*****《団体・グループの運営の窓》*****

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【広報の編集マニュアル】
[広報編集の留意点]
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 各団体では広報活動が付属しています。広報は組織の情報を末端まで運ぶ手段であり,人の血管に相当する機能を持っています。動脈として新鮮な情報を提供し,静脈として旧弊な情報を回収していきます。
 また,会員制で会費を徴収している団体にとっては,会員への還元としての意味合いがあります。他では得られない情報が得られれば,会費が無駄遣いという気持ちを封じることができるでしょう。
 広報は会員にとって大事なものであるということを念頭に置いて発行すべきです。会員が求めている情報を載せることが,広報の役割になります。もちろん,団体の目的に添った大事な情報を伝える必要性から,必ずしも会員の希望通りの内容だけを載せるわけにはいきませんが,大局的にいえば,それも会員のためであるのです。
 団体活動の紹介報告に終始する広報は,眺めるだけで読まれることは少ないでしょう。なぜなら,会員は活動の参加者として現場にいたので,新しい情報は読みとれないからです。役員が研修をした報告も,そうですかといった感想しか呼び起こさないでしょう。言葉の手みやげが届けられれば,受け取ってもらえるはずです。

 広報編集上の留意点をいくつかあげておきます。
@分かりやすい記事としてまとめる(伝えたいことを絞り込むこと)。
A報告記事は結果だけにして,状況説明はなるべく省く。
B問題を掘り下げる特集などを取り入れる。続きにすれば関心を持ってもらえる。
C会員の声に答える囲み記事などを入れてみる。
D写真やイラストを載せて目に入りやすい構成にする。
E代表者の挨拶は外せないにしても,役員等の感想的記事などは載せない。
F読者が「なるほどそうか」と思うようなお役立ち情報を盛り込む。
G行事等の予告記事を知らせる欄を同じ形式・配置に構成上固定しておく。

 広報活動には,さらに二方面への広い展開が求められています。一つは団体活動を外部に紹介するという役割です。生涯学習によるまちづくりという視点では,広く住民の皆さんに団体の存在と活動を訴えることも大事なのです。新会員の勧誘ということだけではなく,組織が活発に生きているという証として,元気を呼び起こすからです。
 もう一つは団体活動の足跡を記録するという役割です。例えば,活動現場の写真などをアルバム化して保存しておきます。広報の発行後に希望者に配布するにしても,必ず写真の原版は保存しておいてください。もちろん,広報それ自体を綴っておくことは不可欠です。団体の周年事業の際に慌てて資料を探し回ることがなくなります。先を見越して情報の管理をしておくことも,広報活動の大切な仕事です。


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 広報・会報の発行については,最大限の予算と労力を掛けることが必要です。年に2回程度の発行回数では,ほとんど意味がありません。月刊が基本だと考えるべきです。
 また,最近の情報環境では,ホームページの開設も十分に効果的でしょう。最初の立ち上げは大変でしょうが,できてしまうと追加は楽にできますし,写真の掲載もページ枠制限もないので,自由な広報活動が可能です。真剣に検討し,挑戦してみて下さい。