第四の敵/山田正紀
1989年発表 双葉文庫 や05-5(双葉社)
「処刑工場」に隠された秘密ですが、石黒の言葉でその正体は想像がつきました。しかし、その扱いは非常によくできていますし、それを狙う“第四の敵”の正体は意外でした。さらにそれがこの作品の発表当時のあの出来事につながってくるあたりは脱帽です。
それにしても、発表から十年以上が経過し、“ある人物”が誰のことを指すのか、ピンとこない人もこれから増えていくのでしょうね。
……と書いてから、早二十年以上が過ぎましたが、ちょうど現在の新型コロナウイルス新規感染者数のニュースと同じような調子で、“ある人物”の健康状態が毎日報道されていた――といえば、当時を知らない方々にも実感できるかもしれません(この部分、2022.01.20追記)。
2000.11.13読了