この会議では司会者の役割が重要になります。

2.協議のための会議
@司会者は,事前の準備をすることから会議を始めます。
 ・会議の目的や性格について決めておく(方針決定,事実確認,価値判定など)
 ・課題について調べておく(重要さ,背景,関係者,期限)
 ・資料があれば利用について確かめる(資料の事前配布,会議での配布,黒板)

A司会者は,会議の進め方について計画をしておきます。
 ・導入:司会者は説明者になります。
     自己紹介などで,自由に発言できる雰囲気を作る。
     経緯や理由などの説明をして,テーマや課題の意味や目標を知らせる。
     会議の手順と予定を明示することによって,会議に参画してもらう。
 ・展開:司会者は聞き手になります。
     討議すべき事柄を順序よく諮っていく。
     どのような面の意見や情報が欲しいかを,誘導する。
     質問の種類を適宜に変えていく(何,誰,何処,何時,何故,如何)。
     名前を呼んで,全員に発言の機会を提供する。
     脱線しはじめたら,「テーマとの関係は?」と修正を促す。
 ・結論:司会者の質問によって考えてもらいます。
     分類,比較,評価,選択などのまとめ方で,発言の整理をする。
     現実的な検討をするための基準を決める(予算,日程,効果など)。
     全員の同意を得るための最大要因を選ぶ(得失,効果,新奇性など)。
     少数意見をどう扱うかについて可能な限り付帯事項とする。
     具体性,継続性などのまとめのキーワードを提示する。
 ・確認:司会者は会議としての正式な結論を表明します。
     目標の再確認,討議内容,到達した結論を整理する。
     決定事項と未決事項を明確にし,同意を得る。
     会議への参画に謝意を表す。
B司会者は,会議の結論を次の段階につなぐまでの責任を果たします。
 ・決定事項の報告と必要な周知を図っておきます。

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 会議の進行に関連する事項で,招集者が気をつけておくべきことを追記しておきます。
 会議を開くためには開催通知を送付しますが,その内容です。一つは会議の開催時間について,開始時間は当然ですが,終了予定時間を書きこんでおくようにすることです。ちょっとしたことですが,参会者の個人的な時間を頂く上でのエチケットです。
 もう一つは,会議の議案を具体的に予めきちんと書きこんでおくことです。何のために会議に呼ばれているかを伝えておけば,ある程度意見をまとめて出席することができます。会議の席ではじめて内容を聞くというのでは,考える時間がありませんし,関係者との打合せなどの下準備もできません。
 案内を出すときから会議は始まっているのです。出席者が参加しやすいように気配りをして下さい。