1238年 (嘉禎4年、11月23日 改元 暦仁元年 戊戌)年
 
 

8月2日 甲辰
  将軍家年来の御願を果せしめ給わんが為、春日社壇に於いて一切経を供養せらる。導
  師は東北院僧正圓玄、題名僧百口と。

[百錬抄]
  将軍家春日社に於いて一切経を供養せらる。大蔵卿為長卿願文を作る。百僧供養なり。
 

8月18日 庚申 終日雨下る
  八所の御霊祭延引すと。
 

8月19日 辛酉 雨休止す。然れども時々また時雨灑ぐ
  山城の国の悪党新平太召し禁しむの処逐電しをはんぬ。仍って在所に付け生虜るべき
  の由、山城の国・大和の国等の住人に相触れらる。また双六を止むべきの由仰せ下さ
  ると。今日御霊祭なり。将軍家今出河殿に於いて見物するの間、渡物の風流、結構例
  に異なると。
 

8月25日 丁卯
  将軍家賀茂・祇園・北野・吉田等の社に参らしめ給うと。

[百錬抄]
  将軍吉田社に参詣せらる。神馬を引かる。白妙幣例の如し。