三日入廚下,
洗手作羹湯。
未諳姑食性,
先遣小姑嘗。
******
新嫁娘の詞
三日に 廚下(ちゅうか)に 入り,
手を洗ひて 羹湯(かうたう)を 作る。
未だ 姑の食性を 諳(そら)んぜざれば,
先づ 小姑をして 嘗めしむ。
*****************
◎ 私感註釈
※王建:中唐の詩人。(768年頃?〜830年頃?)字は仲初。張籍と共に名をあげた。楽府詩や宮詞に長じており、『宮詞』百首は特に有名で、伝誦された。
※新嫁娘詞三首之三: ・新嫁娘:新婚の女性。新たに嫁いできた女性。 ・娘:〔ぢゃう;niang2○〕人妻。 ・三首之三:全三首ありこれは其の三。其の一は「鄰家人未識,床上坐堆堆。郎來傍門戸,滿口索錢財。」、其の二は「錦兩邊,遮掩侍(一作待)娘行。遣郎鋪簟席,相並拜親情。」となっている。
※三日入廚下:新婚第三日目に台所に立った。 ・三日:新婚第三日目。 ・廚下:〔ちゅう(ちゅ)か;chu2xia4○●〕台所。料理場。くりや。厨房。
※洗手作羹湯:手を洗って、肉と野菜を混ぜて似たスープを作る。 ・羹湯:〔かうたう;geng1tang1○○〕肉と野菜を混ぜて似たスープ。
※未諳姑食性:まだ姑(しゅうとめ=夫の母)の食べ物の好み知り尽くしてはいないので。 ・未:まだ。いまだ。 ・諳:〔あん;an1◎〕知り尽くす。そらんじる。 ・姑:〔こ;gu1○〕しゅうとめ。夫の母。 ・食性:ここでは、食べ物を摂る場合の好み。食べ物や味付けの好き嫌い。
※先遣小姑嘗:まず、小姑(こじゅうと=夫の妹)に味見をさせる。 ・先:まず。先に。 ・遣:…に…をさせる。…をして…しむ。使役表現。 ・小姑:〔せうこ;xiao3gu1●○〕夫の妹。 ・嘗:〔しゃう;chang2○〕味見をする。嘗(な)める。ためす。
***********
◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「紅空中」で、平水韻上平一東。次の平仄はこの作品のもの。
○●○○●●○(韻),
○○○◎●○○。(韻)
○○○●○○●,
○●○○●●○。(韻)
2007.8.16 |
次の詩へ 前の詩へ 抒情詩選メニューへ ************ 詩詞概説 唐詩格律 之一 宋詞格律 詞牌・詞譜 詞韻 唐詩格律 之一 詩韻 詩詞用語解説 詩詞引用原文解説 詩詞民族呼称集 天安門革命詩抄 秋瑾詩詞 碧血の詩編 李U詞 辛棄疾詞 李C照詞 花間集 婉約詞:香残詞 毛澤東詩詞 碇豐長自作詩詞 漢訳和歌 参考文献(詩詞格律) 参考文献(宋詞) 本ホームページの構成・他 |
メール |
トップ |