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9200形の組み立て その3

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塗装の終わった台枠に、ギヤや車輪を取り付けて組み立てました。
8100形に比べれば不安定な部分が少ないので、一見簡単にことが進みます。
しかし、細かい部分の工作のいいかげんさは、着実に加算されて結果に現れました。

ギヤ軸のバリを取る

まず大ギヤ軸と小ギヤ軸の中央に出ているバリをヤスリで削り、表面を平らにしました。

このほか、4つのギヤの表面もよく見て、余分な突起が出ていたら削り取っておきます。ギヤの歯を傷めないように注意します。

組み立てる部品 組み立てる部品を並べたところです。
左右の黒い車輪座(D-1、D-2)の間に、ギヤやギヤ軸が入ります。大ギヤの向こう側には大ギヤカラーが入ります。
動輪軸穴の調整

動輪をD-1、D-2の軸穴に差し込んでみて、軽く回るようになるまで穴をヤスリなどで丁寧に整えました。広げすぎると逆効果ですし、軸穴を傷めると走行がガタついて失敗します。

集電も軸穴との接触によって行われますから、もし直径がちょうどよくても、塗料がついていればはがしておく必要があります。

中ギヤの取り付け ギヤ座(D-3)をはさんで、3個の中ギヤに小ギヤ軸を差し込んでネジ留めしました。
小ギヤが緩むと厄介なので、今回はタミヤのネジ止め剤を少量使用しました。
大ギヤの取り付け

大ギヤカラーをはさんで大ギヤを取り付け、同じようにネジ止め剤をつけておきました。

この写真を撮った時点ではまだ気付いていませんが、大ギヤを取り付けるネジを間違えています。
本当は、「m1.4×4コナベ」(長さ4mm)を使うのに、「m1.4×5コナベ」(長さ5mm)を使ってしまっています。
これでは、あとでテンダー台車を留めるネジが1本足りなくなります。

左右車輪座の結合 プラ製の絶縁ワッシャと絶縁ブッシュをはさんで、左右の車輪座(D-1、D-2)をネジ止めしました。
左右の軸穴がずれないように取り付けないと、車軸が斜めになってしまいます。
車輪座の隙間 このように左右の車輪座の間には隙間ができます。
絶縁ブッシュによって、ネジとD-2が接触するのも防がれています。
輪心の成型

動輪の取り付けです。
まず、説明書に従ってプラ製の輪心を棒ヤスリに差し込み、平ヤスリの上の1箇所で回転させて、周囲を少し削りました。
力を入れすぎると、スポークやリムが簡単に壊れてしまいます。

終わったら、真ん中の穴を棒ヤスリでさらっておきました。これを行うと輪心が無理なく車輪にはまります。直径2.5mmの棒ヤスリがあればちょうどよいです。

輪心の取り付け

輪心を動輪に差し込みました。あとで位相を合わせるときには、輪心を動輪の中で少し回転させて合わせるので、あまりはめ込みがきついようだと困ります。

さて、説明書では輪心をはめ込んでから動輪を圧入するように指示されていますが、そうすると車輪の表面が平らではなくなるので、駆動軸にまっすぐに圧入することが難しくなることがあるかもしれません。

車軸内側を削る 今回は動輪を駆動軸へ差し込みにくかったので、動輪の軸の穴の入り口付近を、内側からヤスリで少し広げておきました。
駆動軸を軸受けに置く

駆動軸の両側に車輪スペーサを差し込んでから、車輪座の軸受けに置きました。

「動輪は横動できる構造になっている」と紹介されていましたが、車輪スペーサが厚すぎて余裕がなく、私の作例では横動はほとんどありませんでした。
しかしスペーサが薄いと、駆動軸のギヤが中ギヤから外れそうです。写真を見てもわかるとおり、端のほうでギリギリ引っかかっている状態です。また横動が大きいと、第一動輪のクランクピンがスライドバー周辺に当たりやすくなります。

動輪を差し込む 左右から動輪を差し込み、軸受けの内側と車輪スペーサの内側を通すようにして、駆動軸に差し込みました。
先に輪心を取り付けた場合は、この時点で左右の位相を合わせておいたほうが楽です(右側90度先行)。
動輪を圧入

ある程度指で差し込んだら、万力でさらに圧入しました。その要領は説明書に詳しく書かれています。

なお、動輪の圧入が終わると、駆動軸を下側に抜き取ることができませんから、再び動輪を駆動軸から引き抜かない限り分解できません。
この際に駆動軸をちぎったり曲げたりする可能性が高いので、一度組み立てた動力の分解はできない(難しい)ということになっています。これはリニューアル製品で根本的に改良されました。

回転の確認 動輪を圧入し、輪心を取り付けたら、ピンセットで輪心を少しずつ回転させて位相を合わせました。
線路の上で転がして、軽く回転することを確認しておきました。
サイドロッドの取り付け サイドロッドをロッドピンで取り付けました。ロッドピンは小さいうえ、予備がないので緊張します。
あまりきつく取り付けすぎると回転がしぶくなりますが、第一動輪側はあまりゆるいとクロスヘッドにひっかかります。
回転の確認

軽く転がるかどうか確認しました。
引っかかるようなら、サイドロッドが曲がってどれかの輪心に当たっていないか、ロッドピンの差し込みがきつすぎないか、輪心の表面にバリが出ていないかなどを確認します。

