住空間考 |
大庭建築設計事務所の設計・監理のプロセスを紹介します。 |
設計のプロセス |
設計期間 | ■私たちの事務所では、最初の依頼から約6ヶ月間をかけて設計の作業を進めていきます。 6ヶ月間というと非常に長い時間のように感じます。そしてそれは実際に長い時間です。 | |
■しかし設計というのはこれから20年、30年以上住む家をどうつくるか考える大切なこと、 一番基本になる部分ですから、それくらいの時間がかかって当たり前だと思いませんか? 一週間で設計が終わり、などというのは私たち設計事務所の人間には信じられません。 | 設計がダメなら あとで何をしても 無駄! |
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■では、その「長い」時間に何をするか、ご説明しましょう! 住まいづくりには、いろいろなステージがありますので、そのステージごとの出来事を時間の順に追っていきたいと思います。 |
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■設計から着工まで■ | ||
さあどこへ? | ■「住まいづくりの方法」のところでも書きましたが、住まいをつくる、設計を頼む方法はいくつかあります。そのなかで、設計事務所や建築家に興味がある、設計にエネルギーをかけてみよう!と思った人はまずコンタクトをとってみましょう。 | 最初は勇気がいるけど、思い切って! |
まずは相談! | お見合いのように緊張するけど、 話をしてみなければ始まらない |
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▽ 0th week ▽ |
■メールや電話などで話をしてみたら、今度は直接会ってみましょう。どういう反応が返ってくるか、お互いにドキドキします。こんな狭い土地だけど…、これだけしかないけど…そんな相談でものってくれるハズです 。わからないことは聞いてみるといいでしょう。仕事の進め方、かかるお金、進め方、なども聞いてみてもいいでしょう。 | はじめの内はお互いの信頼関係が得られるようにするのが大切ですので、率直に話し合ってみましょう。 |
設計依頼! | 設計者にある程度信頼がおけたら、 設計を依頼 |
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▽ 1st week ▽ |
■これまで住んでいた所で改善したい点や、新しい住宅をどのようにしたいか、またこれから生活をどのようにするかをお話ししてみましょう。 設計事務所には敷地の住所や敷地図を渡します。設計者はそれに基づいて敷地のの調査と役所へのヒアリングを始めます。 |
敷地の位置を確認 |
条件を整理 | 設計者は法的な条件をまとめ、 お客さんは希望条件をまとめる |
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▽ 2nd week ▽ |
■設計者の方では法規的条件を整理します。 同時に周辺のボーリングデータを閲覧したり、建物の規模・構法なども含めて検討を始めます。 建主さんの方では、希望条件をメモに整理することが必要になります。書くことで考えがまとまることもあります。家族とも話をして、納得のいくようなものをつくっていきましょう。 |
調査レポート |
第1案 | この頃にようやく第1案がまとまる まるでお見合いのあとのデート? |
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▽ 4th week ▽ |
■この頃に、第1案ができあがります。 1/100程度の小さい模型と図面をお見せします。 建主さんの希望とその他の条件を考慮した結果、どのように考えたかをご説明します。 お互いの反応がどうか?ドキドキする瞬間です。 図面の見方はこちらを参考にして下さい。 |
1/100の模型 |
ここで約1ヶ月が経過 |
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第1案の検討 | 第1案についての話し合い 気になる点は? |
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▽ 5th week ▽ |
■第1案を見て感じたことや疑問は率直に話しましょう。設計者が出した案は言ってみればタタキ台。もちろん諸々の条件の中からこれがいいと思う案をお見せします。私たちの場合は同時にいくつもの案はお見せしません。なぜならお客さんが迷ってしまうからです。第1案が気に入ればもちろんOKだし、もう少し工夫したい点があればそれについて話し合いましょう。 それをもとに修正案を作成し、再び打ち合わせをします。 間取りや計画の考え方に納得できたら、いよいよ設計監理契約です。なお、キッチンの具体的な棚のレイアウト等、細かい点については実施設計の段階でもう一度打ち合わせです。 |
1/100基本図面 |
設計・監理契約 | いよいよ設計・監理契約 これから本格的に設計が始まる |
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▽ 8th week ▽ |
■設計監理契約書はあらかじめ内容を確認しておいて頂きます。設計監理条件等、内容に問題がなければ、建主さんに署名捺印をして頂き、 契約が締結されます。 ※ この時はプランの内容も大切ですが、 設計者とこの先も一緒に話を続けられるかという点を注意すべきです。 この時点で信頼関係が築けなければ、この先はトラブルの元になります。 その気持ちをハッキリと相手に伝えましょう。 |
建築士業務委託契約書 |
もう2ヶ月が経過 |
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実施設計開始! | 本格的な図面製作を開始 細かい寸法も決定していく |
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▽ 10th week ▽ |
