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帝子蒼梧不復歸, 洞庭葉下荊雲飛。 巴人夜唱竹枝後, 腸斷曉猿聲漸稀。 |
帝子 蒼梧に 復(ま)た 歸らず,
洞庭に 葉 下(お)ちて 荊雲 飛ぶ。
巴人 夜 竹枝を 唱ひし 後,
腸 斷つ 曉猿 聲 漸く 稀なり。
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◎私感註釈
※顧况:725〜814。蘇州の人。
※帝子蒼梧不復歸:帝子は、蒼梧の野で(夫の舜の崩御を嘆き悲しみ、湘江で溺死したので)二度とは帰ってこなかった。 ・帝子:堯の娘。娥皇と女英。共に舜の后や妃になった。 ・蒼梧:舜が崩じたところ。現代の広西省蒼梧県。 ・不復歸:二度とは帰らなかった。荊軻の「風蕭蕭兮易水寒,壯士一去兮不復還。」の用法と同じ。
※洞庭葉下荊雲飛:洞庭湖湖畔にアオギリの葉が散って、湖畔の国である荊の上に雲が流れて。 ・洞庭:洞庭湖。舜の崩御を嘆き悲しみ、湘江で死んだが、その湘江が注ぐのが洞庭湖。王勃に「洞庭張樂地,瀟湘帝子游。」とある。 ・葉下:葉が散る。 ・荊雲飛:(洞庭湖周辺の)荊の国に雲が飛んでいく。 ・荊:春秋時代の国名で、湖北省、湖南省一帯。
※巴人夜唱竹枝後:巴(=四川省東部の三峡一帯)の人々の、夜に竹枝詞を歌ったあとでは。 ・巴人:巴の人。四川省東部の三峡一帯に住む人々。
※腸斷曉猿聲漸稀:悲しげな猿の啼き声が、明け方近くなってようやくおさまってきた。 ・腸斷:断腸の思い。竹枝と猿の啼き声については、「寒猿閑鳥一時啼」など多い。 ・曉猿聲漸稀:明け方近くなって猿の鳴き声がようやくおさまってきた。
◎ 構成について
平韻一韻到底。 韻式は「AAA」。韻脚は「歸飛稀」で、平水韻上平五微。次の詞調はこの作品のもの。
●●○○●●○,(韻)
●○●●○○○。(韻)
○○●●●○●,
○●●○○●○。(韻)
2002.5.29 5.31完 2016.6.26補 |
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