斷句
觀瀑布
英雄都付浪淘沙,
逝者如斯總不歸。
******
瀑布を觀る
えいゆう すべ ふ なみ すな あら
英雄 都て付す 浪 沙を淘ふに,
ゆ もの か ごと すべ かへ
逝く者は斯くの如きか 總て歸らず。
**********
私感注釈
※英雄都付浪淘沙:英雄とは、すべて浪が、岸辺の砂を洗うのにまかせ、歴史のうねりに消えていくものだ。 ・都:すべて。 ・付:まかす。ゆだねる。 ・浪淘沙:(河の)大きな波が、岸辺の小さな砂を洗う。 *この句に、中国人は河の流れをイメージし、我々日本人は、海辺にうち寄せる浪をイメージするかも知れない。千載青史に名を留めることをいう。
詞牌(填詞の形式名)の「浪淘沙」からきている。
※逝者如斯總不歸:流れ去るものは、こういうもので、すべてが帰ってこない。 ・
逝者
如斯:これは、孔子の言葉にある。『論語・子罕』に「子在川上曰:『逝者如斯夫!不舎晝夜。』」。(子 川上に在りて曰く:逝く者は斯くの如きか! 昼夜を舎かず)とある。逝川は、流れ去る川の水で、歳月等の時間で一度去って再び帰らないものの喩えとして使われる。
荊軻の「
風蕭蕭兮易水寒,壮士一去兮不復還
」の歌も、去っては返ってこないものだった。
◎ 構成:
平仄は次のようになっている。
○○○●●○○,
●●○○●●○。
「沙」は麻韻。「帰」は微韻で、共に平声。普通、仄起平収で、出句は仄韻とする。
2000. 1.26
2001. 3.16完
2011.11.24補
次の詩へ
前の詩へ
秋瑾詩詞メニュー
天安門革命詩抄
毛主席詩詞
辛棄疾詞
碇豊長自作詩詞
詩詞概説
唐詩格律
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
詩韻
《天安門詩抄》写真集へ
参考文献(中国社会と文化大革命)
参考文献(毛主席と文化大革命)
わたしの主張
メール
トップ