■さあ、ここから実施設計図(見積や実際に工事ができるような図面)
を本格的に描き始めます。家具の配置、窓の位置や大きさなど細かい寸法も
これから決まります。 外壁や屋根、室内の仕上げ材料について設計者の方から提案します。それを建主さんと相談し、 図面に指示していきます。メンテナンスや性能面の考えも一緒に相談していきましょう。 キッチンや設備などについても決めていきます。 |
矩計図 実施設計は設計の中で最も時間のかかる作業のひとつです。集中してやって少なくとも1ヶ月くらいはかかります。 |
3ヶ月が経過 |
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実施設計UP! | 実施設計のおおかたの図面ができる 設計内容の確認と調整 |
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▽ 14th week ▽ |
■実施設計図を一通り完成させたところで打ち合わせをしましょう。
図面の見方を建主さんに説明します。窓やドアの大きさ、高さ、開き方も全部わかります。
図面の中を歩いているつもりで、 使い勝手やそこでの過ごし方などを想像してみると面白いです。ここでも問題があれば素直に伝えましょう。 仕上げ材料等についてはサンプルを見ながら、浴室、WC、キッチンなどは カタログを見ながら一緒に考えていきます。よく分からないところは、必要に応じてショールームなどにも行き、検討します。 |
キッチン廻り展開図 図面の見方はこちら |
設備も検討 | 設備図面も完成する 器具の種類や使い方を検討する |
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▽ 16th week ▽ |
■電気や給排水の設備についての検討です。カタログなどを見ながら
コンセントやスイッチ、器具の取付位置などについての細かく打合わせをします。 この時も建主さんの想像力が必要です。使い方を頭に描いてみます。 |
電気設備図 |
どうですか?建築家と設計をやるとエネルギーがいるのがおわかりになるでしょう。もちろん設計者の側にも根気がないと建主さんのエネルギーに負けてしまいますから真剣です。 | ||
これから5ヶ月目に突入! |
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見積用図面 にまとめる |
図面を修正し 見積依頼用の図面にまとめる |
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▽ 18th week ▽ |
■打合せた事柄を図面に盛り込み、 見積用の図面にまとめます。 建主さんには、希望通りに図面に表わされていることを確認して頂き、 追加事項等があれば再度修正します。 | 見積用の図面は 30〜40枚にもなる |
見積依頼 | 建設会社・工務店に見積を依頼します 工事業者との顔合わせ |
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▽ 20th week ▽ |
■ようやく建設会社・工務店などの工事会社に図面を渡し、
見積もりを依頼することになります。図面を渡す際は、建主さん自身も工事業者と顔を合わせて
雰囲気をつかむことが大切です。工事業者とは家が完成した後もメンテナンスを含めて
お付き合いすることになります。 見積書ができあがるまで通常2週間程度かかります。 |
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申請準備 | 見積を依頼している期間に 確認申請書を準備、提出 |
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▽ 21th week ▽ |
■確認申請の書類、図面を作成します。内容の確認後、必要書類に建主さんの署名捺印をしてもらい、役所に確認申請を提出します。確認申請が下りるまでは、訂正等を含めて約4週間程度。
状況によりそれ以上かかることもあります。 ※見積以降で大きく条件が変わったり、大きな予算オーバー、 面積変更・構造変更などを検討し、図面修正することになれば、 再度確認申請が必要になる場合もあるので注意が必要です。 |
確認申請書 |
ついに6ヶ月目! |
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見積書の検討 コスト調整 |
見積書のチェック 見積金額の調整 |
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▽ 22th week ▽ |
■建設会社・工務店から提示された見積金額が、 予算内であるかどうかチェック。この時大切なのは、金額だけでなく見積内容も見ることです。 見積のやりかたで、どれだけ設計を理解しているかわかるものです。 お客さんの要求を全部入れてしまうとだいたい予算オーバーしますので、その時は 工務店側で減額出来るところを検討してもらうと同時に、 お客さんの方でも削れる点を検討する必要があります。設計者、工事会社、 そして建主さんの方にもエネルギーのいる作業です。 | 見積書の検討 もたいへん! |
工事契約 | 建設会社・工務店を決定 施工会社と建主さんで工事契約 |
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▽ 24th week ▽ |
■見積内容のキチンとしているところと、コストの調整がうまく行けば施工会社を決定です。 支払条件や工事期間などについては、この時双方で話し合いの上決定します。 工事契約は建主さんと施工会社との間で締結します。契約書には、監理者の項目があり、設計士が監理者として署名捺印します。 |
Housing Workshop 住まいづくり研究 | ||
住まいのできるまで ・設計のプロセスへ・工事監理のプロセスへ | ||
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