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歳豐仍節儉,
時泰更銷兵。
聖念長如此,
何憂不太平。
太平樂詞
歳 豐かにして 仍(な)ほ 節儉し,
時 泰くして 更に 兵を 銷ず。
聖念 長く 此(かく)の如し,
何ぞ 太平ならざるを 憂へん。
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◎ 私感註釈
※白居易:中唐の詩人。772年(大暦七年)〜846年(會昌六年)。字は楽天。号は香山居士。官は武宗の時、刑部尚書に至る。平易通俗の詩風といわれるが、詩歌史上、積極的な活動を展開する。晩年仏教に帰依する。
※太平樂詞:平和をことほぐ歌。雜曲歌辭の商調曲。
※歳豐仍節儉:豊かな歳であっても、なおも節約(を心がけており)。 ・歳豐:豊年である。 ・仍:なおも。依然として。 ・節儉:節約。
※時泰更銷兵:時節は安泰であって、さらに一層、軍事をひかえている。 ・時泰:時節は安泰である。 ・更:さらに。一層。 ・銷兵:軍事をひかえる。 ・銷:消す。なくす。 ・兵:戦。兵事。
※聖念長如此:聖上の思し召しはずっといつまでも、かくのとおりである。 ・聖念:聖天子の思し召し。聖旨。 ・長:とこしえに。とこしなえに。ながく。≒常。 ・如此:かくのとおりである。このようである。かくばかりである。
※何憂不太平:平和が実現しないわけがない。平和にならないわけがない。どうして平和でないことを心配しようか。 ・何憂:どうして心配をしようか。 ・何:なんぞ。 *動詞の前に置かれ、疑問、反問の句に、問うところの事物、場所の代名詞として用いられる。 ・何…不…:…にならないわけがない。…にならぬはずがない。 ・不太平:平和にならない。泰平な世が実現しない。動詞。
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◎ 構成について
韻式は「AA」。韻脚は「兵平」で、平水韻下平八庚。次の平仄は、この作品のもの。
●○○●●,
○●●○○。(韻)
●●○○●,
○○●●○。(韻)
2004.11.21 |
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