寄内 | |
北宋・孔平仲> |
試説途中景,
方知別後心。
行人日暮少,
風雪亂山深。
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内 に寄す
試 みに 途中の景を説き,
方 に知らせん別後 の心を。
行人 日暮 に少 に,
風雪 山の深きに亂る。
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◎ 私感註釈
※孔平仲:北宋の学者。詩人。臨江・新喩(現・江西省)の人。『中国歴史地図集』第六冊 宋・遼・金時期(中国地図出版社)26ページ『江南西路』臨江軍にある。生没年不詳。字は毅父。治平二年、進士に及第。党争に巻込まれて浮沈を繰返した。兄の文仲・武仲とともに詩名が高く、「三孔」といわれた。
※寄内:妻に(詩を載せた)手紙を差し出す。 ・寄:手紙(詩)を出す。 ・内:妻。
※試説途中景:こころみに道中の景色を言って。 ・試:こころみに。 ・説:言う。とく。 ・途中:道中。途上。 ・景:目に見える光景・風景。 *詩で、目に見える風景を描写することによって、目には見えない作者の心情を理解してもらいたい、という願いがある。
※方知別後心:ちょうど、別れた後の心情が、分かることだろう。 ・方:ちょうど。 ・別後:別れたあと。
※行人日暮少:日暮少:道を行く旅人は、日暮れになって、まれになって。 ・行人:道を行く人。旅人。 ・日暮:夕方。ひぐれ。 ・少:まれである。
※風雪乱山深:吹雪(ふぶき)が山の奥の方で荒れている。 ・風雪:風まじりの雪。ふぶき。風と雪。
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◎ 構成について
韻式は、「AA」。韻脚は「心深」で、平水韻下平十二侵。この作品の平仄は、次の通り。
●●○○●,
○○●●○。(韻)
○○●●●,
○●●○○。(韻)
2021.2.26 2.27 6.28 7. 7 7. 8 |
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