なお、サイドロッドの穴を広げすぎると、ロッドピンの頭に引っかかって逆効果です。広げるときは左右に広げ、長穴にしていくのがよいようです。

前デッキの取り付け 別に組んでおいた前デッキをネジ止めしました。
ネジ1本で留めるので、まっすぐに固定するのが難しいと思います。下から見て、左右のスライドバーと動輪の間隔がだいたい同じになるように留めないと、どちらかのクロスヘッドが第一動輪ピンと干渉してしまいます。
クロスヘッドにメインロッドを取り付け

クロスヘッドの左右の穴を折り曲げ、クロスヘッドピンでメインロッドを取り付けました。
クロスヘッドピンは非常に小さいので、ピンセットの先に両面テープを巻いておくなどして、なくさないようにします。

説明書のようにクロスヘッドピンの先端をポンチで叩き潰したり、ヤットコでかしめたりして留めますが、固くつきすぎたり、あとで取れたりと難しい部分です。

リニューアル品では、クロスヘッドとメインロッドは組み立て済みになり、とても楽になりました。

クロスヘッドの取り付け クロスヘッドをスライドバーに差し込んで、ピストン棒を穴に通し、滑らかにスライドすることを確かめました。
なお、クロスヘッドの上部の穴の折り曲げは直角にしたくなりますが、浅めにしておいたほうがよいこともあります。第一動輪ピンとの間に余裕がないので、引っかかることがあるからです。
メインロッドの取り付け

メインロッドをサイドロッドの穴に重ねて、ロッドピンで留めました。

4軸ともギヤ連動されているので、すべての動輪の位相をきちんと合わせないと、サイドロッドを取り付けたとたんに動きが悪くなります。
サイドロッドの穴を広げれば多少は解決できそうに思えますが、ギヤのアソビによって、第一動輪と第四動輪の回転角度のズレは1mm以上にもなるので、それを吸収できるほど大きな穴はとても開けられません。

前後どちらかには滑らかに走るのに、逆向きだとぎこちないときは、位相の微妙なズレが関係していることがあります。

モーターの固定 モーターをモーター座(A-6)にネジ止めしました。モーターの向きを間違えると逆走するので、説明書で確認します。→いえ、モーター形状が説明書と異なることがしばしばあるため、実際に通電して確認するのが確実です。
このあとモーター座をキャブ床板にネジ止めしました。
モーターの配線 モーターを配線しました。
正極側のリード線は、車輪座(D-2)の一部にハンダ付けするので、塗装をはがしてから作業します。
すぐそばに熱に弱いブレーキシリンダーがあるので、溶かさないように十分注意します。
ウォームの固定

これで最後です。ウォームギヤをモーター軸に差し込み、エポキシ系接着剤で接着しました。

試運転 上廻りを乗せて試運転しました。幸い、この段階では調子よく動いていました。
この段階では(笑)。

機関車はこれでいったん終えて、テンダーに進みました。


●リニューアル品では…

連動方式などは旧製品と変わりませんが、小ギヤがプラ製になり、車輪が抜き取れる構造に変わっています。

ギヤを取り付けたところ

現在、ギヤは高精度ギヤと称するものに変わっています。
ギヤ軸のバリをヤスリで取ったりするのは旧製品と同じです。

メカステーの取り付け

左右の車輪座は、前後2箇所のメカステーで固定します。

一方のメカステーのフランジが、車輪座の上板に当たって持ち上げてしまったので、上板を削って当たらないようにしました。

※リニューアル第二弾製品では、この部分にあらかじめ切り欠きがあり、当たらないようになっています。

反対側の車輪座の取り付け

メカステーの平らな頭に絶縁ワッシャをはさんで反対側の車輪座を合わせ、絶縁ブッシュを通したネジで留めます。

※リニューアル第二弾製品では、メカステーの絶縁ワッシャとは反対側に、金属ワッシャを挟むよう説明書で図示されています。このため左右の車輪座の間隔が第一弾製品よりも少し広くなっているようです。

車輪押さえの仮組み

車輪押さえを仮にネジ留めしたところです。この軸穴に動軸が軽く入って回転しなくてはなりません。
説明書では、軸受けをφ2.5mmのリーマーか油目丸ヤスリでさらい、塗装をはがすように書かれています。方法は色々ですがともかく、本当に滑らかに転がるようにならないと、振動で動輪のどれかがいつもわずかに浮く状態になり、集電性能まで悪くなります。

リニューアル品は車輪を簡単に外せるので、軸受けを何度でも調整し直せます(どんどん削ってしまったらダメですが)。

動輪の圧入

動輪にはスペーサーなどを挟まず、単にギヤ軸に圧入すればOKです。

動輪のはめこみ

動輪を車輪座の軸受けに入れ、片側に寄せてギヤを噛み合わせてから、車輪押さえを車輪座と車輪の隙間に差し込んで取り付けます。

レールに乗せてカタカタいうようなら、4つの車軸が平行になっていないので、左右のメカステーのネジを少し緩めて上からレールに軽く押し当て、締め直します。

輪心の取り付け、ロッド類の取り付け要領は旧製品と同じです。ただリニューアル第一弾製品は旧製品に比べて動輪の左右移動が大きいので、第一動輪クランクピンとスライドバー、クロスヘッドとの干渉がとても起きやすいです。 私は仕方なくスライドバーを外側に押し広げるようにしていますが、あまり格好のいいものではありません(説明書のとおりに組んだ場合ですが、リニューアル第二弾の三菱茶志内9217号では動輪の左右移動量が減っていました)。また新旧によらずスライドバーの後ろは宙ぶらりんのため、取り扱いの際に曲げたりしないよう要注意です。


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