畫蟬 | |
中唐・戴叔倫 |
飮露身何潔,
吟風韻更長。
斜陽千萬樹,
無處避螳螂。
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蟬 を畫 く
露 を飮み 身は何ぞ潔 く,
風に吟 じ韻 は更に長し。
斜陽 千萬の樹,
處 として螳螂 を避 くる無し。
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◎ 私感註釈
※戴叔倫:中唐の詩人。字は幼公。(現・江蘇省)潤州金壇の人。道教に帰依した。732年(開元二十年)〜789年(貞元五年)。
※画蝉:セミを描(えが)く。 *後世、 晩唐・杜牧は『題揚州禪智寺』で「雨過一蝉噪,飄蕭松桂秋。苔滿階砌,白鳥故遲留。暮靄生深樹,斜陽下小樓。誰知竹西路,歌吹是揚州。」とし、北宋・柳永は『雨霖鈴』で「寒蝉淒切,對長亭晩,驟雨初歇。キ門帳飮無緒,留戀處,蘭舟催發。執手相看涙眼,竟無語凝噎。念去去千里煙波,暮靄沈沈楚天闊。 多情自古傷離別,更那堪、冷落清秋節。今宵酒醒何處?楊柳岸、曉風殘月。此去經年,應是良辰好景虚設。便縱有千種風情,更與何人説。」と、零落を詠う。・蝉:〔せん;chan2○〕セミ。
※飲露身何潔:(大自然の)露(つゆ)を飲んでいて、身は何(なん)と清らかなことか。
※吟風韻更長:風にうたって、歌声は一層長い。 ・吟風:風月を見て、詩をうたう。 ・韻:歌曲。詩賦。声にして表現している詩。 ・更:さらに。一層。
※斜陽千万樹:夕陽が非常に数が多くの木々を(照らし出すので)。 ・斜陽:夕陽。 ・千万:非常に数が多い。
※無処避螳螂:(セミは、)カマキリから逃れるところは無い。 ・無処-:…(の)ようなところは無い。ところとして…ない。ところとして…なし。 ・避:のがれる。よける。さける。そらす。回り道をしてさける。 ・螳螂:〔たうらう;tang2lang2○○〕カマキリ。
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◎ 構成について
この作品の平仄は、次の通り。韻式は、「AA」。韻脚は「長螂」で、平水韻下平七陽。
●●○○●,
○○●●○。(韻)
○○○●●,
○●●○○。(韻)
2021.9.25 |
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