西門の彼岸 夕陽 平かに,
雲外の北堂は 引導の聲。
一穗(いつすゐ) 奄然(えんぜん)として 萬燭と成り,
幢幢(たうたう) 塔を照らすは 情に勝(た)へず。
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今日は千日詣りで、万灯供養なので、四天王寺にお詣りをした。お詣りの人は少なくはないものの、静かであり、年齢も高い人が多く、出店も殆ど無い。
帰途、葛井寺観音の千日詣りに寄ったが、子どもの浴衣姿で満ちあふれ、歩くのもままならない人出だった。出店もとても多かった。好対照だ。
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・西門: |
さいもん。四天王寺は石の鳥居から西大門が事実上の正門。夕陽が寺の中から見ると西大門の彼方に沈んでいく。夕陽丘の地名も尤もである。 |
・北堂: |
北の引導鐘という大きな札が出ている。高い立派な鐘撞堂。鐘の音が絶えることなく殷々と響いている。このお堂の鐘の音は、遠く極楽までも響くといわれる。先祖供養の鐘が絶え間なく響いていた。 |
・幢幢: |
〔たうたう;chuang2chuang2○○(多音字)〕(焔などが)ゆらゆらゆれて落ち着かないさま。 |
・不勝: |
〔ふしょう;bu4(*)sheng1●○〕…に堪えない。我慢できない。 ・「勝」:〔しょう;sheng1○平韻字〕たえる。こらえる。しのぐ。 なお、〔しょう;sheng4●仄韻字〕は、勝つ。おさえる。まさる。(ただし、現代(北京)語では、どちらも後者の発音〔sheng4〕。)ここの用法では平韻字での意味。平韻字としての用例には、李白の『蘇臺覽古』「舊苑荒臺楊柳新,菱歌C唱不勝春(○○○●●○○)。只今惟有西江月,曾照呉王宮裡人。」や、杜甫の『春望』「國破山河在,城春草木深。感時花濺涙,恨別鳥驚心。烽火連三月,家書抵萬金。白頭掻更短,渾欲不勝簪。」や、白居易『楊柳枝』其三に「依依嫋嫋復青青,勾引清風無限情。白雪花繁空撲地,阪N條弱不勝鶯。(●○○●●○○)」
や、劉禹錫の『與歌者何戡』「二十餘年別帝京,重聞天樂不勝情(○○○●●○○)。舊人唯有何戡在,更與殷勤唱渭城。」や、蘇軾の『水調歌頭』「明月幾時有?把酒問天。不知天上宮闕,今夕是何年。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,高處不勝寒(○●●○○)。起舞弄C影,何似在人間!」や、劉綺莊の『揚州送人』に「桂楫木蘭舟,楓江竹箭流。故人從此去,望遠不勝愁(◎●●○○)。落日低帆影,歸風引櫂謳。思君折楊柳,涙盡武昌樓。」などがある。
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